「がんばれ」と「Take it easy」

2006年7月29日

今日は日本TV系列で放送された荒川静香さんのCOI挑戦のドキュメンタリーを見ていた。ショーが行われるシカゴにやってきた荒川さんを主催者が出迎えるシーンがあったのだけど、そこで彼女に投げかけられた言葉が「Take it easy」だった。これがもし日本ならまず間違いなく「がんばれ」だっただろう。


先頃開催されたサッカーワールドカップ、日本は初戦でオーストラリアに手痛い一杯を喫した。つい先日もなでしこJAPANがオーストラリアに敗れた。アテネオリンピックで金メダルを目指した長嶋JAPANが準決勝でオーストラリアに敗れ悔しい思いをしたことも未だ記憶に新しい。このところ国際スポーツの場でオーストラリアは日本にとって鬼門となっているが、そのことについて少し気になることがある。

宗教思想家のひろさちやさんが「禅の読み方」という著書でこんなエピソードを披露している。娘さんの友人にオーストラリアからの留学生がいたのだが、ノイローゼになって母国に帰っていってしまった。その彼女が日本に来て一番いやな言葉が「がんばれ」だったと語ったという。娘さんがオーストラリアでは「がんばれ」の代わりに何というのか尋ねたところ「Take it easy」と答えたそうだ。

野球でもサッカーでもオーストラリアは日本にとって決して格上の相手ではない。特に野球では明らかに総合力で日本の方が上回っている。それでもぎりぎりの戦いの中で最後に勝敗を決しているのは「がんばれ」と「Take it easy」の差ではないかと思う。


先日の「ドリーム・プレス社SP」で岸谷五朗さんが病床にある本田美奈子さんへの寄せ書きに何度も繰り返して「がんばれ」と書いていたのを見て苦笑してしまった。弔辞の中で「何度も『がんばれ』って言ってごめんね」と述べていたのを覚えていたからだ。病に臥せている人に「がんばれ」はやはり酷な言葉だと思う。

死と隣り合わせにある病気に冒されている人に「何もかも忘れてゆっくり休みなさい」と言って上げられない社会は貧しい社会ではないだろうか。

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