Sports@nifty フィギュアスケートアワード2007 結果発表

2007年10月25日

グランプリシリーズが開幕する前に駆け込みでもう一つエントリーを公開しておきたい。Sports@niftyで投票が受け付けられていたフィギュアスケートアワード2007の結果が6月初めに発表された。もうすでに4ヶ月も前のことになるがいろいろあって反応しそびれていたので、この機会に感想を少し述べておきたい。なお私の投票内容は以前のエントリーに記した通り。

投票結果詳細


フィギュアスケーター・オブ・ザ・イヤーは安藤美姫さんだった。やはりキス&クライでのあの涙を見せられたら誰しも彼女に投票したくなるだろう。もちろん私も彼女を選んだ一人である。

ジュニアスケーター・オブ・ザ・イヤーは傑出した選手が二人いたので選ぶのに苦労した人が多かっただろう。日本国籍を持っている分長洲未来ちゃんに注目する人が多いようだが、キャロライン・ジャンちゃんの方も素晴らしい選手でとてもかわいい女の子なのでぜひ応援して上げて欲しいと思う。


プログラム・オブ・ザ・イヤーは高橋大輔選手のフリー「オペラ座の怪人」だった。このプログラム、最初に日米対抗で見た時はあまりにも音楽を細かくつなぎ過ぎていて印象の薄いプログラムなのではないか、という気がした。しかしNHK杯や全日本選手権での後半にジャンプを集めた難しい構成をノーミスでこなした演技を見ると、さすがに深い感銘を与えるプログラムだと思い直した。

振付けをしたニコライ・モロゾフコーチによるとこれはミュージカルに使われる音楽のほとんど全てをつなぎ合わせたもので、『オペラ座の怪人』の物語をそのまま表現しようとしたプログラムなのだそうだ。こうした試みはフィギュアスケートとしてはおそらく異例のもので、その意味で斬新なプログラムだった。

これはエヴァン・ライザチェク選手の「カルメン」とは対照的な発想だと思う。彼の「カルメン」には特定の役柄を演じようとしたり物語を表現しようとする意図は感じられないが、オペラの有名な旋律のみを巧みにつなぎ合わせることでオペラの筋とは関係なくドラマティックな構成を実現していた。どちらが優れているというのではなく、物語に付随した音楽を利用したプログラムの構成の仕方の対照的な二つの例として記憶にとどめられていくことになると思う。


少し意外だったのはキム・ヨナさんの二つのプログラムのうち、SPの「ロクサーヌ」の方が差はわずかだが上位につけていたことだった。ウェブ上での意見を見る限りノーミスで滑ることはできなかったもののフリーの「あげひばり」の方がヨナさんらしくて好きだ、という人の方が多かったような気がする。もちろん世界選手権ではSPの歴代最高得点を叩き出したプログラムなので高く評価されても少しも不思議なことではないけれど。


概ね妥当な投票結果だったと思うが、やはり日本選手に偏っているという印象も受けた。人気投票という面が出るのはある程度仕方ないだろう。ただフィギュアスケーター・オブ・ザ・イヤーの項目で、出場した全ての試合で圧倒的な強さで優勝した申&趙組の順位がシーズンの半分をお休みしていたランビエール選手より低いというのはあんまりな気がする。まだこの賞自体二回目であり、今後は投票する側がどんなスタンスで参加していくのかも注目される。

投票内容を述べた時のエントリーでは第1回の結果発表が翌シーズンが始まってからになったことを少し非難がましい調子で述べたのだけど、今頃こんな記事を書いて全く人のことは言えない状態になってしまった。軽々しく批判などするものではないということを痛感させられた。

いよいよ本格的に始まる新しいシーズン、今度はどんな選手が活躍するのか、楽しみで今からどきどきする。

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