スケートカナダ2007 女子シングル SP

2007年11月 3日

エレーナ・グレボワさん

初めて見る選手。比較的難易度の低いトウループからとはいえトリプル–トリプルのコンビネーションを決めてみせるあたり能力の高さを感じさせた。今後が楽しみになる。


アシュリー・ワグナーさん

こちらも演技を見るのは初めて。認定されたかどうかわからないけど(5日0時20分追記:ループの方がダウングレードされている)ルッツからのトリプル–トリプルのコンビネーションを決めるなど充実した演技を見せてくれた。スケーティングもなかなか滑らかで、サーペンタインステップでは丁寧に音符に合わせた動きも見せていた。キャロライン・ジャンちゃんや長洲未来ちゃんの陰に隠れた形になってしまっているが、やはり将来性豊かな逸材であることを感じさせた。


ラウラ・レピストさん

こちらは名前を聞くのも初めての選手。先輩のスザンナ・ポイキオさんやキーラ・コルピさんを彷彿とさせる、フィンランド選手ならではの情感のある演技だった。やはりトリプル–トリプルのコンビネーションジャンプを決めるなど素質の高さを感じさせた。有力選手にミスが相次いだためSPを終えてまさかのトップ。ルッツやフリップを完成できていないのだとするとフリーでは少し苦しいかも知れないが、緊張せず普段の力を発揮して欲しい。


武田奈也さん

ミスのないほぼ完璧な演技。ただやはりシニアではステップからのトリプルジャンプがトウループというのは少し物足りない。それでもシニアのグランプリシリーズのデビュー戦としては上々の滑り出しというべきか。タンゴ風の音楽もなかなか似合っていた。


エミリー・ヒューズさん

先週のスケートアメリカでは体が大きくなったことに目を奪われて少し雑な印象が残ったが、今回はそれよりもずっといきいきとしたいい演技だった。フリーでも前回を上回る演技を期待したい。


ジョアニー・ロシェットさん:チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番

彼女にしてはジャンプの質があまりよくなかった感じ。本人も納得がいかない様子だった。音楽はほとんど第1楽章の序奏だけを使っていたが、ほかの部分も交えてもう少しメリハリのある構成にした方がよかったように思う。


中野友加里さん:ショパン 幻想即興曲

フリップからのコンビネーションも不安定だったがルッツで転倒してしまった。解説の荒川静香さんも驚いていたけど、中野さんがルッツで転倒するというのはほとんど見たことがないような気がする。上位との差は大きくないので十分挽回は可能だが、インタビューで少し涙声になっていたので心配になる。気持ちを切り換えてフリーではぜひ快心の演技で笑顔を見せて欲しい。

音楽はユンディ・リさんの演奏なのだそうだけど、主部と再現部でのやわらかく軽やかなタッチが印象に残った。この部分はもう少しドラマティックに悲壮感を漂わせて演奏されるのが普通ではないかと思うけど、これもまた繊細な味わいがあってよかったと思う。


浅田真央ちゃん

最初のフリップを降りた時点で明らかに重心が後ろにかかっていて、次のループで手をついてしまった。世界選手権の時と同じような失敗だった。真央ちゃんといえどもやはり人の子なのだと思い知らされる。ステップでも少しつまずいてしまったけど全体にはそれほど悪くない演技だったので切り換えてフリーに臨んで欲しい。

インタビューではやはり少し涙声になっていたように聴こえた。松岡修造さんがインタビュアーだったけど、自分自身の落胆によって真央ちゃんの動揺をさらに増幅させてしまっていたのが残念だった。真央ちゃんを応援しているならこういう時こそ元気づける言葉をかけて上げて欲しかった。

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コメント

順位をみると意外な感じがしますけど、やはり緊張していたのでしょう。

明日のフリーに期待することにします。
荒川さんの解説を初めて聞きました。
松岡修造さんのインタビューは少しがっかりしました。


お久しぶりです。
morningdewさんのブログに少し書き込みをしていたご縁で、以前こちらにお邪魔した者です。もうお忘れかと思いますが、Alan-SmiCという名前でした。


カナダ、波乱のスタートでしたね。
今回、日本勢はそれほど悪い演技でなく、むしろ成長はしているのだけれど、ちょっとしたところで・・・という感じを受けました。中野・浅田両選手の実力なら十分挽回可能なので、フリーで頑張ってほしいです。武田選手は初めて演技を見たのですが、スピンのポジションなどは他のシニアに遜色ないと思いました。上々の初陣ではないかと。


ただあの番組のメインキャスターの某氏・・・
自分の言いたいことだけ言うプロ意識皆無の元スポーツ選手より
もっと試合や選手の魅力、声を伝えられる人材はいなかったのか。
それに、佐藤さんは言うことないのですが、
荒川さんは解説はまだまだのレベルなので、
彼女をリードできるキャスターを起用してほしかったです。
インタビューの質も予想通りとはいえがっかりしました・・・


長文失礼しました。

-> moonさん

真央ちゃんも中野さんも結果にこだわって勝負していた分緊張してしまったのでしょうね。フリーでは実力を発揮できて本当によかったです。松岡さんのインタビューにも惑わされず気持ちを切り換えた真央ちゃんは本当に見事でした。^ ^


-> 鳥野空音さん

お久しぶりです。ちゃんと覚えておりますよ〜。^ ^ HNを変えてブログも移転なさったんですね。

中野さんも真央ちゃんもさすがにフリーでは実力を発揮してくれましたね。武田さんも初めてのシニアの大会でいいスタートを切りました。武田さんは以前からビールマンスピンのポジションがとてもきれいな選手です。上背があるだけに足を高々と上げると迫力がありますよね。


今回は松岡さん実況席に座りインタビューまでこなして大活躍(?)でしたね。でもあの真央ちゃんへのインタビューはちょっといただけなかったです。自分の気持ちを整理し切れないまま選手に話しかけて、ただでさえ動揺している真央ちゃんをさらに不安な気持ちにさせてどうするんだ、と憤慨していました。まあそんなことで自分を見失う真央ちゃんではないので心配するまでもなかったですが…。

荒川さんの解説はまだ選手としての感覚が強く残っている状態でこなしているので、そこがかえっていろいろと興味深かったりしますけどね。実況は○澤アナウンサーが現地入りしていたので不安になっていたのですが、森下さんでまだよかったかな、という気がします。サッカー中継と同じトーンでしゃべられるとちょっと興醒めしてしまいますので…。^ ^

すみません、角澤アナウンサーが現地入りしたのはスケートアメリカの時でした。ケベックでは見かけませんでしたね。

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