ショパン・コンクール2010 結果発表

2010年10月21日

今月初めからワルシャワで開催されていたショパン・コンクールは日本時間の今日未明で本選の日程を終了し、今朝早くに審査の結果が発表された。注目の優勝者はロシアから参加したユリアンナ・アヴデエヴァさんだった。私はこの人の演奏はほとんど聴けなかったのだけど、ブログやTwitterなどでこの人を推す意見はほとんど目にしなかったので、この結果はかなり意外だった。ソナタ賞を受賞しているので、三次予選のアーカイヴあたりからチェックしてみようと思っている。

2位にはルーカス・ゲニューシャスさん(ロシアとリトアニアの二重国籍の模様)とインゴルフ・ヴンダーさん(オーストリア)さんの二人が選ばれた。ゲニューシャスさんはファイナルの演奏を途切れ途切れの映像で辛うじて聴けただけなのだが、落ち着き払った堅実な演奏という印象を受けた。ヴンダーさんも私自身は演奏を全く聴けていないのだが、三次予選くらいから急に世評が高まってきて、特にファイナルの演奏はかなり熱狂的に称賛されていた。コンチェルト賞と幻想ポロネーズ賞を受賞しているので、このあたりは聴衆と審査員の意見が一致したと言えそうだ。私もぜひコンチェルトの演奏はアーカイヴで聴いてみたい。


私のお気に入りのニコライ・ホジャイノフさんは残念ながら入賞を逃してしまった。ファイナルの演奏はまずまずよかったと思うのだが、最初かなりかたくなっている様子が見てとれて、本来の力は出し切れなかったようだ。オーケストラと合わせることにもあまり慣れていなかったようで、若さによる経験不足も影響したのかも知れない。少し残念な結果ではあるが、何しろまだ若いピアニストなので、もしまた5年後に挑戦することがあれば、その時は押しも押されもしない優勝候補として臨むことになるだろう。


半月ほどに亙ってこのコンクールの模様を追跡してきたわけだが、ショパンの作品ばかりを集中して聴き続けたのも初めてだったし、短期間にこれほど多くのピアニストの演奏を聴いたのもこれまでなかったことで、いろいろな意味でいい経験になった。その中で何人か自分が魅力的だと思えるピアニストに出会えたことは実にうれしい。選考の結果は自分の思い通りにならないことも多かったが、そんなことに一喜一憂しながら成り行きを見守るのもコンクールの楽しみ方なのだと思う。この経験を通じて私の音楽観が少しでも深いものになっているといいのだが…。

最後に、コンテスタントのみなさん、そしてマエストロ、アントニ・ヴィトとワルシャワ・フィルのみなさんに、「ありがとう、そしてお疲れ様でした」。

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