DOI2008 BSフジの放送を見て

2008年7月10日

昨夜のBSフジの放送、録画して見たが期待通りにいい内容で落ち着いて楽しむことができた。地上波では放送されずBSを楽しみにしていた二人の演技について一言ずつ。


鈴木明子さんは黒と赤の衣装で「リベルタンゴ」。音楽への入り込みように鬼気迫るものがあった。この日は浅田真央さん、高橋大輔選手と合わせて三人によるタンゴの競演が見られたことになるが、最もタンゴらしく見えたのは彼女だったような気がする(別に私はタンゴについて詳しいわけでも何でもないのだけど)。技術的な点ではルッツはすっぽ抜けていたしジャンプスピンのエントランスでもバランスを崩していたみたいだったけど、そういうことを気にさせないだけの迫力があった。遅咲きの実力派スケーターがいよいよ大輪の花を咲かせようとしているのを感じた。


もう一つのお楽しみは南里康晴選手の「津軽海峡・冬景色」だった。意外性を狙った選曲ではあるが過度にコミカルな調子にはならず、曲の世界を表現しようという意欲が感じられて好感を持った。随所に歌詞の内容を表していると思われる動きが見られたが嫌味のないユーモアというところか。昨シーズンのSPで滑ったベートーヴェンの「月光」と組み合わせた意図はよくわからないが、あるいは左手の三連符のリズムからあの8分の6拍子の旋律を連想したことによって出来上がったプログラムということなのだろうか。

ヴァイオリン演奏はどうも幸田聡子さん(ソプラノ歌手の幸田浩子さんのお姉さん)によるものらしい。ほかにこういう曲を演奏しそうなヴァイオリニストというと天満敦子さんくらいしか思い浮かばないが、調べてみてもコンサートで演奏したという報告はあってもCD等の音源は出ていないようなので。

フィギュアスケートで日本の音楽を使用する選手というのはなかなかいない(恩田美栄さんの「春の海」やクリストファー・ベルントソン選手の「Forever Love」など決してないわけではないが)ので彼がこういう取り組みをしてくれたことは大いに歓迎したい。ぜひ海外の試合でも披露して欲しいところだ。天満さんがルーマニアで「北の宿から」を演奏したら大喝采を浴びたというエピソードもあり、日本の演歌は海外の人にだって通じないはずはないのだから。そのためには国際大会でエキシビションに出場できるだけの成績をあげることが必要になるわけだが…。今シーズンは彼にとっても勝負の年になるはずで、昨シーズンの世界選手権出場の経験を糧に一層の飛躍を期待したい。

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DOI2008

2008年6月29日

コーチの異動とかいろいろと大きなニュースはあったもののそれに反応している余裕がなくてすっかり世間から取り残されてしまったような気がする。もう新しいシーズンが始まろうとしていることに気持ちがついていけない状態ではあるけど簡単に感想を書いておきたい。


中野友加里さんは情熱的な愛の物語からの音楽だけど全体に踊りこなしがまだまだ淡泊な感じ。これからどれだけ新たな魅力をアピールしていくことができるかが楽しみになる。小塚崇彦選手のエキシビションはいつも選曲が微妙な感じがするのだけど逆回転のダブルジャンプを跳んでいたのが目を引いた。

川口&スミルノフ組は世界選手権4位の成績を引っ提げての凱旋は意義深いことだけど工事現場を思わせる組み合わせの衣装はいかがなものかと思う。明らかに衣装で損をしていた、今は引退した日本のアイスダンスのカップルの轍を踏まないことを願う。織田信成選手は体が絞れていて動きの切れもよく、一年振りの競技復帰に向けて準備万端整ってにることを感じさせた。安藤美姫さんは体調を崩していたとのことで心配したが演技後の笑顔がとても輝いていて安心した。

高橋大輔選手と浅田真央さんはともにタンゴ風の音楽だけどそれぞれの個性の違いが表れていて興味深い。高橋選手はSPがすでに人前で披露できるほどに完成されているのにコーチがどうなるのかが未だ明らかになっていないのが気にかかる。あるいはこのまま宮本賢二さんをメインのコーチにしてシーズンに臨むということがあり得るのだろうか。宮本さんにはぜひ“日本のモロゾフ”を目指して取り組んで欲しいという気もする。

真央ちゃんは振付けの随所に今までの彼女には見られなかった動きが採り入れられていてイメージチェンジに取り組む意気込みを感じさせられた。昨シーズンもかなりの変貌を遂げてみせてくれたけど、今シーズンはまたさらに新たな一面を見せてくれるのを楽しみにしたい。


かなりの人数がカットされるだろうということは覚悟していたが鈴木明子さんがカットされたのには唖然とした。真央ちゃんのインタビューは確かに貴重な映像には違いないがこれは『すぽると!』で流すべきものではないだろうか。

その真央ちゃんのインタビュー、ルッツの矯正とサルコウの習得のどちらに重点を置いて取り組んでいるのかはわからなかったが、SPのジャンプの構成を三通り用意しているというのが興味深かった。その中にトリプルアクセルを組み入れたものは入っているのか、とても気になるのだけど…。

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ジャパンオープン2008

2008年4月20日

今年で三回目となったこの大会、感想はやはり日本女子は凄かったの一言に尽きる。中野友加里さんは素晴らしい演技でイェーテボリの興奮を再現してくれた。世界選手権が終わってからちゃんと休養をとったのかな、と逆に心配になるほどの内容だった。トリプルアクセルは例によってダウングレードのようだけどPCSでもまた高い点をもらえて、お遊び大会とはいえ今後の彼女の安定した評価につながる意義ある結果だったと思う。

浅田真央ちゃんもイェーテボリでは跳ぶ前に転倒したトリプルアクセルを成功させるなど、この時期でもコンディションを高いレベルに保っているところを見せてくれた。ダブルになってしまったけどサルコウを入れてきたのは先ごろ公にされた来シーズンからのルール改正案を意識してのことだったろうか。常に新たな課題に取り組む姿勢に真央ちゃんらしさを感じる。


そのほかではやはりサラ・マイヤーさんの充実ぶりが目を引いた。ほぼノーミスの演技でシーズン中よりむしろよかったのでは、と思わせる出来だった。男子では点数のことはともかくトッド・エルドリッジさんの滑らかなスケーティングが印象に残った。ジェフリー・バトル選手が世界チャンピオンに輝いたこともあってこういう演技の魅力を再発見できたような気がする。


放送では荒川静香さんのエキシビションも紹介されたけど、風格のある演技で一際輝いていた。個人的にあの手の洋楽があまり好みでないので見ていて今一つ乗り切れないところもあったけど、ゴールドの衣装に身を包んだ荒川さんはやはり神々しく見えた。

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世界選手権2008 アイスダンス

2008年3月24日

リード&リード組

ODではミッドラインステップで二人が衝突して姉のキャシーが手をついてしまうミスがあったが、FDでは意図した通りの演技ができたようだ。初出場にして先輩の渡辺&木戸組の最高位に肉迫する16位という結果は大健闘と言えるだろう。日本のアイスダンス界の今後に希望の光を感じさせてくれた。


デロベル&シェーンフェルダー組

これまで実力はありながら他の有力カップルに阻まれてなかなか大きなタイトルは手にできずにいたフランスのベテランカップルがついに世界の頂点に立った。かなりあくの強い独特の演出を施したプログラムの多い彼らだが、FDの「ピアノ・レッスン」は彼らにしては王道に近いプログラムだったと思う。ただ振付けに手話を採り入れたり、ODでも袖についたスカーフに用いたりとスケート技術そのものではないところで表現しようとするのは競技会のプログラムとしてはどうなのかな、という疑問もなくはない。しかしそれはともかく王者に相応しい風格のある演技だったと思う。


ヴァーチュー&モイア組

まだ若いカップルだけど情感のある雰囲気を作り出すのがうまいカップルだと思う。10歳にもならない頃からカップルを組んでいたという二人があまりにいい雰囲気なので見ていて嫉妬を覚えてしまうほど。アイスダンスは比較的選手の年齢層が高い種目だが、この若いカップルが地元開催のバンクーバー・オリンピックでは大活躍しそうな予感がする。

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世界選手権2008 男子シングル フリー

2008年3月23日

小塚崇彦選手

最初のコンビネーション・ジャンプは硬さが出たのか後ろのトウループがシングルに。その後はしかし予定した要素を着実に決めていった。後半に入って疲れが出たのかサルコウとルッツで転倒してしまったが、それでも彼のよさは十分に表れた演技だった。気がついてみればシーズン序盤にはやや水をあけられてしまったかに見えた同世代のパトリック・チャン選手をしっかりと上回って来シーズンの日本の出場枠三つを確保した。世界選手権初出場で8位は大健闘で、お父様も自らを超えていった息子の活躍に喜んでおられることだろう。


ジョニー・ウィアー選手

バトル選手とは対照的に4回転のトウループに挑戦してきた。アメリカ選手権で成功させていることがそうさせたのだろうか。残念ながらこれはダウングレードされて技術点を伸ばすことはできなかった。しかしそのほかほとんどミスのない、彼らしい優美な演技で魅了してくれた。これまでどうしても手の届かなかった表彰台に初めて立ち、あらためて彼の独特の表現力の素晴らしさを認識させられた気がする。


高橋大輔選手

始まる前ニコライ・モロゾフコーチと話す表情がとても硬かったので心配したが、悪いヨ間が的中した。4回転トウループとトリプルアクセルがいずれも二つ目で失敗。そのほかの要素も全体にやや雑な感じで、彼のよさが表れない演技になってしまった。最後のルッツの後にダブルトウループをつけた時は数が多いとすぐにわかったので泣きそうになってしまった。

結果論ではあるが、ランビエール選手、ジュベール選手といった4回転ジャンプを武器にした選手が必ずしも本調子ではなく、上にいるウィアー選手、バトル選手は4回転ジャンプを安定して跳べていないということを考えれば、4回転ジャンプは一つに抑えるという選択肢もあったと思う。今の彼ならそれでも総合力で上回ることもできたはずだ。ただ彼の最終的な目標をこの大会の金メダルではなく、バンクーバー・オリンピックでの金メダルにおくとすれば、今ここでこういう経験を積んだのは将来的にプラスになる判断だったとも言えるかも知れない。彼自身が一番悔しい思いをしているだろうから、その思いを今後のさらなる飛躍につなげて欲しい。


ブライアン・ジュベール選手

4回転ジャンプを三度跳ぶ予定でいたらしいが、これを一つに減らす安全策で臨んできた。前の選手たちの結果を見ればこれは正しい判断だったと言えるだろう。ただコンビネーション・ジャンプが一つ少なく、勝利を確信したかのようなガッツポーズから入ったストレートラインステップの後で跳んだダブルアクセルからのコンビネーションでトウループがシングルになったあたりが勝ちを決め切れれなかった要因だろうか。4回転ジャンプのないバトル選手をあなどって油断したのだとしたらもったいないことをした。しかし今シーズンは病気にも苦しめられたことを思えばこの大舞台で2位というのは彼にしては上出来と言えるのではないだろうか。


ジェフリー・バトル選手

昨シーズンの大会では同じく最終滑走で4回転ジャンプに無謀に挑戦し大きく崩れてしまったバトル選手だが、今回はやはり安全策を採ってきた。他の上位選手がいずれも完璧ではなかった状況ではこれが効を奏しまさかの金メダル。今シーズンの前半は不振が続き、正直そろそろ限界なのでは、などと不謹慎にも考えてしまったが、この大舞台には絶好調に仕上げてきた。4回転ジャンプを武器として使えるだけの精度がない選手なので、失礼ながら彼が世界チャンピオンに輝く日が来るとは思っていなかった。しかし元々総合的な美しさには定評のある選手なので、ジャンプだけがフィギュアスケートではないということをあらためて証明する結果になったとも言えるだろう。SPとフリーを通して完璧な演技で、彼ならではの美しい表現を見せての優勝を心から祝福したい。


全く予想もしなかった結末にしばし茫然となったが、考えてみれば4回転ジャンプが得意ではない選手が二人も表彰台に立ったというのはある意味極めてフィギュアスケート的な結果だったとも言える。表現力を魅力とする選手にとっては今後の励みとなる結末だったのではないだろうか。

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世界選手権2008 男子シングル SP

2008年3月22日

トマシュ・ヴェルネル選手

ノーミスの演技でヨーロッパ・チャンピオンの実力の片鱗を見せつけた。昨シーズンの世界選手権以来調子にのっている選手なのでフリーの結果次第では彼にも優勝のチャンスがありそうだ。ただランビエール選手、バトル選手、高橋選手の演技と比べて見た時、PCSはやや点が出過ぎているような気がしなくもない。


ステファン・ランビエール選手

トリプルアクセルではかなり転倒に近いステップアウト。4回転トウループからのコンビネーションも手をつくなどジャンプに乱れはあったが、スピンやステップでは実力を発揮してトップから僅差のいい位置につけた。一頃に比べるとジャンプに安定感がないとはいえ、実力者だけに優勝に近いところにいる一人と言えるだろう。PCSではいつも高い評価をもらっている選手だけに、高橋選手とは一つのミスが結果を大きく左右する際どい勝負になりそうだ。


ジョニー・ウィアー選手

ジョニーらしい持ち味の出た演技だった。SPではやはりトリプルアクセルに安定感のあるところが強みになる。バトル選手と同じくフリーで4回転ジャンプに挑戦するか、大いに悩むところになりそうだ。


ジェフリー・バトル選手

ベテランが久しぶりに本領を発揮して見せた。今シーズンのグランプリシリーズを見て、またカナダ選手権で優勝を逃したと聞いて世代交代という言葉が心の中にこだましてしまったりもしたが、まだまだ世界のトップレベルに位置することを証明する演技だったと思う。ピアノの旋律に乗せての情感溢れる演技は彼にしか出せない味わいだろう。フリーでは4回転ジャンプに挑むのか悩むところだろう。個人的には手堅くクリーンな演技にまとめた方が今の彼には幸いするような気がするが…。


高橋大輔選手

最初のコンビネーション・ジャンプからいつもの軽やかさがなく少し硬い感じに見えたが、次のトリプルアクセルでは着氷で手をついてしまった。解説の本田武史さんによると練習の時からジャンプで軸がやや斜めになる傾向が見られたとのことで少し心配になる。しかしその後のスピンやステップはいつもにもまして気合いがのって激しく動けていたように見えた。

SPを終えて3位は今の彼の実力からすればいい位置につけたと言えるだろう。上位二人はフリーでは技術点の伸びしろの少ない選手なので逆転は難しくないだろう。むしろ僅差で下につけているヴェルネル選手やランビエール選手の方が手強い相手と言えそうだ。しかしジャンプさえうまくまとめられれば彼に敵う相手はいないはず。ぜひ力を出し切ってチャンスをものにして欲しい。


ブライアン・ジュベール選手

4回転ジャンプは回避も考えていたようだが果敢にチャレンジして見事に成功。トリプルアクセルも楽に決めたが気が緩んだのかルッツで転倒という彼にはめずらしいミス。しかし状態がかなり心配されていた割りには元気なところを見せてくれた。フリーでは最後まで体力が持つかが鍵になりそうだ。


小塚崇彦選手

初めての大舞台でノーミスの演技。シニアに上がってから一頃やや伸び悩んでいたようにも見えたが、着実に成長しつつあることを証明してくれた。今シーズンのグランプリシリーズで活躍したパトリック・チャン選手とほぼ互格の点数を叩き出したのは心強い。ただ、これまでも何度か言ったけど、ジャンプが予定通り跳べていないにも関わらずガッツポーズが出てしまう欲のなさは少し寂しいところでもある。

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浅田真央ちゃん 優勝おめでとう!!

2008年3月21日

情報遮断にはあえなく失敗。結果を知っての地上波観戦の感想を。


サラ・マイヤーさん

苦手のフリップを一つにした構成で臨んだが二つ目のルッツがダブルに。そのほかは大きなミスなくマイヤーさんらしい美しい演技だった。総合6位はおそらく彼女としては過去最高ではないだろうか。こつこつと積み上げてきた努力が今花開いているようで素晴らしいと思う。


安藤美姫さん

昨日の深夜の時点で棄権が濃厚と伝えられていたので出場したことに驚いた。女王のプライドと日本代表としての責任感で無理を承知で強行したのだろう。新たな怪我につながっては大変なことなので途中でやめたのは大正解だろう。まあ何と言うか、どこまでもドラマティックな競技人生だな、と呆れてしまう。そういう星の下に生まれてきた人なのだろうか。ファンとしてはどこまでもついていって応援するほかはない。早く怪我を治してまた氷の上で元気な姿を見せて欲しい。


ジョアニー・ロシェットさん

最初のルッツからすでに乱れる彼女らしくない演技。それでも今シーズンこだわってきた後半のトリプルトウループ−トリプルサルコウのジャンプ・シークェンスは最もうまくいったのではないだろうか。会心ではなかったにせよ実力者の片鱗は見せつけた演技だったと言えるかも知れない。


カロリーナ・コストナーさん

冒頭にトリプルフリップ−トリプルトウループ−ダブルトウループという大技を見事に成功させた。SPに引き続きルッツの安定感に問題を感じさせたが、一頃の不振はすでに脱し、本格的な復活を遂げつつあると見てよさそうだ。私はヨーロッパ選手権を見ていないので彼女がSPとフリーの両方でいい演技をしたのは久しぶりに見た気がする。銀メダルは素晴らしい快挙で、アジアのトップ選手たちの間に割り込む実力の持ち主であることを証明する結果となった。ただこのフリー・プログラムの衣装はかわいくてよく似合っているけど曲の雰囲気と全く合っていない感は否めない。


キム・ヨナさん

SPを見た限りではかなり状態が悪そうに見えたがそんな不安を払拭する素晴らしい演技で、フリーだけでは1位だった。後半に二つ目のルッツがシングルになりサルコウの着氷がやや乱れた以外はミスらしいミスはなかった。冒頭のコンビネーション・ジャンプは助走のスピード、高さ、着氷後の流れと全て素晴らしかった。相変わらずのど根性には驚くばかり。あの可憐な少女のどこにそんな力が秘められているのか…。腰痛はどうも持病になってしまったあようなので、今後はそれとどう折り合いをつけながら競技を続けていくかが鍵になりそうだ。一つのプログラムの中でもスタミナもさることながら、シーズンを通してのスタミナ、ペース配分をうまく考えていく必要があると思う。ともかく2年連続の銅メダルは立派な成績で、心からおめでとうと言いたい。


浅田真央さん

アクセルは跳ぶ前に転倒と聞いていたのでどんな転び方をしたのだろう、と不思議に思いながらの観戦だったが、踏み切りの直前に軸となる左足が流れて後ろにそっくり変えるような転倒だった。あまり見たことのない転び方で、本人もおそらく初めてのことだろうから気が動転したに違いないが、全く後に引きずることなく真央ちゃんらしいハイレベルな演技を見せてくれた。二つ目のフリップの後につけたループがダウングレードされたり、SPに引き続きスパイラルのレベルを取りこぼしたりして真央ちゃんにしては低めの点数になったが、それでも要素が一つ足りない状況でもトップに立つ点数を叩き出してしまうところはやはり真央ちゃんならではだろう。本人にとっては満足のいく内容ではなかっただろうけど、悲願の初優勝は今後の自信になるだろう。素晴らしい快挙を心から讃えたい。


中野友加里さん

トリプル−トリプルのコンビネーション・ジャンプは回避したものの大きなミスのない生き生きとした素晴らしい演技。見た目にわかるミスがなかったのでこの日の演技の中では最も印象的な演技だったが、残念ながらトリプルアクセルと二つ目のフリップがダウングレードされて思いのほか点数が伸びなかった。場内の観客からも不満そうなブーイングが聞こえてきた。惜しくも表彰台に届かなかったけど、2年連続の5位から順位を一つ上げて4位となったところに積み上げてきた努力の成果が表れたというべきだろう。PCSでこれまでなかなか届かなかった7点台が揃ったというのは今後に向けて好材料である。そろそろジャッジも彼女の実績に見合った点数を惜しまずに出してくれることになるのではないだろうか。


表彰式での「君が代」は混声のア・カペラ・コーラスによる演奏でなかなか斬新な味わいだった。ただ早めのイン・テンポでの歌い回しは日本人の耳にはいささかあっさりし過ぎているように感じられた。

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世界選手権2008 ペア

2008年3月21日

川口&スミルノフ組はフリーで4回転のサルコウに両足着氷ながら見事に成功。これまですでに何度か成功させていたそうなのだけど、映像で見るのは初めてで感激した。4回転しているとは思えないほど軽々と跳んでいたのが印象に残る。体格差の大きいペアだからこそうまくいく大技と言うべきか。こんな技をコンスタントに競技会で採り入れているのだから素晴らしい能力を持ったペアだと思う。

惜しまれるのはこの後のサイドバイサイドのジャンプ・シークエンスで大きく乱れたことだった。3位のペアとは僅差だっただけに、これさえ決まっていれば表彰台の可能性は十分考えられるところだった。しかし世界選手権4位は立派な成績なので、これを励みにまた来シーズン以降さらなる飛躍を遂げて欲しい。国籍問題もまだどうなるか決まっていないようだが、この二人からますます目が離せなくなる。

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世界選手権2008 女子シングル SP

2008年3月20日

中野友加里さん

動きが軽やかで切れがあった。最後は曲からかなり遅れてフィニッシュしていたけど、元々短く作ってあったのか時間超過のディダクションは取られなかった。いい位置につけたのでフリーが楽しみになる。得意のトリプルアクセルに加えてトリプル−トリプルのコンビネーションジャンプが決まれば表彰台も見えてきそうだ。


安藤美姫さん

練習の時からトリプル−トリプルのコンビネーションジャンプの精度を欠いていたようで、二つ目のループを二回転に抑える安全策を採った。しかしスピンでもバランスを崩したりして点数は伸びなかった。全体にやや動きに切れがなかったように思う。フリーではトリプル−トリプルにも挑戦するつもりでいるようなので、ぜひ精一杯の演技を見せて欲しい。


浅田真央ちゃん

素人が一目見てわかるような大きなミスはなかったが、スピンやスパイラルで細かいミスが出てレベルを取りこぼしたようで思いのほか点数が伸びなかった。ステップでもいつもに比べてややエッジが滑っていなかったように感じた。しかし昨年のことを思えば上々の出来で、初優勝に向けていい位置につけたと言えそうだ。


カロリーナ・コストナーさん

最初のトリプルフリップ−トリプルトウループは素晴らしい出来で、この人のジャンプはいつも危なっかしいながら何とか成功というのが多いのだけど今回は安定感のあるジャンプを見せてくれた。かと思うと次のルッツはステップアウトで、落ち着きがないというか何と言うか…。しかし真央ちゃんを僅差でかわしてSPを終えてトップに立った。彼女の場合フリーでも安定した演技ができるとは考えにくいのでこのままいくとは思えないが、ひょっとすると思いがけない健闘で私たちをあっと言わせてくれるだろうか。


キム・ヨナさん

昨年の大会も事前に腰の不調を訴えて状態を危惧されながら思いもかけない大健闘で私たちを魅了してくれたヨナさんだが、今回は腰と股関節の状態はかなり深刻のようで、本人の口からもあまり前向きなコメントは聞かれなかったようだ。ふたを開けてみるとやはり本調子からはほど遠いようで、ルッツでまさかの転倒。全体にもやや動きに精彩を欠いていたようだった。それでも予想していたほど痛々しい感じでもなかった。ヨナさんらしいところも随所に感じられた。フリーでは今できる精一杯の演技を見せて欲しい。ヨナさんの『ミス・サイゴン』を楽しみに見たい。


サラ・マイヤーさん

残り時間と最終組の人数を比較しながらカットされてしまうのでは、とはらはらしながら見ていたがちゃんと放送してくれて感激した。個人的には今回一番感銘を受けたのは実はこの人の演技だったりする。幻想的な音楽が彼女の雰囲気にとてもよく合っていて、今シーズンの中で特に好きなプログラムを堪能できた。成功率が低く毎回ロングエッジと判定されていた単独のフリップを回避してサルコウに変えてきたのは賢明な選択だっただろう。ステップの後のマイムの動きもシーズン序盤とは違ったものに変わっていた。上位との点差はわずかなのでフリーの出来次第ではかなりの躍進が期待できそうだ。そのためにはやはりジャンプの構成を無理なく跳べるものに変えて臨んだ方がいいような気がする。

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世界ジュニア選手権2008

2008年3月 3日

ブルガリアのソフィアで行われていたジュニアの世界選手権、TV放送を見ての感想を簡単に。なお全くの余談だが私はソフィアというとやはりスヴャトスラフ・リヒテルのライヴ・レコーディングを思い出してしまう(一応アフィリエイト・リンクを張っておくけどモノラルで音質は極めて悪いので要注意)。


キャロライン・ジャンちゃん

惜しくも連覇は逃してしまったけど、私にはやはり彼女の演技が一番心に残った。ジュニアとはいえ決して幼さを感じさせない選手がそろった今大会だが、音楽に合わせた感情表現という点で最も優れていたのはキャロラインちゃんだったと思う。二つ目のルッツはこれまでスパイラル姿勢からの難しい入り方をしていたがうまくいかないことが多かったので、今回はそれをやめて代わりにステップを入れていた。残念ながらそれも含めてルッツは二つともロングエッジと判定されてしまったが、それは今後の課題ということで…。とにかくかわいくて美しかった。


アダム・リッポン選手

男子は二人しか放送してくれなかったけど優勝したリッポン選手の演技が印象的だった。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」に乗せて優雅な舞いを披露してくれた。音楽に合わせた表現が秀逸で、さすがにニコライ・モロゾフコーチに師事しているだけのことはある、とうならされた。これまで評判を聞くばかりで演技を見るのは初めてだったが、これで私にとっての注目選手の一人になった。

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HN sergei
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