第3回アイドル楽曲大賞2014
2014年12月 4日
アイドル楽曲大賞に今年も参加してみた。投票内容は以下の通り。
メジャー部門
BABYMETAL「ギミチョコ!!」
今年のBABYMETALの活躍についてはいまさら云々するまでもないだろう。何しろ世界のガガ様のサポートアクトまで務めてしまったのだから、乃木坂46の中元日芽香さんが妹のSU-METALについて「私なんかよりもずっと素晴らしいアーティスト」といったのも(トークライブアプリ“755”の11月15日付更新)、謙遜の気持ちが多分にあったにしても、同業者として本音の称賛を吐露したものでもあったに違いない。この「ギミチョコ!!」は無機質なサウンドとキュートな歌声の取り合わせが粋で楽しい。
SRAM「レモンティー」
SRAMは福岡を拠点に活動するLinQからの派生ユニットで、「レモンティー」は同郷のロックバンド、サンハウスの楽曲のカヴァーである。といってもちょっと古めのロックが好きな方ならギター・リフを聴いてピンとくると思うけど、この曲自体も「Train Kept A-Rollin'」というロック界では広く親しまれている楽曲を元ネタにしている。(というかもっとはっきりいってしまうととてもオマージュとかパロディとかいうレベルではなく、ネット上の情報だと鮎川誠さんもパ○リと認めていたとか…。)オリジナルはタイニー・ブラッドショウというあまり有名でないアーティストだが、広く知られるようになったのはおそらくヤードバーズがカヴァーしてからのことで、エアロスミスによるカヴァー(MV)もこのヤードバーズ版を元にしている。このようにちょっと掘ってみただけでロック史上のビッグネームに行き当たるあたり、今のアイドルシーンのおもしろさを象徴しているように思う。
Party Rockets「Let's Go!!」
名前と存在は予てから知っていたけど、曲をちゃんと聴いたのは今年4月にゆっふぃーと同じライヴに出演していたのを配信で見たのが最初だった。みんなあどけない感じの子たちなのに、かなりゴリゴリのロックを歌っていて驚いた。エース格だった渡邉幸愛さんをSUPER☆GiRLSに引き抜かれたのは、本人と両グループにとって円満な移籍だったようだけど、残ったメンバーたちにしてみればそれなりの覚悟を以て迎えなければならなかった転機でもあったのではないかと思う。それでもこれだけはっきりと際立った音楽性を強みとしてわたり合っていけば、今のアイドルシーンに独自の地位をきっと築いていけるだろう。
姫carat「切なくてほのかに甘い運命」
姫caratは楽器も演奏するのが売りのアイドルバンドで、数多いるアイドルの中でも異彩を放つ存在である。リーダーでヴォーカル&ギターを担当する木下ひなこさんは聴いての通りの美声もさることながら、グラビアモデルやファッションモデルとしての活躍も著しい逸材である。さらにはクラシックバレエ仕込みの驚異の軟体の持ち主でもあり、私は見逃してしまったのだが、この10月にはテレビ番組の企画でSKE48の須田亜香里さんや元フィギュアスケート選手のサーシャ・コーエンさん(!)といった錚々たる顔ぶれを抑えてY字バランスの女王の座を獲得した。このあまりにも多才なアイドルの前途には、いったいどんな輝かしい未来が待っているのだろう。
BiS「FiNAL DANCE」
ちょっと迷ったけどやはり解散のご祝儀として選んでおいた。
インディーズ部門
寺嶋由芙「#ゆーふらいと」
詳しい感想はすでに書いたが個人的にはこの曲のリリースが今年のアイドルシーンの最大のハイライトだった。この後も「カンパニュラの憂鬱」(MV)、「猫になりたい」(MV)と順調にリリースを重ねられているのは実にめでたい。
RYUTist「チュララ」
新潟を拠点に活動するグループだが、楽曲や振付け、さらには衣装のセンスまで含めてトータルに洗練されているという印象が自分の中で強くなってきている。この「チュララ」は最初の振付けがちょっと反則技っぽいがむちゃくちゃかわいい。
Peach sugar snow 「人魚~泡になって消えても~」
山梨を拠点に活動するグループだが、ウィスパーヴォイスによる歌唱という独自のスタイルでアイドルヲタクの注目を一身に集めている。プロデュースを手がける小林清美さんもとてもきれいな方で、メンバーたちとのうるわしい師弟愛も含めて推せる。
すぷらっしゅレボリューション「めいっぱいはしゃいじゃYeah!!」
福岡を拠点に活動するHRからの派生ユニット。曲も楽しいし、超絶的にかわいいMVはこの夏のお気に入りだった。
からっと☆「ドットアオゾラ」
Party Rocketsと同じく4月のライヴにゆっふぃーと一緒に出演していたのを見て初めて知った。こちらのからっと☆に関してはそれまで名前や存在自体も知らなかったのだが、あまりのかわいさに地上の天使とはこのことかと思った。楽曲もいいし歌もとてもしっかりとしている。あのあとメンバーの出入りもあったりしたが、今後もかわらずに天真爛漫な魅力で活躍して欲しい。
アルバム部門
投票ができるほどチェックが行き届いていないのでこの部門は不参加。
推し箱部門
もちろん寺嶋由芙さんに投票した。
メジャー部門、インディーズ部門ともにこの順序で投票したが、ポイントは差をつけずに全て2点ずつ入れておいた。こうして書き連ねてみるとメジャー部門にはロック色の強い楽曲が並び、インディーズ部門にはアイドルらしいかわいらしい曲が揃ったが、これが今のアイドルシーンの何らかの傾向を反映したものなのか、私自身の偏向なのか、それとも単なる偶然なのかはよくわからない。
この賞の企画ではアイドルの定義をかなり広めにとって、一般にはアイドルとは見なされていないアーティストもノミネートされているのだが、私自身の投票では自他ともに認めるアイドルの中から選考した。きゃりーぱみゅぱみゅちゃんとか大森靖子さんとかSilent Sirenまで含めて考慮すると際限なく思考が拡散していまうので。安倍なつみさんにしても、今でも立派なアイドルだとは思うけど「光へ」(MV)はどう考えてもアイドル楽曲ではないのでここでは敢えて選ばなかった。
番外
仮面女子「大冒険☆」
今年の3月にMVが公開されたのだが、CDや配信という形のリリースでないとダメなようで、残念ながらノミネートされていなかった。しかしこの曲は今年のアイドル楽曲の中で最も強く印象に残ったものの一つなので、投票できなかった代わりにここに掲載して記念しておくことにする。
献辞
ささやかですがこの記事を仮面女子のメンバーだった月宮かれんさんの魂に捧げます。