スケートカナダ2008 女子シングル SP
2008年11月 3日
通常より短い時間枠なのに驚いたことに全選手が放送された。やればできるんじゃないか、テレビ朝日。というわけで私も欲張って全選手の感想を書いてみる。しかしいつものことながら地上波放送がなくて気合いが入っていないと内容が充実するというのは全く何というべきか…。
シンシア・ファヌフさん:ショパン ノクターン第20番
ショパンのノクターンのヴァイオリン編曲版によるプログラム。おそらくナタン・ミルシテインによる編曲だと思う。衣装の色と雰囲気がよく合って楽しく見ることができた。
ジェンナ・マコーケルさん
この人は痛々しい感じの演技しか見た記憶がなかったのだけど、今回はかなりミスの少ない演技で上位に食い込んできた。ケヴィン・ファン・デル・ペレン選手との結婚で充実した私生活を過ごしていることがいい結果に結びついたのだろうか。
ミリアン・サムソンさん
初めて見る選手。ジャンプはぱっとしなかったけど気品のある表情が魅力的だった。
アリッサ・シズニーさん:サン=サーンス「白鳥」
前哨戦で素晴らしい内容と聞いていたので楽しみにしていたがルッツは敢えなく転倒。でもやっぱりこの人の演技は美しい。欲を言えば最後のビールマン・スピンはもう少し時間に余裕を持たせてたっぷりと見せて欲しい。
武田奈也さん
ピンクの蛍光色の衣装が目に痛い。トリプル–トリプルを封印し確実に点数を稼ぐ戦術を採ったが得意のループで失敗して冴えない点数に。昨シーズンはNHK杯でまさかの表彰台と大躍進のシーズンだったけど、シニアで安定して活躍するにはもう少しジャンプの難度と確実性が求められるところだと思う。
ベアトリサ・リャンさん
昨シーズンと同じプログラムだと思うけどスピンから始まるのが特徴的。ほとんどの選手がプログラムの最初に三つのジャンプをまとめている中で彼女はジャンプをバランスよく配置している。こういうのはきちんと評価して上げて欲しいと思う。
村主章枝さん
ジャンプに自信が戻ってきたようで得意のルッツやフリップに高さがあった。右足でのレイバック・スピンでバランスを崩すミスはあったが全体的に生き生きとした演技だった。モロゾフコーチに師事するという大きな決断をして臨んだシーズンが彼女にとって満足のいくものになるよう祈りたい。
エレーナ・グレボワさん:ドヴォルザーク「我が母の教え給いし歌」
この人は選曲がいつも私のツボをついてくるので応援したくなる。内容は得意のトリプル–トリプルで転倒したりして本来の力は出せなかったようだけど雰囲気のあるいい演技だったと思う。
イェンニ・ヴァハマーさん
フィンランド期待の新星がいよいよシニアデビュー。私は演技を見るのは多分初めてで、名前は以前からよく聞いていたけどこんなにかわいい人だとは知らなかった。私の好みのタイプで、ジャンプが失敗した時の痛々しい表情にまでそそられてしまった。また応援する選手が増えて大変だけどやっぱりうれしい。
ジョアニー・ロシェットさん
コンビネーション・ジャンプで間にターンが入ってしまったが大きな減点にはならなかずSPを終えてトップに立った。さすがに実力者というべき、力強い演技。
キャロライン・ジャンちゃん:バヤデール
表情や体型が少しだけ大人っぽくなったキャロラインちゃん。これ以上大きくならないようにこのまま時間を止めてしまいたくなる、今まさにそんな微妙な瞬間に立ち会っているような気がした。ルッツをプログラムから外してきたのはおそらく体型の変化やエッジの矯正などの事情があってうまく跳べていないのだと思う。フリップも挑戦はしたが転倒、癖の強い跳び方は相変わらずでちょっと見映えに問題がある。でもそんなことには関係なくかわいいものはかわいい♥
カロリーナ・コストナーさん
今までにくらべて身のこなしがとても優雅になってきたという印象を受けた。どうもこの人は恵まれた体型ながら私には演技が野暮ったく感じられることが多かったのだけど、大人の女性らしい柔らかな雰囲気が身についてきたように思う。トリプル–トリプルのコンビネーション・ジャンプがダウングレードされたり最後のダブルアクセルでもったいない転倒があったりして点数的には物足りない結果になったのだけど、彼女の演技を見て初めて心から満足したと言える内容だった。
フリーの感想はまた後日。
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