川嶋勝重 ミハレスに判定で敗れる

2006年9月19日

昨日行われたWBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦は川嶋勝重クリスチャン・ミハレス判定で敗れ、王座奪回はならなかった。


川嶋は一発狙いの手数の少ない単調なボクシングで、破壊力はないものの小さなパンチを確実にヒットさせるミハレスにペースを握られてしまった。2Rのダウンを奪ったパンチは見事だったが、ペースをつかむには至らなかった。あれだけのパンチ力を持ちながらそれを活かせずに終わったのはいかにも惜しい気がする。本人も認めるように気持ちだけで技術が伴わないボクシングの限界というところだろうか。

ミハレスは相手にダメージは与えなくとも細かいパンチを当ててペースをつかみながらポイントを稼ぐというアマチュア的な発想のボクシングスタイル。見ていて壮快さはないものの技術には確かなものがあった。今後徳山との対戦が実現するかどうかも注目される。


この試合のもう一つの注目点は解説のガッツ石松氏がラウンドごとの独自採点を公表するということだった。以前はボクシング中継というと解説者の独自の採点を紹介するのが普通だったのだけど、試合を盛り上げるために色がつけられることが多く、あれをまともに信じてはいけないというのが見る側の鉄則だった。紛らわしさをなくすために最近では解説者による採点は行わないようになっていたようだ。

先月の亀田戦が判定を巡って紛糾したのをきっかけに、今回はその時亀田勝利とした判定を批判したガッツ氏が厳正な採点を公表するということが事前に発表されていた。これは評価できる試みだと思う。

私も見ながら独自に採点をしてみたのだけど、ほぼガッツ氏と同じだった。唯一違ったのが5R、長谷川穂積と見解が別れたラウンドだった。私も長谷川と同じくここはミハレスにつけた。よって私の採点では3ポイント差でミハレス勝利だった。

川嶋の方が一つ一つのパンチが重く、その点を重視すれば川嶋勝利という採点でもおかしくなかったし、実際一人のジャッジはそうしていたが、2ー1のスプリットディシジョンでのミハレス勝利という結果は妥当な採点だったといっていいだろう。試合内容もよかったし、結果も納得のいくものだったので気持ちよく観戦することができた。


最後の二つのラウンドのインターバルが短すぎないかと思っていたらやはり録画だったようだ。本当は見終ってすぐ更新しようと思っていたのだけど、この点の確認がとれなかったので今日になってしまった。ボクシングのタイトルマッチが録画放送というのはあまり例がなかったように思う。いい内容の放送だったのにそこだけは残念だった。

ここ数年はボクシングからは気持ちが離れてしまっていたのだけど、例の亀田戦以来またボクシングへの関心が復活してきてしまった。ほかにも私のような人が少なくないだろうことを考えると、亀田一家の存在自体はボクシング界にとって悪いことではないと思う。

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コメント

接近戦の見ごたえのある試合でしたね。川嶋がダウンを取った時はいけると思ったんですが。。。納得の内容でした。

-> アキラさん

あのパンチは相当ダメージがあったはずなのでリズムが変わるかと思いましたが最後までミハレスのペースでしたね。あれが生涯初のダウンだそうなのでよほど打たれ強いのでしょう。

川嶋も力を出し尽くして納得の引退のようです。さわやかな引き際でしたね。

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