神尾真由子さん チャイコフスキーコンクールで優勝
2007年6月30日
モスクワで開催されていた第13回のチャイコフスキーコンクールのヴァイオリン部門で神尾真由子さんが優勝した。素晴らしい快挙を心から祝福するとともに、これをきっかけにして今後さらに偉大な芸術家に成長されることを期待したい。
手許にある音楽之友社発行の「弦楽器・管楽器ソリスト2004」に記載されている福本健氏の解説を元に壮観な略歴を紹介してみる。
1986年 | 大阪に生まれる。 |
1996年 | 第50回全日本学生音楽コンクール全国大会小学生の部で第一位。 |
1997年 | オーチャードホールでシャルル・デュトワさんとラロの「スペイン交響曲」で共演。 |
1998年 | メニューイン国際ヴァイオリン・コンクールのジュニア部門で最年少入賞。 |
2000年 | アメリカのヤング・コンサート・アーティスツの国際オーディションで第一位。 |
2001年 | ワシントンでリサイタル・デビュー。 |
このほかに第4回五嶋みどり<レクチャー・コンサート>奨励賞、京都府知事賞、大阪市「咲くやこの花賞」、2001年度アリオン賞、第13回出光音楽賞などの受賞歴がある。 |
これを見るだけでもいかに才能に溢れる音楽家であるかがわかる。福本氏は彼女の音楽性について次のように述べている。
2001年8月からサントリー株式会社から貸与された1727年制作のストラディヴァリを使うようになってから、一段と表現力が豊かになったように思われる。その演奏は、感受性の豊かさを感じさせる、自然でいて伸びやかな歌心が大きな魅力で、それが確かなテクニックによって多彩に発揮される。
残念ながらまだその演奏に接したことはないのだけど、これをきっかけにメディアで取り上げられる機会も増えることだろう。ぜひ一度聴いてみたいものだ。
コメント
日本人が優勝したのは、諏訪内 晶子さん以来の快挙ですか?
記憶が曖昧なので自信がありません。
いずれにしても神尾真由子さんのこれからの活躍を期待したいですね。
-> moonさん
ヴァイオリン部門では90年第9回の諏訪内さん以来になりますね。声楽部門の女声では98年第11回に佐藤美枝子さんが、ピアノ部門では2002年第12回に上原彩子さんが、また今回のコンクールで菊田浩さんがヴァイオリン制作部門で優勝しています。それから第12回ではヴァイオリン部門で川久保賜紀さんが一位なしの二位に輝いています。
神尾さんこれからが楽しみですね。早く演奏を聴いてみたいです。
sergeiさんのご見識には頭が下がります。
いつもながらありがとうございます。
8月に開催される浜離宮朝日ホールでのリサイタルはまさに凱旋公演ですね。
この近年クラッシックの世界では日本人の活躍は素晴らしいものがあります。
-> moonさん
本当にクラシック音楽とかフィギュアスケートなど、従来は欧米で盛んだった領域で日本をはじめアジア出身の若い方たちが活躍されているのはうれしいです。凱旋公演、どんなリサイタルになるんでしょうね。
神尾さんの事、自分もエントリーしようと思いながらしそびれたので
sergeiさんが取り上げていてくださっていて嬉しいです。
テレビのニュースで何度も見ましたが、やはり生で見てみたいですね。
チャイコフスキーコンクールと言えば、上原彩子さんが受賞の翌年くらいに
私の地元でコンサートを開いてくださって、聴きに行きました。
当たり前の事ながら、大変に素晴らしい演奏でしたので
神尾さんも見に行く機会があればいいのになあ・・と思います。
-> sashaさん
このニュース、sashaさんも注目されていたのですね!
このところTVのニュースを見ない習慣がすっかり定着してしまったので映像はほとんど見ていません。そのうち音楽番組で本格的に取り上げてくれるのを待っています。
上原さんの演奏お聴きになったのですね。この5年の間にお母さんになってしまいましたが、出産後も順調に活動しておられるようで何よりです。神尾さんもお近くまで来て下さるといいですね!
こんばんわ。
上原さんがお母さんになっていたなんて、
かなり衝撃的です!(@@)びっくり〜〜〜★★★
とても小柄な方で、多分身長150cmそこそこではなかったかと。
勿論、手も可愛らしい方なんですが、それがどうして
あの難しい曲を、しかもこんなにダイナミックに弾けるのか、と
もう興奮しっぱなしでした。
背中の大きく開いた真っ赤なドレスを着てらしたのですが、
背中の筋肉がすごくて、ピアノってやはり、全身で弾くものなんだな、
と感心したのも昨日の事のようです。
お母さんになった上原さんの音も、また聴いてみたいものです。
-> sashaさん
上原さんコンクールの受賞時にはまだあどけなさの残るようなお嬢さんだったので、産休を取ったと聞いた時は私もびっくりしました。^ ^
ピアノというと日本では何となく深窓のご令嬢のたしなみごと、というようなイメージもありますが、ダイナミックな演奏をするためにはしっかりとした筋力も必要なんですよね。上原さんも小柄な人ですが難曲も弾きこなすだけの体力は備えているのでしょう。
出産という大事業を無事果たしてその経験が演奏にどんな変化をもたらすのか、また母としての慈愛が音としてどのように表れるのか、興味深いですね。