ラフマニノフの「鐘」とは何か
2009年6月28日
浅田真央ちゃんが来シーズンのフリー・プログラムの曲目をラフマニノフの「鐘」にするという発表を聞いた時、最初に思ったのは、「また随分とマニアックな選曲をしたものだな。声楽付きで歌詞のある作品なのに、競技用のプログラムに使えるのだろうか? 声楽のないオーケストラのみの部分をつなぎ合わせてプログラムを作るなんて器用なことができるのだろうか?」ということだった。もちろん私は合唱交響曲「鐘」Op.35のことを思い浮かべていたのだが、よくよく調べてみると何のことはない、ピアノ独奏曲である前奏曲嬰ハ短調Op.3-2のことだった。
今あらためて各種報道をチェックしてみると、見出しでは単に“「鐘」”としているところも多いが、記事本文ではきちんと“前奏曲「鐘」”と説明しているものが多い。単に“ラフマニノフの「鐘」”としたのでは非常に紛らわしいということを知ってのことかはわからないが…。
実はWikipediaの「鐘」の項目の初版を投稿したのは私なのだが、冒頭で前奏曲のことにも言及しておいたのは実に賢明だった。でなければきっと混乱した人が多かっただろうな…。
下の動画は2008年5月のラフマニノフ国際ピアノコンクール12歳以下の部で第2位に入賞した高橋兼続さんによる前奏曲嬰ハ短調の演奏。
コメント
ラフマニノフの「鐘」はピアノ曲は若かった頃の作品で、合唱曲の方は晩年の傑作ですね。記事をアップしました。
ラフマニノフはピアノ曲、管弦楽曲共、アシュケナージ独断の場となってます。
ただし、「交響曲第2番」はプレヴィン、ロンドン響が名演ですが、「交響曲全集」になるとアシュケナージが勝ってます。
ラフマニノフは得意。フィギュア・スケートが趣味。sergeiさんと一致してます。
-> eyes_1975さん
合唱交響曲の「鐘」は40歳くらいの頃の作品ですね。作曲家として最も脂ののっていた時期で、「鐘」は彼自身が最も気に入っていた作品の一つだとも言われています。この数年後にロシアを出国してからは作曲活動は極めて低調になっていますので、作曲家としては“晩年”と言えるかも知れません。
アシュケナージさんはピアニストとしても指揮者としてもラフマニノフ作品に精力的に取り組んでいますね。ラフマニノフ協会の会長も務めていて、彼の作品を普及させた最大の功労者の一人だと思います。前奏曲全集の録音にはピアニストとしての技倆が最高に発揮されていますし、チェコ・フィルとの共演で再録音した「鐘」も素晴らしい熱演です。
お互いよく趣味が合いますね。^ ^
うちのかねの弾く「鐘」も聴いてみてください。http://www.youtube.com/watch?v=5Boq-TYCZ8U
-> 高橋富士夫さん
はじめまして。コメントありがとうございます♪
ご紹介の動画、拝見しました。この高橋兼続さんというのは息子さんでしょうか。素晴らしい演奏ですね! ラフマニノフ国際ピアノコンクールで第2位というのも納得です。実に豊かな才能で、将来が楽しみですね。
せっかくなのでこのページに埋め込ませていただきました。今後ともどうぞよろしくお願いします。
sergeiさん
動画の埋め込み有難う御座います。
高橋富士夫さん
はじめまして! ご紹介を感謝申し上げます。
最後まで聞き惚れてしまいました。ブラボー!!
-> Kenおじさん
素晴らしい演奏ですよね。^ ^