フランス大会2007 女子シングル フリー

2007年11月18日

澤田亜紀さん

一応トウループからの3連続のコンビネーションが入ったのでSPよりは多少よかったかも知れない。それでも彼女の本来の力とはかけ離れた演技と言わざるを得ない。早く調子を取り戻して欲しい。


ヴィクトリア・パヴクさん

ところどころミスはあったもののSPよりも動きがよかったと思う。ジャンプが力まかせで跳んでいるように見えるので、もう少し演技の自然な流れの中で踏み切れるようになるとなおいいな、と思った。


アシュリー・ワグナーさん

終わった後自分で驚くほどのクリーンな演技。ルッツが二つともロングエッジと判定されているが予定した要素は全て成功させていた。めずらしい逆回転のスピンも見せるなど多彩な技術の持ち主であることもアピールしていた。グランプリシリーズ初の表彰台は素晴らしい快挙だと思う。


サラ・マイヤーさん

淡いブルーの衣装がまた素晴らしく立っているだけで美しい。しかし演技の方は最初のフリップからミスを連発。とてもいい雰囲気のプログラムだっただけにもったいなかった。NHK杯では完成された演技を見せて欲しい。

音楽は新実徳英さんの作品とのことで、「ラ・フォリア」の旋律から始まった。変奏曲のようだけど途中は違う曲想も交じっていた気がする。あるいは別の曲をつなぎ合わせたのかも知れない。彼女は昨シーズンも久石譲さんの映画音楽を用いていたが、日本のいい音楽を捜し出すのがうまい人だな、と思う。(20日21時50分追記:マイヤーさんの使用した音楽は新実徳英さん作曲の「黒のラ・フォリア」と「秋の紅」をつないだものらしい。)


エレーナ・グレボワさん:グリーグ ピアノ協奏曲

ルッツとループが一つでフリップがないというトリプルジャンプの種類の少なさをダブルアクセル–トリプルトウループのコンビネーションを二つ入れることで挽回しようというジャンプの構成ながら、その二つのトウループでともに転倒してしまった。三つしかジャンプのないSPではともかくフリーではまだ世界のトップと競うにはやはりジャンプに課題がありそう。それでも今後が楽しみな逸材であることは示した演技だったと思う。


キミー・マイスナーさん:トゥーランドット

フリップからのトリプル–トリプルのコンビネーションはトウループがダウングレードされたものの一応成功。まずまずの出だしに見えたが二つ目のルッツがシングルになったところからミスを連発してしまった。スケートアメリカの時も思ったのだけど、ストレートラインステップは中ほどではバタフライのような動きを採り入れていてダイナミックでいいけど後半からほとんど歩くような感じになっているのは印象があまりよくないと思う。音楽が最初から最後まで「Nessun Dorma」でメリハリがないのも少し問題のような気がする。


浅田真央ちゃん:ショパン 幻想即興曲

キミーがミスを連発した時点で優勝はほぼ確定的だったが果敢にトリプルアクセルに挑戦した。転倒してしまったもののその後が雑にならなかったところに真央ちゃんの成長を見た気がする。特にステップなどはSPではやや流れに乗れていないように見えたが、フリーではピアノの目まぐるしい動きに合わせたいきいきとしたステップだったと思う。

終わった後笑顔だったのでとにかく一安心。トリプルアクセル成功への期待はファイナルにとっておきたい。衣装がスケートカナダと同じだったのはちょっと残念。

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コメント

真央ちゃんの笑顔を見れた事はうれしく思います。
GPファイナルでも笑顔の真央ちゃんを見たいと思いました。

キミーはミスが多くて残念でした。
ファイナルでは期待したいと思います。

-> moonさん

早くも真央ちゃんとキミーはファイナル進出が決まりましたね。次の対決が楽しみになります。

こんにちは。初めまして。
丁寧な文章と暖かい雰囲気が好きで、いつも拝見しています。
フランス杯では、真央ちゃんが涙を流していたので、心配しましたが、LPではうまくいって良かったですね。PCSも、ものすごい高得点が出ていましたね。
シーズン前に、LPは幻想即興曲と聞いた時は、メランコリックな旋律が真央ちゃん自身の明るい雰囲気とは違うように感じましたし、テンポが非常に速いのも、滑るのが難しそうだなぁって思っていました。でも、実際に演技を見てみると、軽やかで、むしろ明るいし、暖かくて幸福感に満ち溢れた終わり方が、特に好きです。
衣装も、明るく上品で清楚な感じで好きです。薄くて軽い素材が、真央ちゃんの軽やかな滑りを引き立てているように思います。去年のピンクの妖精のような衣装もすごく好きだったのですが、今年は、色使いがシックで、少しお姉さんになったかしら、と思いました。

-> まりえさん

はじめまして。コメントありがとうございます♪

真央ちゃんSPでは涙を見せてはらはらさせてくれましたね。一緒になって泣いていたファンはさぞ多かったでしょうね。^ ^ フリーでは終わった後笑顔を見せてくれたので本当にほっとしました。

幻想即興曲は今の日本のフィギュアスケートファンには荒川さんの印象が強いので、真央ちゃんが滑ると聞いた時は少し不安になりましたね。でも荒川さんとは違った、真央ちゃんならではの「幻想…」に仕上っていますね。タラソワさんに師事した甲斐があって今シーズンは表現力に格段の進歩が見られる気がします。

衣装はフリーに関しては少しデザインが奇抜な感じがしてどうかな、と思っているのですが、確かに色合いはシックで大人びて見えますね。胸元に鳥をあしらったSPの衣装はとても素敵だと思います。強くて美しい鳥になって力強く羽ばたいて欲しいですね。

いつもご覧いただいているとのことでとてもうれしいです。今後ともどうぞよろしくお願いします。

LPの衣装は、現代的な奇を衒ったものというよりは、むしろ、ショパンという事で、ヨーロッパ趣味のクラシックなイメージで作られたのではないでしょうか。真央ちゃんの正統派のスケートには似合っていると思います。私は、個人的に、ルノワールが上流階級の家庭の依頼で描いていた肖像画に出てくるような、良家の若いお嬢さんという印象を受けました。
襟ぐりと袖から胸下と腰に続く白黒のサッシュや、Aラインに広がるスカートなど、ややフォーマルなデザインで、夜会服というよりは、それこそピアノの演奏会を聴きに行くのによさそうな、清楚な印象を受けました。上半身がこのデザインなので、バランスとして、シンプルな長いスカートにしても綺麗かもしれませんが、スピンなどの時に邪魔になってしまうでしょうね。
個人的には、真央ちゃんには、ピンクや赤などの可愛いらしい色のイメージがありましたが、この色も、クラッシーで品があって素敵だなと思いました。この衣装は、特に動いた時に、ふんわり揺れる素材が、真央ちゃんの軽やかでエレガントな滑りを引き立てて綺麗だなと思います。真っ白から柔らかい墨色へのグラデーションで、色のコントラストがきつ過ぎたり暗過ぎたりしない所も、真央ちゃんのふんわりした雰囲気に合っていて、素敵だと思いました。
長文ごめん下さいませ。

-> まりえさん

こんばんは。コメントありがとうございます。私はファッションのことなど全くわからずに好き勝手なことを言っているだけですので、細かいことはどうぞあまり気になさらないで下さいね。

あの白黒の衣装はおそらくピアノの鍵盤をモティーフにしているのでしょうね。同じショパンのピアノ曲でも昨シーズンのSPのノクターン第2番の典雅な曲調とは違って悲愴感や暗い情熱も湛えた曲ですので、衣装も昨シーズンのような妖精のようなかわいらしい色使いとはかわってシックで大人っぽいものにしたのでしょう。今シーズンはロシアでバレエのレッスンも受けて表現力も格段に進歩を遂げていますから、今度の衣装は新しい真央ちゃんのイメージを演出するのに貢献しているかも知れませんね。

拙いブログですけどみなさんからいただくコメントが何よりの励みですので、これからもお気軽に感じたことを書き込みして下さいね。どうぞよろしくお願いします。

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