神尾真由子さん チャイコフスキーコンクールで優勝

2007年6月30日

モスクワで開催されていた第13回のチャイコフスキーコンクールのヴァイオリン部門で神尾真由子さんが優勝した。素晴らしい快挙を心から祝福するとともに、これをきっかけにして今後さらに偉大な芸術家に成長されることを期待したい。


手許にある音楽之友社発行の「弦楽器・管楽器ソリスト2004」に記載されている福本健氏の解説を元に壮観な略歴を紹介してみる。

1986年 大阪に生まれる。
1996年 第50回全日本学生音楽コンクール全国大会小学生の部で第一位。
1997年 オーチャードホールでシャルル・デュトワさんとラロの「スペイン交響曲」で共演。
1998年 メニューイン国際ヴァイオリン・コンクールのジュニア部門で最年少入賞。
2000年 アメリカのヤング・コンサート・アーティスツの国際オーディションで第一位。
2001年 ワシントンでリサイタル・デビュー。
このほかに第4回五嶋みどり<レクチャー・コンサート>奨励賞、京都府知事賞、大阪市「咲くやこの花賞」、2001年度アリオン賞、第13回出光音楽賞などの受賞歴がある。

これを見るだけでもいかに才能に溢れる音楽家であるかがわかる。福本氏は彼女の音楽性について次のように述べている。

2001年8月からサントリー株式会社から貸与された1727年制作のストラディヴァリを使うようになってから、一段と表現力が豊かになったように思われる。その演奏は、感受性の豊かさを感じさせる、自然でいて伸びやかな歌心が大きな魅力で、それが確かなテクニックによって多彩に発揮される。

残念ながらまだその演奏に接したことはないのだけど、これをきっかけにメディアで取り上げられる機会も増えることだろう。ぜひ一度聴いてみたいものだ。

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キム・ヨナさん 来季のフリーは『ミス・サイゴン』

2007年6月28日

キム・ヨナさんの来シーズンのプログラムが発表され、SPはヨハン・シュトラウス2世作曲のオペレッタ『こうもり』序曲、フリーはミュージカル『ミス・サイゴン』であることが明らかになった。まだ韓国のニュースサイトを自動翻訳で読んだだけなので詳細はわからないが、フリーは『ミス・サイゴン』のテーマ曲(これが何を意味するのかは不明。「序曲」? 「命をあげよう」?)と「サン・アンド・ムーン」を組み合わせたものになるとの情報がある。

周知の通り『ミス・サイゴン』のヒロインの名はキム。これはおそらく“キンバリー”の愛称で、韓国・朝鮮に多いキム(金)姓とは関係ないはずだが、偶然にも名前が被っているのは興味深い。もしかしてそのことも選曲の理由の一つになったのだろうか。

ヨナさんがこのミュージカルの日本初演の際にヒロインのキム役を務めた歌手のことをどの程度知っているのかはわからない。しかしいずれにしてもまた応援したくなる要素が一つ増えてしまった。ヨナさんがどんな風に“キム”を演じるのか、楽しみにしたい。

追記:23時30分

日本語の記事を読むことができた。「世界が終わる夜のように」が用いられるとの情報がある。

日本語の記事
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永遠の「揺れる想い」 –坂井泉水さん音楽葬に寄せて–

2007年6月27日

早いもので今日でZARDのヴォーカリスト、坂井泉水さんが亡くなって一ヶ月になる。訃報に接した際の悲しみの傷あとは今も胸に生々しく残っている。本田美奈子さんの時もそうだったけど、美しく才能ある女性が若くして亡くなるというのは本当に身にこたえる。こういうのはもうこれきりにしてもらいたいものだ。もちろん、美奈子さんにしても泉水さんにしても別に人の心を傷つけようと思って早逝したはずはないのだけれど。

もしも私が独裁的権力者なら“佳人早逝禁止令”という法度でも公布したいところだ。しかし何人もこの運命には抗うことはできない。人は死ぬ時には死ぬものなのだと受け容れるほかはない。「死ぬ時節には死ぬがよく候」という良寛さんのあの名言が心によみがえる。


逝去が報じられた日に慌てて書いたエントリーはどういうわけかYahoo!の検索で上位に表示され(一度下がったがまた元に戻っている)、このブログ開設以来空前のアクセス数に達している。今読み返すとかなり間抜けなことも書いてあって少し気恥ずかしいのだけど、この時自分がいかに気が動転していたかの証拠として直さずそのままにしておきたい。


私は世の中の常識を知らな過ぎるのか、「負けないで」という歌がZARDのレパートリーの中でこれほど圧倒的に支持されているということは逝去後の報道を見るまで知らなかった。この歌は自分の中ではあくまでZARDの数多いヒット曲の一つという認識しかなかった。「負けないで」と言われると「負けたっていいじゃないか」と思ってしまうひねくれ者の私にはこの歌はツボではなかった。

私にとってZARDといえば何といっても好きなのは「揺れる想い」だった。最初に聴いた時のみずみずしい感動は今も胸の中に生きている。この歌があったからこそZARDの音楽を心の友のように感じてきた。だから「揺れる想い」こそがZARDの最高傑作だと信じこんでいた。その思いは逝去後一月が過ぎた今も変わらない。


ZARDが女性ヴォーカルとしては90年代最高のシングル売上げ枚数を誇ったということも知らなかった。90年代というと私にはどうしても言葉を伝えようという意志の感じられないダンスチューンや、本場の黒人音楽のグルーヴを再現できているとは到底言い難いような日本語によるなんちゃってヒップホップが日本の音楽シーンを席捲した時代という印象が強かった。

しかしそうした時代にあっても最も人の心をとらえたのが、丁寧に選び抜かれた言葉とさらさらと心地よく流れるメロディーで歌本来の魅力を満喫させてくれるZARDの音楽だったというのはうれしくもあり、腑に落ちる思いもする。この時代にZARDがいてくれたというのは日本の音楽ファンにとって実に幸せなことだったと思う。


18日にNHKで放送された『クローズアップ現代』で音楽評論家の富沢一誠氏が用いていた“時代の伴走者”という形容はZARDの音楽のあり方を実に的確に言い当てた表現だと思う。泉水さんは私たちにとっていと高き所に仰ぎ見る“神様”や“教祖”ではなかった。私たちが自分の道のりを歩くことにささやかな誇りや喜びを見出した時、あるいは歩き疲れ希望を見失いそうになった時、そんな時にふと横を振り向くとやさしく微笑みかけてくれる泉水さんがいた、彼女は私たちにとってそんな存在だったのではないだろうか。

だから多くの人は彼女の存在の大きさに十分に気づいていなかったのだと思う。喪ってしまった今になって、人々は心の中にぽっかりと空いた大きな穴を見つめつつ涙しているのだろう。


今日は青山葬儀所にて「ZARD/坂井泉水さんを偲ぶ会」が執り行われている。私としてはZARDの音楽を聴きながら自らの心のうちで泉水さんに「ありがとう」と伝えることにしたい。行こうと思えば行ける場所ではあるのだけど、やはりここはZARDの音楽をずっと心の支えにして生きてきた人が行くべき場所だと思うので。この下手くそな文章も、ささやかだけど私からの感謝の気持ちとして受け取っていただけたら、と願っている。


泉水さんはきっと、これからも私たちのそばによりそって歌い続けてくれるだろう。心ある耳には聴こえる、そよ風のようにやさしい歌を…。

揺れる想い 体じゅう感じて
このままずっとそばにいたい
青く澄んだ あの空のような
君と歩き続けたい in our dream
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真央ちゃん タラソワさんに師事

2007年6月27日

まりりんさんのところで意外なニュースを知った。

浅田真央ちゃんが多くの金メダリストを育てた名コーチとして知られるタチアナ・タラソワさんの指導を受けることが明らかになった。タラソワさんは荒川静香さんを指導してその才能を開花させた人で、日本のフィギュアスケートファンにとっても恩人のような存在である。

真央ちゃんはこれまでタラソワさんが手がけてきた選手たちとはかなりタイプが違うような気がする。だからこのニュースには少し意外な感じがした。しかしたとえ短期間であってもタラソワさんのような名コーチの指導を受けるのは真央ちゃんにとってとても有意義なことになると思う。タラソワさんからいろんなことを吸収して、さらに大きく成長して欲しい。場合によってはSPの振り付けをしてもらうことになるかも知れないそうで、成り行きに注目したい。

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本田美奈子さん 入門者向けお薦めアルバム

2007年6月25日

これから本田美奈子さんの音楽にふれてみたいという方からお薦めのアルバムを紹介して欲しいというご要望があったのでお応えしようと思う。本当は私自身ファンを離れていた期間が長かったために美奈子さんの音楽についてよく理解しようと努力している最中であり、人様にアルバムをお薦めするというのはおこがましいのだけど、それでも今の時点で思うことを精一杯書いてみたい。

ただ美奈子さんの歌手としての活動の領域は多岐にわたり、どれか一枚に絞るのは極めて難しい。その人の関心に応じて好適なアルバムは変わってくるので、ケースごとに分けて紹介していくことにする。


クラシカル・ベスト〜天に響く歌」COZQ-255,6(2007.04.20)

今年4月にデビュー22周年を記念して発売されたのがクラシカル・クロスオーヴァーの領域での録音の中から14曲を収録したこのアルバム。全体に前向きで未来への希望を感じさせるような曲を中心に選ばれており、ひたむきに歌に取り組んだ美奈子さんの生き方がよく理解できるようになるアルバムだと思う。短調の曲がわずかに2曲しかなく、「ヴォカリーズ」や「ソルヴェイグの歌」のような系譜の歌が漏れてしまっているのは個人的には残念なのだけどこの種のことを言い始めるときりがない。付属のDVDにはN響と共演した「新世界」等の映像が収録されている。ソプラノ歌手としての美奈子さんに関心をお持ちの方にはこれをお薦めしたい。


LIFE〜本田美奈子.プレミアムベスト〜(通常盤)」UMCK-1189(2005.05.21)

美奈子さんが入院中の2005年5月に発売されたのがポップスの曲を集めたこのベストアルバム。選曲は美奈子さん自身が行った。一口にポップスと言っても多彩な曲調の歌が集められており、美奈子さんの芸域の広さを堪能できる。アイドル時代の代表曲3曲や、ミュージカル『ミス・サイゴン』の名アリア「命をあげよう」のスタジオ録音も収められている。ポップス歌手としての美奈子さんに興味のある方にお薦めのアルバムである。初回限定盤には3曲のPVが収められたDVDが付属している。


心を込めて…」COCQ-84139(2006.04.20)

美奈子さんの逝去から約半年後の2006年4月に発売されたのがこのアルバム。美奈子さんはデビュー20周年にあたる2005年4月20日に記念のアルバムを制作する予定でいたが病気が発覚したために実現できなかった。一年遅れの記念アルバムの制作を励みに療養に励んでいたが、その日を迎えることなく逝去した。その美奈子さんの遺志を実現するために関係スタッフが未発表の録音や放送局に残っていた音源を集めて完成させたのがこのアルバムである。

収録されているのはソプラノ・アルバムの制作の際に録音されたもののCDへの収録が見合わされたトラックや、ミュージカル・アルバムの準備として録音されていたリハーサルの音源、NHKのBSの番組のBGMとして流されていた洋楽のカヴァーなど。いわば苦肉の策の寄せ集めではあるのだけど、結果的には美奈子さんの幅広い歌手活動を一枚で概観できる入門者向けのアルバムに仕上っていると思う。アルバムタイトルは美奈子さんがファンへのメッセージなどの最後にいつも書き添えていた言葉から採られている。一枚でなるべく幅広いジャンルでの活躍の様子を知りたいという方にお薦めしたい。


入門者向けにためらいなくお薦めできるアルバムというとまずは以上の3枚ということになると思う。都合のいいことにオリジナル曲としては最も人気があり評価も高い「つばさ」はいずれのアルバムにもそれぞれ違った音源が収録されている。

このほかにもう少し特殊なケースを考慮して挙げてみるとすれば…。


アメイジング・グレイス」COZQ-147,8(2005.10.19)

亡くなる半月ほど前にリリースされたミニアルバム。逝去後の報道で繰り返し「アメイジング・グレイス」のライヴ映像が流されたことをご記憶の方も多いと思うが、このミニアルバムに付属のDVDに収録されているのがその映像。これを見て美奈子さんに関心を抱いたという方はやはりこのミニアルバムを入手することを検討されるといいと思う。CDの方にはソプラノ歌唱によるスタジオ録音の6曲が収められている。アルバム2枚分の予算を割く用意のある方は「LIFE」か「心を込めて…」と併せて入手すれば美奈子さんの歌の世界を幅広く知ることができる。ブックレットに掲載されている手書きのメッセージも素晴らしい名文なので味わって読んでいただきたい。


ミス・サイゴン 帝劇(東京)公演完全全曲ライヴ盤」TOCT-8008,9(1993.05.19)

美奈子さんのミュージカルでの活躍に特に関心があるという方はやはり美奈子さんの歌手としての地位を不動のものにした『ミス・サイゴン』のライヴレコーディングを聴いてみるべきだろう。舞台での美奈子さんの渾心の歌唱が堪能できる。本公演が始まる前にスタジオ録音されたハイライト盤というのもあるが、やはりせっかく聴くのならライヴ盤で全曲を聴きたいものである。ミュージカルに大変お詳しい「375.歌姫伝説」の管理人ひろさんもこのライヴ盤の方を推奨されているので間違いないと思う。


本田美奈子 ゴールデン☆ベスト」TOCT-10912(2003.06.25)

美奈子さんのアイドル時代に関心のある方、懐かしくてもう一度聴いてみたくなったという方のためには東芝EMIから数種類のベスト盤が出ている。ここに挙げたのは「SHANGRI-LA」を除く全シングルのA面を収録したもの。CD初収録となった「モーニング 美奈子ール」も今となっては貴重である。ケース裏面には「Temptation(誘惑)」のジャケット写真が採用されている。これがあまりにもかわいいのでこのCDを私からのお薦めとしたい。ほかにDVDも付属している「CD&DVD THE BEST 本田美奈子(DVD付)」というのもある。曲目が若干異なるのでお好みに合わせて選択されるといいと思う。私としてはやはり「青い週末」や「the Cross–愛の十字架–」、「STAND UP–Full Metal Armor」を含む「ゴールデン☆ベスト」を推したい。


結局数多く挙げてしまったので却って迷わせてしまうことになるかも知れない。これを参考にした上でご自身の関心に合わせて上手に選択していただけたら、と思う。

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真央ちゃん 来季はフリーでショパン

2007年6月24日

23日、日本スケート連盟による優秀選手表彰祝賀会が行われ、世界選手権優勝の安藤美姫さんらが表彰された。その席で浅田真央ちゃんは来シーズンはフリーにショパンの曲を用いることを明らかにした。

昨シーズンはSPで「ノクターン」を用い新境地を切り開いた真央ちゃん。今度はどんなショパンのプログラムを披露してくれるのか楽しみだ。

一方の安藤さんはプログラムも振り付けも未定という。中京大学のリンクのこけら落としでは華麗に『ラ・ボエーム』のムゼッタを演じてみせた安藤さんだが、このプログラムがこれからどういう位置付けになっていくのか注目したい。

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警視庁が荒川静香さんに感謝状

2007年6月23日

少し古いニュースだけどあまり話題になっていないようなのでここで扱ってみる。

今月19日警視庁が春の交通安全運動のポスターでモデルを務めた荒川静香さんに感謝状を贈った。このポスター、あまり見た記憶がないのだけど「事故0は交通安全の金メダル」という標語には聞き覚えがある。人気者の荒川さんだけに活躍の場は本当に多岐にわたっている。両腕に抱えられたピーポくんがうらやましい。

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桑田真澄 イチローとの初対決は空振り三振

2007年6月22日

パイレーツの桑田真澄投手は21日(日本時間22日)の対マリナーズ戦に2番手で登板し2回無失点の好投を見せた。三振4つを奪い、打たれたのは飛んだコースがよかっただけの内野安打一つというほぼ完璧なピッチングだった。

2イニング目となる7回にはイチローとの初対決が実現した。この二人のスター選手の公式戦での初対決がメジャーで実現したというのは感慨深い。内角高めのストレート(ボール)、外角低めのシュート(ストライク見逃し)、内角低めのスライダー(空振り)と追い込んで、最後は外角低めのボール球のカーブを空振りさせた。打ち取ったカーブもさることながら、その前のスライダーが非常にいいボールだったと思う。イチローのバットコントロールを以てしてもかすることさえできない、切れの鋭い球だった。


イチローは試合後の会見で先制打についての質問を遮って桑田との対戦を振り返ったという。

(桑田さんは)昔の自分でないことを受け入れている感じがする。それはなかなかできるものではない。ボール球で勝負することを受け入れている

一方の桑田はイチローのプレーについてこう述べた。

走攻守見てても、力みがないでしょ。さらっと水のように、しなやかだけど、力が伝わってる。すごく力が抜けている感じがいい。…求めてるものは同じかも分かんない。

この対戦は求道者のような二人にしか理解することのできない、深い対話だったのだと思わせられる言葉である。

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本田美奈子さん 新情報

2007年6月17日

こうしてこつこつとサイトの運営を続けていると時には思いもかけないうれしいご褒美があったりするもので、先日本田美奈子さんのアルバム「晴れ ときどき くもり」のプロデューサー、牧田和男さんがこのサイトをご覧になってメールで連絡を下さるという幸運に浴することができた。ここに書き散らしている駄文は主に自分の気持ちを整理するためのもので、まさか関係者の方のお目に留まるということは想定していなかったので、「何か失礼なことを書いてしまっていなかったか」と冷や汗をかきつつも、美奈子さんと直接交流のあった方から親しくお話を伺うことができたのはまさに望外の喜びだった。

その中で「晴れ ときどき くもり」等の制作に関わる貴重な情報を教えていただいた。せっかくなので、ほかのファンの方にも知っていただけるようここで紹介することにしたい。




レコーディングに際しては一切つぎはぎは行わず、全員が曲の最初から聴いた上で通して演奏し、各自のパートが終わった後も最後まで曲を流し続けるというスタイルで行った。


Lullaby〜優しく抱かせて」のエンディング部分でのスキャットは予定外で美奈子さんのアドリブだった。一度はNGになったものの、「このテイクは牧田さんにOKをもらえそうだ」と判断したところで確信犯的に気持ちよさそうにエンディングも歌い出したのがCDに収録された音源となった。


アルバムのほぼ全曲の詞について美奈子さんは作詞家と顔をつき合わせて話し合った。田口俊さんとは「私たちのTreasure」について2時間にわたって喧嘩になりそうな程の激論を交わした。数日後完成した詞がファックスで送られてくると、「さすがプロ」と納得しつつも腹立ちはおさまらない様子だった。


June」は曲をとても気に入ったものの山梨鐐平さんに詞をつけることをすすめられると無理だと難色を示した。双方から相談を受けた牧田さんは美奈子さんには曲から受けた心象を山梨さんに話すようすすめ、山梨さんには美奈子さんからよく取材した上で最後は自分でまとめて欲しいと依頼した。それを受けて二人が電話で夜通し話し合った末に詞が完成した。「Wordsインスピレーション:本田美奈子」のクレジットは牧田さんと山梨さんが本人には内緒で付け加えた。


impressions」はマーキュリー在籍時に牧田さんのプロデュースにより制作された。全編スキャットでというアイディアは美奈子さん本人の発案による。録音は「ドラム:高橋伸之 ギター:岩井真一 キーボード:田代修二 ベース&プロデュース:牧田和男 ミックス:入枝要平」という顔ぶれで行われた。小淵沢のリゾートスタジオでの歌入れの際は室内の照明を落とし、美奈子さんはマイクの向きを変えて外の空や木立、森を見ながら歌った。

満月の夜に迎えに来て」と同時期の録音だったが、この2曲はマーキュリーでは日の目を見ず移籍後に他社からリリースされた。


Shinig eyes」はその数ヶ月後に同じ小淵沢の泉郷という別荘地で貸し別荘を借りて牧田さんと合宿した際に作曲された。録音はレコード会社を移籍した後に行われたので牧田さんはこれには参加していない。




本当は牧田さんが教えて下さったアルバム制作の舞台裏の風景はもっと歌手としての充実感に満たされながら喜びを感じて取り組む美奈子さんの姿が生き生きと伝わってくるものだったのだけど、自分の文章力ではとてもそれをうまく再現できそうにはないので簡略に事実関係を記すだけにとどめておいた。いずれ何らかの形で牧田さんご自身によって語られる日が来ることを希望したい。

謝辞

サイトをご覧いただいた上にメールで連絡を下さり、貴重な情報をご教示下さいました牧田和男さんに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

関連ページ

papa 牧田和男
牧田和男さん オフィシャルサイト
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澤山璃奈さん 水着ショーに出演

2007年6月17日

フィギュアスケート関連でいろいろと大きなニュースがあったことは知っているのだけどZARDショックやら何やらで反応している余裕がなかった。今も重要な記事を準備しているところなのだけど、息抜きに小ネタを扱っておくことにする。


アイスダンスの競技を続けながら並行してモデルとして芸能活動も行っている澤山璃奈さんが今月2日水着ショーに出演したライブドアニュースに写真がたくさん掲載されているので健康的な肉体美を堪能できる(3日付のニュースにも写真が掲載されている)。

璃奈さん競技の方ではこれまでのカップルを解消したものの、次のパートナーが決まったというニュースは聞いていない。これを見て璃奈さんに魅了されてしまった男性諸氏はスケートの猛特訓をして次のパートナーに名乗りを上げてみるのもいいかも知れない。

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桑田真澄 メジャー初投板

2007年6月11日

パイレーツの桑田真澄投手が日本時間今日未明のヤンキース戦でついにメジャー初投板を果たした

彼は現在のようにメジャーリーグでの活躍が日本の野球選手にとって現実的な目標となるよりもずっと前からメジャーへの志向を語っていた選手だった。幾多の曲折を経て、今になって彼の夢が実現したのは感慨深い。メジャーリーガー桑田真澄の誕生を心から喜びたい。

アレックス・ロドリゲスへの初球が甘くなりライトスタンドへ運ばれてしまったが、A-ロッドのようなメジャー屈指の強打者と真剣勝負の場で対戦が実現したこと自体が素晴らしいと思う。打たれたのはこの一球だけなので、それなりの手応えもつかめたのではないだろうか。

注目された松井秀喜との対戦はこのすぐ後に実現し、結果はフォアボール。どうもお互いにやりにくかったようだ。しかしこれも日本の野球界にとって記念となる出来事だった。

パイレーツ首脳陣も一定の評価をしているようなので、今後も登板機会が数多くあるだろう。メジャーリーグから目が離せなくなってきた。

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桑田真澄 メジャーに昇格

2007年6月10日

眠気も吹っ飛ぶニュースが飛び込んできた。パイレーツ所属の桑田真澄投手がメジャーに昇格した。中継ぎ要員としてブルペンに入るはずなので、試合展開によってはすぐ次の試合にも登板が実現するかも知れない。自分の可能性を信じて挑戦を続けてきた彼の夢が実現することを心からうれしく思い、また彼を信じて応援を続けて来た自分のことを少し誇りにも思う。

盟友清原和博選手には真っ先に連絡が来たという。彼も今苦しい状況にあるが、このニュースはきっと励みになることだろう。

追記:1時10分

背番号は18であることが報じられている

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「June」

2007年6月 6日

作詞・作曲:山梨鐐平/編曲:田代修二/Wordsインスピレーション:本田美奈子
アルバム「晴れ ときどき くもり」(1995.06.25)所収。現行のCDでは「LIFE〜本田美奈子.プレミアムベスト〜」UMCK-9115に収録されている.

季節は今一年のうちで最もさわやかで過ごしやすい初夏で、吹き渡る風が気持ちいいが、もう間もなく梅雨に入ることだろう。本田美奈子さんはこの雨の多い季節をイメージして作られたと思われる「June」という曲を残している。

しとしとと雨の降る中失った恋を嘆いて咽び泣くような曲で、歌のヒロインの悲しみが聴く人の心にじんわりとしみてくる名品である。こうした曲での迫真の表現力は美奈子さんの真骨頂といえるだろう。収録されたアルバム「晴れ ときどき くもり」をプロデュースした牧田和男氏によると、美奈子さんは泣きながらこの曲を歌っていたそうである。注意して聴けばそのことがわかる、とのことなのだけど、残念ながら私には繰り返し聴いても音だけから涙の痕跡を聴き取ることはできなかった。それでも美奈子さんが歌のヒロインに成り切って嗚咽するような調子で歌っているということは十分に伝わって来る。発声は全編ファルセットで、それが女性の悲しみ、儚さをいやが上にもかき立てている。


牧田氏によると、美奈子さんは山梨鐐平氏によるこの曲を大変気に入ったが、山梨氏から自分で詞を書いたら、と薦められると無理だと難色を示したという。すでに曲を好きになってしまっていたのでそれに乗せる言葉を選べなかったようだ。双方から相談を受けた牧田氏は美奈子さんには曲から受けた心象を山梨さんに話すようすすめ、山梨さんには美奈子さんからよく取材した上で最後は自分でまとめて欲しいと依頼した。それを受けて二人が電話で夜通し話し合った末に詞が完成したそうだ。「Wordsインスピレーション:本田美奈子」のクレジットは牧田さんと山梨さんが本人には内緒で付け加えたとのことである。

山梨氏とはこの後に「impressions」でもコラボレートが実現しており、山梨氏の深い憂愁に彩られた叙情的なメロディーは美奈子さんの心に深く響いていたものと思われる。


この曲について特筆すべきは、中西俊博氏の印象的なヴァイオリンがフィーチャーされており、楽曲に絶妙の興趣を添えていることである。それはこのパートなくしては楽曲自体が成立しなかったのではないかと思われるほどだ。このすすり泣くようなヴァイオリンの音色と装飾的でありながらも心情のこもった歌い回しは中西氏ならではのものであり、そのオリジナリティーあふれる音楽性には強く魅了される。


すでに何度か書いてきたけど、こうした涙を誘うような悲しい曲調は私にとって最も親しみを覚える音楽である。山梨氏による愁いを帯びたメロディーは美奈子さんの美しいファルセットや中西氏のヴァイオリンの音色と相俟って、香り立つような豊かな時を与えてくれる。美奈子さんの数あるレパートリーの中でも最も安らぎの感じられる楽曲の一つであり、今後も大切に聴いていきたい。

追記:30日18時00分

牧田和男さんに寄せていただいた情報を元に一部改訂致しました。

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この星には歌がある

2007年6月 3日

ここ一週間ほど坂井泉水さんを偲んでZARDの歌を繰り返し聴きながら考えたことをつらつらと述べてみたい。


ゆうべは『CDTV』でZARDの特集をするというので見ていたが、主要なシングルのさわりの部分を少しずつ聴かせるだけの短いもので欲求不満になった。金曜日の『ミュージックステーション』もそうだったが、ZARDは本田美奈子さんとは違って幅広い人気を誇ったアーティストなのでもっと追悼ムードが盛り上がるものと思っていたが、そううまくいくものでもないらしい。もちろん、各局とも映像をほとんど持っていないので実際難しい面もあるのだろう。しかしPVを漫然と流すだけのシンプルな構成で構わないからZARDの歌をじっくりと聴かせて欲しい。

それにしてもZARDの歌にたどり着くまでに随分最近のヒットチャートの曲が紹介されたのだが、その大半は私には聴くに耐えないものだった。音楽を聴くためにTVをつけたはずなのに音を消して見ようかと思ったくらいだ。もちろんどんな音楽を好むかは個人の嗜好の問題なので何を聴こうとその人の勝手なのだが、今の日本人の大半はあんな音楽を聴いているのかと思うとげんなりしてしまう。合間に時おり演歌が流れてくると心底ほっとする。そして思わず缶コーヒーが飲みたくなってしまう。


ZARDの歌をあらためて聴いてみて痛感したのは坂井さんがとても詞を大切にしていたということだった。連日ZARDばかり聴いていたので今日は気分を変えてみようと思い本田美奈子さんの「ANGEL VOICE」のDISC2を少し聴いてみたのだけど、あまりの質の違いに愕然としてしまった。おそらくそれなりの数の美奈子ファンの方が見て下さっているはずのこのサイトでこんなことを言っていいものかよくわからないけど、この幻のアルバムは美奈子さんの歌唱はともかくとして歌詞のクォリティーがひど過ぎる(ご不興の向きは平にご容赦を)。ZARDを聴き込んだ後では思わず耳をふさぎたくなるほどだ。専業の作詞家がこのようなほとんどやっつけ仕事としかいいようのない代物を作っていたことを思うと、いかに坂井さんが優れた感性で詞を綴っていたかがよくわかる。

ZARDがデビューした90年代前半は言葉を伝えようという意図のほとんど感じられない歌が世の中を席捲した時代だった。一応歌詞はついているものの事実上スキャットと変わりのないような歌で溢れかえっていた。あの頃は歌の世界から言葉というものが消え去ってしまうのではないかと本気で危惧したものだった。阿久悠氏はこの時代の風潮を「本当は歌詞なんていらないのだけどラララじゃ舌をかみそうだから適当に言葉をつけておくのよ」といったように表現していた。松本隆氏も同様の述懐をしていたのを聞いたことがある。

しかしこのZARDの歌は言葉のすみずみにまで細やかな神経が行き届いているのがよくわかる。意味のない横文字言葉をバンド名に冠していたというせいもありあまりそういう印象は強くなかったが、あらためて聴いてZARDの音楽にとって歌詞は命だったのだと気づかされる。決して難しい言葉も凝った言い回しも用いてはいないが、聴く人の心にやさしく語りかけてくる。今にして思えば、坂井さんはこの時代の最高の作詞家だったのだ。


私は熱心なファンというわけではなかったけど、やはりこんなにも可憐な人を喪うというのはとても悲しいことだ。本田美奈子さんとは同い年(学年でいうと坂井さんの方が一つ上)で活躍した時代が重なることもあり、美奈子ファンの多くもこの訃報を沈痛な思いで受け止めていた。ただこの二人の音楽の世界は実に対照的でもあった。時代の空気にとけこんで誰の耳にも心地よく響いたZARDと、BGM的に聴き流すことを許容せず、聴き手に正面から対峙することを要求した本田美奈子さん。単純に歌手としての技量の点からいえば坂井さんは美奈子さんに遠く及ばなかった。しかしこれほど多くの人に愛されたのは、やはり歌にそれだけの力があったからなのだ。

坂井さんの急逝はつらいことではあったけど、あらためて歌の素晴らしさに気づかされる出来事でもあった。この天性の詩人が丁寧に言葉を紡いだ珠玉のような歌の数々を聴いていると、ささやかな誇りを胸に「この星には歌というものがあるのだよ」と宇宙人ジョーンズ君に語りかけてみたくなる。

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本田美奈子さん 記念碑の詳細が明らかに

2007年6月 3日

朝霞駅前広場に建設予定の本田美奈子さんの記念碑の詳細が明らかになった。特注の石と合金製で高さ約1.5メートルの碑に写真が埋め込まれ、歌声も流れる仕組みとのこと。注目していた碑文は「笑顔」の詩ということになったらしい。

この「笑顔」という詩は美奈子さんが闘病中に綴っていたもの。おそらく美奈子さんがつらい気持ちをこらえながら自らに言い聞かせるようして書いたもので、私には正直少し痛々しく感じられてこの詩が採用されたのは複雑な気分なのだけど、ともかくこの記念碑ができることで世の中に笑顔が溢れるようになれば素晴らしいことだ。

この記念碑は地元商工会が「ふるさとを大切にした功績をたたえたい」と提案し実現の運びとなり、美奈子さんの誕生日の7月31日までの完成を目指している。富岡勝則市長は「記念碑は市民だけでなく全国のファンが集まる場所にしたい」としている。朝霞市のみなさんにファンの一人として心から感謝したい。

追記:10日18時30分

朝霞市は7日までに記念碑の完成予想図を発表した

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『レコード芸術』自作自演盤特集

2007年6月 1日

少し古い話になってしまうけど、『レコード芸術』誌の5月号で自作自演盤の特集をしていた。書店で見かけたので当然気になるセルゲイ・ラフマニノフの自作自演盤についての解説だけ立ち読みした。予てから漠然と感じていたことが詳細に解説されていて実に興味深い記事だったので、自分のための備忘録の意味で要点や感想を記しておきたい。


記事では特に協奏曲の録音に重点を置いて解説されていた。ラフマニノフの協奏曲の自作自演盤を聴いて誰もがまず感じるのが、意外にセンチメンタリズムへの傾斜を排していささか淡泊とも思えるほど爽快に弾き切っていることである。第3番を「私の曲」と呼んで熱い共感をこめた名演奏を聴かせたヴラディーミル・ホロヴィッツと比較しながら、その演奏スタイルの相違を指摘していた。当時を代表する名ピアニストであるヨーゼフ・ホフマンとラフマニノフがともにホロヴィッツを自らの後継者に指名していたが、真にラフマニノフの後継者と呼ぶに相応しいのはむしろアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリであり、ホロヴィッツはホフマンの後継者であったと見做すべきだとのことだった。私も以前からラフマニノフとホロヴィッツはかなり芸風の違うピアニストなのではないかと感じていたので、この指摘には実に腑に落ちる思いがした。


一方第2番については決定的名盤との評価の高いスヴャトスラフ・リヒテルによる2種類の録音との比較が論じられていた。自作自演盤と大きく異なるのは演奏時間である。いずれの楽章もリヒテル盤の方が1分前後長くなっている。作曲者と同時代の名ピアニスト、ベンノ・モイセイヴィチなど当時の録音ではどれもほぼ自作自演盤と同じくらいの演奏時間なのに対し、リヒテル盤が登場し決定的な評価を得るようになって以降は多くの録音でこのテンポ設定を踏襲するようになったことが指摘されていた。この録音時間の相違は私も気になっていたのだけど、やはりリヒテル盤の圧倒的な影響力ゆえのことのようだ。(自作自演盤の第3番の演奏時間が極端に短いのは楽譜の大幅なカットによるところが大きい。)

リヒテルの壮大なスケールで濃密なロマンティシズムをたっぷりと歌い上げる演奏は絶大な人気を博し、その後の演奏はこうしたスタイルを継承するものが主流になった。そのために自作自演盤を聴いてみると却って新鮮な驚きを感じるというのが長いことこの曲の置かれてきた状態だった。しかし記事では今あらためて自作自演盤のスタイルに立ち帰った演奏が模索されるようになりつつある、とも指摘していた。リヒテルの没後十年を経てピアノ演奏界はようやくリヒテル盤の圧倒的な影響から抜け出そうとしつつあるのだとのことである。私自身はやはり多くの人と同じくこのリヒテル盤の演奏が最も好きでよく聴いているので、リヒテルからの影響を脱しなければならない必然性は決して感じないが、しかし昔の音楽を演奏することを生業とするピアニストとて現代を生きているのであり、その時代により相応しい演奏スタイルを模索しなければならないのだという事情はよく理解できる。個人的な希望としてはあまりにも無国籍なスタイルが横行するような状態にはなって欲しくないのだが。


記事中最も意外だったのは、独墺系の演奏家は概してこの作曲家に冷淡だったと述べる下りで例外としてワルター・ギーゼキングと並んでペーター・レーゼルさんの名が挙げられていたことだった。私はこのピアニストによる協奏曲第2番と「パガニーニ・ラプソディー」をカップリングしたCDを持っている。レーゼルさんというよりむしろ共演のクルト・ザンデルリングさんの演奏が聴いてみたくて中古で安かったこともあり入手してみたのだけど、これが実に驚くほどの名演だったのだ。冴えたテクニックとみずみずしい情感でこの曲の魅力をあますところなく歌い上げていた。表情はいささか淡泊でさわやかささえ感じるほどで、リヒテルのような濃密なロシア的ロマンティシズムを期待して聴くと拍子抜けしてしまうかも知れないが、これはこれで実に魅力的だった。特に「ラプソディー」の方は元々スイスで書かれたこともあり高原のさわやかな風を感じさせるような曲調なので、こうしたスタイルは実によく合っていた。モスクワに留学してレフ・オボーリンに師事した経歴もあり、決して無国籍でインターナショナルな演奏というわけではない。しかしラフマニノフ作品の演奏史を語る際にこの人のことが言及されるのはあまりないことだと思う。それだけにこの記述には思わずうれしくなってしまった。記事ではリヒテルとは違ったスタンスで協奏曲にアプローチする演奏家の代表例としてゾルタン・コチシュさんやニコライ・ルガンスキーさんの名が挙げられていたが、個人的にはこのレーゼルさんの演奏も一つの指針になり得るのではないかと思う。


この解説記事を執筆したのは川田朔也さんという方だった。不学にして今まで聞いたことのないお名前だったけど、大変興味深い記事に感銘を受けた。これを機会に覚えておきたい。

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