乃木坂46「君の名は希望」
2013年7月31日
先日、東進ハイスクールの林修先生が乃木坂46のメンバーたちに「君の名は希望」の歌詞を解説する動画が公開された(9月1日追記:残念ながらすでに公開が終了している)。さすがに受験生のみならず広く世間一般からも支持される人気講師だけあって、歌詞の分析の鋭さはもちろんのこと、聴く人を引き込む話術の巧みさも実に見事である。自分で自分にメールを送るという際どい自虐ネタや、自分の解釈を無理に押し付けようとしない謙虚さなども、多くの人に受け容れられる秘訣なのかも知れない。
もう既に次のシングルが出ているタイミングでいうのも間が抜けているが、この「君の名は希望」は近年のアイドルソングの中でも取り分け好きな作品の一つである。目を引くのはやはり歌詞で、AKB48を立ち上げて以降の秋元康さんの作品としては、出色の出来映えだと思う。スクールカーストの底辺で呻吟する少年の鬱屈した日常に、一筋の光が射し初めた瞬間を鮮やかに描いている。
詳細な解析は林先生に譲るとして、私がうまいなと思うのは、全体としては過剰なほどに説明的なのに、部分を切り取ると豊かな想像が広がっていく素敵なフレーズが散りばめられているところである。前後の文脈にとらわれずより自由な世界に羽ばたいて、普遍的なメッセージを発するような素敵なフレーズの数々は、折りにふれ口ずさんで自分を励ましてみたくなる。
いつの日からか孤独に慣れていたけど 僕が拒否してた この世界は美しい
悲しみの雨 打たれて足下を見た 土のその上に そう確かに僕はいた
未来はいつだって 新たなときめきと出会いの場 君の名は“希望”と今 知った君の名は希望 - 乃木坂46 - 歌詞 : 歌ネット
乃木坂46は洗練された美少女が揃った魅力的なグループなのだが、デビュー以来どうも楽曲にインパクトが乏しいのを惜しいと思っていた。しかしこの曲は彼女たちの代表曲として長く聴き継がれていくに値する名曲といっていいのではないだろうか。
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