四大陸選手権 TV放送を見て

2007年2月19日

昨日深夜に放送された四大陸選手権について簡単に感想を記しておきたい。


恩田美栄さんは持ち味の高く力強いジャンプを見せてくれた。表現のことを考えずにジャンプを成功させることに意識を集中させていた、と語っていたのでそれが功を奏したのだろう。中盤にミスも出てしまったが本人は力を出し尽くしたという充実感に満ちていたようでよかった。今後のことは世界選手権が終わってから決めるそうだけど、現役最後になるかも知れない大会で満足のいく演技ができたことを祝福して上げたい。

澤田亜紀さんも持ち味の元気一杯の演技を披露してくれた。総合4位は素晴らしい快挙。濱田コーチも大喜びしておられてよかった。フライングシットスピンは今後の課題ということになるだろう。


ジェフリー・バトル選手は今シーズン初めて演技を見た。怪我でグランプリシリーズを欠場しており状態が心配されたが持ち味の美しいスケーティングは健在で、ステップワークなどは以前よりも華麗さを増しているように思った。この選手は個人的には滑りがきれいなことはきれいなのだけどいささか表現が淡泊でさわやかに過ぎるように感じて不満を覚えることが多かった。しかし今回見るとなかなか情感にあふれていて表現に深みが増してきているように思った。ジャンプの構成はマイスナーさんと大差がなく男子としては物足りなかったが、世界選手権までにはもう少しコンディションを上げてジャンプの難度も高くしてくるのではないかと思われる。

エヴァン・ライザチェク選手は4回転–3回転のコンビネーションジャンプを軽々と成功させ、これが本当にあのライザチェクなのか、と驚かされる。オリンピックシーズンに使用したプログラムを翌シーズンも滑るというのはあまり誉められたことではないが、4回転–3回転のコンビネーションが決まるとなるとプログラムの印象自体も変わってくる。元々この「カルメン」は単に有名曲をつなぎ合わせたような編集で、原作のストーリーを再現しようといった意図は感じられないのだが緩急のメリハリのつけ方がとてもうまく、演じている本人がのりやすいばかりでなく観客との一体感も作り出せる優れたプログラムである。これほど4回転ジャンプに安定感があれば世界選手権の優勝候補として最有力といっても過言でないだろう。日本の高橋大輔選手にとっても怪我をしてしまったというジュベール選手にとっても手強いライバルとなりそうだ。


時間の都合上楽しみにしていた選手の多くが残念ながら放送されなかった。シズニーさんや申&趙組などはダイジェストもなかった。もう少し時間を確保してもらいたかったところ。

現役最後の試合となった神崎範之選手もダイジェストのみ。さぞかし万感の思いがこめられた「オペラ座の怪人」になったことだろう。またしても濱田コーチからご褒美の抱擁を受けていたが最後の試合ということなので許してやることにする。

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コメント

メンバーが豪華になったのですし、深夜と言う時間なので多少の時間延長は可能なのではと思うので、残念でした。ペアの新旧世界チャンピオンがダイジェストさえなし、日本勢最下位とは言っても、良いところもあったはずなのに、南里選手はジャンプの失敗のみを映すというのもどうかと思いますし。まあ、地上波放送について文句を言っても仕方ないので、話題を変えますが、女子と男子では上位2人の表情が対照的だったのが印象的でした。女子は、今持っている力はほぼ出せたと言う印象だったのに対し、男子の2人は自分のベストからはほど遠いと言う感じの上に、評価も低いのでは?と感じたのではと察します。

-> モモさん

せっかくなのでもう少し多くの選手が見たかったですね。日本男子がいずれもダイジェストではファンの方はがっかりされたのではないでしょうか。

マイスナーさんもエミリーも力は出し切ったという感触があったのでしょうね。ライザチェク選手は全米があまりにも素晴らしい出来だったのに比べると四大陸では連戦の疲れや高地でのスタミナ消耗のせいもあって自分のベストではなかった、という思いがあったのかも知れませんね。バトル選手は怪我からの復帰に向けて一歩一歩階段を上がっているという状況でしょうか。ワールドではもっといい状態に仕上げてくるのではないかと思います。

例年になく豪華メンバーがそろって見応えのある大会になりましたが、日本は来年から選手派遣の方針をどうするのでしょうね。そのことも気になります。

CSで見直しましたが、やはり解説が違いますし、ショートから放送してくれていたので、印象は違いました。シズニーさんは、相変わらずジャンプが苦手なようでしたが、スピンやスパイラルではすごく光っていました。おそらく出場選手で一番良かったんじゃないかと思います。加点もかなりあったようですし。解説者の方もおっしゃってましたが彼女がジャンプを確実に決めれば、マイズナー選手やユナ選手
以上に、日本女子にとっては強敵になると思います。

来年以降の日本からの派遣基準がどうなるか分かりませんが、より多くの選手を国際大会に出場させることで、日本選手全体のレバルアップにもつながるということになると思うので、どうなんでしょうか。恩田さんの、「これで最後かもしれないと思ってやった。自分に出来るだけはやりました。」と言うコメントが印象的でした。

話は変わりますが、ワールドの優勝者予想(まずは12日まで男子です)やってますので、よろしければまたお願いします。5つまでしかないので、最後の一つを「その他の選手」と言う項目にしたかったのですが、やはりあのメンバーの中の誰かだと思いますし、大輔君と織田君はまとめたくなかったので、あのメンバーになりました。

-> モモさん

シズニーさんは全米の時の動画を見たのですが、長い手足をいかしたしなやかな表現に一層磨きがかかったいたように思いました。この時はジャンプも成功していたのですが、相変わらず安定しませんね。でも一番大事な大会でいい演技ができて、世界選手権に来られることになったのはよかったです。

選手派遣の方針決定は難しそうですね。より多くの選手に国際大会の経験をさせることで選手層が厚くなるという面もあるでしょうし。連盟も悩むところかも知れません。

投票始まったのですね。よく考えて後ほど参上します。優勝候補の中に日本選手が堂々と名を連ねているというのはうれしいですね。"外回り"のし過ぎで体力を消耗しなければいいのですが。^ ^

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