キム・ヨナさん 新情報など

2009年10月16日

フランス大会開幕を目前にしてキム・ヨナさんの情報がいくつか入ってきている。それによると今シーズンはコンビネーション・ジャンプの組み合わせを変更して、フリップを単独にし、トリプルルッツの後にトリプルトウループをつけるという構成で臨む方針らしい。これまでスピードと高さのあるトリプルフリップ–トリプルトウループのコンビネーションはとても評価が高く、ヨナさんの技術の高さを象徴する存在だったのだが、昨シーズンは踏切でのエッジの不正確さが指摘されるようになり、その対策としてフリップを単独にすることを選択したようだ。真央ちゃんのルッツにしてもそうなのだけど、足許だけに注視するのでなく演技を全体として見ていれば全く気にならないような細かい瑕疵をあげつらうことによって、選手の持ち味ともいえる技が封印されていってしまうというのは何だか割り切れない思いもする。

こちらの記事によると、ややわかりにくい表現だが、これまではステップでレベル4を狙って練習してきたがレベル3までしかもらえていないので、今後はレベル3でいいからGOEをたくさんもらうことを意図して取り組んでいくことにしたらしい。女子のステップでのレベル4というのは確かこれまでカロリーナ・コストナーさんが一度もらったことがあるだけで、あまり現実的な目標ではなく、これは堅実な選択といえるだろう。

SPはボンド・ガールを意識したプログラムのようだが、ヨナさんはとても魅力的な女性ではあるものの、いわゆる“フェロモン系”の美女ではないので、こうした趣向が果たして成功するかはなかなか難しいところだと思う。下手をするとちょっと痛々しい感じにもなってしまいかねないけど、オリンピック・シーズンに敢えてこうした挑戦的なプログラムを用意してきたことが吉と出るのか凶と出るのか、実に興味が尽きない。


高橋大輔選手の『』はTVの放送で一部を見ることができたのだけど、これまでになかったやわらかな感じのプログラムで、ニコライ・モロゾフコーチと組んでいた時とは随分雰囲気が変わってきたな、という印象を受けた。久しぶりの試合のせいで疲れが出ていたようで、全体にやや動きの切れがなかった感じだけど、これからさらに完成度を高めていけば彼の代表作のような存在にもなりそうなプログラムだと思った。


ジャパンオープン/カーニバル・オン・アイスのおさらいをちょっとしておくと、浅田真央ちゃんの「」について中間部が全く使われていないと書いたけど、よく見直してみるとほんの少しだけ使われていることがわかった(最初のフライング・シット・スピンのあたり)。私はそもそもオーケストラ編曲版の「鐘」というのに馴染みがなかったので、注意して見直してみないとわからなかった。

しかし、あのように低い音量で音がもそもそと鳴っている部分だけをほんの申し訳程度に使うのでは、主部/再現部との対照を印象づけるような効果は全くなく、全体に単調なプログラムになってしまうという懸念は拭い切れない。また主部/再現部からのつなぎ合わせ方も、ストレートライン・ステップの前で一旦曲が終わっていて、その後にまた曲の途中の部分をつけ加えるという不自然な構成になっていることにも気がついた。トリノ・オリンピックで荒川静香さんが滑ることを予定していたショパン幻想即興曲では、オーケストラ編曲版であることの違和感だとか曲のつなぎ方の不自然さが気になるこということはなかったのだけど、今回ばかりはどうにも不安…。

最後のストレートライン・ステップなどは細身の体で曲に負けずにダイナミックに動けていて、そういうところは練習の成果が出ていて素晴らしいので、それがむしろ単調な曲調を逆手に取るような形で大きな感動を生み出すことになればいいのだけど。


中野友加里さんはやはり肩に影響が出ているようで、スケート人生の集大成となる大事なシーズンは多難な船出となってしまった。あせらずにシーズンのトータルとしていい結果になればいいんだ、と割り切って取り組んで欲しいと思う。がんばり屋さんの中野さんに、運命が微笑みかけてくれることを祈りたい。

Bookmark and Share BlogPeople 人気ブログランキング にほんブログ村

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

管理者の承認後に反映されます。

http://vita-cantabile.org/mt/tb-vc/544

コメントを投稿

最新のコメント

author

author’s profile
ハンドルネーム
sergei
モットー
歌のある人生を♪
好きな歌手
本田美奈子さん、幸田浩子さんほか
好きなフィギュアスケーター
カタリーナ・ヴィットさん、荒川静香さんほか

最近のつぶやき

おすすめ

あわせて読みたい

Giorni Cantabili を読んでいる人はこんなブログも読んでいます。