全日本選手権2010 男子シングル
2010年12月30日
遅くなってしまったけど何とか年内に今年の全日本選手権について書いておきたい。
小塚崇彦選手は念願の初優勝で、史上初の親子での全日本制覇を達成した。本人はフリーの出来がよくなかったのを気にしていたけど、ミスがあっても高い点をもらえるのは地力がついてきた証拠だと思って自信にして欲しい。
織田信成選手は何となくフリーでの勝負弱さみたいなものがイメージとして定着しかかっているのが気になるところ。ただやはりSPから4回転ジャンプを跳んでいる積極性は頼もしく感じる。練習ではそれなりの成功率があるようなので、試合で跳ぶ経験をさらに重ねていけばもっと安定して跳べるようになっていくと思う。
高橋大輔選手はSPでの大きな乱れからするとやはりグランプリファイナルでの衝突の影響が残っていたものと推察される。しかしそんな状態でもフリーで立て直して圧巻の演技を見せてくれたところに世界チャンピオンの底力を見た思いがする。ステップなどは本人比でいつもよりやや激しさが足りない気もしたが、中間のスローパートの苦悩をイメージした表現などはゾクッとするものを感じた。回転不足と判定されてしまったけどプログラムの後半にトリプル–トリプルのコンビネーション・ジャンプが入ったのもおそらくかなり久しぶりのことで、今後の戦略として大きな材料になるのではないかと思う。
羽生結弦選手はSPが好調であわやと思わせたが、フリーでは本来の力を出し切れなかった。やはり表彰台に上った三人とは経験などあらゆる面でまだ差があるということなのだろう。それでも冒頭の4回転を狙ったトウループがトリプルになるというロシア大会の時と同じ状況になりながら、今回はザヤック・ルールを回避できたあたりに適応力の高さが現れていた。
コメント
高橋選手を応援している身としては、ドキドキの2日間でした。4位になったらどうしようとすごく後ろ向きな考えになってしまい、「4位でも実績を考えれば世界選手権に出れる可能性はあるけど、何となくそうなると微妙な気持ちだし」と、もんもんとしていました。なので、本人も言ってたとおり、「何位でもとりあえず表彰台に上って決めたかった」と言うのに納得。優勝は出来なかったけど、本人は一安心と思っていると思います。得点はどうあれ、フリーで一番良かったと言うか印象の残った演技だったと思いますし。
それにしても、ショートの放送はひどかったですよね。クイズ番組するなら、もう少し演技を流して欲しかったです。今回は中庭選手や南里選手などの引退試合になったようですし、、、。ペアも1組ながらなかなか有力な上に解説に井上さんを呼んだのならもっときちんと放送して欲しかったです。
-> モモさん
高橋選手はSPを見た時はどうなることかと思いました。万全の状態ではなかったに違いありませんが、それでもフリーであれだけの演技をしてみせるとは、ほんとに強くなったんだな、と思います。
あの放送は…、はっきりいって最悪でしたね。結局競技の中継としては放送枠が一時間しかない地域と同じ内容だったわけで、それを二時間放送するかのように見せかけるというのは、視聴者を欺く行為だったと思います。こういうのはもうやめてもらいたいですね。