スケートアメリカ2007 男子シングル SP
2007年10月27日
いよいよ始まったスケートアメリカ。まずは男子シングルSPから。
高橋大輔選手:「白鳥の湖」
注目された高橋選手のSP、ヒップホップ調「白鳥の湖」はノーミスの素晴らしい演技。ほかの選手にミスが多かったせいもあり断トツの一位だった。今までにない斬新なプログラムなだけにジャッジにどう評価されるのか興味深かったが、PCSのCHやINなども問題なく高い点をもらえているのでまずは成功といえるだろう。ただ直後の本人のインタビューによるとステップがレベル1だったそうで、技術的には今後少し改善が必要になるのかも知れない。鑑賞している分にはとてもエキサイティングなステップだったと思う。
三つのジャンプも全てクリーンに決め、シットスピンのポジションもかなり意識して腰の位置を低くしている様子がうかがえた。今シーズンにかける強い意気込みが感じられる演技だった。2位以下に大きな差をつけているが、フリーでは4回転ジャンプを2回跳ぶのか注目される。
エヴァン・ライザチェク選手
彼の場合は体型のお蔭で立ち姿だけでほかの選手たちとは差がついてしまっている。本当に得をしている選手だと思う。果敢に挑戦した4回転のトウループは転倒してしまったが、それ以外は大きなミスはなくいい演技だったと思う。ステップなどはあの長い手足をよくあれだけ細かく動かせるものだと感心してしまう。
TESはほかの選手たちよりやや低かったが、おそらく過去の実績のせいもあってPCSで高い点をもらい2位につけた。フリーでは大幅な巻き返しが期待できる選手だが、トップの高橋選手にどこまで迫ることができるだろうか。
パトリック・チャン選手
滑らかなスケーティングが目を引いた。どことなく先輩のジェフリー・バトル選手を彷彿とさせるものを感じた。PCSが高橋選手やライザチェク選手はともかくプレオベール選手やキャリエール選手より低いというのは素人考えだがやや解せない気がする。
アンドレイ・ルータイ選手
昨シーズンあたりから活躍し始めた選手だが演技は初めて見た。ジャンプに力強さがあって見応えのある演技だった。4回転のトウループはスローで見るとやや回転が足りてない感じだがTESの高さを見ると認定されたのだろうか(29日0時20分追記:ジャッジスコアを見て認定されていることを確認)。
顔はまだあどけなさが残るが体格は立派で演技に迫力を感じる。トリノオリンピック以降低迷してしまっているロシアの救世主として期待される。
そのほかの選手たち
アルバン・プレオベール選手は相変わらず独特の感性の表れた演技で楽しませてくれた。スティーヴン・キャリエール選手はシニア・デビューを無難な演技で飾り昨シーズンのジュニアチャンピオンの実力を示した。今後はもう少しはっきりとした個性を感じさせる演技を見せるようになって欲しいと思う。ケヴィン・レイノルズ選手は両足着氷ながら4回転サルコウからのコンビネーションジャンプを決め能力の高さを見せつけた。顔はまだ幼いが実力はシニアで通用するものがありそうだ。南里康晴選手と小塚崇彦選手はともにトリプルアクセルを見事に成功させたのにそのほかのジャンプでミスしてしまったのがもったいなかった。フリーでの巻き返しに期待したい。
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