Twitter始めてみた

2010年4月27日

サイドバーのところに表示してあるのですでにお気づきの方も多いかと思うけど、しばらく前からTwitterを始めてみた。このサービスが話題になり始めたのはもう何年か前のことだったけど、「いまどうしてる?」なんてことをリアルタイムにつぶやくという気ぜわしいメディアは全く自分向きではないと思い、はなから関心を持たずにいた。それがここ数ヶ月くらいで急にいろいろな人がTwitterで情報を発信し始めたので、それをフォローするだけのためにでもアカウントを作成した方がよさそうだな、と思ったのだ。

で、実際にアカウントを作成してみてから一ヶ月半くらいになるのだけど、私の感覚ではあまりシリアスな情報発信や意見交換には向かないメディアかな、という感じがする。やはり140字という制限では本気で何かを論じようとするとどうしても中途半端になってしまう。だから今のところ私としては「Twitterが世界を変える」みたいなスローガンにはちょっと懐疑的である。

それよりもむしろ、他の利用者さんたちの日常の何気ない話題のつぶやきをぼんやりと眺めているのが楽しかったりして、暇つぶし的にゆるいおしゃべりを楽しむにはなかなか優れたメディアなのかな、という気がしている。そんなわけで、当面はブログにエントリーを立てるほどではないけどこの話題にはちょっと反応しておきたい、というようなことをゆるゆると語っていく目的で使ってみようと思っている。

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井上ひさしさん 逝去

2010年4月12日

作家、劇作家の井上ひさしさんが9日午後に亡くなった。私は井上さんの作品をそれほど多くは知らないのだけど、2008年に上演されたものを見た道元の冒険』は実に素晴らしい作品だった。笑いのとり方はほとんどドリフターズのコントのようなチープな構成ながら、そこに禅の思想のエッセンスを取り込んでいく作劇術は見事というほかなく、こんな芸当のできる劇作家は世界広しと雖もそうはいないのではないか。

高齢となっても旺盛な創作意欲は衰えることを知らず、最近まで『ムサシ』や『組曲虐殺』などの新作を世に送り出していた。惜しい人を喪ったものである。謹んでご冥福をお祈りしたい。

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「くちびるNetwork」

2010年4月 8日

作詞:Seiko 作曲:坂本龍一 編曲:かしぶち哲郎

このところ私の近辺で岡田有希子さんについて語った文章をよく見かけるのだが、今日は彼女の24回目の命日(佳桜忌というらしい)に当たる。80年代のアイドルはこのサイトの主要テーマの一つとなっていることでもあり、ここで彼女のことについて少しふれておくことにしたい。

岡田有希子さんは1984年にデビューしたアイドル歌手で、本田美奈子さんや南野陽子さんはデビューは一年遅かったが、堀越学園では同級生になる。実をいうと私は当時岡田有希子さんのことはちょっと好きだったのだ。翌1985年に本田美奈子さんがデビューするとそのあまりのかわいさに魅せられてそちらに乗り換えてしまったのだが、私にとって美奈子さんがジュリエットだとするなら、岡田有希子さんはちょうどロザラインのような存在だった。


くちびるNetwork」は生前に発売された最後のシングルである。彼女のヒット曲はほかにもいくつかあるが、この曲が最も強く印象に残っているのはなぜだろう。タイトルは何だか意味がよくわからないし、サビのところではこの“Network”という言葉と音符の数が合わず不自然な譜割りになっていて、聴きにくいことこの上ない。

この曲は事務所の先輩である松田聖子さんの作詞と坂本龍一さんの作曲という大物コンビによる作品ということで当時話題を呼んだようなのだが、私にとってはそうしたことはあまり本質的ではない。そういうこととは別に、この曲は何というか、今でも耳にすると否応もなくあの頃に引きずり戻されてしまうような、そんな魔力を持っているのだ。


彼女が亡くなった時にはとても驚いたものだが、同時に「そういわれてみるといつかはそんなことが起こりそうな気はしていたな」という不思議な感慨にとらわれたのを覚えている。あの感覚は一体何だったのか、今もわからずにいる。確かに彼女にはいつもどこか儚げな存在感があったのだが。

あれ以来私は彼女のことをまともに考えたこともなかったし、なぜ死ななければならなかったのかについても何も知らない。だから彼女についてろくなことを語れるわけでもないのだが、せめて彼女の魂の安らかならんことを願ってこんな駄文を書き連ねている。


ところで、私には意外なことなのだが、生前の彼女を知らない世代からも新たにファンになる人が多くいるのだという。歌手として大成したわけでもない、自分が生まれた時にはすでに亡くなっていたアイドルのファンになるという心理は私には理解しにくいのだが、ともかく今も彼女が多くの人に慕われているというのはうれしいことである。

しかし私にとってさらに意外で理解し難いことに、一部には彼女のことを尾崎豊と重ね合わせて崇拝する向きもあるのだそうだ。これにはさすがに違和感を覚えざるを得ない。当時尾崎は本物のカリスマだったが、彼女はごく普通の人気アイドルであって、それ以上でも以下でもなかった。彼女の実像から懸け離れたイメージを勝手に膨らませて、それを崇め奉るというのでは意味がないのではなかろうか。彼女と同時代を生き、その無垢な笑顔に淡い思慕を寄せていた者としては、彼女のありのままの、等身大の女の子としての姿をこそ愛して上げて欲しいと思う。

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「私を泣かせて下さい」

2010年4月 6日

作詞:岩谷時子 作曲:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル 編曲:井上鑑
アルバム「AVE MARIA」COCQ-83633(2003.05.21)所収。

本田美奈子さんのソプラノ歌手としてのデビュー・アルバム「AVE MARIA」の収録曲の中で、とりわけ美しい旋律が印象的なものの一つがゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル作曲の「私を泣かせて下さい」である。原曲はオペラ『リナルド』のアリアで、「涙の流れるままに」などのタイトルでも知られている。

ヘンデルは本来はオペラ作曲家として名をなした人なのだが、今日ではオペラ作品が上演されることはあまり多くなく、この「私を泣かせて下さい」や『セルセ』の「オンブラ・マイ・フ」などのアリアが単独で演奏されることが多いというのが現状である。これはおそらく彼のオペラ作品の筋立てが現代の感覚では荒唐無稽に過ぎるということに起因するのだろう。特にこの『リナルド』は十字軍に題材を採っているということからも、上演には困難さが伴うのではないかと思う。しかしそうはいってもこの「私を泣かせて下さい」にしても「オンブラ・マイ・フ」にしても旋律はまさに極上の美しさで、この二曲のアリアだけからでもこの作曲家の天分を窺うことができる。


この現代性に乏しい劇のテクストを元に日本語詞を作るに当たっては、岩谷時子さんも苦労をされたに違いない。元の詞の置かれているコンテクストを踏襲してはいるようだが、それよりもむしろ、私たちはこの詞から「ジュピター」における「泣きたい時には 泣きましょう」と共通したモティーフを受け取るべきなのだろう。

「自由なんか求めていない」というフレーズは「つばさ」で「自由が私には 勇気と光をくれたわ」と謳った岩谷さんには似つかわしくない言葉のようでもあり、このアリアを現代の日本語話者の心にも伝わるメッセージへと翻案することの難しさも窺われる。しかしこのフレーズから天童如浄禅師の「胡蘆藤種纏胡蘆」という言葉にも通じるような深い意味合いを読み取ることもまた十分に可能だろう。私たちに必要なのは嘆きや悲しみから“自由”になることではなく、泣きたい時にはしっかりと泣くということなのだ。私はこの詞が伝えるメッセージをそんな風に解釈している。

そして「嘆きこそは 私たちの絆なのです」というフレーズは、今となってはまさに私たちの心情を言い当てたものとなっている。美奈子さんにもうこの世にいないという悲しみは、美奈子さんと私たちをつなぎとめる絆なのだ。私はこの悲しみから自由になりたいなどとは決して望まないだろう。

美奈子さんのクラシック・アルバムで歌われた一連の楽曲の意義は、歴史の試練に耐えて今日まで聴き継がれてきた珠玉の名旋律を、美奈子さんの美声によって、現代の清新な感覚で聴かせてくれるというところにある。この曲はそれに加えて、今やこの世では会うことのできなくなった美奈子さんと私たちとを、強い絆で結びつけるよすがとなってくれるという意味で、大切な楽曲である。これからも何度となくこの曲を聴きながら、「私にこそあなたのために泣かせて下さい」と願い出ることになるのだろう。

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