「微笑みを見つけた」

2009年8月 9日

作詞:遠藤京子 作曲:鈴木キサブロー 編曲:井上日徳

今月3日に行方がわからなくなって以来その安否が案じられていた酒井法子さんだが、昨日の夜に警察に出頭し、5日ぶりに姿を現した。その間に彼女の置かれた立場は“悲劇の妻”から“容疑者”へと一変してしまったわけではあるが、最悪の事態も想定される状況だっただけに、ともかくも無事が確認されたことにほっと胸をなでおろした。

のりピー”といえば80年代後半を代表するトップ・アイドルの一人で、あの時代に青春を過ごした人で彼女の愛くるしい笑顔に魅了されなかった者はいないだろう。私も特に熱心なファンというわけではなかったけど、数多の女性アイドルが少年達の心をわしづかみにしたあの時代にあって、のりピーはその中でもとびきりかわいい人だったと認識している。

正直にいうと私は失踪が伝えられた時点で本人に嫌疑が降りかかる事態もある程度予期していたのだけど、彼女が“悲劇の妻”であれ“容疑者”であれともかく無事でいて欲しいと願わずにいられなかった。今後は犯した罪について法の裁きを受けなければならないし、それは彼女にとってとてもつらい道のりになるだろうけど、生きてさえいればまたやり直すこともできるはずだ。


大抵の報道では彼女の肩書きは“女優”となっていたが、のりピーは当然“歌手”でもある。去年のことだったか、NHKの『SONGS』で彼女が中山美穂 & WANDSの「世界中の誰よりきっと」を歌うのを聴いたけど、私には「ミポリンの曲をのりピーが歌っている」という話題性以外に刮目すべき点があるようには思われなかった。ヴォーカリストとして特に資質に恵まれた人というわけではないだろう。私には歌手としての酒井法子さんに格別の思い入れはない。

そんなのりピーの歌の中で、私が割りと気に入っているのが「微笑みを見つけた」という作品である。この曲は1990年8月21日にリリースされたようなのだが、リアルタイムでは全く記憶にない。おそらくそれほどヒットした作品ではないのだろう。

私がこの歌を最初に聴いたのは、ヴィヴィアン・ライさんという香港の歌手(以前このサイトで少しふれたことのあるヴィヴィアン・チョウさんとは別の歌手)による広東語でのカヴァーだった。中古CDショップでたまたま入手した香港のアイドル歌手のコンピレーション・アルバムに収録されていたものである。聴いていてとてもいい曲だな、と思ったのだけど、作詞者、作曲者のクレジットから日本の楽曲のカヴァーだということはわかったものの、元のタイトルが明記されていなかったので誰の何という曲なのかまではわからなかった。

それが後に例によって中古CDショップで手に入れたのりピーのシングル集にこれが収録されていて、この曲が酒井法子さんの「微笑みを見つけた」という作品だということがわかったのである。ヴィヴィアンの声もとてもかわいくてよかったのだけど、のりピーのオリジナルもやはりとてもいい雰囲気で、日本語詞がまた実に素敵だった。このアルバムにはシングルのジャケット写真が載っているのだけど、これがまたとびきりかわいい笑顔なのだ。そんなわけでこの曲はすっかり私のお気に入りになったのである。


彼女の行方がわからなくなって以来、私はずっとこの曲を聴きながら彼女の無事を祈っていた。薬物事件の被疑者であれ何であれ、ともかく無事に生きていてくれることが何よりである。いつかまたあのとびきりののりピー・スマイルを私たちに見せてくれる時がくることを願っている。自分で蒔いた種とはいえ今とてもつらい思いをしているに違いないのりピーに、何とかして「泣ける程温かい言葉」を伝えて上げられたらいいのだが…。

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コメント

個人的には、「なんであんなのと結婚したんだろうな・・・」というところに、
行き着いてしまいますね・・・。
あるブログに書いていた中国人風に言うと、
『なぜあんな “ゴミ” に・・・』って感じですね・・・。
 
ちなみに自分は、あの「のりピー語」にはついていけなかったひとりなので、
それほどの思い入れがあったわけでもないのですが、
『碧いうさぎ』だけは好きでしたね・・・。

-> ボランチさん

なんであんなのと結婚したんだろうな・・・

まさにそこなんですよね。矢田亜希子さんにしてもそうなのですが、あれほどきれいな人だったら身の回りに崇拝者がいくらでもいるに違いないはずなのに、どうしてよりにもよってあんなろくでもない奴と一緒になるんですかね…。とても不思議だし、残念で仕方ありません。


“のりピー語”は私もついていけたわけではありませんが、まあかわいいものはかわいい♥です。^ ^

アッコが「酒井容疑者、復帰さすな」とか「この際、芸能人で(薬を)やっている人がいたら一斉摘発された方がいいと思う」とか、“過激”発言したとされていますが、これは決して過激発言などではないといえます。

やはり、芸能界から薬物を一掃するには、警察による徹底した摘発とともに、芸能人の不祥事に甘い業界の構造的な問題を改めることが不可欠です。 また、所属事務所は、その社会的な影響力を考慮して、角界と同じように所属タレントを対象に、薬物防止教育や抜き打ち尿検査をやるぐらいの厳しい姿勢を取るべきでしょう。

近年の薬物事件の特徴は、大学生が絡んだ大麻事件が頻発するように、罪悪感を持たず乱用する若者や、ストレスから逃避するため、手を染める会社員や主婦が増えるなど、その魔の手が一般の人に伸びていることにあります。

薬物汚染の蔓延は疑いもなく、人格の破壊、家庭の崩壊、ひいては国家社会の崩壊をもたらす由々しき事態であり、政治家やマスコミももっと声高に薬物汚染の危険性をアピールするとともに、社会全体で撲滅に取り組むべき問題といえます。

-> ミューズさん

薬の魔力は恐いものですね。こんなものがこれ以上社会に蔓延しないことを祈ります。

はじめまして。
私も「微笑みを見つけた」が大好きで、検索してこちらにたどり着きました。
のりピーが中国語で歌っている映像をみて、メロディーの良さに惹かれたのですが、日本語詞もとても良くて。
ここ最近は通勤時にずっと聴いてます。
彼女のドラマは結構観ていて、熱狂的とまでは言えませんがファンでしたので、今回の件は非常にヘヴィーな出来事でした。

犯した罪は決して軽くはないですし、沢山の人を傷つけてしまったのは事実です。
物理的な損害も多大です。
ただ一方で、心から悔いて、更生しようとしている人に優しい社会であって欲しいとも思います。
「自分は罪を犯さない」と思い込んでる人が殆どでしょう。
事実そうだとしても、身内や友人が酒井さんのような立場になった時、あんなに冷たくするのかな?と。
切り捨てるのは簡単ですが、それじゃ余りにも悲し過ぎます。
そんな社会じゃ、一般人の私達だって生きて行くのが辛くなると思います。

何だか色んな事を考えるきっかけになった出来事でした、この事件は。

-> とめさん

はじめまして。コメントありがとうございます♪

のりピー自身が中国語で歌ったヴァージョンというのがあったんですね。私も映像を探して見てみましたが、こちらもとてもかわいかったです♥

歌詞はヴィヴィアン・ライさんが歌ったのとは違うもののようでした。ヴィヴィアンのは広東語ですが、のりピーのは北京語のようです。


犯した罪は決して軽くないですし、人気者であればあるほど風当たりが強くなるのも仕方ないでしょうが、連日の騒動は見ていてちょっと気の毒でした。メディアの人たちだってこれまでのりピーの人気に便乗する形でいろいろと得をしてきたこともあっただろうに、とも言いたくなりました…。

過去に犯罪を犯したことがあるからといって社会から排除されてしまっていいはずはないので、彼女が自分の罪を悔い改めて再出発しようとする時には、それを温かく迎える社会であって欲しいな、と思います。

ぜひともまたあのとびきりの“のりピー・スマイル”に会いたいものですね。

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