サッカー日本代表 アジアカップ
2011年1月31日
ふと気がついたら1月も今日で終わり。今月はブログを放置してしまっていたので、ここでサッカーのアジアカップのことを書いておこうと思う。
この大会はアルベルト・ザッケローニ監督が就任してから最初の真剣勝負ということでその采配が注目されていたが、私が受けた印象はまず非常に柔軟な考え方の持ち主だということだった。最初に就任が発表された時、イタリアのクラブでは3-4-3のシステムで成功を収めた指揮官として紹介されたが、実際に日本で指揮してからはずっと4バックを採用し、南アフリカでのワールドカップの時に近い布陣で臨んでいる。こうしたところを見ると、自分がこれまでに培ってきた戦術を無理に押し付けるのではなく、チームの実状をよく見極めてそれに合った戦術を編み出していくタイプの指揮官であることが窺われる。
今大会では、私はディフェンスの能力は高いが上背のない今野泰幸選手をセンターバックで起用するのは高さのある相手と戦う時には危うい面もあるのではないかと危惧していたのだが、オーストラリアとの決勝戦では後半途中から岩政大樹選手を投入し、今野選手をサイドバックに回すことによってディフェンスの安定を計っていた。この交代が結果的に長友佑都選手のクロスボールから李忠成選手が決めた決勝点を導き出したのだから、やはり優れた指揮官なのだと思う。
インタビューなどでチームの団結の大切さを繰り返し強調しているところも非常に印象的だ。大会期間中は控え選手に積極的に声をかけ続けてモチベーションを高めさせていたそうで、各試合で交代して入った選手が結果を出していたのはそのためもあったらしい。こういうところは日本のチームの精神風土によく合っているといえそうだ。
アジアを制しただけでいうのは早計かも知れないが、この大会の戦いぶりを見る限り日本のサッカー界には明るい前途が開けているようで、これからがますます楽しみになる。ワールドカップ後に新監督の選出が遅れたことで批判された原博実技術委員長も、今や鼻高々なんじゃないかな。