本田美奈子さん 叶わなかった39回目の誕生日に寄せて

2006年7月31日

今日は歌手本田美奈子さんの誕生日。生きていれば39歳になっていたはずだった。昨年の今頃は臍帯血移植の経過も良好で、38回目の誕生日を自宅で過ごすべく前日に退院を許可されていた時期にあたる。退院の際にはお世話になった医師、看護師のためにナースステーションで「アメイジング・グレイス」を歌ったのだった。その歌声の一部は公共広告機構CMで聴くことができるが、わずか3ヶ月あまり後に亡くなることになるとはとても考えられない、生き生きとした精気に満ち溢れたものである。

自宅ではお母様と母娘水入らずの一時を過ごすことができたようだ。お母様が一緒にお風呂に入った時のことを懐かしそうに語っておられたのが印象に残っている。


しかしその幸せな時間も長くは続かなかった。8月末に病気が再発し、9月には再び入院することになってしまったのだ。メモ代わりに使っていたカレンダーには「入院したくない、お母さんと一緒にいたい」との書き込みがあり、それに自ら×印をつけている。

どうしてこのような不条理なことが起きるのか私には知る術もないが、もしこうなることが避けられない運命だったのなら、最後の日々を自宅でお母様と一緒に過ごさせて上げたかった、そんな思いにもとらわれてしまう。


彼女の誕生日にあたり、改めてどのような言葉を寄せればいいのかよくわからないので、最近また思い出した言葉をここで紹介してみたいと思う。突然の訃報の後、とある掲示板に書き込みしてみたもののすぐに流れていってしまったのだが、葬儀の際のお母様の「美奈子を忘れないで…」というご挨拶を思うと、これに勝る言葉は思いつかないのだ。

ラフマニノフが盟友フョードル・シャリャーピンの死に寄せて贈った言葉である。

「忘れられた者のみが死んだのである……」こんな碑銘を私はずっと昔、ある墓石に見たことがある。もしこの説が真実なら、シャリャーピンは決して死なないだろう。死ぬことができないのだ。なぜなら、真に途方もない天賦の才を持ったこの奇跡の俳優こそ、不滅の存在なのだから……

ニコライ・バジャーノフ著/小林久枝訳「伝記ラフマニノフ」より

同じ言葉を美奈子さんにも贈りたいと思う、消えることのない悲しみこそは彼女が今も私の胸の中に生きている証なのだと信じて…。

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虫の音と日本人・再考

2006年7月30日

先日蜩が鳴き始めたという記事を書いたばかりだが、Firefoxの拡張機能の日本語化に尽力されているnorahさんのブログこんな記事を見かけた。


「日本沈没」という映画の制作に協力した東京大学地震研究所のサイトにこの映画についてのQ&Aのコーナーがあるのだが、その中の質問にこんなものがある。

玲子の駐屯地へ小野寺が来た時のラブシーンで、野外でじぶんの過去の辛さを語る玲子とそれを静かに聴いている小野寺の後ろの虫の声・・・・・アレだけの火山灰がぼたぼた降っていても虫って生きているものなのでしょうか??? すごく素敵なシーンなだけにあの音が邪魔に聞こえて.....


映画を見ていないので問題のシーンの中で虫の音がどんな風に聞こえているのかわからないのだけど、あの音が邪魔に聞こえるという感想にショックを受けてしまった。日本人は虫の音を言語と同じように聞いていると言われているのだが、そうした感受性も過去のものになろうとしているのだろうか…。

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「がんばれ」と「Take it easy」

2006年7月29日

今日は日本TV系列で放送された荒川静香さんのCOI挑戦のドキュメンタリーを見ていた。ショーが行われるシカゴにやってきた荒川さんを主催者が出迎えるシーンがあったのだけど、そこで彼女に投げかけられた言葉が「Take it easy」だった。これがもし日本ならまず間違いなく「がんばれ」だっただろう。


先頃開催されたサッカーワールドカップ、日本は初戦でオーストラリアに手痛い一杯を喫した。つい先日もなでしこJAPANがオーストラリアに敗れた。アテネオリンピックで金メダルを目指した長嶋JAPANが準決勝でオーストラリアに敗れ悔しい思いをしたことも未だ記憶に新しい。このところ国際スポーツの場でオーストラリアは日本にとって鬼門となっているが、そのことについて少し気になることがある。

宗教思想家のひろさちやさんが「禅の読み方」という著書でこんなエピソードを披露している。娘さんの友人にオーストラリアからの留学生がいたのだが、ノイローゼになって母国に帰っていってしまった。その彼女が日本に来て一番いやな言葉が「がんばれ」だったと語ったという。娘さんがオーストラリアでは「がんばれ」の代わりに何というのか尋ねたところ「Take it easy」と答えたそうだ。

野球でもサッカーでもオーストラリアは日本にとって決して格上の相手ではない。特に野球では明らかに総合力で日本の方が上回っている。それでもぎりぎりの戦いの中で最後に勝敗を決しているのは「がんばれ」と「Take it easy」の差ではないかと思う。


先日の「ドリーム・プレス社SP」で岸谷五朗さんが病床にある本田美奈子さんへの寄せ書きに何度も繰り返して「がんばれ」と書いていたのを見て苦笑してしまった。弔辞の中で「何度も『がんばれ』って言ってごめんね」と述べていたのを覚えていたからだ。病に臥せている人に「がんばれ」はやはり酷な言葉だと思う。

死と隣り合わせにある病気に冒されている人に「何もかも忘れてゆっくり休みなさい」と言って上げられない社会は貧しい社会ではないだろうか。

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中澤佑二 代表引退の意向

2006年7月27日

サッカー日本代表のDF中澤佑二がワールドカップドイツ大会を最後に代表引退の意向を固めていることが明らかになった

昨夜ネットのニュースを見ていて仰天してしまった。中澤は今の日本代表に欠かすことのできない選手。もし本当にこのまま代表を退くことになれば代表チームにとってはヒデの引退以上の痛手となるだろう。

元々中盤のタレントは豊富だが決定力のあるフォワードと屈強なセンターバックの不足が課題だった日本のサッカー界において、中澤は待望久しい貴重な人材だった。実際のところヒデが引退しても代わりをつとめることのできる選手は何人も指を折ることができるが、中澤の代役がつとまる選手は皆無に等しいのが現状だろう。ジーコJAPANでは不動のレギュラーで、腰痛等のために彼が欠場した試合では目に見えてディフェンスの安定感が落ちていた。とくに2004年のアジアカップでの活躍はめざましく、私は今でも彼こそがMVPだったと思っている。

代表引退を考えたのは怪我等のために過密したスケジュールをこなすのが困難と判断したことなどが理由のようだ。しかしまだまだ彼は代表には必要な人材である。しばらくは怪我の状態に配慮したスケジュールにならざるを得ないのは仕方ないにしても、再び代表でチームを牽引する姿を見せてくれることを望みたい。

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「ドリーム・プレス社SP」 –日本人が愛したテレビ偉人伝–

2006年7月26日

今日午後8時から二時間にわたってTBS系列で放送された「ドリーム・プレス社SP」 –日本人が愛したテレビ偉人伝– を見た。逸見政孝氏の生涯を回顧する部分の後編と本田美奈子さんの歌と闘病生活の紹介を合わせた内容だった。


逸見政孝氏が亡くなったのはもう13年前のことになるが、不思議なことにあの「がん告白記者会見」で語られた言葉の多くは聞き覚えのあるものだった。会見をリアルタイムで見てはいなかったと思うが、その後のニュースなどで繰り返し映像を見て記憶にこびりついていたのだろう。

逸見氏はまさに「TV偉人」と呼ぶに相応しい人だった。あの当時TVで逸見氏の姿を見ない日はなかったというくらいの活躍ぶりだった。あの記者会見もまたTVアナウンサーとしての自己を貫き通した生き様の集大成だったのだろう。闘病に臨む姿勢もまたアナウンサーとして復帰することへの意欲に満ちたものだったようだ。葬儀場から自宅への道のりまでTV各局をまわるコースを選ぶという徹底ぶりだった。

私などは困難な病気と出会った時点で仕事からは少し距離を置いて第二の人生について思いを巡らす余裕があれば、病に勝てたとはいわないまでも、人生最後の一時をもう少し安らかに過ごすことができたのではないか、などと考えてしまう。ただ病気とどう向き合うのが一番幸せだったのかは、本人にしかわからないことでもあるだろう。


一方の本田美奈子さんを「TV偉人」と呼ぶのには私はためらいを感じてしまう。本田美奈子さんとTVとの蜜月は彼女の歌手としてのキャリアの最初の数年しか続かなかった。TV業界は人気の凋落した彼女に商品価値を見出さなかったし、彼女を20年間見続けてきたファンの方達の証言では美奈子さんの方もある時期からTVは自身の芸術を表現する場としては相応しくないと見切りをつけていたようだ。彼女の広汎なレパートリーのうちTVが受け入れたのはあの「…マリリン」ただ一曲に過ぎなかった。TVは彼女が本当の偉人へと羽ばたいたその時をとらえてはいない。

彼女が病と闘った10ヶ月は、奇しくもTV局経営者の口から「TV放送の公共性」といった類の言葉が多く聞かれた期間でもあった。視聴率のような目に見える数字にとらわれることなく上質な音楽芸術を幅広い階層に届けることも、免許事業であるTV放送が担うべき使命の一つでもあると思うのだが。


放送で紹介されたエピソードのほとんどはすでに知っていたものだったが、病室での映像などを見ると改めて胸が締めつけられる。早見優さん、南野陽子さんがスタジオに出演して思い出を語ってくれたのも見どころの一つだった。特にナンノさんは訃報が伝えられてすぐは「コメントできる状態ではない」というほどの落胆ぶりだったらしい。お通夜に出席した時にも気丈にメディアに対応した後で泣き崩れる姿がとらえられていた。8ヶ月たってようやくおちついて語ることができるようになったのだろう。

数々のエピソードからは彼女がいかに友人や共演者達から愛された存在であったかが窺われる。本当にかけがえのない、尊い人を喪ってしまったことを改めて感じさせられた。

欲をいえばナースステーションで歌ったものでもスイートベイジルでもいいから美奈子さんの歌う「アメイジング・グレイス」をフルコーラスで流して欲しかった。何よりもその歌声に命を懸けていた人なのだから。

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藤川 「火の玉」ストレートで真向勝負

2006年7月23日

雨のため順延されていたプロ野球オールスター第2戦は23日行われ、セ・リーグが2連勝を飾った

2試合を通じて最も輝いていたのはやはり阪神藤川球児だった。第1戦でも全球ストレートでカブレラ、小笠原から三振を奪い球界最高の速球投手であることを証明してみせたが、この日も全てストレートで1イニングを完璧に抑えた。雨の影響でマウンドが軟弱だったことが影響したようで少し思い通りにコントロールできていない球も見受けられたが、それでも打者に全くつけいるスキを与えなかった。

圧巻はお互いに対戦を楽しみにしていた清原和博の打席で、高めのストレートで空振り三振に仕留め、夢舞台最高のクライマックスを築いてみせた。清原は昨シーズン序盤の対戦で大差がついた試合にもかかわらず変化球で三振を奪った藤川に苦言を呈したことがあった。藤川は偉大な先輩からの才能を認めるがゆえの叱咤の言葉に発奮し、それ以来どんな時にも全力で勝負することを心がけるようになった。清原も彼の成長を認め、威力あるストレートを「火の玉のよう」と称賛していた。因縁ある両者の対決は期待通りの白熱した戦いとなった。藤川は渾心のストレートを投げ込み、清原もフルスイングでそれに応えた。

スポーツを見る醍醐味を感じさせてくれる対戦だったと思う。

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白鵬 場所後の横綱昇進は見送り

2006年7月23日

大相撲名古屋場所千秋楽、大関白鵬は横綱朝青龍を破り13勝2敗としたが場所後の横綱昇進は見送られた


立ち合いすぐに右四つに組み止めると徐々に有利な体勢を築いていった。横綱が苦し紛れの巻き替えにきたところを基本通りに前に出て寄り立て、最後は横綱のうっちゃりをこらえて寄り倒した。力はすでに横綱級であることを見せつける、見事な一番だった。

ただ序盤での取りこぼしが響いて場所後の横綱昇進は見送られることになった。まだ若いし力は十分つけてきているのであせることはない。来場所が再び綱取り場所になる。また今日見せたような相撲を取り続ければ念願を果たせる日は遠からず訪れるだろう。

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FIFA規律委員会 ジダン、マテラッツィ両選手を処分

2006年7月20日

世界的に波紋の広がっていたワールドカップ決勝戦でのジダンによる頭突き事件について、FIFA規律委員会は20日ジダンへの事情聴取を終え、ジダン、マテラッツィ両選手に処分を下した。注目されていたマテラッツィの発言の内容については「侮辱的ではあるが差別を含むものではなかった」と発表された


私もこの騒動についてはこれまで注目してきたが、世界最大のスポーツイベントであるサッカーワールドカップの決勝戦で差別的な言葉が選手の口に上ったのでなかったことはよかったと思う。これまでの記事ではマテラッツィへの疑惑を煽るような書き方をしてきたことについても(本人が目にする可能性はほとんどないとは思うが)お詫びしたいと思う。

これでひとまず一件落着ということになるが、割り切れなさが残るとすれば、たとえあからさまな差別的発言がなかったとしても、ジダンがあのような反応をしたのにはそこに差別的意図を感じとったからであり、マテラッツィの側もジダンが移民の息子として背負ってきた悲しみを承知の上で敢えてそこにつけこもうとしたのではないかという疑念を最後まで拭い去ることはできないという点にあるだろう。日本でTV観戦しているだけでは中々実態を把握することが難しいのだが、欧州サッカー界では人種差別の問題は根強くくすぶり続けているようだ。FIFAが今大会で差別反対をスローガンとして掲げたのもこの問題が決して看過することができない状態にあるという危機意識の表れなのだろう。空き地とボールが一つあれば誰でも手軽に楽しむことができるために世界で最も普及の進んだスポーツであるサッカーがそのような状態にあるというのは極めて憂慮すべきことである。今回FIFAがマテラッツィにも処分を下し、言葉による暴力にも毅然とした態度をとるというメッセージを発したことが重く受け止められるよう望みたい。


次回のワールドカップが開かれる南アフリカはこの問題が最も深刻な事態を引き起こしたことで知られる国。サッカーに携わる全ての人々の見識が問われることになるだろう。

今回の件では多くの失望を味わったが、それでもスポーツには世界の人々を結びつける力があると信じたい。

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浅田真央ちゃん出演 伊藤ハムのTVCM

2006年7月19日

今日も続いてCMの話題。浅田真央ちゃんが伊藤ハムのTVCMに出演している。インターネットでも見ることができるが、こちらはどういうわけかTVでももう何度も目にしている。最初に見た時はアクセルを踏み切ったのでダブルなのかトリプルなのかと注目していたら「いつもより余計に回って」いたので苦笑してしまった。大豆飲料のCMを見た時はあまりに「???」な内容だったのでチーム浅田のCM戦略はどうなっているのか?! と余計な心配をしてしまったが、「ふわふわマオマオ」といい、今回の伊藤ハムといい、真央ちゃんのかわいさを前面に出した作りでほっとした。ハムやトイレットペーパーとスケートにどんな関係があるのかは不明だが。

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荒川静香さん出演のTVCM「TSUBAKI」

2006年7月17日

昨日に引き続きTVCMの話題を一つ。

先月末から荒川静香さん出演の「TSUBAKI」のTVCMが放映されているのだけど、私はよほどチャンネルの合わせ方がまずいのかまだ見たことがなかった。インターネットで見ることができるのでどんな内容かは知っていたが、やはりTVで見たいもの。女性向けのシャンプーのCMなので女性向けの番組を見ないとだめだろうか、でも女性向けの番組って何だろう? などと考え込んでいた。

今日『はじめてのおつかい』を見ていたら、やっと15秒ヴァージョンの方だけど出会うことができた。凛とした美しさが印象的な荒川さんの映像だった。でもやはりファンとしては荒川さんだけで一本作って欲しいと欲張って考えてしまう。金メダリストがその他大勢と一緒の扱いでは失礼な気がするのだけど。

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魂の歌唱「アメイジング・グレイス」

2006年7月17日

この7月から一年間、本田美奈子さんが公共広告機構の骨髄バンク支援キャンペーンに起用されている。残念ながら私はまだ見ることも聴くこともできていないのだが、TV、ラジオでCMが放送されている。幸いTVCMについてはインターネットで見ることができるので、そちらで内容を確認した。

バックに流れているのは去年の7月、38歳の誕生日を前に一時退院した際、お世話になった医師、看護師のためにナースステーションでアカペラで歌った「アメイジング・グレイス」。重い病に冒されていることなど感じさせない、渾心の歌唱である。まだこれから一年間続くキャンペーンなので、いつかTVで見られるのを楽しみに待ちたいと思う。


ここをご覧の皆様にも、TVから繊細なヴィブラートに彩られた魂の歌唱が聴こえてきたら、しばしお仕事や箸を動かす手を休めてじっくりと聴き入っていただけたら幸いです。


関連ページ

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蜩の季節

2006年7月15日

昨日は暑さのせいか、それともワールドカップ観戦による不規則な生活のせいか中々寝つくことができす、未明まで目が冴えていた。すると夜が少し白み始めたころになっての鳴き声が聴こえてきた。今年初めて聴く蜩である。

私はこの蝉の鳴き声が好きで、動物界最高の音楽家だと常々思っている。夏の一番の楽しみは蜩の声を聴くことといってもいいかも知れない。夏の夕暮れに聴く哀愁を帯びた鳴き声にはたまらなく郷愁を誘われてしまう。毎年今くらいの時期になるといつ鳴きはじめるかと心待ちにしている。夕方にもまた聴けるかと楽しみにしていたのだけど、残念ながら聴けなかった。今朝聴いたのは少し慌て者の蜩によるフライングだったのだろうか。

それにしてもまた蜩の季節がやってきたわけだ。今年もきっと暑い夏になるんだろうな…。

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バーバー「アダージョ」 in 東京ドーム

2006年7月14日

今シーズン、東京ドームでのジャイアンツ戦を見ていると度々場内にサミュエル・バーバー作曲の「アダージョ」が流れていて驚かされることがあった。バーバーというと私は「アダージョ」しか知らないのだけど、20世紀のアメリカの作曲家で、進歩の国アメリカで活躍したにも関わらず古風でロマンティックな作品を多く生み出したようだ。代表作はもちろん何といっても有名な「アダージョ」で、レクイエム風の痛切な響きが胸に迫る名曲だ。アメリカでは実際に要人の死去などの際に葬送のために使われることも多いようで、映画「プラトーン」で効果的に用いられたことでも知られている。


そんな荘重で悲しみに満ちたメロディーを野球場で聴くというのは実に意外で、なぜこの曲が試合中にドーム内で流れるのか不思議に思っていた。何度か聴くうちに、ジャイアンツの久保裕也が登板する時に流れてくるということに気がついた。各選手が登場する際に流れるテーマ曲は本人の希望が受け入れられるはずなので、おそらく久保自身の選曲なのだろう。

彼がなぜこうした静かな曲を選んだのか、とても興味深い。普通戦いに挑む前というのは高揚感のある音楽が好まれるように思うのだけど、彼の場合は静かな音楽で心を落ち着けて試合に臨みたいのだろうか。彼の人柄についても関心をそそられる選曲である。

ただ、この曲のせいかどうかはわからないが、今シーズンの久保はセットアッパーとして期待されながら思い通りの活躍ができずにいる。もっと奮起して、この曲が流れてくるとジャイアンツファンがほっと一安心できるような活躍をして欲しいものだ。

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ジダン 仏TVに出演

2006年7月13日

ワールドカップ決勝戦で相手選手に頭突きをして退場になったフランス代表のジダンフランスのTV番組に出演し、事件の経緯について説明した。注目されたマテラッツィの発言の中身については、「母と姉を侮辱するものだった」と述べたが、具体的な言葉については明らかにしなかったという。


以前フランスのプロフィギュアスケーター、フィリップ・キャンデローロさんが番組内で荒川静香さんを侮辱する発言をしたとしてフランスTV局が謝罪したというニュースが伝えられた時は、私はキャンデローロさんが荒川さんに悪意をもって侮辱したという可能性はほとんどないと考えて気にも留めなかったが、今回は問題のシーンを見てマテラッツィの発言の内容に極めて深刻なものがあった可能性が高いとみて成り行きを注視していた。ジダンの両親がアルジェリア出身であることに関わるものであったのではないかという憶測が流れていたが、今回のジダン自身による説明ではその点は明らかにされなかった。ただ母親と姉が侮辱の対象になったということは女性蔑視とも見做され得るものだった可能性もあり、真相解明が求められる。

マテラッツィも侮辱したこと自体は認めており、侮辱行為もFIFAによる制裁の対象になるので、彼にも何らかの処罰が下されることになるだろう。発言の内容によってはジダンよりもさらに重い処分が必要になる。FIFAはこの問題に関心をもっており、調査を行うという声明を発しているので厳正な調査が行われることを期待したい。ジダンに与えられたMVPを剥奪する可能性も示唆されているが、場合によってはマテラッツィのPK戦におけるゴールの認定を取り消して、フランスの5人目の選手からPK戦をやり直す、といった措置も視野に入れるべきだと思う。


口頭でのやりとりなので事態を正確に把握できているのは当事者二人だけという可能性もあり、真相究明には困難も予想されるが、世界中が見守る中で起きた事件なので十分納得のいく結論が導き出されて欲しいものだ。引き続きこの件には注目していきたい。

追記:

中東調査会上席研究員の大野元裕氏がこの件について解説記事を寄稿されている。

マテラッツィはジダンによる説明の一部を事実上認める発言をしたらしい。

FIFAはこの問題について20日に開かれる規律委員会にジダン、マテラッツィの両者を呼んで聴取すると発表した。

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阪神藤川 47回2/3無失点

2006年7月12日

阪神タイガースの藤川球児が11日の対広島戦で47回2/3連続無失点の球団記録を達成した。日本プロ野球では歴代5位の記録になる。


藤川は昨シーズン急成長を遂げたが、80試合にものぼる登板による疲労、2段モーション禁止のルール改正によるフォーム改造などから、今シーズンは昨シーズン程の活躍ができるかどうか少し疑問を抱いていた。しかしここまでそんな懸念を払拭する見事な活躍で小山正明氏の記録を更新した。あの大魔神佐々木主浩を凌ぐほどの安定感は見事というほかない。

活躍の原動力は何といっても狙って空振りをとれるストレートの威力。彼にとってはフォーム改造によるタイミングの変化などは瑣末な問題だったらしい。真向勝負の渾身のピッチングで達成した偉業を讃えたいと思う。


もっともそうはいいながらも実は今シーズン彼のピッチングをあまり見ていない気がする。巨人戦の登板が少ないせいだろうか。ジャイアンツは藤川を引きずり出すような試合ができていないということなのか!?

追記:

藤川の記録は12日の対広島戦で失点し、47回2/3で途切れてしまった

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ジダン 最後のプレーは“ヘディング”

2006年7月10日

ワールドカップの決勝戦、夜中に起き出してはみたものの睡魔には勝てず、特に後半以降は半分寝ながらの観戦になってしまった。それでも一応夢うつつで見たおぼろげな記憶を頼りに感想を書いておこうと思う。

安定した守備によってここまで勝ち上がってきた両チームの対戦だけに、得点の匂いのあまり感じられない比較的地味な試合になったと思う。それでも双方とも少ないチャンスを活かして一点ずつを取り合い、120分の戦いがスコアレスにならなかったのはよかったと思う。フランスはアンリが開始早々に相手選手と激突して脳震盪を起こしたのが響いたのではないだろうか。イタリアは流れの中では大きなチャンスは作れていなかったが、セットプレーは迫力満点だった。ピルロのコーナーキックの蹴り方は無造作で、集中して蹴っているようには見えないのだが素晴らしい精度でフランスディフェンスを脅かした。もう一点入ってもおかしくないと思わせるものがあった。

PK戦はじゃんけんみたいなものなので論評するのは虚しいが、フランスは120分終了時点でアンリ、ヴィエラジダンという中心選手が欠けていたことが残された選手達の心理状態に影響した可能性はあると思う。


ジダンの“ヘディング”には驚いたが、先ほどNHKのニュースを見ていたらジダンの親族が「マテラッツィがジダンの出自について侮辱する発言があった」と主張しているという。私も見ていて一旦大事に至らずに別れようとした直後に突如ジダンが激昂しているのでその可能性もあるなと思っていた。今のところジダンの側の関係者からの証言しかないので真相は不明だが、もし真実なら相手選手も処罰するべきだろう。

そのジダンだが大会のMVPに選ばれたという。これには少し疑問を感じる。「ヘディング」のことはともかく、彼は時折卓越したテクニックで得点チャンスを作り出したが、周りの選手達に支えられてそうしたプレーをしてみせたのであってチームを支える活躍をしたわけではない。MVPというのはフランスならテュラムマケレレ、ヴィエラ、イタリアでいえばブフォンカンナヴァロマテラッツィといったチームを中心になって支えた選手が受賞するべきだと思う。


イタリアはこれまでの試合で「強い」と感じさせられることがなかったので優勝はやや意外な感じがする。しかしフランスもそうだがこうした長丁場の戦いでは安定した守備が重要であることを感じさせる結果になったと思う。ガットゥーゾやマケレレの活躍を見るにつけ、日本代表にもこうした選手が必要だったのではないかという思いを強くさせられる。

優勝はしたもののイタリアの国内リーグではこれからが大変なようだ。あまりスポーツ・ファンを失望させるようなことは起こして欲しくないものだ。

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2006年7月 6日

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「1986年のマリリン」

2006年7月 6日

作詞:秋元康 作曲:筒美京平 編曲:新川博
シングル「1986年のマリリン c/w マリオネットの憂鬱」(1986.2.5)、ア ルバム「LIPS」(1986.06.04)所収。現行のCDでは「CD&DVD THE BEST」TOCT-25857(2005.12.07)等に収録されている。

言わずと知れた本田美奈子さん最大のヒット曲。今日多くの人が彼女の名を知っているのはこの曲によるところが大きいだろう。しかし私にとってはあまりにも苦い思い出のしみついた曲となってしまった。というのもファンを自称しながら今頃になって慌てて音源やら情報やらの蒐集に苦心するという情けないことをやっている原因は全てこの曲にあるからだ。


1985年4月にデビューした本田美奈子さんはアイドル歌手として順調なスタートを切り、特に4枚目のシングル「Temptation(誘惑)」はこれからどんな歌を聴かせてくれるのかに期待を抱かせる佳曲だった。当時それほど音楽には関心がなかったのだが、そのあまりのかわいらしさに虜になってしまっていた私としても次に発表される歌を心待ちにしていたものだった。

そして翌年の2月に売り出されたのがこの「1986年のマリリン」だった。当時のアイドルポップスとしてはやや常識はずれの表現スタイルをとったこの曲は忽ちのうちに大ヒットし、「へそ出しルック」や腰を激しく振る振り付けと相俟って世の中の話題を独占したのだった。

しかし私はどうしてもこの曲が好きになれなくて、世間の狂騒をよそに一人疎外感を味わっていた。折角出会うことができた憧れの人が一躍時の人になる一方で自分はそこから取り残されるというのは実に辛い体験だった。


美奈子さんはデビュー当初から“アイドル”と呼ばれることには抵抗を感じていたようで、(今では珍しくもないことだが)“アーティスト宣言”をしてアイドルファンの反発を招いたりもしていた。この曲もおそらく「マリリン・モンローのようになりたい」という美奈子さんの思いから生まれたのだと思われる。次作の「Sosotte」へと続くやや背伸びしたお色気路線は、飾り物のお人形にはなりたくないという彼女の焦燥の表れでもあるのだろう。

しかし私としては“アーティスト宣言”も“脱アイドル”も結構だけれど、「…マリリン」の路線には全く納得がいかなかった。この人の本当の魅力はハリウッド風の煽情的なグラマーとは全く違ったところにあると感じていたからだ。当時の私は「マリリン・モンローになりたがっている美奈子さん」の歌ではなく、「素顔の本田美奈子さん」の歌が聴きたかったのだと思う。結局この歌のヒットをきっかけに私の気持ちは美奈子さんから急速に遠のいていったのだった。今にして思えば一年にも満たない、短い恋であった。

大ヒットしたのがこの曲でなかったら、あるいはヒット曲に恵まれずB級アイドルの座にとどまっていたならもう少し彼女を追いかけていられたのでは、という思いは突然の訃報に接して以来ずっと胸の奧に渦巻いている。私は長い間彼女のことを気にもかけていなかったのだ。だから亡くなったと聞いて深く傷ついていることは自分でも意外だった。長いこと事実上忘れていた人の死がどうしてこんなに悲しいのか、逆の言い方をすればそれほど大切な人をどうして忘れていることができたのかについて、あれ以来自問を重ねて来た。あの時置いてきぼりにされた悔しさは、ずっと胸の奧に刺のように突き刺さっていたようだ。私はおそらく彼女を忘れていたのではなく、あの辛い体験を思い出さないようにしていたのだと思う。


美奈子さんとの「再会」を果たしたのは彼女がクラシックを歌い始めた、と聞いてからのことだった。彼女自身「クラシックを歌えるようになるとは夢にも思っていなかった」と語っているし、私の方もアイドル時代の美奈子さんに恋をしていた頃には自分がクラシック音楽を愛聴するようになるとは思ってもみなかった。この全く意外な場所での再会は実にうれしい驚きだった。久しぶりに見る初恋の人はあの頃よりもさらに美しく変貌を遂げていた。もはやその呼び名を嫌っていた「アイドル」ではなく、アーティストとしての自己を確立したという自信が華奢な体に風格を与えてもいた。呑気な私はあの時聴きたいと願っていた「素顔の美奈子さん」の歌をこれからはじっくりと聴かせてもらえるのだろうなどと夢想したものだった。

だが彼女はそれから間も無く、鈍重な私を見捨てるかのようにあっけなくこの世から立ち去ってしまった。彼女の足早な歩みに、私はついに追いつくことができなかった。


いうまでもなくこの歌は美奈子さんの歌手人生を語る上で欠かすことのできない曲である。この曲の大ヒットは歌手としての美奈子さんにとって幸福なことだったのかどうか、というのはとりわけ重要な論点だと思う。上記のような理由で私には冷静に考察するのが難しいのだが、このことについて少し考えてみたい。

この曲は彼女の名を広く知らしめたばかりでなく、アイドル歌手の枠におさまらない卓越した歌唱力を印象づけた。その一方で、ロック、ミュージカル、クラシックと表現の場を度々変えてきたにもかかわらず、いつまでも「…マリリン」のイメージがまとわりついてくることにもなった。「脱ア イドル」以降、彼女のTVでの露出がその活躍に比して驚くほど少なかったのは世間、あるいは放送業界の彼女の見方が「『…マリリン』をヒットさせた元アイドル」でしかなかったことの表れでもあるだろう。

美奈子さん自身は「…マリリン」ばかりを要求されるのに戸惑いも感じることもあったようだが、頼まれれば喜んで歌う、という姿勢を貫いていたように見受けられる。『題名のない音楽会』に出演した際のオーケストラ伴奏による「誰も寝てはならぬ」、「命をあげよう」とのメドレーや『AAA』での「ジュピター」とのメドレーなどは彼女の表現の幅の広さを見せつける、素晴らしい熱唱だった。

こうした歌唱を聴けば、私としても美奈子さんの多彩なレパートリーの中にこういう歌があるのはよかったと思えてくる。あれ程の爆発的なヒットにならなければ、あるいは私の受けた傷も軽いもので済んでいたのかも知れない。当時の録音をあらためて聴いてみると、まだあどけない少女が大人の色気を漂わせようと背伸びをしているいじらしさ、かわいらしさのようなものも聴き取ることができる。これは中学生だった私にはできなかったことだ。私の方にもう少し受け止める度量があれば、この曲にまつわる思い出も違ったものになっていたかも知れない。ただやはり私にはこの歌が今もって美奈子さんの代表曲として扱われているのを残念に思う気持ちは拭い去ることができない。


pumpkinさんの述懐によると、美奈子さんはファンに向かって「ここまでついてきてくれてありがとう」と言われたという。私には痛い言葉だ。それは活躍の場を移す毎に新たなファンを獲得してきたと同時に、その度にファンを失ってきた美奈子さんならではの感慨なのだろう。「…マリリン」で挫折した私などは最も早く落伍した部類に属すると思われる。美奈子さんには「ついていけなくてごめんなさい」と詫びるほかはない。でもできることなら強く憧れながらついていけずに取り残された私の悲しみも酌んでいただけたら、と思う。

私の美奈子さんへの思慕はこうして永遠の片想いに終わってしまった。この悲しみは終生消えることはないだろう。ただ、美奈子さんが自身大切にし、ファンにも呼びかけた「いつまでも青春」という言葉だけはお蔭で実践できそうだ。何しろその名を思い起こすだけで純愛物語の主人公にでもなった気にさせられてしまうのだから。

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ワールドカップ準々決勝 ブラジル vs. フランス

2006年7月 2日

98年フランス大会決勝の再現となったこの試合、やはりどうしても見たくて明け方に起き出して見てしまった。ブラジルは前回のリベンジと意気込んで臨んだようだがまたしてもフランスに敗れてしまった。


アドリアーノを先発から外してロナウジーニョをフォワードに置き、中盤に守備的な選手を3人並べたブラジルの意図がよくわからない。もしフランスの攻撃を警戒して守備に重点を置いた作戦だったのだとしたら王者らしくない、悔いの残る選択だったと思う。今大会最も活躍が見込まれていた選手の一人ロナウジーニョはこれまで実力を発揮できずにいたが、攻撃を助けてくれる選手がロナウドカカしかいないのでは仕事にならなかっただろう。結局無得点のまま大会を去ることになってしまった。


フランスは予選リーグの内容がよくなくて不安を残したまま決勝トーナメントに進んだが、ここに来てかなり状態がよくなってきているようだ。ジダンも時折年齢を感じさせない溌剌としたプレーを見せて存在をアピールし、アンリヴィエラも順当に力を発揮している。今の状態が続けられれば優勝も現実味を帯びてくるだろう。


ブラジルのディフェンダー、ジュアンがヴィエラを倒したプレーは退場になってもおかしくなかったが、警告ですんだのは試合をおもしろくする上ではいい判断だった。イングランドとポルトガルの試合ではルーニーがよくわからない理由で退場になって試合の興味を薄れさせてしまったので余計にそう思う。90分間拮抗した戦いが続き、見応えのある試合になって明け方まで起きていた甲斐があったというものだ。

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熱戦 ドイツ vs. アルゼンチン

2006年7月 1日

ワールドカップ準々決勝第一戦は地元ドイツと優勝候補のアルゼンチンが争う好カード。さすがにどちらも譲らない白熱した試合になった。


私が注目したのはバラックリケルメのミッドフィールダー対決。二人とも大会前から楽しみにしていた選手だった。バラックは日韓大会での活躍を見てその存在を意識するようになった。あれから4年の間にすっかり世界を代表するミッドフィールダーにまで成長し、今大会でのプレーを楽しみにしていた。


一方のリケルメは以前トヨタカップで来日した時に存在を知った。柔らかいボールタッチからの華麗なパス回しに目を引かれたが、そればかりでなくその時にTVの実況アナウンサーが紹介したエピソードが印象に残っている。彼が生まれ育ったのはアルゼンチンの中でも貧しい地区で、車を停めておくとタイヤを盗まれてしまうような場所なのだという。ところが彼は地区のみんなから慕われていて、彼が車を停めておくと子供達がそれを磨いているのだそうだ。なんだか「あしたのジョー」を思い起こさせる話で、それ以来何となくこの選手を気にするようになった。

日韓大会ではぎりぎりで代表から落選してしまったが、今回は大会屈指の注目選手の一人。予選リーグでは遺憾なく力を発揮してチームを3連勝に導いていた。


さてその試合内容だが、さすがに強豪国同士の対戦とあってお互いのよさをつぶしあうような形になって、両者とも持ち味を存分に発揮できてはいなかったように思う。リケルメは終盤に交代させられ、バラックは延長に入ると足の故障で満足に動けなくなってしまった。

それでも二人とも正確なキックから点に絡む仕事をして見せたのはさすがだった。バラックの方は足の状態が万全でない中でPK戦に二人目のキッカーとして登場し、見事成功させたのはチームを率いる主将としての責任感からだっただろう。

またバラックが普段よりもやや下がり目のポジションをとっていたこともあってスタープレーヤー同士が直接ぶつかりあう場面もあり見応えがあった。さすがにワールドカップだな、と感心させられる場面だった。


どちらも手堅い試合運びで、やや単調ともいえる試合だったが、世界のトップ・プレーヤーの競演を堪能させられる好ゲームだったと思う。

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ご挨拶

2006年7月 1日

sergeiと申します。音楽やスポーツの話題を中心に日々の雑感を綴っています。どうぞよろしくお願いします。

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