「N響アワー」ベストソリスト2006
2007年3月18日
今日の『N響アワー』はN響会員が選ぶ2006年のベストソリスト10人の発表。最初の方はちゃんと見ていなかったのだけどなかなか楽しかった。簡単に感想を記しておきたい。
エレーヌ・グリモーさん バルトーク ピアノ協奏曲第3番 第1楽章
内省的でありながら洒脱な味わいも聴かせるという困難な二つの課題を苦もなく両立させていた。音色に香り立つような華やかさがある。あまりよく知らない曲だけど楽しんで聴けた。横顔の美しさには陶然となってしまう。
クリスティアン・テツラフさん ブラームス ヴァイオリン協奏曲 第3楽章
端正でクールな外見に似合わぬ熱演だった。ただ音色があまりきれいに聴こえなかった。
ザビーネ・マイヤーさん モーツァルト クラリネット協奏曲 第2楽章
バセット・クラリネットによる演奏。ところどころにこの楽器ならではの朴訥とした低音の響きが聴かれる。大好きなこの楽章、やはり聴いていると癒される。音色も歌い回しも素晴らしかった。私の好みからするとテンポが少し速かった気がする。
庄司紗矢香さん ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 第3楽章
庄司さんの演奏はこれまで何度かTVで見たことがあるのだけどいずれもプロコフィエフみたいな小難しい曲ばかりだったので、こうしたポピュラーな名曲を聴けたのはよかった。華奢な外見から受ける印象に似てやや神経質な感じのする演奏かな、と思った。もう少し音色にふくよかさがあるとよかったと思う。それにしてもベートーヴェンはこういうロンド風の主題を作るのは天才的にうまいな、と聴く度に感嘆する。ノリントンさんの指揮は気のせいかも知れないがアクセントの置き方にやや癖があるように感じた。
いろんなソリストの演奏が聴けて楽しかったが、ひいき目もあるだろうけど私にはやはりグリモーさんの演奏が一番聴き応えがあった。豊かな音楽性とあのエレガントな美しさにはますます惹きつけられてしまう。
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