アメリカ大会2010
2010年11月17日
女子シングル
村上佳菜子ちゃんの優勝に沸いた今大会、他の選手の不振に助けられた面もあるとはいえ、シニア初参戦でのこの結果はやはり快挙というほかない。ジュニア上がりとしては異例なほどの高いPCSをもらっているところに彼女の資質の高さが表れている。たくさんの加点をもらっているトリプルトウループ–トリプルトウループのコンビネーションもさることながら、フリーの後半で(今のところ二度ともきれいに決まっていないのだが)逆向きのカーブを描く助走から直前にエッジを乗り換えて踏み切る、ちょっとルッツ風味のループを跳んだり、カウンターからサルコウを跳ぶなど、要素の入り口部分に工夫が凝らされているところもすごいな、と思う。ファイナルでの活躍も楽しみ。
男子シングル
高橋大輔選手はフリーでかなりのミスが出てしまったけど、SP、フリーともにステップで高得点を叩き出していて圧巻。2007年のグランプリファイナルではいい演技をしながらステファン・ランビエール選手にPCSで差をつけられて優勝を逃すということがあった高橋選手だが、逆に高いPCSで他選手をかわして優勝することができるところまでスケーティング技術の評価が高まっているところに、この3年間の彼の進境が表れているという気がする。
織田信成選手はまたしてもコンビネーション・ジャンプの跳び過ぎという過ちを繰り返して優勝を逃す結果に。予定していたジャンプを跳べなかった場合に演技をしながら構成を練り直すことの困難さは素人にも容易に想像がつくが、こうまで同じ失敗を繰り返すとなるとやはり本気で対応を考える必要があるのではないだろうか。取り敢えずよくわからなければ無理に挽回しようとしない方が結果的にはうまくいくと心得ておくだけでも違ってくると思うのだが。
フリーの曲は当初織田選手本人が難色を示したという話も出てきた。私ももう少し彼の個性が生きる選曲をした方がいいのではないかと思っていたのだが、このあたりは彼のチームがそれなりの熟慮を重ねた末の判断だったのだろうから、尊重して見守るしかないかな、と思う。
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