ジャパンオープン2008

2008年4月20日

今年で三回目となったこの大会、感想はやはり日本女子は凄かったの一言に尽きる。中野友加里さんは素晴らしい演技でイェーテボリの興奮を再現してくれた。世界選手権が終わってからちゃんと休養をとったのかな、と逆に心配になるほどの内容だった。トリプルアクセルは例によってダウングレードのようだけどPCSでもまた高い点をもらえて、お遊び大会とはいえ今後の彼女の安定した評価につながる意義ある結果だったと思う。

浅田真央ちゃんもイェーテボリでは跳ぶ前に転倒したトリプルアクセルを成功させるなど、この時期でもコンディションを高いレベルに保っているところを見せてくれた。ダブルになってしまったけどサルコウを入れてきたのは先ごろ公にされた来シーズンからのルール改正案を意識してのことだったろうか。常に新たな課題に取り組む姿勢に真央ちゃんらしさを感じる。


そのほかではやはりサラ・マイヤーさんの充実ぶりが目を引いた。ほぼノーミスの演技でシーズン中よりむしろよかったのでは、と思わせる出来だった。男子では点数のことはともかくトッド・エルドリッジさんの滑らかなスケーティングが印象に残った。ジェフリー・バトル選手が世界チャンピオンに輝いたこともあってこういう演技の魅力を再発見できたような気がする。


放送では荒川静香さんのエキシビションも紹介されたけど、風格のある演技で一際輝いていた。個人的にあの手の洋楽があまり好みでないので見ていて今一つ乗り切れないところもあったけど、ゴールドの衣装に身を包んだ荒川さんはやはり神々しく見えた。

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フェアリージャパン 新プログラムは「アメイジング・グレイス」

2008年4月20日

今週の火曜日に新体操団体の日本代表が公開練習を行い、新しく作られた二つのプログラムを披露した。このうち公開の場での初披露となったのがロープのプログラムに使用された音楽が「アメイジング・グレイス」だった。この歌の近年の日本での認知度の高まりがこんなところにも表れているようで興味深い。ニュース映像で少し見ることができたけど男声ヴォーカルによる軽快な感じの曲調で華麗な舞を披露し、最後は独創的な“ティアラ”と呼ばれる技で締めくくった。

一方先に完成して先月キエフで行われた大会でも披露したフープとクラブのプログラムは布袋寅泰さんが手がけた映画『キル・ビル』のテーマ曲を使用している。こちらはギターが細かくリズムを刻むスリリングな音楽で躍動感あふれる演技となっている。


先ほどNHKの『スポーツ大陸』を見たのだけど、十代の少女たちが実にシビアな競争をしながら互いを切磋琢磨している様子にあらためて勝負の世界の厳しさを感じさせられた。メンバーのうち何人かは実際にはオリンピックには出られないわけだけど、こうしてみなで過ごした濃密な時間が彼女たちの人生にとって大切な宝物となるよう願わずにはいられない。


先日のイベントではゲストに荒川静香さんが迎えられ、北京オリンピック本番に向けて「笑顔を忘れずに精一杯楽しんで」と激励を受けた。こうした厳しい世界のただ中にあってなおそれを楽しむゆとりを持つというのは最も難しいことなのかも知れないが、無欲に自分のスケートを表現することに徹して栄冠を勝ち取ったオリンピック金メダリストにあやかって、ぜひ彼女たちも美しく輝いて欲しい。

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アイスショー二題

2008年1月17日

先日放送されたアイスショー二つについて少しばかり感想を。


ジャパン・スーパー・チャレンジ

お遊びの大会にしてはみんな技術的に手抜きのない演技をしていたのが目を引いた。安藤美姫さんなどはエキシビション用のプログラムにも関わらず律義にキャメルスピンでのチェンジエッジなどという小技を採り入れていた。浅田舞さんはフリップを跳んでいた。NHK杯から全日本にかけてやや不調だったので心配していたけど、だいぶ調子を取り戻してきたようで一安心。

テレビでは前半と後半の間に放送された荒川静香さんはスパイラル姿勢からトリプルトウループ−トリプルトウループのコンビネーションを跳んでみせた。プロになっても技術のレベルを維持しているのは本当に素晴らしいと思う。真央ちゃんと合わせてアイスショーで女性スケーターのトリプル−トリプルのコンビネーションジャンプが二回も見られるなんて日本でなければあり得ないな、と感嘆した。

その浅田真央ちゃんが最後に跳んだアクセルは見ていて「あれ?」と思いつつも「まさか」と頭の中で打ち消してしまったのだけど、やはりトリプルアクセルだったようだ。競技会だったらおそらく回転不足をとられたのではないかと思うけど、演技の終盤に軽々と跳んでしまうとはやはりただ者ではないと再認識した。


スターズ・オン・アイス

テレビ東京の放送は余計なVTRもなくさくさくと進んで快適だったのだけど、前半は演目がややおもしろくなかったように感じた。アメリカでやっているものをそのまま持ってきたのだろうけど、もっと日本の観客を意識した演出を施すべきだったのではないだろうか。特に伝説のバンドとかいう演目はアメリカのポピュラー音楽に疎い私には何のことかわからず退屈してしまった。

そんなこともあって、また日本のゲストスケーターたちは地上波で放送されていたのでBSでの放送はノーカットでやるとわかっていたのだけど見逃してしまった。そしたら地上波ではカットされていたサーシャ・コーエンさんのもう一つの演目「Anytime, anywhere」が放送されたということを後で知りかなり後悔…。しかしそれはともかく久しぶりにサーシャの演技が見られたのはうれしかった。

やはりこの人の演技はいつ見ても美しい。競技で見る時にくらべて適度にふっくらしていることでより女性らしさが感じられたような気がする。実況アナウンサーは競技への復帰にも意欲を見せていることを伝えていた。技術の進歩が著しい女子のフィギュアスケート界にあって彼女が競技者として今後どの程度やっていけるのかは正直よくわからない。しかしもし本当に戻ってきてくれるのならまた心から応援して上げたい、そう思わせてくれるショーでの演技だった。


なお「Anytime, anywhere」はサラ・ブライトマンさんによる「アルビノーニのアダージョ」の翻案であり、シェン&ツァオ組もこの曲を元にした歌で演技していた(こちらはおそらくララ・ファビアンさんによるヴァージョンだと思う)のでこの日は実質同じ曲で二つのプログラムをやっていたことになる。そのあたりのすり合わせは事前に行わないのかな、と疑問に思った。

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荒川静香さん『ゴールデンラッシュ嵐』に出演

2007年12月22日

今日の昼間、荒川静香さんがテレビ番組に出演していた。フィギュアスケートの基礎知識をクイズ形式で紹介するというもので興味深く見た。半分はお笑い仕立てで、自分も知らないようなめずらしい情報の披瀝はなかったけれど、荒川さんの実演を教材にしての解説はやはりうれしい。

ジャンプも6種類跳んでみせてくれた。初めはダブルジャンプだったのだけど、何度も跳んでいるうちに体が温まって調子が出てきたのかトリプルルッツやトリプルフリップまで軽々と跳んでみせた。アマチュアの競技会から遠ざかってもこういう難しいジャンプを跳ぶだけの技術を維持しているのは本当に素晴らしいと思う。見ていて羨ましがっていた現役のアマチュア選手も多かったのではないだろうか。ただフリップはご本人も苦手だと仰っていて、スローで見るとやはり“リップ”気味だった。もしこのオンエアをご自身でもご覧になる機会があったら苦笑されるかも知れない。

最後に荒川さんが跳んだジャンプの種類を当てるというクイズがあり、荒川さんはトリプルトウループ−ダブルトウループ−ダブルトウループのコンビネーションを跳んで見せた。しかし出演者たちの回答は残念ながら“ループ”。ループとトウループの違いは番組内でしっかり解説されていたのに何を聞いていたのか、という気もするが、普段見慣れない人にとってはこんなものかも知れない。

それにしてもオリンピック金メダリストの実演によるジャンプの見分け方の解説というのは貴重である。まだよくわからないという方はもしこれを録画していたら保存版にして繰り返しご覧になることをお薦めしたい。

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警視庁が荒川静香さんに感謝状

2007年6月23日

少し古いニュースだけどあまり話題になっていないようなのでここで扱ってみる。

今月19日警視庁が春の交通安全運動のポスターでモデルを務めた荒川静香さんに感謝状を贈った。このポスター、あまり見た記憶がないのだけど「事故0は交通安全の金メダル」という標語には聞き覚えがある。人気者の荒川さんだけに活躍の場は本当に多岐にわたっている。両腕に抱えられたピーポくんがうらやましい。

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特許庁 “イナバウアー”の商標登録を認めず

2007年5月22日

イナバウアー”を商標登録したいとのアサヒビールの出願を特許庁が退けていたことが22日明らかになった


まあ常識的で妥当な判断だろう。というよりそもそもバウアーさんの承諾を取りつけずにこんな申請をしてしまう神経が信じられない。法的なことはよくわからないが、少なくとも道義的には特許庁より先にバウアーさんに承諾を求めるのが筋というものだろう。

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「超・人〜virtuoso〜」荒川静香さん出演

2007年2月25日

BS-i放送の『超・人〜virtuoso〜』を見た。今回は荒川静香さんの特集。これまで何度も放送されてきた類似の番組とは一味違い充実した内容で楽しんで見ることができた。


全体が三部構成で第一部は荒川さんのエッジの使い方に焦点を当てたものだったのだがこれが実におもしろかった。詳しい内容は番組ホームページに記載されているのでそちらを参照していただきたい。荒川さん自身による解説のほかハイスピードカメラの映像による分析などもあり、かなりコアファン向けの作りだった。トリノオリンピックでの金メダル以来おびただしい数の荒川さん特集を見てきたが、ここまで技術的な細部にまで踏み込んだ番組はなかったように思う。BSだからこそできた番組作りといえるだろうか。

ジャンプの際に空中で両足先をそろえて回転するための秘訣についてはよくこうやって体を締めるんですけど、真ん中ではなく右足で降りてくるので、真ん中より少し右に軸は取られていて、その軸を中心に回っている。と説明していた。このあたりはもし中野友加里さんがご覧になっていれば参考になったのではないだろうか。

なおハイスピードカメラによる分析では比較のために石田さやかさんという方が技を披露してくれていた。オリンピック金メダリストとの比較という損な役回りを引き受けてくれた石田さんに、荒川さんのファンの一人として感謝したいと思う。


第二部は荒川さんのスケート人生を回顧するもので、これまで何度も見てきた内容で特に目新しいことはなかった。ただ、一つ印象に残ったのはイナバウアーが多くの方に覚えていただけることとなって、記憶に残る結果となったので、私としては「あの人金メダル取ったね」と言われるよりも、「イナバウアー」と言われることが嬉しいですね。という言葉だった。

あれ以来"イナバウアー"は流行語になってそのことばかりが語られるようになり、しかも多くの場合誤用されてしまっているような現状を荒川さん自身はどう受け止めているのかが気になっていた。見る限りではイナバウアーのことばかり質問されるのを荒川さんは嫌がる様子もなく、むしろ嬉々として受け入れているかのようだった。それは金メダルという結果ではなく、演技の内容をみんなに覚えてもらえたということに満足しているからだということがわかり、彼女のそんな態度に納得がいったのだった。


第三部はアマチュアを引退しプロスケーターとして活動するようになった今の心境について。番組の取材が行われていたのは難度の高いトリプルルッツを集中的に練習していた時だったようだ。プリンスアイスワールド広島公演のため広島へ向かう車中で荒川さんはこれまでアマチュアの時は、ジャッジに向けてプログラムはほどんど作られているので、裏返しから見るときちんと伝わらない部分が多い。アイスショーの場合は全面にお客さんがいて、全部がジャッジみたいな感覚なので、四方八方にアピールポイントがあるという事が大きな違い。と語る。その広島公演では練習していたルッツを跳んで見せた。ショーでは、これまで、失敗の確率の高い技は、あえて封印してきたが、スケートが再び楽しくて仕方がなくなると、アマチュアのときよりも純粋に、難しい技に挑みたくなったのだという。この広島公演については会場で鑑賞されたsashaさんがレポートして下さっているのでご覧になるといいと思う。もう一つ跳んだフリップというのもルッツに次いで難度が高いとされるジャンプである。競技会から退いても高い技術を維持しようと心がけている荒川さんが頼もしく思えてくる。


この番組、初めて見たのだけど凝った作りでなかなかおもしろかった。副題を"virtuoso"というらしい。ヴィルトゥオーソとは「徳のある人」という意味で、優れた芸術家に用いられる敬称であり、特に音楽の演奏家に対して用いられることが多い。荒川さんはまさにヴィルトゥオーソと呼ばれるに相応しい人だ。

なお余談だがいつも"virtuoso"という言葉に女性形はないのかと疑問に思っていた。今Wikipediaで調べてみたら女性の場合は"virtuosa"というらしい。ただほとんど用いられることはないように思う。この言葉の元となった"virtus"という言葉自体が「男らしさ」を含意するようなのでおそらくそれも一因なのだろう。

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お年玉バトン

2007年1月10日

グランプリシリーズから全日本にかけての興奮の疲れが出てきたのか、年があらたまってから更新する気力が湧いてこない。書きたいネタはそれなりにあるのだけど、どうも書き出す踏ん切りがつかないのだ。そんなわけで安直に更新できるネタが欲しいところなので、美輪@brownycatさんのところに置いてあったバトンを拾ってみようと思う。大変なので全部の項目はできないけれど、昨年の回顧と今年の展望を記しておきたい。


お年玉バトン

共通編

2007年飛躍を期待している人はだれですか?
もちろん太田由希奈さん
こんなに祈るような気持ちでアスリートを応援するのは初めてかも知れない。戻ってきてくれただけでもうれしいけど、もっともっと輝く人だと信じてる。右足首の痛み、代われるものなら代わって上げたい。

2006年一番エキサイトしたスポーツシーンを教えてください。
もちろん荒川静香さんのトリノオリンピック金メダル
十分予測していたことではあるけど、実現してみるとやはり感慨無量だった。長野オリンピックでどこかおどおどと滑っているのを見た時にはこんなにも女王の風格漂うスケーターになるとは思ってもみなかった。自分が期待していたよりもさらに美しく変貌を遂げてくれた荒川さんに心から「ありがとう」といいたい。

2006年一番がっかりしたスポーツシーンを教えてください。
もちろん(?)8月2日の亀田興毅のタイトルマッチ
しばらくボクシングからは離れていて、久々に見たタイトルマッチがこの試合だった。いつの間にボクシング界はこんなことになっていたのか、と愕然とした。スポーツファンをやっていて最も悲しい思いをした出来事は98年に起きた横浜フリューゲルスの消滅だけど、その時以来の失望だった。

「猪突猛進」この言葉を贈りたいスポーツ選手を教えてください。
田中闘莉王選手
PKはセンターバックの仕事ではないと教えてやりたい。

書き初めを贈りましょう。誰になんて書きますか?
桑田真澄投手に「百尺竿頭進一歩」
もうすでに日本の球界でこれ以上ないというほどの実績を築き、今引退すれば誰もが惜しみない賛辞を贈るはず。でも彼はまだその先に歩を進めようと決意した。そんな彼にこの言葉を贈りたい。

2007年楽しみなマッチアップ(一対一の対決)は何ですか?
琴欧洲 vs. 琴光喜の優勝決定戦
琴錦(現竹縄親方)の速攻相撲に惚れ込んで以来の佐渡ヶ嶽ファンなもので。無理だと思いつつ言うだけ言ってみる。

2006年に聞いた一番の名言を教えてください。
「ワンアイスクリーム、ツーアイスクリーム、スリーアイスクリーム」
これは説明不要。

2006年に聞いた一番の迷言を教えてください。
「どんなもんじゃい!」
同上。

フィギュアスケート編

プレオベールに来シーズンチャレンジしてもらいたいプログラムは何ですか?
「チャップリン」
彼ならエレーナ&アントン組よりもっと似合いそうな気がする。

将軍が対抗してお笑い系のプログラムを作るとしたら、どんなものがいいですか?
「寅さん」
「チャップリン」に対抗し得る日本のコメディーといえばこれしかない。織田選手でなければできないプログラムだと思う。(「将軍」って織田選手のことなんだよね? 信長は征夷大将軍ではなかったけど。)

受けを狙ったことを書くのは得意でないのであまりおもしろくなかったかも知れないけどご容赦を。

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日本学生氷上競技選手権など

2007年1月 9日

日本学生氷上競技選手権、フィギュアスケート女子シングルは中野友加里さんが優勝し3連覇を果たした。太田由希奈さんは3位。男子シングルは南里康晴選手が優勝


韓国スケート連盟はキム・ヨナさんに3月の世界選手権への出場権を与えることを正式に決定した


SOI TV放送 荒川静香さんの演技について

荒川さんは二つのプログラムを滑った。「You raise me up」は藤色の新しいコスチュームでの演技。私はこうした中間色の方が好みなのでとてもいいと思った。プロ転向後はあまり見せていなかったサルコウを跳んでいたのも印象的。ちょうどこのプログラムの放送中に中越地方で地震があって関東地方でも揺れたのだけど、大きな被害はなかったようで安心した。速報も気を利かせてくれたのか音が入らなかったのでよかった。

「トゥーランドット」はマイケル・ボルトンのヴォーカル入りヴァージョン。トリノの時は技のつなぎとして入れていたイナバウアーを最後のクライマックスに配置している。流行語大賞にまで選ばれればこうするしかないだろう。ドルトムントであの体勢でリンクを縦断してくれた時にはこの技がこれ程のポピュラリティーを獲得するとは夢にも思わなかった。

ほかにもたくさんの選手が楽しませてくれたけど今日は面倒なので割愛。

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キャンベルカップ 地上波放送を見て

2006年10月17日

キャンベルカップの地上波放送、男女シングルについては全選手を放送してくれてまずは一安心。荒川さんの成功物語にいらいらさせられるようなこともなく、懸念材料が全て杞憂に終わったのはありがたいことだった。

シーズンはじめのこの時期の開催ということで各選手の今シーズンのプログラムのお披露目ということでも注目されるこの大会。すでに完成度の高い演技を見せてくれた選手もいれば昨シーズンのプログラムで臨んだ選手もいて様々だった。


ジョニー・ウィアー選手:チェスの王様

ほぼノーミスの内容でそつなくまとめてきたという感じ。高い点は出ていたものの彼本来の魅力の感じられない、私としては少し不満の残るプログラムだった。トリプルアクセルは高さも幅もあり見事。ステップも滑らかに足を運べていてなかなかよかったと思う。


中庭健介選手:アランフェス協奏曲

この曲は日本男子では本田さんが素晴らしい演技を見せてくれたもので、見る人にはその印象が強く残っているのでこれを滑るのは少し損な気がする。ジャンプの調子が悪くて見せ場を作れていなかった。スピンでバランスを崩してしまったのも残念。ただ四回転に挑戦する選手が少なくなってしまっている中で強いこだわりを持って取り組んでいるのは頼もしいところ。


高橋大輔選手:オペラ座の怪人

彼に合ったいい音楽だと思うのだけど、曲の編集の仕方が悪く全体にやや単調で冗長な感じがしてしまうように思った。もう少し緩急のメリハリをつけたドラマティックな構成にした方が彼のよさが生きるのではないかと思う。靴を新調した影響か、先週のアイスショー出演の疲れもあるのかジャンプでミスを連発。ただ全体の動きはそれほど悪くはなかったと思う。ステップはやはり華麗で見映えがする。


スコット・スミス選手:ロミオとジュリエット

多分初めて見た選手だと思う。典型的なアメリカの好青年といった印象を受ける。演技はやや情感に欠ける感じがするが、ジャンプの技術には手堅いものがあるように思った。四回転サルコウはすっぽ抜けてしまったがほかに目立ったミスはなく、さわやかな印象の演技。


織田信成選手:チャイコフスキー 交響曲第4番

最初に織田選手がこの曲を滑ると聴いた時は今までの彼のイメージと懸け離れているように感じ、少し難し過ぎるテーマを選んでしまったのではないか、と思ったのだけど実際見てみるとそれほど違和感はなかった。寧ろこの時期にしては非常に高い完成度で、男子の中では最もいい演技だったと思う。好きな音楽なので気分よく見ていられたというせいもあるとは思うけれど。もう少しこれまでの彼のコミカルな雰囲気をそのまま活かせるようなプログラムでもよかった気がするのだけど、本人はもっと大人の雰囲気の表現を身につけていきたいという意志が強いのかも知れない。


エヴァン・ライザチェク選手:カルメン

昨シーズンのプログラムをもう一度見せてくれた。滑り慣れているだけあってよくこなれた演技。あらためてこのプログラムは曲のつなぎ方がうまくできていると思う。高橋選手もこうしたプログラムならいいのに、と思ってしまう。長身をいかしたダイナミックな演技だけど、今の時期に古いプログラムを滑っているというのは今シーズンの準備はどうなっているのかと少し心配にもなる。


浅田舞さん:白鳥の湖

黒いコスチュームなので黒鳥オディールを演じているのだと思う。黒鳥といえば今シーズンの太田由希奈さんのショートプログラムと重複してしまっている。曲がかぶった場合というのはどうしても力の劣った選手に不利に働いてしまうのではないかと思うが、現状では由希奈さんの方がそのことを心配しなければならない立場にあるのだろうか。由希奈さんのファンとしては少し気がかり。(追記参照)

これまでより氷に立った姿が大きく見えるように感じるのは実力のついてきた証拠だと思う。すらりとした長い手足をいかした優美な演技は真央ちゃんとは違った魅力。芸能活動は引退してスケートに専念するとのことで、今シーズンの飛躍が期待される。


エミリー・ヒューズ選手:シルヴィア

元気で力強い演技が印象的。ジャンプの軸が空中で崩れてしまっても力で踏みとどまってしまうのはこの選手の個性の一つといえるだろうか。昨シーズンに比べるとしなやかさも増してきているように思った。体をひねった少し変わった姿勢でのシットスピンも印象に残った。実況のアナウンサーは姉とよく似ていると強調していたけど私はサラさんとは少し持ち味が違うように思う。


安藤美姫さん:シェエラザード

昨シーズンの苦しそうな姿を見てきただけに彼女が楽しそうに滑っているのを見るとうれしくなってしまう。よく滑り込めているようで完成度の高い演技だったと思う。女子では一番よかったのではないか。ステップの部分はテンポが速く激しい曲調の音楽だが音に負けずによく動いて踊れていたと思う。


サーシャ・コーエン選手:黒い瞳

こちらはすでに見慣れた「黒い瞳」。相変わらずの柔軟性をいかした優美な演技で魅せてくれた。ただフリップがパンクしてしまったほかスピンもいつもよりスピードがなかった気がする。グランプリシリーズ欠場がすでに決まっているが、今シーズンの試合出場がどうなるのか気になるところ。新しいプログラムは準備しているのだろうか。


浅田真央ちゃん:チャルダーシュ

曲はロマ(いわゆるジプシー)の伝統音楽に根ざしたモンティの作品。意図して選んだのかはわからないが、昨シーズンの「カルメン」でロマの女性を演じた経験をいかせるプログラムだと思う。子供から大人へと成長しつつある難しい年頃にある今の真央ちゃんには助けになっているのではないだろうか。表現のスタイルとしてはまだあどけない少女が大人の女性の妖艶さを演じようと努力している姿がいじらしくかわいらしい、といったところで、今の真央ちゃんにはベストな選択ではないかと思う。サーキュラーステップは曲が加速していく部分で、こうしたところをもっと曲に合わせられるようになればさらにいいプログラムになっていくと思う。

冒頭のトリプルアクセルの失敗は右足でステップを踏んでから踏み切る難しい入り方に挑戦したため。彼女はモティヴェーションを保つためには常に新たな挑戦を必要とするタイプなのだろう。真剣勝負に臨む前にこうした大会で新しい技を試すのはいいことだと思う。


キミー・マイスナー選手:ガリシア・フラメンコ

彼女もトリプルアクセルに挑んできた。練習では成功していたらしいが本番ではあえなく失敗。つられるようにジャンプでミスが続出。ただ全体としてはそれほど悪い動きではなく、優勝した昨シーズンの世界選手権の時よりもむしろよく踊れていたのではないかと思う。


スタジオではゲストとして荒川静香さんが出演。落ち着いたそつのない受け答えはゲストコメンテイターというよりももう一人のキャスター、といった感じ。堂々とした態度はさすがに金メダリスト、と思わせるのだけど完璧過ぎる荒川さんには少し寂しさも感じてしまう。もう少し初々しい感じがあった方が素敵でかわいらしい気がするのだけど。

音楽情報:浅田真央ちゃん使用曲「チャルダーシュ」について

追記:10月18日

浅田姉妹の公式サイトによると舞さんのフリープログラムは「白鳥の湖」に変更された。(もっささんに教えていただいた。)

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HN sergei
一言 歌のある人生を♪

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