中国大会2007 男子シングル フリー

2007年11月12日

アレクサンドル・ウスペンスキー選手:トゥーランドット

音楽があのトゥーランドット、しかもトリノオリンピックで荒川静香さんが用いたのと同じヴァネッサ・メイさんのヴァイオリンによるヴァージョンだったことに驚いた。曲のつなぎ方もほとんど同じだったように思う。種目が違うとはいえオリンピックチャンピオンと同じ曲で滑るというのは勇気ある選択である。ただここまで同じにするならもう少し荒川さんの演技に迫るような表現力を発揮して欲しかった気がする。


セルゲイ・ダヴィドフ選手

序盤からジャンプが乱れ、ザヤックルールの適用も受けてしまい得点を伸ばせなかった。全体にはまずまずの出来ではあったと思うけど、表彰台のチャンスもあっただけにもったいなかった。トリプルアクセルからのトリプルトウループは間にターンが入っているのにコンビネーション扱いで、ルッツの後にシークェンスで跳んだトウループがカウントされていない理由はよくわからない。


ステファン・ランビエール選手

プログラムの最初にトリプルループを配置した意図が少しわかりかねるのだけどそのループで着氷が大きく乱れ、続く4回転のトウループで転倒。苦手なトリプルアクセルも入れられず、二度目の4回転やフリップでも転倒するなど元世界チャンピオンとしては散々の出来だった。解説の佐野稔さんは靴にトラブルがあった可能性を指摘されていたけど、何か本調子でない理由でもあるのかも知れない。モティヴェーションの維持に苦労した昨シーズンから心機一転して臨んだ今シーズンだけど、もう少し覇気のある姿を見てみたいところだ。


ジョニー・ウィアー選手

4回転ジャンプこそなかったが全ての要素をミスなくこなした完璧な演技。中盤でのアップライトスピンでわずかにマイナスをつけるジャッジがいたもののほかは全てプラスの評価をもらっている。彼はトリプルアクセルに安定感があるので、4回転ジャンプに挑戦したほかの実力選手が失敗する状況では強みを発揮する。彼がSPとフリーでそろって快心の演技をしたのはかなり久しぶりに見た気がする。今シーズンの今後の活躍も楽しみになる。


エヴァン・ライザチェク選手:トスカ

最初の4回転トウループで転倒。その後はそれを引きずらずにしっかりと要素をこなしたが、ウィアー選手とくらべると全体に少しずつ精度を欠いていた印象を受けた。

この「トスカ」は美しくドラマティックな旋律が魅力でフィギュアスケートではよく用いられる音楽だけど、激しい動きでいきいきと演技するとかえって音楽の世界から乖離した印象になってしまうという困難さがつきまとう。トリノオリンピックでのプルシェンコ選手のSPでもそうした批判があったが、今シーズンのライザチェク選手のフリーもスケートアメリカで見た時はそんな印象があった。それにくらべると今回の方が少し元気がなかった分カヴァラドッシらしく見えたとも言えなくはないような気がする。何とも難しいプログラムである。


録画して見たのだけど、柴田嶺選手の演技がなかったのは自分の録画ミスではないよね? まあ最下位では仕方ないとも言えるけど…。

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