グランプリファイナル2008 女子シングル フリー

2008年12月14日

番組冒頭に“筋書きのないドラマ”という思わせぶりな言葉が出たのに思わず苦笑。6分間練習をライヴで流すなら競技も生放送にすればいいのに。


ジョアニー・ロシェットさん

最初のルッツは着氷が乱れてコンビネーションにできず。しかし後半のジャンプ・シークエンスは二つともきれいに決めてみせた。このところこだわって取り組んでいるこのジャンプ構成だが両方とも成功したのは初めてではないだろうか。SPは冴えなかったが今日は存在感をアピールできていたように思う。


安藤美姫さん

曲目を急遽変更して作ったという新しいプログラム。これが初のお披露目ということになったが最初のジャンプがコンビネーションではなくサルコウの軌道に入っていったのでびっくり。テレビ朝日にも情報が入っていなかったらしく、いつもならくどいほど煽るくせに今日は何の前振りもなかった。伊藤みどりさんがすぐさま“トリプルサルコウ”と言ってしまったのは大きな失態ではなかったか。私も「あれ?」と思いつつ頭の中で打ち消してしまった。しかしこれが安藤さんの久しぶりの4回転サルコウの挑戦だった。惜しくもダウングレードされてしまったが、演技終了後のあの喜びようを見るとやはり毎回挑戦させて上げたい気がする。結果は最下位だったけど彼女にとって価値ある挑戦だったと思う。今回はルッツも満足に跳べていない状態での強行だったので、次はもっと状態のいい時に挑戦して欲しい。


カロリーナ・コストナーさん

最初のフリップからのコンビネーションはトウループがダブルに。その後中盤から後半にかけてループとサルコウを相継いで失敗。この大会は今一つ彼女のよさが出なかったような気がする。


中野友加里さん

最初の助走の段階で緊張感のある滑りを見てトリプルアクセルを跳ぶんだな、と確信。はらはらして見つめたが結果は明らかな回転不足。怪我も抱えている中での挑戦はやや無理があったようで、それがたたったのかフリップでも回転不足をとられ、ステップでは中盤でつまづいてしまった。それでもこの後失敗の許されない全日本が待っていることもあり、失うもののないこの大会で挑戦できたのは価値あることだったのではないかと思う。


浅田真央ちゃん

今日は最初のトリプルアクセルをコンビネーションにし、二つ目を単独ジャンプに。二つ目の方はやや回転が微妙な気がして、みどりさんは完璧と太鼓判を押してくれたけど今日のみどりさんはちょっと信用がおけないので結果が出るまでどきどき。しかし両方とも無事認定されて女子としては国際試合初の快挙となった。フリップで転倒してコンビネーションが一つ足りなくなったので点数は記録的なものにはならなかったが、トリプルアクセルは二つとも加点をもらえているので今後に向けての大きな収穫になったと思う。3年振りの優勝はおそらく恐いもの知らずで臨んだ前回とは違ったうれしさがあるはず。泣き出しそうになるのをこらえるかのようにインタビューに答える姿が印象に残った。心から「おめでとう」と言って上げたい。


キム・ヨナさん

真央ちゃんが史上初の快挙を達成したものの点数はそれほど記録的なものではなかったのでヨナさんのでき次第でどちらに転ぶかわからないどきどきの展開に。苦手意識のあるループを回避して堅実に点数を重ねたが二つ目のルッツがまたもシングルに。続いてサルコウでも転倒してしまった。ただ真央ちゃんもコンビネーション・ジャンプが一つ足りないのでかなり際どい勝負になると予想した。結果は真央ちゃんにわずかに届かず2位。今シーズンからトリプルアクセルの基礎点が高くなったことが表れた結果とも言えそうだ。これがなければちょっとした誤差で入れ替わっていたかも知れないと思ったりする。


SPの結果がちょっと物議を醸し出しそうなものだったので、誰もがすんなりと納得のいく結果になればいいが、と案じていたが、本当の意味での好勝負になってとにかくほっとした。これからもこの二人が競い合って成長していく上でとても有意義な結果だったと思う。ヨナさんを応援していた地元韓国のファンにとってはがっかりだったかも知れないけど、この結果はヨナさんの選手としての評価に傷をつけるものでは全くないので、これからも変わらずに応援していって上げて欲しい。


男子シングル フリー

小塚崇彦選手

SPを首位で終えて臨んだフリー演技、4回転ジャンプを回避するという選択も現実的なものとしてあったはずだが敢えて挑戦。何とか転倒は免れたもののダウングレード。この挑戦が後半の疲労を招いたのかループと二つ目のトリプルアクセルで転倒してしまい、高橋大輔選手や織田信成選手に先んじての日本の男子選手として初の快挙はならなかった。4回転ジャンプを回避していればまた違った結果もあったかも知れないが、しかしこの大舞台で守りに入らず果敢に挑戦したことを称えたい。2位でも十分立派な結果であり、あらためて彼の実力が証明された大会だったと思う。

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コメント

こんにちは。まずは真央ちゃんおめでとうですね!
私は急な外出で見られなかったのです〜(涙)
なのでsergeiさんのレビューは大変助かりました!
フリップが残念だったようですけど、あの鬼のようなプロを
本当にモノにしつつあるなんて・・・どこまですごい選手になるのやら。
友加里さん、美姫さんも万全でない状態の中よく挑戦したものだと感服です。
マスコミがやたら「世界一」だのあおってますけど(苦笑)、
色々なことに挑戦するのにはもってこいの試合なので、良かったなぁと。

今回のSPは何やかやと物議をかもしておりますし、
タダでさえ注目されている競技なので、
選手に雑音が届きませんように・・・と思っていたのですが。
注目されるというのは一長一短ですね。
筋書きを作りたがってる人たちが、「筋書きの無い・・・」とはこれいかに(苦笑)

-> 鳥野空音さん

こんにちは。せっかく生に近い状態で放送されたのにあの名勝負をリアルタイムでご覧になれなかったのは残念でしたね。


真央ちゃんは最後の方はさすがに足にきていたみたいです。やはりトリプルアクセルを2回跳ぶというのは大変なことなんだな、と思いました。でも昨夜ニュースを見ていたら荒川さんが真央ちゃんにはトリプルアクセルとトリプル−トリプルのコンビネーション・ジャンプを2回ずつ跳ぶという構想があるということを紹介していました。男子のトップ選手にとっても大変なことだと思いますが、でも真央ちゃんなら本当にやってしまいそうなところがこわい…。^ ^


ファイナルは失うものがないということもあって、安藤さんも中野さんも、男子の小塚選手もそれぞれ果敢な挑戦をしてくれましたね。いずれも今回はうまくいかなかったとしても、今後の競技生活には必ず生きてくるナイス・トライだったと思います。


フィギュアスケートは日本で今注目が集まっていますし、日本の選手が当事者となっているケースでソルトレイクシティー・オリンピックのようなことがあれば大変な騒ぎになることでしょうね。その意味で誰でもすんなりと納得できる結果になったことにほっと胸をなでおろしています。でも今回はマスメディアは変に煽り立てるような報道はしていなくて、むしろウェブ媒体の方で大騒ぎになっていた感がありました。こうやってブログで意見を発表している身として、無責任に騒動に火をつけるようなことのないよう心してかからねば、と気を引き締めているところです。

sergeiさん
 全日本女子は・・・中野さんがNoミスで素晴らしい滑りでした。観ていて全然危なげなく、表現力も良かったですね。
現時点ではトップですが・・・明日が楽しみです!

-> Kenおじさん

中野さんとても素晴らしかったですね。彼女自身にとっても生涯最高の演技の一つだったのではないかという気がします。フリーも楽しみですね。

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