世界選手権 ペア SP
2007年3月20日
中野友加里さんの選手宣誓で始まった世界選手権。まずはペアのSPから感想。
張&張組
要素を一つ一つ丁寧にこなしているという感じで、彼らならではの豪快さがあまり感じられなかった。ただ目に見えるはっきりとしたミスはなかったので、点数があまり伸びなかったのは意外だった。ディダクションが2点あるがその理由はわからない。
龐&佟組
期待はしていたけど今シーズンは前半をずっとお休みしていたのでどれくらいできるか全く予想のつかなかったディフェンディング・チャンピオン。想像していたよりずっとよかった。スケーティングにのびやかさがあり、見惚れてしまう演技。これだけできるのなら当然メダル争いに加わってくるはず。
サフチェンコ&ショルコヴィ組
難度の高い技を詰め込んだ高度なプログラムを見せてくれた。高い身体能力が持ち味のペアで、一昔前の中国ペアを見ているような印象がある。もう少し情感を感じさせてくれるような演技だとなおいいのだけど。
井上&ボールドウィン組
得意のスロー・トリプルアクセルは残念ながら転倒。助走からややスピード感がなかったので無理そうだな、と思ったらやはりうまくいかなかった。それでも息の合った演技で魅了してくれた。サイドバイサイドのソロスピンの同調性は一番よかったのではないかと思う。
川口&スミルノフ組
ペア王国のロシア代表に急遽決まった川口悠子さんとアレクサンドル・スミルノフ選手の日露合同ペア。全体にバレエの素養を感じさせる身のこなしが素晴らしかった。先輩格のぺトロワ・ティホノフ組を上回る成績は実に立派の一言。活気のあるロンド主題のところにスパイラルを持ってくるなど振り付けにはやや問題があったような気がする。それでも人材難に苦しむ王国ロシアの救世主になりそうな予感は十分感じさせた。
申&趙組
技の力強さ、正確性、豊かな情感、どれをとっても素晴らしいの一言。ほかのペアとは別格だった。未だにパーソナルベストを更新できているというのに辞めてしまうのはやはりもったいない気がする。
ぺトロワ&ティホノフ組
息の長いペアで、この二人を見ないと世界選手権という感じがしない。細かいミスが出てしまって点数は冴えなかった。それでもこのペアらしい情感のある雰囲気は出ていたと思う。
もう毎回のことなのでいちいち言いたくないが、女子シングルの予告の合間に競技の様子を紹介するような放送のあり方にはほとほとうんざりする。某アナウンサー、「1988年のアルベールビルオリンピック」「1992年のリレハンメルオリンピック」「ふぎょうふくつ(不撓不屈?)」と言っているように聞こえたのは気のせい?
追記:21日18時10分
張&張組のディダクションはリフトでの回転数の超過の模様。点数が低かったのはディダクションに加えてリフト自体が0点となってしまったためらしい。確かにあのリフトは見ていて「あれ、いつもより余計に回っているのでは?」と思った。自分の観察眼も案外捨てたものではないな、とちょっと自信になった。
コメント
こんばんは。気を取り直して、今日は演技を観るのに集中しました。
ジャン&ジャン組のディダクションは、私もどうしてなのかなあと思っています。もともと、ペアについては新採点になってからルールを全然勉強していないせいもあるのですが・・・。あと、最近気になってきたのですが、ソロスピンがぴったり揃わないペアが多いような気がするのですよね。新採点になって、スピン途中でチェンジエッジなどをしているせいなのでしょうか??気になって仕方がありません(^^;;
-> みゅりえさん
こんばんは。フィギュアスケートに集中することでうまく気を紛らせられたらいいですね。
私もペアは詳しいことはわからなくて、ほとんど見た目の印象だけで書いています。(シングルならちゃんとわかるのかといわれるとそれも怪しいですが…。)ジャン&ジャン組のディダクションは謎ですね。私の行きつけのブログにも情報が上がってきていないようです。おそらく八木沼さんもわかってなかったのではないでしょうか。
確かにソロスピンの同調性は以前にくらべると精度が悪くなっている感じがしますね。一昔前はトップクラスのペアなら寸分の狂いもなく合っていたような気がします。レベルを上げるために難しいことをやっているせいかも知れませんね。シェン&ツァオ組でさえちょっと怪しい感じでしたよね。
それからこれは今に始まったことではないかも知れませんが、デス・スパイラルをみんなバックアウトでやっていますよね。難度が高いのはわかりますが、インサイドの方が格段に美しいので見る分には幾分か興醒めしてしまいます。スポーツですから仕方ないのですけど、このあたりはルールの設定の難しさを感じます。
まだ起きています。そろそろ寝なければ(^^;。解説の時点で何のコメントも入らなかったので、おそらくすぐには分からないような減点だったのかもしれませんね。自分は、タイムオーバーかなと思って、時間を計ってみたのですが、ギリギリセーフではないかと思ったのですよ。それにタイムオーバーだとマイナス1のはずですし。他になにかあったのかもしれませんね。いずれにしろプロトコルが出るまで分かりません・・・。
デススパイラルのバックアウトは、私も気になっていました!きっとその方が点がとれるからなんだろうなあ、と思いつつもやはり、インで回った方が、足が落ち着いて見えて見た目はキレイだと思います。フォアアウトは見栄えが悪からあまりやらないというのは何かの本に書いていた気がするのですが、私はバックアウトもあまり美しいと思えないですねえ。こればかりは仕方がありませんが。
続き。
すみません。私は勘違いをしていたようです。バックアウトの方が難しいくて点数を貰えるからみんなやるのかなあと思っていたのですが(アウトの基礎点の方が高いのはそれはそれとして)、ショートプログラムに関してはそういう理由じゃないのですね。ペアのショートプログラムのエレメンツとして、「今年のデススパイラルはバックアウト」と義務づけられているのを知りました。一昨年前のシーズンはバックイン、昨シーズンはフォアイン、今シーズンはバックアウトのようです。しかし、やはりフォアアウトが見栄えが悪いとうのは本当のようで、どのシーズンの必須要素にも入っていませんでした(^^;
-> みゅりえさん
ジャン&ジャン組のディダクションはリフトの回転数超過のようですね。確かに見ていてちょっと回り方がいつもより多くないかな、と感じました。
SPのデス・スパイラルはシーズン毎に決められているのですか、私もみゅりえさんと同じ勘違いをしていました。それでみんな揃いも揃ってバックアウトなんですね。
今日の観戦、無事楽しめておられますでしょうか…。
ペア、ショートは見られませんでしたが、フリーは観戦しました。
シェン・ツァオ組は、総立ちの演技、感激です。
井上・ボールドウィン組、満身創痍の出場だったんでしょう。ジャンプは残念だったけど、雰囲気のあるいい演技でした。。井上さんは、雪さんと同じように、存在感ある素晴らしいスケーターになっていました。感涙です。メダルをあげたい。
書きたい人たちはほかにもたくさんありますが、とにかく、男子の熱戦のあと、多くファンが残ってペアを応援し、歓喜し、心に刻みこまれる素晴らしいゲームとなりました。
-> やまぼうしさん
シェン&ツァオ組、有終の美を飾りましたね。ベテラン二組が棄権してしまったのが残念でした。特にドロタさんは号泣していたとのことで、胸が痛みます。また後ほど感想を書くつもりです。