全日本選手権2007 男子シングル SP

2007年12月27日

柴田嶺選手

アクセルはダブルに自重、フリップからのコンビネーションはセカンドのトリプルループが回転不足の転倒。スピンでも大きくバランスを崩すところがあった。しかし相変わらず独特の魅力がある。


小塚崇彦選手

ルッツからのコンビネーションはセカンドのトウループがダブルに。そのほかは大きなミスはなく高いレベルの演技を披露しSPを終えて2位につけた。ステップの一つをサーペンタインにしたのは彼の流れるようなステップワークが生きるいい選択だったと思う。一つ注文をつけるとしたらジャンプを予定通りに跳べなかったにも関わらず演技終了後にガッツポーズをしてしまう欲のなさか。高い潜在能力のある選手だからこそより上を見据えて取り組んで欲しいと思ってしまう。


南里康晴選手

最初のトリプルアクセルでステップアウトしたほかスピンのチェンジエッジでもややバランスを崩すところがあったようだった。それでもこういう本格派のプログラムも十分にこなせることを証明してみせる演技だったと思う。


高橋大輔選手

一人だけ別世界の演技だった。グランプリファイナルであわや優勝という好調さをキープしている模様。フリーでは4回転ジャンプを二つ跳びたいと話しており、世界選手権代表はすでにほぼ内定していてこの大会の優勝も堅いことから挑戦してくるのではないかと予想され、成功するかどうかとても楽しみである。


無良崇人選手

4回転ジャンプのない男子選手としてはマックスのジャンプ構成をミスなくこなした。特にトリプルアクセルは自信を持っているようで楽々と決めていた。ジュニアからの出場ということでPCSはやや抑えられたようだが生き生きとしたいい演技だったと思う。


中庭健介選手

4回転ジャンプは回避し、トリプルアクセルの着氷でも乱れたがベテランらしく全体をうまくまとめた印象。彼にとってはある意味競技生活最大のチャンスとも言える大会になった。フリーでも場数を踏んできた強みを発揮できるか注目される。


織田信成選手が直前に棄権をしてしまったのは何とも残念だった。調整が十分にできていなかったりもするのだろうけど、棄権というのは最も安易な選択ではないだろうか。アスリートなら出場して今できる最善の演技を見せて欲しかった。それがアスリートとしてのけじめのつけ方だと思う。その結果がどんなに不様だっていいじゃないか。その経験が彼をより強くするはずだ。

しかし過ぎたことを言っても仕方ない。今はとにかく彼が気を取り直して少しでも早い時期に競技の最前線に帰って来ることを期待したい。

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コメント

Hello. Please pardon me for writing in English (I live abroad. I can read Japanese but cannot type in Japanese using the computer here). I always enjoy this blog very much. Thank you very much for your entries.
But I just think it too hard on Oda-kun to blame for "making an easy decision." I think that it would have actually been an extremely difficult, courageous decision for a skater to give up one entire season. I think that he has already been blamed more than enough. I feel sorry that he is now blamed further for "not coming back strong" from psychological damage.

-> Yukiさん

はじめまして。コメントありがとうございます♪

いつもご覧下さっているとのことでうれしいです。日本語を読むのに不自由はない環境とのことですので日本語でお答えしますね。

織田選手のことはみんな温かく見守っていて、連盟や大学の処分も今後の競技生活に致命的な影響を与えないように、と配慮されたものでした。どんな結果であれ今の自分の全力を尽くすことでそうした周囲の気持ちに応えよう、と考えて全日本に取り組んで欲しかったな、と思っています。

私は彼とは全く比較にならないほどの猛烈なバッシングを受けたアスリートを見てきましたし、そうした状況でも傷だらけになりながら自分が輝ける場に立ち続ける姿にこそ崇高な美しさを感じてきました。それだけに彼の棄権という選択には肩透かしをされたような気分になってしまいました。今彼がどんな状況にいるのかわかりませんが、深刻な精神障害にでも陥っているのなら仕方ないと思います。しかしそれならそうと説明するべきであって、“自粛”などという言い訳はして欲しくなかったです。

しかし今回のことでフィギュアスケートファンってみんなやさしいな、とあらためて思い知らされました。そういうたくさんの温かい目で見守られているということを幸せに感じて、また精進を重ねて復活を果たして欲しいな、と思います。


まあご覧の通り勝手な思いばかりを綴っているサイトですがよかったらまたお越し下さい。今後ともどうぞよろしくお願いします。

Thank you for your response, too. But we don't really know whether or not he is "making an excuse." Let's not blame a person for the things we don't even know. Only thing that I as a fan can do is to wish him well and look forward to seeing him skate again next season.

-> yukiさん

私は別に織田選手を非難するつもりでこのようなことを述べたのではありません。道路交通法違反自体についても、若さゆえの過ちなど誰にでもあることですし、刑事罰が科され連盟や大学からの処分も出ましたので、それ以上はファンがとやかく言う筋合いでもないと思いこのサイトでは一切ふれてきませんでした。

ただ今回の棄権は競技者としての彼の将来を考えるとあまりにも消極的な選択であり、彼が今後も競技を続けていくことができるように、という周囲の配慮を無にする行為だと思い、叱咤激励のつもりで上のように書きました。法律違反の責任を重く受け止めているのなら、今後競技者として立派な振る舞いをすることでつぐなっていこう、という方向に気持ちを振り向けて欲しいというのが私の気持ちです。

あちこちのサイトを見ると織田選手に対して同情的な論調が目立ったのですが、私としては今の彼に必要なのは生ぬるい同情ではなく、競技への強い情熱と困難な状況に立ち向かう勇気を鼓舞してやることではないかと思っています。それが私なりの彼への愛情表現です。もちろん早い時期に彼が競技に戻って来ることを願っているのはみなさんと同じです。(差し当たっては今シーズンまだ国体などに出場する機会があるはずですが、どうなるでしょうね。)

I try to understand that you meant to be encouraging. But I wonder who would feel encouraged by the words questioning their integrity such as "made the easiest choice" and "making excuses" as if they were escaping or lying.
It is his life. I believe that he made this difficult decision after thinking of his future career, current psychological and physical conditions, all the social circumstances, the people who have been involved in his case, and the people who support him. I do not think that he deserves his integrity being questioned like that just because his life choice did not meet what the audience expect the athlete should be.

-> yukiさん

私たちファンは織田選手自身から今回の決定についての十分な説明を受けていませんし、当初スケート連盟の幹部から困惑の声が聞かれたということは連盟に対しても十分に説明していないのだと思います。この一事のみを以てしても「支えてくれる人たちのことを十分に考えた」とは言えないと思います。JOCの強化選手として強化費を支給される立場である以上それなりの説明責任があるはずです。

がしかしすでに述べました通り私が言いたいのはそういうことへの非難ではなく、彼の競技者としての将来を思っての苦言です。どんな状況にあっても自分の持ち場に踏みとどまろうとしないアスリートが大成したという例を知りませんので、もっと競技への気持ちを強く持って欲しいと思っています。

もちろん仰る通り彼の人生なのですから、彼が一人の学生として学生生活を楽しみたいと思っているのなら強化選手の資格を返上した上で好きなようにすればいいでしょう。しかしそれは決して彼の本意ではないだろうと思うので敢えてきつい言葉を申し上げた次第です。

It is not that he suddenly decided by himself without consulting with anyone. It is reported that he had let the Japanese Skating Federation know that he would like to withdraw early in December already. Oda-kun and the Federation had long discussions up until it was announced late December. I do not think he is blameworthy for the lack of accountability to the Federation.
http://www.nikkansports.com/sports/p-sp-tp0-20071225-299464.html
Additionally, a part of the reason why the Japanese Skating Federation was somewhat upset was because they were concerned about ensuring the three spots in the next Worlds. But I don't think that they should force him to compete for the country when he decided not to after considering all the circumstances.
Third, although he withdrew from the Japanese Nationals this time, it does not mean that he entirely gave up his skating career and wanted to enjoy his student life. It is reported that they are going to have discussions about his plans for the next season.
Finally, it is true that we do not have much information about this matter and that you as an audience might feel being left out. But is he really responsible for detailing what he is thinking right now in front of the media reporters and to the public when it has already been reported that he currently has a vulnerable psychological state of mind? What makes you demand him that receiving the finanical support from JOC entails so much accountability to the public?
I understand that everyone is entitled to speculate his motivations to fill in the lack of information. But let's not spread negative speculations about his integrity as if it were a tangible fact.

-> yukiさん

ご紹介の記事によると本人の意志が固く最後は説得を断念した、ということのようで、連盟を十分に納得させる説明ではなかったのではないでしょうか(枠取り云々のコメントは連盟幹部も困惑する決定だったことの証左として言及しただけで、私もこれが妥当な発言だったとは思っていません)。JOCの強化費は元は税金から支出されているものですから、スケート連盟やJOCにだけ説明すればいいというものではなく、広く国民全体に対して説明責任を負っていると思います。また彼が今後も継続してファンの声援を受けることを望んでいるのならファンへの何らかのメッセージも伝えられて然るべきだったと思います。もちろんこの状況で記者会見までしろとは申しません(解離性障害という診断が医師から下された後でも朝青龍に会見を要求する声が止まなかったことに私は疑念を抱いております)が、関係者にコメントを託すくらいのことはしてくれてもよかったのではないでしょうか。

ただすでに何度も申しました通り、私はそういうことを糾弾したいがために言っているのではなく、今回の消極的な決断が彼の今後にプラスにはならないだろう、ということを指摘しているのです。彼が今後も競技を続けていくのなら、昨シーズンの全日本で高橋選手に敗れて流した悔し涙が本物なら、この大会には石にかじりついてでも出場するべきだったと思っています。

私は信条として全力を尽くしたにも関わらず結果が伴わなかったアスリートに対してそれを責めるような発言は絶対にしません。しかし全力を尽くそうとしなかった選手に対しては「しっかりしろ!」と叱責することも時には必要だと思っています。今回の織田選手の決断に対して「そういう消極的な考え方は間違っている。もっと気持ちを強く持て!」と指摘する声をあまり見かけないのを寂しく思いましたので、一部の人の反感を買うかも知れないことは承知の上で敢えてこういう発言をしました。

もちろん私は一介のスポーツファンに過ぎないわけで、間違っているのは私の方なのかも知れません。しかしここは私の考えを述べるためのスペースですので、自分で責任を持って判断したことはそのまま書いていくつもりです。それが全ての読者の方の意には沿わないこともあるでしょうが、ブログというのはそういうものなのではないでしょうか。

Let me remind you that the reason for Oda-kun's withdrawal was officially announced at the webpage of the Japanese Skating Federation. It is not correct to say that Oda-kun did not do anything to let his fans know the reason for his withdrawal, even if you interpret it merely as an "excuse" and "not enough."
I do not have anything to say about your main point because I believe that everyone is entitled to one's opinions. Yes, I responded to your first post because I simply thought it too harsh and unfair. After reading your opinions, however, I came to understand what you mean, and I totally respect that. But the reason why I have kept responding to you has been that every response of yours kept coming up with negative stories about Oda-kun's personal integrity and honor out of speculations without much evidence. That's why I kept saying let's not blame a person for things we don't even know. I simply consider it too unfair to blame him that the receipt of public fund entails the full accountability to the public to the extent that he/she must to have a "serious mental disorder" to be forgiven for a "lack of accountability." While Oda-kun indeed made an official announcement through the Federation, it is then discarded as an "excuse." I don't really understand what this is. Is he again blameworthy for not having made himself clear enough to prevent such negative speculations and interpretations on your part? These are the reasons why I kept responding to you, especially because Oda-kun's public honor and integrity have been so much undermined after the incident. But I understand that "opinions" may necessarily entail such speculations, either positive or negative, and that you have all the rights to speculate his culpability in the way you wish to. I respect your opinions including such speculations and twisted facts. But I still do feel sorry for Oda-kun who is blamed for things he did not even do.

-> yukiさん

私が推測を元にこうした発言をしているのではないか、ということを問題にされていたのでしたね。十分な説明がないので私たちには彼がどういう状況でこの決断を下したのかがよくわからないのですが、その中で伝えられている数少ない情報が「自粛」であり「事件を重く受け止めている」ということであるわけです。私はこの考え方が間違っていると思ったので一連の発言をしているのです。事件を重く受け止めているのならなおのこと出場するべきだったというのが私の考えです。これは一定の信頼性のある情報を元に判断したのであって、憶測で語っているわけではありません。こんな辺境サイトを見に来る人なら当然そうした報道はすでに目にしているでしょうからエントリーの中ではわざわざ言及しなかったのですが、はっきり書いておいた方がわかりやすかったでしょうかね。でもその後コメントへのレスの中で繰り返し申し上げているのでいいでしょう。

私が憶測で語っているのは「調整が十分にできていなかったりもするのだろうけど」という部分ですが、これは私の推測であるということを明示しているので問題ないでしょう。カナダでの新しいSPの作成は順調にできていたという報道もあるのでこの推測は当たっていなかったかも知れませんが、それは私の論旨にとって本質的なことではありません。

それから私が“言い訳”という言葉を用いたのを問題にされているようですが、私がこの言葉を用いたのは「深刻な精神障害にでも陥っているのなら仕方ない」という仮定の話の中でのことです。もし彼がこの決断を下した主な要因がそうしたことにあるのだとしたら「自粛」という説明は言い逃れだったことになる、ということです。

何度も繰り返し述べていますが、私の一連の発言の趣旨は「もっと競技への気持ちを強く持って欲しい」という織田選手への励ましです。ですから特に織田選手の名誉を傷つけるものではないと考えます。

Sorry if my response was not clear enough. By “negative speculation,” I was referring to two points.

1. “Making an excuse”

それから私が“言い訳”という言葉を用いたのを問題にされているようですが、私がこの言葉を用いたのは「深刻な精神障害にでも陥っているのなら仕方ない」という仮定の話の中でのことです。もし彼がこの決断を下した主な要因がそうしたことにあるのだとしたら「自粛」という説明は言い逃れだったことになる、ということです

Yes, I found this comment to be misleading. I think that it gives an impression as if he were lying.

2. “Accountability”
Another “negative speculation” I was referring to was about his “accountability”. Although you kept saying that the main argument of yours is “encouragement”, you kept coming up with negative speculations about how Oda-kun did not fulfill his “accountability.”
But this is an imprecise negative speculation in that 1) he actually had long discussions with the Japanese Skating Federation and 2) he had made an official announcement to the public through the website of the Federation. Although these may not be “enough” from what you believe the athlete “should” be, it is not that he did not do anything to fulfill his "accountability". So I found these comments misleading to the reader.

Aside from that, I personally find it simply outrageous to demand that you as an audience cannot forgive him for not appearing at Nationals unless he develops a “serious mental disorder;” and that even if he has a “serious mental disorder,” he “should” publicly announce it to the entire nation to fulfill his “public accountability”. Furthermore, you further go on accusing him for a hypothetical situation by saying that if he was actually suffering from a psychological damage, his announcement about 'self-restraint' would have been merely an excuse.
Although I respect your opinions, I must say that I was really surprised to read these comments. These comments sounded to me quite inhumane and cruel, and made me wonder what gives you the rights to be so demanding and so accusing. Although you may assume a greater accountability in Oda-kun than in an average person because of his receipt of public funds, doesn’t every one of us benefit from public funds and resources? Doesn’t Oda-kun also pay taxes? Besides, he has not even received public fund since the incident. I personally found it quite unfair to impose such an outrageously high standard of “accountability” to Oda-kun and spreading negative speculations on the web about how he did not fulfill the “accountability” based on the limited information available.

In summary, the points 1) and 2) made me question that you seem to be being more demanding and imposing your own ego on Oda-kun than encouraging him, and that you seem to be making him look as if he were an irresponsible liar. Having said that, however, I now have a greater understanding that you also meant to be encouraging in your heart and that these might not have been your intent even though it might have not been communicated as such. Nevertheless, I got such impressions from your responses and felt quite upset and consumed; but I feel less so now after reading your response.
In any case, I sincerely wish his emotional well-being.

-> yukiさん

私もそれほど英語が得意ではないので、yukiさんが何を問題にされているのかうまくつかめずに見当外れの説明をしていたかも知れません。説明責任云々というのはやりとりの中で一般論として言及しただけで、私の強調したい論点ではありません。それはその度に言明してきたはずです。

よりわかりやすい言葉を、と思って取り敢えずこうした議論の際に一般的に用いられる“説明責任”という言葉を用いたのですが、このような本来は政治家などの公的な役職にある人物について論じるための用語でスポーツについて語るのは私の本意ではありません。私の心情により近い言い方をするなら「アスリートとファンの相互の信頼関係に対する責任」ということになるでしょうか。

スポーツというのは競技者だけでなくそれに声援を贈るファンがあって初めて成立するものです。早い話がこれほど世の中のフィギュアスケートへの関心が高まらなければ関西大学も自前のリンクを建設しようなどとは考えもしなかったでしょう。

一般に一流と言われるアスリートほどそのことに自覚的なものです。例えば中田英寿さんはマスコミへの不信感から取材に対してほとんど口を利かなくなりましたが、マスコミを介さずに自分の言葉をファンに伝えようとウェブサイトを利用してきました。桑田真澄投手は翌日の試合がジャイアンツのユニフォームでの最後の登板になるということをほとんどルール違反すれすれのような手段を用いてファンに伝えました。

これまで織田選手に声援を贈ってきて、全日本での復帰を心待ちにしていたファンは今よくわからない理由での棄権という事態に呆然となっています。強化費のことは措くとしても、織田選手にはこのことを何とかする責任というのはそれなりにあると思います。


それから私の発言に驚かれたとのことですが、私はむしろ織田選手の今回の決断に疑念を呈す声があまり聞かれないことを意外に思っています。安藤美姫選手はトリノオリンピックのシーズンには轟々たる非難が浴びせられました。まあ彼女の場合はフィギュアスケート選手の枠を超えて国民的アイドルのような存在になっていたのでそれだけ風当たりが強かったということなのでしょうが、熱心なフィギュアスケートファンの中にも彼女に辛辣な見方をする人が少なくなかったと記憶しています。

トリノオリンピックの結果は多くのファンの期待を裏切るものだったとはいえ、彼女なりにベストを尽くした結果だったわけです。今回織田選手が大事な試合を欠場したというのはそれよりもはるかに重大な事態であって、私はもう少し議論があってもいいのではないかと思っています。まあただ単に織田選手への世の中の関心が安藤さんほどには高くないということなのでしょうけどね。


こんなことで私の言いたいことが少しは理解していただけたでしょうか…。

ずっと英語でのコメントに付き合っていただきありがとうございました。やっと日本語で書けるコンピュータを使えるようになったため、日本語でお返事します。

そうですね。大筋として、おっしゃっているご意見はよく分かりますし、それを批判するつもりだった訳ではなかったのですが、ただ、私自身がメンタルヘルスに関する仕事をしているからか、「『深刻な精神障害』ならば仕方がないけれど、そうだったとしても、それならそうと説明すべきだった」という所で、本当に驚いてしまったんです。

万が一、『深刻な精神障害』の場合には、世間に対する説明云々よりも、まず自分を守る事を一番に考えて、休養と治療を最優先すべきですし、それは周囲や世間からも最大限に尊重されるべきだと思います。『深刻な精神障害』とまではいわずとも、仮に、軽い鬱や不安症状などがある方が、自分の心身状態を人に説明することを強いられたら、それは、ものすごいエネルギーを消耗します。まして、それを世間に公表して、マスコミやネットで取り沙汰される事が、体と心にどういう影響を及ぼすかお考えになった事はおありですか?

また、最初は軽い鬱状態とか、誰でもかかるような軽い心の風邪のような状態で、少し休めば良くなるはずなのに、周囲の無理解から「頑張れ」と「励まし」や「叱咤激励」をされ、自責の念で症状が悪化したり、自殺に追い込まれたり、という事もよくあります。周りの方々でそういう事例をご覧になった事はございませんか?

誤解のないように申し上げますが、今、織田くんが心理的にどういう状態なのか存じませんし、織田くんが「精神障害」を抱えているとか、「鬱状態」だと申している訳ではありません。

ただ、事件後の心の傷とか心理的重圧といった事は伝え聞きといった形で報道はされており、心理的に辛い状況であった事は察せられ、織田くんならば乗り越えられると信じていますが、元気かなぁ、と心配はしています。彼がどういう考えに基づいて行動していて、どういう心境なのかが分からない状態で、「彼に『必要』なのは叱咤激励」とは言い切れないと思います。

-> yukiさん

こんばんは。しばらくのご無沙汰でしたが日本語でほっと致しました。^ ^

私は精神疾患についての専門知識はありませんが、人並みの理解はあるつもりです。こうしてウェブ上でおつき合いしている方の中にもそうした疾病に罹患していることを公言されている方が複数おられます。またそういう方に限って人一倍責任感が強かったりするものですから、はらはらとさせられたりしております。

もし織田選手がそうした状態にあるのでしたら周囲は十分な配慮をして上げることが必要ですし、ファンも騒ぎ立てずに静かに見守って上げて、彼に無用な非難が浴びせられるようなことがあればそれから擁護して上げなければなりません。しかしある程度正確な情報を知らされていなければそれもできないわけです。何も彼自身が説明する必要はなく、コーチのお母様など周囲の関係者がコメントすればそれで済むことです。正確な診断名も無理に公表する必要はなく、「試合に出場できる精神状態ではなく、医師から欠場を勧められている」という程度の説明をしてもらえれば誰もがそれで納得するし、みんなで温かく見守っていこうという雰囲気になったのではないでしょうか。もし実際にはこうした事情で欠場に至ったのだとしたら、「自粛」といったような取り繕った説明はやはりするべきではなかったと思います。


以上のことはあくまで憶測に過ぎないことで、一応の信頼性のある情報である「自粛」という説明を額面通り受け取る限りは彼に必要なのは叱咤激励だと思っています。結局国体やアイスショーなどへの出場はなく復帰は来シーズンになるようですが、プルシェンコ選手やサーシャのようにすでに一時代を築いた人ならともかく、これからライバルの高橋選手に追いすがっていかなければならない立場にある織田選手が一シーズンをまるまる棒に振るというのはかなり厳しい道を選んだことになるような気がします。まあこの時間を利用して将来を長い目で見据えて練習に取り組んで、より強くなった織田選手として戻って来てくれるといいのですけどね。

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