リン・ハレルさんとユジャ・ワンさんの弾くラフマニノフ
2011年2月28日
前回のエントリーでユジャ・ワンさんがスクリャービン作品を弾く動画を紹介したが、YouTubeにはリン・ハレルさんとの共演によるラフマニノフのチェロ・ソナタの演奏もあった。これもなかなかの名演なのでここに紹介したい。
ハレルさんは衣装のせいもあって何やらカーネル・サンダースのような風貌だが、朗々と闊達に歌うチェロは素晴らしいの一言に尽きる。この余裕綽々ともいえる歌い回しにくらべた時、ユジャさんの演奏にはどこか生硬に感じられるところもあり、この曲はまだ十分に自身の掌中に収め切ってはいないのではないかという気もする。しかしハレル翁のよく歌うチェロに丁寧に合わせているかに見えたユジャ嬢が随所でパッションを爆発させる、といった風情の演奏は十分に魅力的である。伸びやかな歌に満ちたこの作品を経験豊富なヴェテラン奏者と若い才能との共演で聴けるのは大きな喜びである。
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