女子体操に現れた遅咲きのエレガンス

2010年11月20日

現在中国広州で開催されているアジア大会、私はあまり見ていないのだけど事後的に情報をチェックしていてちょっと気になる選手を見つけてしまったのでここに書いておきたい。というのは女子体操の田中理恵さんのことで、競技の模様は全く見ていなかったのだが、新聞に載っていた写真をたまたま目にして体操選手らしからぬ(という言い方が適切かよくわからないのだけど)美しさに目を奪われたのだった。そのすらりとした肢体は私の抱く体操選手のイメージとはかなり異なっていて、こんな選手が日本にいたのか、とちょっとした衝撃を受けた。もちろん体操も美しさを競う競技には違いないのだが、体操競技における美しさというのはバレエやフィギュアスケートとはやや違っていて、そういう意味で彼女の美しさはちょっと異質だと思ったのだ。

記事には身長156センチと体操選手にしてはかなりの長身で、23歳にして初の世界選手権出場を果たすという、10代の選手がトップで活躍することが普通の女子体操界では異例の遅咲き選手だといった事実が紹介されていた。さらに調べてみて、先月の世界選手権の個人総合では17位ながら最も優雅な演技をした選手に贈られるエレガンス賞を受賞していたことを知った。やはり私が最初に写真を見て抱いた第一印象は間違っていなかったらしい。

YouTubeに現地で観戦した人が撮影したと思われる世界選手権の映像がいくつかあったので、ここで床の演技を紹介してみる。彼女の演技が、小柄な幼児体型の選手がひたすらゴム鞠のように跳びはねる、といったような、普通私たちが女子の体操について描くイメージとはおよそ懸け離れたものであることがおわかりになると思う。正規の採点ではより上位に位置する選手が何人もいるのに彼女に特別賞を与えた審査員の気持ちも実によくわかる。競技の常識を打ち破るようなその優雅さに、彼女のことを“体操界の太田由希奈”とでも呼んでみたくなる。



彼女の経歴について詳しくはNumberの記事を参照していただきたい。私が最初に見たのとは違うけど産経新聞のサイトに写真がたくさん掲載されている(「次の写真」をたどっていくといくつも見られる)。見ての通りとてもきれいな人で、輝くような笑顔も素敵だが、ちょっと愁いを帯びた表情もまたぐっとくる。

ここでは紹介しないでおくけどTVのインタビューの映像を見ると受け答えもはきはきとして気持ちいい人なので、今後も継続して活躍していけば人気が沸騰することは間違いないと思う。彼女はお兄さんと弟も体操の選手で、お兄さんの田中和仁選手とは先月の世界選手権に兄妹出場を果たしている。今度はぜひオリンピックの同時出場も果たして欲しい。

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コメント

自分も、理恵ちゃんにやられました〜。(笑)
 
sergeiさんも書かれているように、いままでの器械体操の選手は、
体も顔もこどもこどもしててみる気もしなかったんですが、
理恵ちゃんはまさに異質で、上品な美しさ・優雅さが漂ってますね・・・。
エレガンス・・・エレガントっていうのも納得です〜〜。

-> ボランチさん

ボランチさんもでしたか。あの美しさにはやられてしまいますよね〜。^ ^

世界選手権もアジア大会も見ていなかったのですが、こんな選手がいるなら見ておくんだったと激しく後悔しています。その分ぜひオリンピックで応援させてもらいたいな、と思っているところです。

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