グランプリファイナル2009 女子シングル フリー

2009年12月 5日

アシュリー・ワグナーさん

後半のルッツとフリップで着氷が乱れたが、全体には彼女のよさが発揮されたいい演技だったと思う。「韃靼人の踊り」は彼女にとてもよく似合っていて、うっとりと見惚れてしまった。


鈴木明子さん

私のアドバイスを受け容れて、というわけでもないだろうけどルッツを一回にしてフリップを二度跳ぶ構成に変更してきた。これは賢明な判断だと思う。ダブルアクセルからのコンビネーションはトリプルトウループからのシークエンスに変更し、これで5種類のトリプルジャンプが全て入ったことになる。旧採点の頃からこの競技を見てきた身としては、点数の足し算をするばかりでなくプログラム全体のバランスにも配慮した構成には好感が持てる。

ストレートラインステップは彼女らしい躍動感に溢れていて、見ていて胸が熱くなった。今日の鈴木さんは最高に輝いていた。世界のトップ6が集まった大会での銅メダルは実に見事。この素晴らしい快挙を心から祝福したい。あの赤い衣装がまた彼女の輝きを引き立てていたけど、これも荒川静香さんのデザインなのかな?


ジョアニー・ロシェットさん

今シーズンの彼女は波が大きいので、SPの出来からするとフリーでいい演技を見せてくれるかとも期待したけど、逆に悪い方への振れ幅の大きさを示す結果となってしまった。これほどジャンプが決まらないロシェットさんの演技というのは初めて見た気がする。唯一トウループからサルコウへのシークエンスがきれいに決まったのだけが好材料というところか。


アリョーナ・レオノワさん

このところ躍進著しいレオノワさんだが、今日はジャンプでミスを連発し冴えない演技だった。笑顔のとてもかわいい人なのに、キス&クライでは今にも泣き出しそうな表情で、コーチが必死に慰める姿が印象的だった。しかし少し前まではロシアの女子は壊滅的な状況だったことを考えれば、彼女がこうしてシニアでも活躍できているのはとても明るい材料ではある。


キム・ヨナさん

最初のルッツは着氷が乱れ、続くトウループがダブルになってしまった。ダブルアクセルからのコンビネーションも、トリプルトウループが明らかに回転不足だった。彼女もシーズン初戦があまりにも会心の出来だったために、ここにきてそのプレッシャーに苦しんでいる様子が窺われる。しかし決して万全の出来ではない中でもフリーでトップに立つ実力はさすがに素晴らしい。


安藤美姫さん

コンビネーション・ジャンプ二つの難度を落として手堅くまとめる戦術に。SPはトリプル–トリプルを跳ぶ予定でいたのをとっさにトリプル–ダブルに変えたようだが、今日の選択はどういう判断だったのか。全体にはややおとなしい感じの演技で、ストレートラインステップなどはいつもの彼女らしいはち切れるような躍動感に乏しかった。優勝も期待される状況ではあったけれど、ヨナさんに一歩届かなかったのも仕方のないところか。しかし今シーズンは以前の彼女からは考えられないような抜群の安定感で、着実に成長しているんだな、と実感させられる。

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