フランス大会2006 女子シングル SP

2006年11月18日

豪華な出場者で注目されたこの大会、各選手が実力を発揮して大きな波乱のないスタートとなった。上位陣の顔ぶれは概ね予想された通り。キミーのジャンプ失敗だけが予想外だった。

ヨナさんと安藤さんの差はわずかで、優勝争いはこの二人に絞られたといってよさそう。フリーの出来のいい方が勝利をおさめることになるだろう。


ジョアニー・ロシェットさん

放送されなかったカナダ大会のSPではジャンプにミスがあったそうだけど、今回はノーミスにまとめてきた。ディダクションが1点ついているのは最後少し音楽に合わずに遅れてフィニッシュしていたので時間超過をとられたのだろうか。


ヴァレンティーナ・マルケイさん

音楽はビゼーのメドレー。ルッツからのコンビネーションジャンプを成功させたので調子にのるかと見ていたら次にフリップの予定をよりやさしいサルコウに変更するもあえなく転倒。アメリカ大会に続き冴えない演技。


スザンナ・ポイキオさん:One

冒頭ダブルアクセルでいきなりのオーヴァーターン。調子が悪そうだな、と思って見ていると続くジャンプをことごとく失敗。アメリカ大会はなかなかの演技で楽しませてくれたのに残念だった。


安藤美姫さん:シェエラザード

6分間練習でもルッツからのコンビネーションやフリップを軽々と成功させ調子はよさそう。本番でも全ての要素をノーミスでこなし充実の演技。このプログラムはすでに滑り慣れているようで動きに余裕が感じられる。欲をいうと本人も認めていた通りスピードにややとぼしく躍動感に欠けるところがあったかも知れない。氷がやわらかいという情報も伝わってきておりあるいはそうした影響もあったのかも知れない。


キミー・マイスナーさん:スヴィリドフ スノーストーム

3回転–3回転を予定したルッツでまさかの転倒。ほかは大きなミスがなかっただけにもったいない。ジャンプは得意な選手なのに魔がさしたというべきか。輸送のトラブルでアメリカ大会の時に着ていた白い衣装を紛失し、急遽黒の衣装を間に合わせたそうで、そうしたことも演技に影響していたのだろうか。不本意なスタートになってしまった。


アンヌ・ソフィー・カルヴェスさん

冒頭トリプルトウループ–トリプルトウループのコンビネーションを成功。次に跳んだのはループで成功はしたけどここでループというのは少しもったいない気がする。ベテランだそうだけど初めて見る選手。なかなか雰囲気のある演技を見せてくれた。


キム・ヨナさん:ムーラン・ルージュ

3回転–3回転のコンビネーションジャンプを含めてノーミスの演技。ただ安藤さんと同じで少し滑りに伸びやかさが足りない印象も受けた。コンビネーションのセカンドジャンプは安藤さんのループに対しヨナさんはトウループ。この部分の難度では劣るのに安藤さんをTESで上回った理由はよくわからない。ただSP1位に相応しい見事な演技だったのは間違いない。カナダ大会では後半崩れてしまったフリーでどれだけ本来の力が出せるかが注目される。


ところで放送の解説が伊藤みどりさんだったのだけど声にいつもの元気がなかったようで少し気がかり。少し前にショッキングなニュースが伝えられて心配していたのだけど、あの"みどりスマイル"の復活にはもう少し時間がかかるのだろうか。

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コメント

 足フェッチなので(笑)、キムヨナさんの加点の高さ、納得しました。ジャンプのとき両足がすらりとして並んでるし、回転も十分だからトッと綺麗なランディング。スピン(特にレイバックスピン)もシュルシュルと同じ軸で回転してて、氷を見ると点に近いような綺麗な円ができます。フリーの演技、注目です。
 ただ、sergeiさんのご指摘とおり、安藤さんが、3ルッツ+3ループという難度がとても高いジャンプを飛んでいるのに、キムさんが3フリップ+3トウループ。そして次に飛んだジャンプ(安藤さんが3フリップ、キムさんが3ルッツ)と合計すると、基礎点では1点のリードしかできないところに、新採点方式のいびつさがありますよね
(安藤3Lz+3L0,3Fで16.5、 キム3F+3T,3Lzで15.5)。難度の高いジャンプを成功させたんだから、加点はともかく、基礎点はもっと高くして欲しいです。
 逆に言うと、形の綺麗なジャンプで加点を狙えるキムさんは、加点にメリハリがついてきた今シーズンは、今後も有利な展開でしょう。荒川さんが今シーズン出場してたら、トリノよりも高得点出してたんじゃないかな。はぁ〜。
 安藤さんは、今回は加点を抑えられちゃいましたね。でも、安藤さんは、ジャンプ、スピンだけじゃなく、スパイラル、ステップと4拍子揃った選手なので、これから技を磨いてくれば、4回転がなくても優勝できると思いますが、どうなるでしょうか。

-> やまぼうしさん

コンビネーションジャンプの基礎点は単純な合計なんですよね。二つ目以降にはファクターがかけられるようなことがあってもいいような気がします。そうすれば二つ目に難しいトリプルループを跳んだことが報われると思うのですが。

ヨナさんはフリーでもたくさん加点をもらいましたね。今後もこの傾向は続くでしょう。そうすると真央ちゃんはますますステップからのトリプルアクセルにこだわらなくてはならなくなるのかな? 何だかやはり手ごわい存在ですね。

安藤さんは今回はやはり腰の具合が結構深刻なのかな、と思いました。その中でもよくやったと思います。4回転なしでも優勝する力は十分あると思いますが、やはり4回転は点数計算云々以前に本人のプライドの問題なのだと思います。そのことが彼女のモティヴェーションにもなっていると思うので、いつかはまた跳びたい、という思いを胸に秘めているのはいいことなのではないでしょうか。

荒川さんのトリノでの演技は今の基準で加点されたらあんな点数では済まなかったでしょうね。ジャッジとの戦いに散々苦労していたのが少し気の毒に感じられますね。

 コンビネーションジャンプの二つ目のジャンプにファクターをかけるって名案ですよね。(コンビネーションジャンプの基礎点が単純な合計って3Lz+3Loが3Lzの6.0と3Loの5.0とを単純に合計した11.00になっているという意味ですよね)。ISUに教えてあげて下さい(笑)。
 「表現力」では安藤さんのシェエラザードが評価高いですよ。プログラム構成点(PCS)の「演技力」、「振付」、「音楽との調和」のとこです。高難度のジャンプを決めて、演技力も評価が高いのに、総合点ではキムヨナさんに負けてるというのは、納得いかないファンがほとんどだろうなぁ。私も安藤さんのシェエラザードは名演と思います。
 真央ちゃんはトリプルアクセルがあるし加点が期待できる綺麗な技なので、私は、難しいステップをトリプルアクセルに付けなくても優勝できると思いますけど。。。付ければぶっちぎりで勝ちますね。
 安藤さんの4回転、満を持して、体調がいいときに、4回転しっかり回り切る、文句のつけようがないのが見たいです。

-> やまぼうしさん

単独のトリプルループとコンビネーションの二つ目に跳ぶトリプルループが全く同じ評価になるというのは少しおかしい気がしますよね。でもあんまりファクターを大きくすると3回転−3回転のコンビネーションのない選手は全く太刀打ちできなくなってしまうようなことにもなりかねないし、得点のバランスをとるのって本当に難しいですね。

フリーでヨナさんの方が高い点が出たのは納得がいくのですがSPはやはり見た目の印象としては安藤さんの方がよかった気がしますよね。すでに滑り慣れている感じがして完成度の高い演技だったように思います。

4回転は今の力からすれば"いちかばちか"的な入れ方はしない方がいいでしょうね。練習で感触を確かめながら冷静に判断して欲しいところです。

私も真央ちゃんはトリプルアクセルの前のステップはなくても勝てるはずだと思うのですが、本人の執拗なまでのこだわりを見るとヨナさんへのライバル意識の表れなのかな、と考えさせられます。女の子同士の間で散る火花というのも激しいものがありますね。

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