スケートアメリカ2008 女子シングル SP
2008年10月27日
今年も選手の一挙手一投足にはらはらどきどきさせられる季節がいよいよやってきた。まずは女子シングルSPの感想から。
レイチェル・フラットさん:「ムーン・リバー」
冒頭のトリプル–トリプルはダウングレードとなった模様だがピアニスティックな技巧が散りばめられた音楽が美しく楽しんで見た。今シーズンを通じて楽しみなプログラムになりそう。
長洲未来ちゃん:チャップリン・メドレー
身長がだいぶ伸びたそうですらりとした体型が氷の上に映えた。ルッツの着氷が乱れた後、急遽フリップをコンビネーションにした落ち着きは大したもの。
キミー・マイスナーさん:アンジェパッセ
得意のはずのジャンプに切れがない。体も十分に絞りこめてないように見えた。
中野友加里さん:ショスタコーヴィチ『馬あぶ』から「ロマンス」
衣装がきれいで見惚れてしまった。今シーズンのベスト・コスチューム賞はこれで決まりという感じ。これほどお似合いの出で立ちで魅せてくれればルッツがダブルだっていいじゃないか。音楽はひたすら甘く美しいロマンスで、ショスタコーヴィチらしいグロテスクさの片鱗も見られない。こういうのは何だか却って気持ち悪く感じてしまう。
安藤美姫さん:映画『SAYURI』から「Chairman's Waltz」
衣装の色合いに品がなくて残念。日本を題材にした映画の音楽なのにどう見ても日本の色合いでないというのはいかがなものか。冒頭のコンビネーション・ジャンプは残念ながらダウングレードで、ステップでまた転んでしまったが演技終了後に笑顔が見られたのがよかった。スパイラルでフリーの左手をひらひらとさせる振付けが印象的だった。体の線がとてもシャープなのでしっかりと調整できていることが窺われる。フリーでは4回転ジャンプの挑戦を明言しているので楽しみ。
キム・ヨナさん:サン=サーンス「死の舞踏」
音楽の主題に合わせたのだろうけど衣装がちょっと地味過ぎる気がする。せっかくの若さが映えない出で立ちは損だと思うのだが。冒頭のコンビネーション・ジャンプは相変わらずの高さとスピードで素晴らしい。ダブルアクセルのミスはスパイラルからすぐに入る難しい跳び方なのでこういうミスも仕方ないところ。得意のイナバウアーからからだけではないヴァリエーションを見せようという意欲が感じられる。
男子シングル
男子はSPの放送をうっかり見逃してしまった。結果を知らずに夜のフリーの放送を見たが小塚崇彦選手の優勝にびっくり。冒頭の4回転のトウループは回転不足で転倒してしまったがその後をきっちりとまとめ、コンビネーション・ジャンプを規定の回数一杯に跳んだことが勝利を呼び込んだようだ。これで彼もいよいよ世界のトップ選手の仲間入りを果たしたことになる。これからもますますあの滑らかなスケーティングで世界のフィギュアスケートファンを魅了して欲しい。欲を言えばもう少しプログラムの中でメリハリをつけて劇的な構成を作り出すような演技になるともっといいと思う。
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