パッヘルベル 「カノン ニ長調」

2006年8月 5日

ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel 1653-1706)による「カノンとジーグ ニ長調」の第一曲。パッヘルベルはバロック時代のドイツを代表するオルガンの大家。「カノンとジーグ」はエルフルトの教会でオルガニストを務めていた1680年頃に書かれたとされている。もともとは3つのヴァイオリンと通奏低音という編成だったが、現在では普通弦楽合奏と通奏低音によって演奏される。

カノンとは厳格な模倣によるポリフォニー(多声音楽)の形式を指す。ある声部が奏でた主題を他の声部が時差をおいて模倣していくことでポリフォニーが構成される。合唱で行われる輪唱もこの一種。

この「パッヘルベルのカノン」は通奏低音で主題(階名でいうと(上の)ド・ソ・ラ・ミ・ファ・ド・ファ・ソ)が28回繰り返される。その上を3部のヴァイオリンが同じ旋律を時差をおいて演奏する。その巧みに構成された合奏のもたらす愉悦感は比類のないもので、ポリフォニーの持つ音響的効果が見事に活かされている。今日最も人気のあるバロック音楽の一つといっていいだろう。

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コメント

弦の低音によるシンプルな旋律から始まり、それを高音が追いかけ、
徐々に深みのある旋律へと変化してゆく様は、聴いていて美しく心が
洗われるようですね。あの有名なフレーズは一瞬の間だけですけど、
これがまたイイですし、そこに来るまでのゆったりした旋律がとても
癒されます。またそこを過ぎたあとも、名残り惜しむかのようにそれ
に似た旋律がしばらく続きますので、この音楽にずっと浸っていたい
という気持ちにさせてくれます♪

-> にゃお10さん

いつ聴いても新鮮な感動を覚える名曲ですよね。精緻に組み立てられた構築美はロマン派の音楽にはない魅力を感じます。サビ(といっていいのかわかりませんが)の部分へ向けての盛り上がり方、そこからのゆるやかな下降の仕方もよく考えられていて自然な抑揚が心地いいですね。

これまでロマン派を中心に親しんできたのでバロックはあまり詳しくないのですが、もっと奧まで足を踏み入れれば魅力ある音楽にたくさん出会えるのだろうなと思わせられます。

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