バンクーバー・オリンピック アイスダンス

2010年2月23日

とにかくヴァーチュー&モイア組が素晴らしかった。今シーズンのフリーダンス、マーラーの交響曲第5番第4楽章アダージェットについては予てから評判を聞き及んでいて楽しみにしていたのだけど、実際見るのはこのオリンピック本番が初めてということになってしまった。あのマーラーの耽美的な世界をアイスダンスでここまで表現できるということに、ただただ感服するほかなかった。フィギュアスケートの歴史に残る名演技といっていいのではないかと思う。まだ若いカップルなので、本人たちにその気さえあれば4年後の大会での連覇という偉業も夢ではなさそうだ。気が早いけどその時はぜひ『トリスタンとイゾルデ』をやって欲しい、などと考えてしまった。


このカップルのことで頭が一杯でほかのカップルにまで気が回らなくなってしまったのだけど、今回のアイスダンス競技でもう一つ注目されたのがドムニナ&シャバリン組のオリジナルダンスだった。このカップルは今シーズンのオリジナルダンスのテーマとしてアボリジニのダンスを選んだのだが、ヨーロッパ選手権の後に当のアボリジニから批判を受けてしまったのだ。私はアボリジニの人たちがどういう主張をしたのかよく知らないし、オリンピックでの演技を実際に見ても何が反発を招いたのかはよくわからなかった。部外者にはヨーロッパ社会とは全くことなる文化を持つ人たちの伝統をアイスダンスの競技に採り入れるという意欲的な試みと映るのだが、振付けや衣装の中に当事者からするとあり得ない要素が入っていたのかも知れない。

それはともかくコンパルソリーダンスの競技前の時点でアボリジニの人たちとの和解が成立したとのことに安堵した。特に今回のオリンピックは先住民の文化の尊重ということを重要なテーマとして掲げた大会なので、その点に関して汚点が残ることにならなかったのは幸いだった。


リード姉弟もとてもよかったと思ったのだけど、世界の壁は厚く目標としていた10位以内は果たせなかった。しかし彼らも若いカップルなので、今後に向けて努力していって欲しい。

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コメント

女子はまだこれからですが、今回はどのカテゴリーもすごくハイレベルな戦いだと思います。全体的に、前のオリンピックはわりと優勝するメンバーが予想通りと言う感じで(女子はショートは僅差でしたが)結果もほぼその通りと言う感じでしたが。
カナダのカップルの素晴らしさ、お恥ずかしながら、私は音楽にあまり詳しくないので、セルゲイさんほどは実感出来てはいないんです。でも、すごくキレがあって、スピードがあって、スケーティングがすごく綺麗だと言うのは感じました。個人的には2位のアメリカのカップルもやっぱりすごくいいなと思いましたが。でも、最終グループはどのカップルもほとんどミスがなく、情感もあり良かったです。中には片方の選手が体調不良の時期などがあり、1年を通してはあまり活躍できず、万全の状態ではなくても、今の時点で出来ることはやりきったと言った感じを受け、とても良かったです。
それにしても、確かに良かったけれど、カナダのカップルの得点にはビックリです。全カテゴリー通じて今の採点方式では歴代1位なのでは?ほとんど100点に近い点、本人たちにだってもう2度とは出せないかもしれないハイスコア、あんな点が出るんですね。

リード組、なかなか良かったですけど思ったより順位は伸びませんでしたね。ビジュアルは欧米のカップルに負けてませんし、まだ若いので今後に期待したいです。ちなみに、彼らのオリジナルダンスの衣装は吾が身内の一部に不評でした(爆)

ちなみに、ちょっと話題がそれるのですが、今回のアイスダンスの放送にちょっと意義を唱えたいなあと思っています。おそらく日本ではアイスダンスが一番マイナーで(ペアもですが、ペアは日本出身で海外で活躍している選手が目立っているので、けっこう話題にはなってますし、スロージャンプなどの大技が目をひきます。アイスダンスはジャンプが無く、芸術性は高いのですが、ある意味一般受けは一番しないカテゴリーかも。私自身、アイスダンスは一番最後に好きになったカテゴリーです)カーリングなど日本で人気があるものがあれば、そちらを優先するのは分かるんです。ペアのフリーも最初の組がカーリングの日本戦とかぶっていたからか、放送はありませんでしたが、それは仕方がないかなと諦めました。ただ、アイスダンスはコンパルは全組生でやっていたのに、オリジナルダンスはなかなか放送予定が立たず、ギリギリにBSでのダイジェスト放送決定、フリーに至っては何と最後から2番目のグループの放送がカット。後でBSでの放送で見れるようになって(まだ確認していません)いるとは思うのですが、そこを生で放送しないのはどうかと。最初の方にリード組(グルジア代表の妹さんも含め)がいるので、そっちを放送と言うのも分かるし、製氷の時間はカットになるのはもちろんなのですが、何となく気に入りません。

-> モモさん

私もアイスダンスに関しては技術的なことはよくわからないのですが、金メダルのカップルのフリーダンスはああいう点が出たのもわかる気がします。彼らの演技には確かにそれだけのものがあったと思います。おそらく旧採点方式なら6.0が並んでいたのではないでしょうか。

TVの放送は、今回のオリンピックに限らず今シーズンはずっとアイスダンスを冷遇していましたね。オリンピックになってようやくまともにアイスダンスを見られた気がします。おそらくアイスダンスは他の競技に比べて視聴率がとれないというはっきりとしたデータがあるのだと思います。もう少し日本でもアイスダンスの人気が高まっていかないと状況は改善しないのでしょう。

その意味で、リード姉弟には今後期待するところが大きいです。今回は順位はあまりぱっとしませんでしたが、これからもっと上位で競り合えるようになれば日本でのアイスダンスの人気も高まっていくのではないでしょうか。

実は彼らのオリジナルダンスはついうっかりして見損なってしまいました。なので写真で見ただけなのですが、確かにあの衣装は日本人が見るとかなり微妙ですよね。ドムニナ&シャバーリン組のオリジナルダンスも、それと似たような感じでアボリジニの人が見ると微妙だったのかな、と思いました。民族舞踊というテーマは難しいですね。

アイスダンス、日本が今までそこまで活躍していないし、パッと見一般的には地味な印象っぽいので、やっぱり関心が低いんでしょうか。でも、オリンピックだしNHKだから、まさかああゆう放送をするとは思っていなかった分、ショックが大きかった気がします。オリジナルダンスの放送予定、しばらく「なし」と言われていた(電話などで実際に問い合わせた方がけっこういたようです)ようで、ファンの声にこたえて、ダイジェストでも放送してくれたのではと思い、感謝していました。だから、まさかフリーであんな放送をするとは思っていなくて。マイナーな競技であっても、オリンピックなのだから、逆転でメダルの可能性がある、最後から2つ目のグループはやっぱりきちんと放送して欲しかったなと思います。でも、日本のカップルは若くて綺麗だし、今回の1、2位は同じくかなり若く綺麗で技術も表現力もある組だったので、こうゆうのをきっかけにもっと多くの人に見てもらえるようになれば、、、と思います。
衣装、リード組は私は特にでしたが、ドムシャバ組はちょっと「う〜ん」と思いました。個性的と言うか何と言うか好みの分かれる格好かなと。ロシア、アイスダンスでは金メダル取れるかもとちょっと思ってたんですが、2人の調子が万全ではないこともあり、今回は残念な結果に。次のオリンピックまでは何とか頑張れるのではと思っているのですが。ちなみに、女子は今回は無理ですが、次回の地元開催ではメダル候補が何人かいるような気がします。

カナダのカップル、旧採点なら確かに6・0が一杯出たんだろうなと主今ながら私も見ていましたが、旧採点のままなら、彼らがここまで活躍出来たかどうかは分からないなと言う気もしました。

-> モモさん

何しろTV局というのは視聴率によって動いているものなので、これはもうどうしようもないのかな、と私などは諦めてしまっています。NHKにしてもやはり視聴者からの要望というのは大きいようです。リード姉弟のこれからに期待しましょう。

ドムニナ&シャバーリン組のODは確かに意見の分かれるところでしょうね。私はああいう挑戦的な試みには好意的なのですが、場内の盛り上がりは今一つだったようで残念でした。

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