ジャパンオープン2007

2007年4月29日

去年に引き続き開催されたフィギュアスケート地域別対抗戦「JAPAN OPEN 2007」は日本の2連覇となった。参加選手の構成が日本のみアマチュアのトップ選手だったので順当な結果だった。全体にミスの多い演技が目立ったのは残念だった。この時期にシーズン中と同じ構成のプログラムをミスなくこなすのを要求するのはそもそも無理なことなのだけど、やはり少し物足りない感じがしてしまった。試合形式とはいえシーズンオフのお遊び大会なのだから、選手のみなさんには少しプログラムの難度を下げてでも見た目にクリーンな演技ができるよう心がけてもらった方がファンサービスのイベントとしては盛り上がったという気がする。まだ2回目ということもあり大会の方式などは試行錯誤という面もあるのだと思う。この時期にエルドリッジさんのような往年の名選手から現役のトップ選手まで一堂に会して競い合うというのはとても貴重な機会なので、今後もシーズンオフの目玉企画として定着していって欲しい。


一番充実した演技を見せてくれたのはやはり安藤美姫さんだったと思う。フリップでの転倒があったとはいえ密度の濃いプログラムをこなし女王の風格を感じさせた。ビールマンスピンができるまで肩の状態が改善していることには安心した。思えば昨年のこの大会でいい演技ができたことがその後の復活への足掛かりにもなった。また来シーズンに向けていいスタートが切れるのではないだろうか。


浅田真央ちゃんはいきなりトリプルアクセルを成功、と思ったらスロー再生で見ると回転不足のようだった。後半にはルッツとフリップで転倒するなどらしくない演技だった。インタビューを聞くとどうもスタミナが切れてしまっていたようだった。まあこの時期なのであまり気にすることはないのだけど、負けず嫌いの真央ちゃんのことだからやはり内心悔しいのかな? でも2連覇を達成できたことだし胸を張って欲しい。フリップが"リップ"気味に見えたのが少し気になった。


男子ではジェフリー・バトル選手の演技が最も印象に残った。今シーズンは怪我のために後半だけの参戦になり物足りなさが残ったが、このところ持ち前のさわやかさに深みが加わってきているように思う。音楽表現には定評のある選手なだけにこれからの更なる活躍が期待される。


本当は一人一人について感想を記したいのだけど、このところ気分が落ち込んでいるので(事情はお察し下され)このくらいにしておく。ヨナさんのガラへの出場が取り止めになったことについても毒づいておきたいところではあるのだけど…。

追記:30日23時50分

またしても「キム・ヨナ」の検索で訪問される方が増えているようなので…。

ヨナさんがガラへの出場ができなくなった事情についてはまりりんさんが解説されているので一読をお薦めしたい。

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コメント

>思えば昨年のこの大会でいい演技ができたことがその後の復活への足掛かりにもなった。

そうでしたね。体型もシェイプされていい演技をしていましたね。
あれから1年たったのですね。
これからもますます技に磨きをかけて、表現力ももっと身につけて、女王の名にふさわしい演技をしてくれることを期待しています。

-> tattiさん

去年のこの大会はとても心配しながら安藤さんのことを見ていたのを思い出していました。予想をはるかに超えていい演技だったので立ち直ってくれそうだな、と感じたものでした。今回は女王に相応しい貫禄も感じられましたね。もう心配しなくても大丈夫かな、と思っているところです。

はじめまして・・・
初生観戦してきた者です。皆さんお疲れ気味で最初は期待して多分「えーー」と肩透かしくらったような感じでしたが後からは楽しめたかな?って感じにかわりました☆ところでマオちゃんはルッツにしてもフリップにしても左軸足がアウト→インって感じになりませんか?前からどうして「クニッ」て感じになるのかな〜?と素人ながら見てたんですがこちらのブログで飛び分けの項目を拝見させていただき、これがいわゆる「フルッツ」「リップ」ってものなんでしょうか?これくらいは許容範囲なんでしょうか?飛び分け出来ると言われているロシェットと見比べるとよく分かりますよね?ロシェットは本当にフリップはインサイド、ルッツはアウトサイドでジャンプに入ってました・・・

-> hanaさん

はじめまして。コメントありがとうございます♪

生観戦お疲れ様でした。ほとんどの選手が本調子からはほど遠い演技でしたけど、やはりこれだけの豪華な顔ぶれが揃うのはファンにとってはうれしいですよね。


俗にルッツがインサイド気味になるのを"フルッツ"といい、フリップがアウトサイド気味になるのを"リップ"というようですね。私もどのくらいまでが許容範囲なのかよくわからないのですが、この二つのジャンプにおけるエッジの使い分けの曖昧さはGOEに反映されるのが現状のようです。

確かに真央ちゃんのルッツはややフルッツ気味ではないか、ということが指摘されているようですね。このことでGOEで減点されたり、加点をもらえるはずが相殺されてしまったりということがあるようです。ヨナさんがトリプルアクセルなしでも真央ちゃんと拮抗する成績を上げられているのはこのあたりに理由があるみたいですね。

フリップの方は普段しっかりとインサイドに乗ったきれいな踏み切りをしているはずなのですが、この日に関しては私の目にはややアウトサイド(つまり"リップ")気味だったように見えました。スロー再生で目を凝らして見ないとわからないようなあらさがしはしないで見るのが習慣なのですが、この時は最初に見ていて一瞬「あれ、ルッツだったのかな?」と錯覚するくらいいつもと違ったおかしな踏み切りをしているように見えたのでした。この時期ですからきっと本調子でなかったのでしょう。


私も全くの素人ですので、あくまで一つの参考意見として読んで下さいね。今後ともどうぞよろしくお願いします。

Dotaさん、みゅりえさん、長野のK嬢さんのところでもお見かけし、このブログもチェックさせていただいておりますが、初めて書き込ませていただきます。

主催者が意識したかどうかはともかく、アマ・プロ合わせて滑り自体が最も綺麗なエルドリッジ、バトル、小塚の競演は私には壺でした。ガラのみ天井桟敷からの鑑賞でしたがこの3人の滑りは堪能させていただきました。女子も真央、キム、佐藤で魅せていただきたかったなというのが、望外の妄想でした。

時期的な問題はありますが、触れられているとおり昨年は安藤・高橋選手の再起のきっかけになりましたし、今年も織田・小塚選手の良いきっかけになると確信しております。海外組にとっても2万人弱の会場を埋め尽くす前で演じられるのは世界中でここしかないということで、親日派ということもあり、大変良い経験と満足感を味わえたのではないでしょうか。昨年COIで来日したサーシャもここの半分ぐらいの会場がSOLD OUTになったことを喜び、びっくりしていたのが思い出されます。問題は確かにあるのだとは思いますが、若手現役とプロの競演で是非とも続けていただきたいイベントです。

キム選手の問題はご紹介のサイトで新聞記事を読み、双方の言い分はわからなくもないところですが、IBとIMGが良い形で和解して主要イベントに参加できるよう解決してほしいものです。真央同様キムも自国だけではなく世界の宝ですから。最後に、キム選手の昨シーズンのエキシは私の応援する中野さんのものに匹敵するものだったので、欠場はほんとに残念でした。

-> TOさん

はじめまして。お名前は各所でお見かけしておりました。コメントありがとうございます♪


アマ・プロ合わせて滑り自体が最も綺麗なエルドリッジ、バトル、小塚の競演は私には壺でした。

そうそう、私も小塚選手の演技を見ながらバトル選手と雰囲気が似ているな、と感じてました。調べてみたら旧ブログに去年のジュニアの世界選手権を見た時にも同じことを書いていました。エルドリッジさんは久しぶりに見たのですが美しいスケーティングは変わっていませんでしたね。偶然か必然か、本当に似たタイプの選手が揃いましたね。


スケート連盟の幹部が来年以降の開催を見直すことを示唆する発言をしているようなのですが、ロールその他を工夫して選手に無理な負担をかけずに参加してもらえるような方式で継続していって欲しいな、と思います。地域別対抗とするなら北米、ヨーロッパとアジアが競うようにして、シェン&ツァオ組やヨナさんが試合の方にも参加できるようにする、というのも一案ですよね。


ヨナさんのトラブルは詳細がわからなくて不安なのですが、何とか穏便に済ませて欲しいものですね。今後の競技生活に支障が生じないことを切に祈りたいです。

「Reflection」はカジュアルな雰囲気の中にも情感が溢れていていいプログラムでしたね。たくさんの人が楽しみにしていたのに欠場は残念でした。


morningdew21さんのところにも書きましたけど、中野さんの「クロディーヌ」はツボでした。本当に美しかったです。

よかったらまたどうぞお越し下さいませ。今後ともどうぞよろしくお願いします。

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