日本代表 決勝トーナメント進出

2010年6月25日

今日未明のデンマーク戦はこれが本当に日本代表チームなのかと目を疑うくらい、実に美しい試合運びだった。大会前には全く予想もしなかった快進撃に、ただただ驚嘆するばかりである。

韓国との壮行試合があまりに覇気のない内容だったので、正直かなり厳しい結果になることを予想していたのだが、岡田武史監督がこの試合の後に開き直ったように大幅な戦術変更を施したことが大きかった。GKに川島永嗣を起用、阿部勇樹をアンカーとするシステム変更、本田圭佑のワントップといった施策がここまで尽く吉と出ている。

中でも私は特に阿部を起用して守備的MFを3枚にする戦術変更がこのチームの現在の好調に大きく寄与していると思っている。川島や本田の活躍に比べると話題にする人が少ないようだが、彼が入ったことによって守備の安定性は劇的に改善している。

阿部は私の好きな選手で、このところずっと代表の常連ではあったものの、試合出場の機会が少ないのを残念に思っていた。それが大会直前の突貫工事によるシステム変更で、チームのキーマンへと躍り出たのは何ともうれしいことだった。そしてそのことがチームに快進撃をもたらしているとすれば尚更である。

決勝トーナメント1回戦の相手はパラグアイ。強い相手であることは間違いないが、カメルーンやデンマークにだって格上の相手にも関わらず勝ってきたのだから、この調子で挑めば勝つチャンスも十分にあるはず。次もぜひ今日のような試合でサッカー・ファンを湧かせて欲しい。

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バニラビーンズが歌うデンマークの応援歌

2010年6月24日

いよいよ日本時間の明日未明、決勝トーナメント進出をかけたデンマークとの試合がキックオフとなる。ここはぜひとも北欧の強豪を相手に快勝して、8年前の日韓大会以来の歓喜を味わわせて欲しいところだが、デンマーク代表には強力な味方がいる。日本のアイドルユニット、バニラビーンズがデンマークの応援歌を歌っているのだ。



この歌を歌うことになった経緯は朝日新聞の記事に詳しい。このように相手国の応援を忌憚なくできるというのは平和の祭典であるスポーツの大会のいいところである。明日の試合がこのかわいくて、そして力強い応援歌に相応しい、充実したゲームになることを期待したい。

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少女時代 ついに日本デビュー

2010年6月14日

韓国の人気女性アイドルグループ、少女時代(“ソニョシデ”と読むらしい)がついに日本デビューすることが先日伝えられた。このグループのことはちょっとしたいきさつがあってデビュー数ヶ月後くらいから知っていたのだけど、いくつか楽曲を聴いてみてもあまりピンとこなかったものであまり気に留めずにいた。ところがしばらく前に「Gee」がお薦めという情報を得て、聴いてみたところなかなか楽しい曲で、すっかり気に入ってしまった。



聴いておわかりの通り「Gee Gee Gee」とか「Oh Oh Oh」、「No No No」といった言葉遊び的な部分がかなり多いので、歌詞がわからなくても十分に楽しめる曲になっている。かなりの部分は一緒に歌うことも可能だろう。

日本には現在あまりに多くの女性アイドルグループが乱立する状況にあって、ほとんど飽和状態に近いようにも思えるのだが、その中を分け入って人気を獲得できる要素は多分にあると思う。これまで日本での韓流ポップスのブームは男性アーティストが中心だったが、彼女たちがさきがけとなって女性アーティストも日本に進出してくるようになるとうれしい。


私は基本的に人の顔と名前を覚えるのが得意でなくて、おニャン子クラブの時代から大人数のグループにはなかなかついていくことができなかったのだが、何とか9人を覚えられるよう、現在鋭意努力中である。取り敢えずユナさんを私の一推しにしていこう、ということまでは固まっているところである。

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シューマン「幻想曲」 リヒテルの演奏で

2010年6月13日

今週の8日にロベルト・シューマンが生誕200周年を迎えたということでここしばらくシューマンの作品をいくつか聴いているのだが、せっかくなので少しその感想を記しておきたい。今日聴いたのは「幻想曲 ハ長調」作品17、演奏はスヴャトスラフ・リヒテルである。カップリングのベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番(いわゆる“テンペスト”)の方はこの曲のお気に入りの演奏として愛聴しているのだけど、「幻想曲」は今まであまり聴いていなかった。


この作品は元々ベートーヴェンへの追悼として構想されていたのだが、筆が進まぬうちに交際中のクララへの想いを託した曲へと変質していった、ということらしい。こうした定見のなさがいかにもシューマンらしいという気がする。

曲は三つの楽章によって構成されるが、通常の3楽章ソナタの定石とは逆に、緩・急・緩というテンポの配置になっている。両端楽章はシューマンらしい詩情に溢れていて、意識の底深くに分け入ったところに立ち現れる幻想を垣間見るような気分へと誘ってくれる。対して中間楽章では、曲想が盛り上がる割りには日頃私たちが眠らせている激情を解き放ってくれるような昂揚感にまで至っていない気がする。あるいはこういうもどかしさもシューマンらしさの一面と云えるのかも知れないが。


リヒテルは深い靄の奥から立ち現れるような幻想を、知情意のバランスのとれた解釈と深みのある音色で巧みに描き出している。こうしたシューマン的な幻想に聴く、彼のロマンティックな詩人としての表情も素晴らしい。

1961年の録音で、音質は正直あまりぱっとしない。この時代としては仕方ないのだろうが、EMIはデッカやグラモフォンと比べるとどうしても見劣りがする。しかしそれを考慮に入れてもなお、“テンペスト”も併せて壮年期のリヒテルの名演が聴けるディスクで、お薦めの一枚であることは間違いない。

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グルジア国立バレエ『ロメオとジュリエット』

2010年6月10日

グルジア国立バレエの『ロメオとジュリエット』の舞台が先週金曜に教育テレビで放送されたが、録画しておいたものを見た。バレエには全く詳しくなく、この作品は初めて見たのだが、ジュリエット役のニーナ・アナニアシヴィリさんの踊りが際立って優美で品格が高いのは初心者にもはっきりとわかった。既にお年は40を大きく越えていて、全幕物の主演をつとめるのはこれが最後とのことなのだが、それでも立派に14歳の少女に見えてしまうところがすごい。

対してロメオ役のアンドレイ・ウヴァーロフさんが16歳の少年にはとても見えなかったのが惜しまれる。いや、決して老けて見えたわけではないのだが、体格があまりに屈強過ぎて、この感受性豊かな少年を演じるのに相応しい繊細さが、身体の所作から感じられなかったのだ。


セルゲイ・プロコフィエフのこの作品は音楽だけなら(抜粋で)何度か聴いたことがあるが、音楽だけでは正直さほど魅力的とも思えなかったのだが、これはやはりバレエのための音楽なのであって、実際にダンサーたちに踊られることによって光り輝く作品なのだと実感した。ダヴィド・ムケリアさん指揮による東京ニューシティ管弦楽団は弛緩のないきびきびとした演奏でダンサーたちを引き立てていた。


ウィリアム・シェイクスピアによる原作には名高い「薬屋の場」というのがあるのだが、このバレエ版ではそれが全く影も形もないということは初めて知った。ジュリエットが死んだと聞かされて死を決意したロミオが貧しい薬屋から毒薬を買う場面はこの劇のハイライトの一つと云うべきもので、この場面こそが『ロミオとジュリエット』に単なるメロドラマにとどまらない深みを与えているのだ。この劇を翻案するのにこの場面を省略してしまうというのは私には考えられないのだが、この名場面の価値をセリフ抜きで身体の所作だけで表現するというのは、確かにあまりに困難かも知れない。


音楽が好きでフィギュアスケートにも興味があるとなると、バレエにも当然関心があっていいはずなのだけど、これまでなぜかあまり食指が動かずにいた。でもこれから少しずつ学んでみるのもいいかな、と思い始めている。

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「私たちのTreasure」

2010年6月 6日

作詞:田口俊 作曲:山梨鐐平 編曲:牧田和男 & 4.16 MINAKO FRIENDS BAND
アルバム「晴れ ときどき くもり」(1995.6.25)所収。

本田美奈子さんは1990年代の半ば頃に、多忙なミュージカル活動の合間を縫うようにしてアルバム2枚強ほどのオリジナル曲の音源を残している。その中には山梨鐐平さんとのコラボレーションによる楽曲が3曲含まれている。そのうち「June」と「impressions」 についてはすでにこのサイトで述べてきたところだが、残りの一曲が「私たちのTreasure」である。他の二作が短調の旋律で深い愁いを帯びた曲調だったのに対し、この曲は軽快なアップテンポの曲調で、夢や希望、ファンタジーを感じさせる明るい作品となっている。


歌詞は木の下に埋めたタイムカプセルに人とのつながりや未来への希望を見出そうとするようなもので、プロデューサーの牧田和男さんの同級生である田口俊さんによる書き下ろしである。この歌詞制作の経緯については以前、プロデューサーの牧田和男さんからメールで詳細な情報をご教示いただくという光栄に浴することができた。そのことは当時このサイトで簡単に要約して紹介しておいたのだが、あらためてこの曲に関することをもう少し詳しく説明したい。

アルバム「晴れ ときどき くもり」の歌詞については、ほぼ全曲で美奈子さんは作詞家と顔を合わせて話し合いをした。田口さんからはこの「私たちのTreasure」の前に「It's My Party」(レスリー・ゴーアさんの歌唱で知られる1960年代のヒット曲)の訳詞の提供を受けていて、それを美奈子さんは気に入っていた。しかし「私たちのTreasure」の歌詞制作のために牧田さん立ち会いのもと直接会って話し合うと、ともに頑固者の二人はかなり激しい口論となった。2時間ほどの激論を終えると美奈子さんは憤懣やるかたない様子で、助け舟も入れずに笑って聞いていた牧田さんにも怒りをぶつけていた。

しかし数日後にスタジオで別の曲を録音していると田口さんからファックスが送られてきて、それを見ると美奈子さんは「やられたわ。やっぱプロなんだねマッキーの同級生」と納得していた。しかし同時に「でも嫌いだからね」とつけ加えることも忘れなかったという。

牧田さんによると田口さんがこだわっていたのは歌詞に矛盾がないことだったそうだ。田口さんはプロ意識の強い人で、細かい内容は忘れてしまったのだが、私も以前、詩と歌詞の違いを強調しつつ素人の作詞が陥りがちな誤りを厳しく指摘した田口さんの文章を読んだことがある。だからこの一連の経過における美奈子さんの反応は、何となく理解できる気がする。


美奈子さんはこの夢あふれる歌詞を心浮き立つような歌唱で表現している。同じ山梨さんとのコラボレーションでも、他二作とは全く異なる歌の世界になっているのが興味深い。ミュージカルの楽曲などで聴く悲愴感あふれる歌唱とはまた違った美奈子さんの魅力を楽しむことができる。

間奏と後奏で二度、広い音域にわたるスキャットが挿入されているのもこの歌の聴き所である。このスキャットはコロラトゥーラ風の技巧的で装飾的な音型になっていて、ここに後年のソプラノ唱法の萌芽を見出すこともできるだろう。その点でも、貴重な作品である。

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