DOI2008 BSフジの放送を見て
2008年7月10日
昨夜のBSフジの放送、録画して見たが期待通りにいい内容で落ち着いて楽しむことができた。地上波では放送されずBSを楽しみにしていた二人の演技について一言ずつ。
鈴木明子さんは黒と赤の衣装で「リベルタンゴ」。音楽への入り込みように鬼気迫るものがあった。この日は浅田真央さん、高橋大輔選手と合わせて三人によるタンゴの競演が見られたことになるが、最もタンゴらしく見えたのは彼女だったような気がする(別に私はタンゴについて詳しいわけでも何でもないのだけど)。技術的な点ではルッツはすっぽ抜けていたしジャンプスピンのエントランスでもバランスを崩していたみたいだったけど、そういうことを気にさせないだけの迫力があった。遅咲きの実力派スケーターがいよいよ大輪の花を咲かせようとしているのを感じた。
もう一つのお楽しみは南里康晴選手の「津軽海峡・冬景色」だった。意外性を狙った選曲ではあるが過度にコミカルな調子にはならず、曲の世界を表現しようという意欲が感じられて好感を持った。随所に歌詞の内容を表していると思われる動きが見られたが嫌味のないユーモアというところか。昨シーズンのSPで滑ったベートーヴェンの「月光」と組み合わせた意図はよくわからないが、あるいは左手の三連符のリズムからあの8分の6拍子の旋律を連想したことによって出来上がったプログラムということなのだろうか。
ヴァイオリン演奏はどうも幸田聡子さん(ソプラノ歌手の幸田浩子さんのお姉さん)によるものらしい。ほかにこういう曲を演奏しそうなヴァイオリニストというと天満敦子さんくらいしか思い浮かばないが、調べてみてもコンサートで演奏したという報告はあってもCD等の音源は出ていないようなので。
フィギュアスケートで日本の音楽を使用する選手というのはなかなかいない(恩田美栄さんの「春の海」やクリストファー・ベルントソン選手の「Forever Love」など決してないわけではないが)ので彼がこういう取り組みをしてくれたことは大いに歓迎したい。ぜひ海外の試合でも披露して欲しいところだ。天満さんがルーマニアで「北の宿から」を演奏したら大喝采を浴びたというエピソードもあり、日本の演歌は海外の人にだって通じないはずはないのだから。そのためには国際大会でエキシビションに出場できるだけの成績をあげることが必要になるわけだが…。今シーズンは彼にとっても勝負の年になるはずで、昨シーズンの世界選手権出場の経験を糧に一層の飛躍を期待したい。

