『ボクらの心に流れる歌』

2009年2月28日

昨夜放送されたフジテレビの開局50周年特別企画『ボクらの心に流れる歌』、長い番組なので全部はとても見ていられなかったけど、タイトル通り今も私たちの心に流れる名曲が目白押しで堪能した。各曲ともさわりの部分だけの紹介なのは残念だが、あれだけの数をまとめて放送するとなると致し方ない。


最も見応えのあった映像はやはりキャンディーズピンクレディーの共演だろうか。ライバル同士だった二組のアイドル・グループの共演などという企画がよく実現したものだと思う。また当時殺人的なスケジュールに追われていたはずの彼女たちが、あの収録のためだけに自分たちの持ち歌ではない曲の振付けを覚える余裕があったということにも驚かされる。まあ元々とういう勘のよさがある人たちだったからこそトップ・アイドルにまで上り詰めることができたのだろうけど。


曲の選定でちょっと(というかかなり)解せなかったのは、BOØWYプリンセス・プリンセスZARDJUDY AND MARYも一曲ずつだったのに、なぜかウルフルズが二曲も放送されたこと。彼らが当時の音楽シーンで特に重要な存在だったとはとても思えないのだけど。番組スタッフに彼らのファンがいたのだろうか。


300曲を超える歌の最後を飾ったのが槇原敬之さんが2003年に世に送り出した名曲「世界に一つだけの花」だった。この歌が今ほど輝きを放つ時があるだろうか。自由競争がもたらす惨禍が世界を覆う今、この歌は私たちの進むべき道を照らすともしびとなっている。槙原さんの慧眼はあの時世界のありようを正確に見据えていたのだということをあらためて認識させられる。

それとともに、この歌が仏教の教えに啓発されて生まれたことを考え合わせると、芸術において新しさを至高の価値として追求するのがいかに浅はかなことであるかを思い知らされる。今から2500年も前に生まれた思想は今も私たちに生きるための知恵を教えさとしてくれているのだ。芸術の創作において、誰からも理解されることのない、誰の人生をも励ますことのないわけのわからない実験などというものが幅を利かせるのはもう20世紀で終わりにしてもらいたいものだとつくづく思う。

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動画 荒川静香さん対談など

2009年2月21日

このところ更新をサボり気味なのでちょっと安直だけどいくつか動画を張り付けてエントリーを立ててみる。


下は荒川静香さんとステファン・ランビエールさんの対談。

いろいろと深い話を聞けて有意義な対談だったけど、最後に荒川さんにあんなセリフを言わせて、シマウマ君世界中の荒川さんのファンを敵に回したな。


次は韓国で放送されているらしいキム・ヨナさんのコマーシャル。競技とは違いリラックスして楽しそうに踊るヨナさんがかわいらしい。「Sing, Sing, Sing」の歌声もとってもキュート♥


下はそのメイキング・ビデオ。

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四大陸選手権2009 女子シングル フリー

2009年2月 8日

劉艶さん

劉艶さんらしいあでやかな滑り。衣装の赤い色にもう少し深みがあるとなおいい雰囲気になってと思うのだけど。


鈴木明子さん

今シーズン取り組んでいたダウングレードされてなかなかうまくいかなかったダブル・アクセル–トリプルトウループのコンビネーションをダブル・アクセル–ダブル・アクセルのシークェンスに変えてきたが最初のダブル・アクセルがシングルになってしまった。後半のループもシングルになり完璧とはいかなかったが鈴木さんらしさはジャッジにも地元バンクーバーの観客にもアピールできたのではないか。もう少しPCSを高くして上げて欲しいとも思うけど。


アリッサ・シズニーさん

今シーズン何よりうれしいのはこの人が本格的に復活を遂げてくれたこと。まさか全米チャンピオンに輝くとはファンでありながら予想もしていなかった。ルッツとフリップはまだまだ危なっかしいけど、スピンやスパイラルの美しさは比類がない。この調子でぜひ来年のオリンピックにも出場して欲しい。


レイチェル・フラットさん

ジャンプが安定していて全米選手権以来好調をキープしている模様。後半にやや動きが重たくなって疲れがきているのかな、と感じさせた。


アメリ・ラコステさん

初めて見る選手だが同じカナダのロシェットさんと同じく筋肉質の体つきが印象に残った。力強い演技で元気のよさが目立ったが、スケーティングが力をいれて漕いでいるような感じて゛、ジャンプの前後の動きがちょっとぎくしゃくしているのが気になった。


浅田真央ちゃん

最初のトリプル・アクセルはシングルになってしまったがその次にもう一回跳んで成功させた。インタビューを聞いているとどうも一つ目が成功すれば次はダブルにする予定でいたようだ。二つ目のフリップからのコンビネーションはトリプル・ループの予定をダブルに変更し、ルッツを想定している箇所はトウループに自重したがそれがダブルになるなど、真央ちゃんにしては物足りない感じのジャンプ構成になってしまったが、かなり調子がよくなかったようだ。本人としては不満の残る内容だったとは思うが、今の状態の中では最善を尽くしたという手応えはあったようだ。こういう状態でもそれぞれにいい内容の演技だったロシェットさんやヨナさんをフリーでは上回ったというのは真央ちゃんの底力を示す結果だったと思う。あまり悪い印象を残したまま終わりたくなかった来年のオリンピックの会場での試合をこういう形で終えることができて、まずはよかったというところか。


ジョアニー・ロシェットさん

彼女にとっての勝負どころとなっているトウループ–サルコウのジャンプ・シークェンスを完璧に決めてみせて、この技をもう十分に習得できていることを感じさせた。彼女は苦手な種類のジャンプがなく、エッジの使い分けも評価されているようなので、真央ちゃんやヨナさんにとっても侮ることのできない存在だということを強く幾章づけた大会だったといえると思う。


村主章枝さん

ルッツとフリップの二つ目がともに乱れてしまったが、村主さんらしい粘り強さを見せた演技だったと思う。村主さんのサルコウがあんなにきれいに決まったのを見たのはいつ以来のことだろう…。


シンシア・ファヌフさん

SPで思いがけないいい順位につけたファヌフさんだが、フリーでも高いレベルの演技を見せてSPの結果がフロックではないことを証明した。どうもフリップがやや苦手のようだがそのほかのジャンプは自信を持って跳んでいるように見えた。


キャロライン・ジャンちゃん

プログラムを昨シーズンのシューベルトの「アヴェ・マリア」に戻してきた。私は今シーズンの『眠れる森の美女』も気に入っていたのでぜひ完成形を見てみたかったのだけど、本人は少しやりにくさを感じていたのかも知れない。「アヴェ・マリア」は自分でもお気に入りのプログラムなのか、のびのびと滑れているように感じられた。グランプリ・シリーズの内容がちょっと寂しい感じだったので、元気そうなところを見ることができて取り敢えずほっとした。


キム・ヨナさん

苦手のループに挑戦してきたが敢えなく転倒してしまった。SPで大きなアドバンテージを得ていたので安全策を採ってもよかったはずなのだが、ここは敢えて挑戦した勇気を買いたいと思う。見た目にわかるミスはこれだけだったのでかなりの高得点が出るかと思いきや、フリーは真央ちゃんとロシェットさんに及ばない点数でちょっと拍子抜けした。ジャッジ・スコアを見ると一つ目のルッツがダウングレードされたのが響いたらしい。フリップは相変わらずエッジがアテンションなので、彼女にとっても今後はエッジの使い分けが大きな課題となってくるかも知れない。

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四大陸選手権2009 女子シングル SP

2009年2月 7日

地上波放送を見て女子についてのみ一言ずつ感想を。


キャロライン・ジャンちゃん

トリプル–トリプルのコンビネーションは二つ目がダウングレード。それでもグランプリシリーズの頃の覇気のなさからは脱却できていた気がする。昨シーズンまでの元気のよさを取り戻すにはもう一歩というところか。


シンシア・ファヌフさん

ジャンプの着氷の後に流れがあり大柄な体格が氷の上で映えていた。最初に結果だけ知った時は驚いたが実際に演技を見てみると確かにいい演技でこの順位も納得がいく。ただこれだけの実力者が揃っていながらステップからのトリプル・ジャンプでトウループを跳ぶ選手が3位に入るというのはやはり驚きである。


鈴木明子さん

フリップの着氷が乱れて点数が伸び切らず。今シーズンを通してSPでルッツとフリップが両方成功したことがないので、くどいようだけどどちらかはループにした方がいいと思う。PCSはもう少しもらえてもいいのではないか。やはり知名度でやや見劣りするのが響いたのかも知れない。


村主章枝さん

ルッツの踏み切りをロング・エッジと認定されたもののほぼノーミスの演技。さすがに大舞台には強いところを見せてくれた。


浅田真央ちゃん

トリプル・フリップからのトリプル・ループが回転不足でオーバーターン。単独のルッツは2回転。特にルッツは練習でも決まっていなかったそうで、やはりエッジの矯正は生半可なことではできないのだな、と痛感させられる。この大会から新調した衣装は原色的な青が今一つ私の好みに合わない。前のもう少し淡い色彩の衣装の方がよかったと思うのだが。


キム・ヨナさん

SPの歴代最高得点を更新と聞いていたのでよほど完璧な演技だったのだろうと思っていたが、フリップの踏み切りはアテンションと認定されていた。それでこの点数を叩き出してしまうのだから凄い。問題のフリップからのコンビネーションもわずかに一人のジャッジが減点しているだけで、ほかの要素では猛烈な加点をもらっている。この四大陸選手権という大会は点数がややインフレ気味になりがちな大会でもあるようだ。


ジョアニー・ロシェットさん

地元カナダの期待の星はほぼノーミスの演技。ジャンプの安定感とエッジの使い分けの正確さはやはり大きな武器であることを再認識させられる。ジャンプの組み合わせを変えてきた狙いはよくわからない。もしかするとジャッジから単独のルッツの前のステップが十分ではないというような指摘を受けたというようなことでもあるのだろうか。

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「風のうた」

2009年2月 6日

作詞:うえのけいこ 作・編曲:佐橋俊彦
シングル「風のうた」(1999.11.21)所収。現行のCDではアルバム「I LOVE YOU」MJCD-20054(2006.03.29)に収録されている。

本田美奈子さんの月命日にこのブログに連載してきた楽曲の感想だが、この数か月やや重たい話題を続けていて少し疲れてしまったこともあり、今回は息抜きに少し気楽に聴ける曲を扱ってみることにする。「風のうた」はTVアニメ『HUNTER×HUNTER』のエンディング・テーマ曲で、1999年に発表された。シングルにカップリングされていた「晴れた空お天気」もこのアニメの挿入歌である。

「晴れた空お天気」について以前「子供向けと思わせておいて実はなかなかの難曲」と書いたが、この「風のうた」も、技術的にはそれほど難しそうには見えないものの、やや愁いを帯びた旋律にはどこか幻想的な趣があり、聴き応えのある楽曲となっている。作・編曲の佐橋俊彦さんについては私はよく知らないのだが、音楽業界では幅広く活動している方らしい。

歌詞を解釈するためには当然『HUNTER×HUNTER』の内容についての知識が必要になるわけだが、残念ながら私はこのアニメも原作の漫画も全く知らないのでどうしようもない。ただ、お母様の証言によると美奈子さんはこの歌を子守唄として姪御さんに歌って聴かせていたそうで、美奈子さんはこの歌を子守唄と位置づけてことになる。美奈子さんのレパートリーには子守唄として聴ける作品がいくつかあるが、この「風の歌」もそのように位置づけることができるのだと知ってからこの歌は私にとって少しなじみ深い存在になった。


このシングルは前作「Shining eyes」から3年振りとなるリリースで、美奈子さんがレコーディング・アーティストとして不遇をかこっていた時期の作品なのだが、アニメ・ソングとはいえようやく発表できた自分のオリジナル曲に美奈子さんなりに真剣に取り組んだことだろう。

美奈子さんが姪御さんのためにこの歌を歌っている姿を想像しながら、ふと北島三郎さんのことを思い出した。北島さんはアニメ『おじゃる丸』のテーマ曲「詠人」を引き受けることを決めた時の心境について、長い間歌手として活動させてもらえたことへの感謝の気持ちをこめて、世の中への恩返しとしてこれからの世界を担う子供たちのために役に立ちたいという思いだったと述べていた。美奈子さんもこの「風のうた」や「晴れた空お天気」を歌うに際しては、一時期の苦難を乗り越えて歌手としての地位を築くことができた喜びや感謝の気持ちを感じつつ、かわいがっていた姪御さんの寝顔をアニメの放送を通してこの歌を聴くことになるはずの子供たちの姿と重ね合わせていたのかも知れない。そんなことを考えながら聴くと美奈子さんのレパートリーの中ではやや地味な存在であるこうした歌もより愛おしく思えてくる。

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岡林信康さん 『ミュージック・フェア』に出演

2009年2月 1日

先週土曜日放送の『ミュージック・フェア』に岡林信康さんが出演した。このところメディアへの露出が増えてきている岡林さんだが、私は迂闊にも尽く見逃してしまっていたので今回首尾よく見ることができたのは実にラッキーだった。

岡林信康さんといえば先鋭なプロテスト・ソングによって社会へのメッセージを発し“フォークの神様”と呼ばれたカリスマ的な歌手だが、後にはそうしたレッテルを嫌がって隠遁生活を送り、メディアにはほとんど登場しなくなった人である。私くらいの世代からすると同時代を生きている音楽家というよりは歴史上の人物という認識が強く、TVに出演して話しているのを聞いたりすると別の時代にタイム・スリップをしたかのような不思議な感覚にとらわれてしまう。

“フォークの神様”であることをやめた岡林さんはその後日本の伝統的な民謡のリズムに自らの進むべき道を見出し、“エンヤトット”と称して独自の活動を展開した。彼のこうした変貌はある種の人たちには“変節”と映るのかも知れないが、私はそれを“深化”ととらえたい。フォーク・ソングをアメリカから輸入してきた日本の音楽界にあって、彼こそはフォーク・ソングとは民謡を意味する言葉なのだという事実に最も真摯に向き合った音楽家なのだから。

私は岡林さんのこうした深化を、歌を政治的なメッセージを伝えるための手段と見なす態度から、歌そのものの持つ力こそが人を励まし勇気づけるのだという考えに変わっていったものと解釈している。こうした彼の足跡は音楽家として出発しながらついに参議院議員にまでなってしまった喜納昌吉さんとは対照的に映る。

数年前のある日、何気なくTVをつけてチャンネルをいじっていたらめずらしく岡林さんが出演していてびっくりしたことがあった。その時に彼は「どうせ呼ぶなら“フォークの神様”ではなく“歌の神様”と呼んで欲しかった」と話し、自分の作った「月の夜汽車」を歌謡界の女王である美空ひばりさんが歌ってくれたことをいかに誇らしく思っているかを熱く語っていた。その日は八代亜紀さんとの共演だったのだが、現在の日本の歌謡界を代表する存在である八代さんと共演できたこともまたうれしくて仕方のない様子だった。

岡林さんの音楽は現在のきらびやかな日本のポピュラー音楽のシーンの中で人目を引くにはあまりに素朴に過ぎるかも知れない。しかし彼の辿った道のりが後に続く音楽家たちに一つの歩むべき道筋を指し示していることは疑いようがない。岡林さんの飾り気のない美しい歌声を聴きながら、音楽の未来について一時思いを馳せた土曜の夕方だった。

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