白鵬 横綱として初の優勝

2007年9月23日

大相撲秋場所は千秋楽を終え、横綱白鵬が大関千代大海を下し横綱としては初めての優勝を果たした。初日に安馬に敗れる波乱のスタートだったが、終わってみれば横綱の貫禄を示す順当な結果となった。

今日の一番は立ち会いすぐに左の前回しを引きつけると千代大海の突きをものともせずに真っ直ぐに寄り立てる万全の相撲だった。先場所は横綱として場所に臨むプレッシャーからか終盤崩れてしまったが、今場所は慌てず落ち着いて自分の相撲を取り切っていた。急遽組まれた新入幕力士との対戦も、回しを引かずにとったりで決める強引さは見られたものの格の違いを見せつけた。

今場所は朝青龍が不在で一人横綱のプレッシャーもあったが、その責任を自覚した上で立派に務めを果たしていた。今後ますます大横綱へと成長していくことだろう。


新大関琴光喜は十勝五敗

一方横綱の白鵬と並んで注目された新大関の琴光喜は十勝五敗の成績だった。場所前は好調が伝えられていたので序盤に星を落としてしまったのは意外だったが、大関として場所に臨む重圧もあっただろう。同じく先場所は終盤に息切れしてしまった白鵬が今場所は立派に横綱の責任を果たしたので、琴光喜も来場所は優勝争いに絡む活躍をして欲しい。

ただ六日目に朝赤龍に敗れた一番は少し気にかかる。立ち合いからすぐに右四つに組み止めて左上手を引く万全の体勢になりながら、自分から上手を放して左を巻き替え、つかんだ左下手も結局最後は放してしまうというあまりにも非常識な取り口だった。あるいはことによると左肘に痛みでもあったのではないかと危惧している。来場所は万全の状態で臨めるといいのだけど。


躍進を遂げた安治川勢

万年大関候補と言われた琴光喜が先場所後に実際に大関に昇進したことで、横綱大関とそれ以下の力士たちとの間の実力差がかなり開いてしまったのではないかと見ていた。しかしふたを開けてみると全くそんなことはなく、安美錦安馬の安治川勢がともに三役で十勝をあげる大活躍をした。

どちらも実力はあるものの上位にはなかなか通用せずにいたのだが、このところ体が大きくなってきているようで力強い攻めを見せていた。安美錦は以前から右膝に爆弾を抱えており、安馬も今場所は右膝の状態が悪いようで左足一本で相撲をとっているような状態だったが、前へ出る相撲を心がけることで右膝への負担を減らしているようだった。ともに三役定着のみならず、さらに上への足がかりとなるような今場所の活躍だった。


新入幕力士の活躍

今場所を盛り上げたのは何といっても新入幕で11勝をあげた豪栄道だった。一時は優勝争いの単独トップに立ち、横綱との対戦まで組まれたのは快挙と言える。なにより面構えがたくましくていい。

あまりはっきりしたことを覚えていないのだが、記憶が確かなら私はこの力士を高校生の時にアマチュアの大会のTV中継で見たことがある。大学生や社会人に交じって出場して大活躍し、いずれは大相撲を賑わす存在になるだろうと思って見ていた記憶がある。日本人の若手力士として期待されている稀勢の里が足踏みを続けているので、そのうち彼が追い越して大関候補に名乗りを上げることになるかも知れない。

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コメント

秋場所は豪栄道が盛り上げてくれましたね。
今後の活躍が楽しみですね。

横綱白鵬は初日に躓きましたが終わってみたら優勝でしたね。
楽日の一番は白鵬らしい相撲内容でした。

-> moonさん

豪栄道は素晴らしい活躍でしたね。高校生の頃の澤井豪太郎選手を見た記憶があるので、あの時の少年、ついに出てきたな、とうれしくなりました。^ ^

白鵬は千秋楽が一番いい相撲でしたね。

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