グランプリファイナル2009 男子シングル フリー

2009年12月 6日

トマーシュ・ヴェルネル選手

4回転トウループは一つ成功させたものの、それ以外には見所のない演技になってしまった。彼は元から調子の波が大きい選手だが、今回はそれが取り分け悪い方向に振れてしまった。


ジェレミー・アボット選手

4回転トウループは果敢に挑んだが失敗、しかしその後は手堅くまとめたいい演技だった。彼も上背があって手足の長い、フィギュアスケートには恵まれた体型だが、少しずつそのメリットを生かせるようになってきているように感じる。


ジョニー・ウィアー選手

彼がSPとフリーで両方ともよかったというのはかなり久しぶりに見た気がする。フリーは特にプログラムが彼に合っていて、見ていて引き込まれてしまった。銅メダルは立派な成績だけど、彼にはこれ以上の伸びしろがあまり感じられないのがちょっと気にかかるところ。


織田信成選手

全体にはまずまずよかったのだけど、アクセルが二つシングルになったのが痛かった。最後のはおそらくダブルの予定だったものをミスを取り返すためにトリプルに挑戦したのだろうけど、それは裏目に出てしまった。これまでの二試合に比べると、動きも表情もちょっと硬かったように感じた。この緊迫感のある試合では無理もないことだけど。まあとにかくこれで念願のオリンピック出場が決まったので、今後はそれに向けて入念に準備を進めていって欲しい。


エヴァン・ライザチェク選手

彼もアクセルが一つシングルになってしまったが、ほかには大きなミスはなく、手足の長さを生かしたいつもの彼らしいダイナミックな演技だった。今シーズンは「火の鳥」と「シェエラザード」というフィギュアスケートでは王道のプログラムで臨んできているが、私の感覚ではどちらも女子選手向きというイメージがあり、これがファンやジャッジにどのように受け容れられるのかが少し気になるところ。

あとやはり4回転ジャンプへの意欲が全く感じられず冒頭に当たり前のようにルッツを持ってきているのもちょっと寂しい気がする。今大会は結局全選手を通じて4回転ジャンプは最下位に沈んだトマーシュ・ヴェルネル選手がSPとフリーで一度ずつ成功させただけという結果になった。このことをエヴゲニー・プルシェンコ選手やブライアン・ジュベール選手はどう感じただろう。


高橋大輔選手

最初の4回転トウループで転倒し、それが響いたのか残りの演技もガタガタになってしまった。特にスピンは壊滅的な状況だった。怪我から復帰してまだ4回転ジャンプの感覚が完全に戻っていない中で先を見据えて果敢に挑戦しているのが悪い結果に出てしまった、というところか。まあ結果にはあまりとらわれず一歩一歩ステップアップしていってくれればそれでいいのだけど。

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