「ロンドンデリーの歌」の起源
2008年9月15日
暑さも少しずつ収まりはじめているこの頃、虫の音に耳を傾けつつ聴き入りたくなるのがアイルランド民謡の「ロンドンデリーの歌」である。この曲についての Wikipedia 英語版の項目に興味深い解説が記してあった。2000年に研究論文が発表され、この曲の起源についてかなり詳しいことがわかってきたらしいのだ。かいつまんで言うと、元々は「Aislean an Oigfear」(若者の夢)という三拍子の歌だったものが四拍子の曲として採譜され、現在知られる形になったということのようだ。日本語版に翻訳を投稿しておいたので関心のある方はお読みになるといいと思う(それまで「ロンドンデリーの歌」が「ダニー・ボーイ」へのリダイレクトになっている状態が長期間放置されていたということに私としては憤りを覚えるのだが)。出典として言及されている英文のページにはより詳しいことが書いてあるようなので私も後で目を通しておきたい。
ちなみに私がこの歌の録音で愛聴しているのはアイルランドの歌姫、メイヴさん(ケルティック・ウーマンのオリジナル・メンバーの一人でもある)による歌唱である(アルバム「銀色の海」所収)。彼女が歌っているのは1901年に作られたというゲール語の歌詞なのだが、かなりの字余りで普通私たちが知っているのとは節回しが違っているのが興味深い。素晴らしく美しい歌声なのでぜひ多くの方に聴いていただきたいものだと思う。
コメント
私、この歌好きでした。
知ったのは子供の頃の百科事典。ソノシートが付いていたと思うんですが、あるいは楽譜のみだったかもしれません。
カラオケで歌ったとき、日本語歌詞が知らないものだったのでネットで調べた事があります。
二木紘三のうた物語 ロンドンデリーの歌 http://duarbo.air-nifty.com/songs/2007/03/londonderry_air_2799.html
私が知っていたのは近藤玲二の作詞版でした。
-> 充実ハリソンさん
いい歌ですよね。私は日本語で歌われるのはあまり聴いたことがなかったです。「ダニー・ボーイ」の歌詞があまりにも有名になっていますが、やはりリンゴの花の下に佇む恋人のイメージがこの旋律に合っている気がしますね。
「若者の夢」との関連性自体は結構前から知られていたみたいですね。民衆が専ら口頭で歌い継いできたメロディーの成り立ちが明らかになっていく様子にはロマンを感じてしまいます。