日本代表 カナダと引き分け

2007年9月27日

ラグビー・ワールドカップの最終戦、日本はカナダと対戦し12-12で引き分けた。カナダは密集の近辺では力強さを発揮したもののバックスへの展開ではセンターでクラッシュする度に陣地が後退する創造性を欠いた攻撃に終始し、恐さを感じさせなかった。対する日本も相変わらずタッチキックの精度を欠き、マイボール・ラインナウトでも度々ボールを失う要領の悪さでいらいらさせられた。

日本の先制トライはウィング遠藤の相手数人のタックルをかわす力強いランが生み出した。カナダの動転トライはモールで押し込んで取ったもので、ともに両者の特徴が表れたトライだった。カナダの逆転トライはゴール前での再三のピンチを粘り強いディフェンスでしのぎ、ようやくターンオーバーで抜け出した瞬間に反則を犯しペナルティーをとられたところで奪われたトライだった。何とももったいない失点だがこれは不可抗力だっただろう。

ロスタイムでの同点トライは中継するテレビ局の不手際でSH金がラックから持ち出して右へ展開する場面からの映像しか見ていないのだけど、連続したオープン攻撃が生み出した日本らしいトライだったとみていいだろう。16年ぶりのワールドカップ勝利はならなかったが、小さくとも確かな一歩を踏み出した、価値ある引き分けだった。

日本にとってカナダは地力ではほとんど遜色ないものの、試合運びのまずさなどからこれまでなかなか勝つことができずにいた相手である。今回この大舞台で引き分けることができたのは日本のラグビー界にとって大きな収穫といえるだろう。

試合後は地元観衆からも大きな“ジャポン”コールが起こっていた。ロスタイムでの同点トライ(ゴール)という劇的な試合展開もさることながら、ボールを大きく左右に動かす日本の連続攻撃が観客を楽しませていたからこそだろう。ウェールズ戦の一つ目のトライが地元メディアでも大きく取り上げられたことでもわかるように、日本のラグビーには世界の目の肥えたラグビーファンをうならせるだけのものが確かにあるのだ。ぜひ日本のラグビー協会にはこの成果を無駄にせぬよう、先を見据えた普及と強化に取り組んでくれることを期待したい。

この試合の結果を受けて日本協会は今後も当面カーワン体制を維持していく方針のようだ。就任からわずか8ヶ月でここまでチームを仕上げたのはやはりカーワンの功績だろう。低く鋭いタックルを80分間続ける粘り強いディフェンスを最重要の課題とする方向性は間違っていないと思う。今大会ではタッチキックを再三ミスするなどハーフ陣がフォワードを楽にするようなゲームメイクができていなかったのは改善すべきポイントだろう。さらに欲を言えば今後はもう少し展開攻撃の創造性に磨きをかけて欲しい。就任から8ヶ月ではなかなかそこまで手が回らなかったという面もあるだろうし、怪我人が相次いだ影響も大きかっただろう。しかし日本のバックスはまだまだやれるはずだ。ぜひ日本に相応しいラグビーのスタイルを構築してもらいたい。


最後に地上波TV放送について苦言を呈しておく。上に引用した記事にもある通り、日本テレビによる中継では最後の日本の同点に追い付くトライのシーンがカットされた。そもそもなぜ10分遅れの録画放送などという中途半端なことをするのか理解できない。深夜の時間帯だというのにロスタイムが長引いても収められるだけの時間枠をどうして確保することができないのか。試合前のカナダ国歌斉唱の場面がカットされたことも含めて、ラグビーが好きではない人が番組を制作しているとしか考えられない。まあそもそもまともなラグビーファンならスカパーの放送を見るべきなのだろうけど…。

TV局にこんな仕打ちを受けるのもラグビー人気の凋落がそもそもの原因である。繰り返すが日本ラグビー協会の人気復興への取り組みに期待する次第である。

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時津風親方 傷害容疑で立件へ

2007年9月27日

今年6月に時津風部屋の力士、斉藤俊さん(四股名は時太山)が稽古後に急死した件で、師匠の時津風親方が兄弟子らとともに斉藤さんに暴行を加えたことを認めていることが明らかになった。愛知県警は親方を傷害容疑で、兄弟子らを障害致死容疑で立件する方針を固めている。


私は例の朝青龍の件にはあまり関心がなくて、正直もうどうでもいいと思っているのだが、今回の件はそれよりはるかに重大な問題だと思う。弟子たちの親代りとなり指導する立場にある親方が率先して暴行し死に至らしめるなどとは言語道断だ。

相撲に限らず格闘技の選手育成の現場では愛のある“指導”と単なる“暴行”との間に明確な線引きをするのが難しい面があるのは確かだろう。稽古が厳しいのは当然だし、一般世間では許されざる“体罰”と見做されるような厳格な指導も、実力だけが物を言う厳しい世界を生き抜いていく強さを身につけさせるには時には必要でもあるのだろう。

しかしそれはあくまで当人を心身ともに強く鍛える目的でなされるのでなければならないはずだ。部屋から抜け出した行為への懲罰として暴行を加え死に至らしめた今回のケースが超えてはならない一線を超えてしまっているのは明らかだ。人ひとりの命が失われたことであり、厳重な処罰が科されるべきだ。


この事件は相撲界全体にとって大きな衝撃になるだろう。ただでさえ新弟子の数が減少する傾向にある現在にあって、こうした暴行が稽古場で日常的に行われているという疑念を抱かれれば、大事な我が子を相撲部屋に預けようと考える親などいなくなるだろう。これを機会に親方衆そろって、将来ある少年の身柄を預かる責任の重さをあらためて認識してもらいたい。

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新体操団体 日本は北京オリンピック出場権を獲得

2007年9月25日

新体操の世界選手権の団体で、日本は7位に入り北京オリンピックの出場権を獲得した

日本はアテネ・オリンピックには出場できなかったが、その前のシドニーでは5位に入賞していた。独創的な振り付けで、素人目にも美しく、また見ていて楽しい演技だったのを覚えている。またオリンピックで大和撫子たちの舞いが見られるのはうれしい。


一方個人ではこの競技が初めてオリンピックに採用された1984年のロサンゼルス・オリンピック以来続いていた連続出場が途絶えることがほぼ確定的になっている。残念に思うと同時にあの時8位に入賞した山崎浩子さんは本当にすごかったんだな、とあらためて認識させられる。

優勝したのはウクライナのアンナ・ベッソノワさんだった。記事に写真が紹介されているのだけど、これがまたすごい。180度どころか優に240度はありそうな(いやもっとかな)開脚である。世界一の技に驚嘆しつつ見惚れてしまう。

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白鵬 横綱として初の優勝

2007年9月23日

大相撲秋場所は千秋楽を終え、横綱白鵬が大関千代大海を下し横綱としては初めての優勝を果たした。初日に安馬に敗れる波乱のスタートだったが、終わってみれば横綱の貫禄を示す順当な結果となった。

今日の一番は立ち会いすぐに左の前回しを引きつけると千代大海の突きをものともせずに真っ直ぐに寄り立てる万全の相撲だった。先場所は横綱として場所に臨むプレッシャーからか終盤崩れてしまったが、今場所は慌てず落ち着いて自分の相撲を取り切っていた。急遽組まれた新入幕力士との対戦も、回しを引かずにとったりで決める強引さは見られたものの格の違いを見せつけた。

今場所は朝青龍が不在で一人横綱のプレッシャーもあったが、その責任を自覚した上で立派に務めを果たしていた。今後ますます大横綱へと成長していくことだろう。


新大関琴光喜は十勝五敗

一方横綱の白鵬と並んで注目された新大関の琴光喜は十勝五敗の成績だった。場所前は好調が伝えられていたので序盤に星を落としてしまったのは意外だったが、大関として場所に臨む重圧もあっただろう。同じく先場所は終盤に息切れしてしまった白鵬が今場所は立派に横綱の責任を果たしたので、琴光喜も来場所は優勝争いに絡む活躍をして欲しい。

ただ六日目に朝赤龍に敗れた一番は少し気にかかる。立ち合いからすぐに右四つに組み止めて左上手を引く万全の体勢になりながら、自分から上手を放して左を巻き替え、つかんだ左下手も結局最後は放してしまうというあまりにも非常識な取り口だった。あるいはことによると左肘に痛みでもあったのではないかと危惧している。来場所は万全の状態で臨めるといいのだけど。


躍進を遂げた安治川勢

万年大関候補と言われた琴光喜が先場所後に実際に大関に昇進したことで、横綱大関とそれ以下の力士たちとの間の実力差がかなり開いてしまったのではないかと見ていた。しかしふたを開けてみると全くそんなことはなく、安美錦安馬の安治川勢がともに三役で十勝をあげる大活躍をした。

どちらも実力はあるものの上位にはなかなか通用せずにいたのだが、このところ体が大きくなってきているようで力強い攻めを見せていた。安美錦は以前から右膝に爆弾を抱えており、安馬も今場所は右膝の状態が悪いようで左足一本で相撲をとっているような状態だったが、前へ出る相撲を心がけることで右膝への負担を減らしているようだった。ともに三役定着のみならず、さらに上への足がかりとなるような今場所の活躍だった。


新入幕力士の活躍

今場所を盛り上げたのは何といっても新入幕で11勝をあげた豪栄道だった。一時は優勝争いの単独トップに立ち、横綱との対戦まで組まれたのは快挙と言える。なにより面構えがたくましくていい。

あまりはっきりしたことを覚えていないのだが、記憶が確かなら私はこの力士を高校生の時にアマチュアの大会のTV中継で見たことがある。大学生や社会人に交じって出場して大活躍し、いずれは大相撲を賑わす存在になるだろうと思って見ていた記憶がある。日本人の若手力士として期待されている稀勢の里が足踏みを続けているので、そのうち彼が追い越して大関候補に名乗りを上げることになるかも知れない。

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日本代表 ウェールズに敗戦

2007年9月23日

ラグビー・ワールドカップの第3戦、日本はウェールズと対戦し18-72で敗れた。時間も時間なので録画して見たが、結果も内容も大体予想した通り。相手の一瞬の隙を衝いて2トライを獲得したあたりはオーストラリア戦に比べて少しは気骨のあるところを見せられた。それでも世界ランキング8位の相手とは力の差は大きかった。第2回大会では同じウェールズやアイルランドに対しても「もしかしたら」という思いで見守っていたことを思うと寂しいことではある。

これで一次リーグ突破の可能性はなくなり、後はカナダ戦を残すのみとなった。ウェールズ戦でも度々見せたタッチキックやラインナウトでのミスはやはり接戦では命取りになるだろう。最後まで集中し粘り強いディフェンスを続け、チャンスでは大胆な攻撃を仕掛けて日本らしいラグビーを見せて欲しい。

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「わがままジュリエット」

2007年9月20日

作詞・作曲:氷室京介 編曲:布袋寅泰
シングル「わがままジュリエット」(1986.02.01)、アルバム「JUST A HERO」(1986.03.01)所収。現行のCDでは「THIS BOØWY」TOCT-10190(1998.02.25)などに収録されている。

今月5日に発売されたBOØWYの二枚のベストアルバム「THIS BOØWY DRASTIC」と「THIS BOØWY DRAMATIC」に関連してlivedoorニュースに記事が掲載されていた。このサイトでも少し前に布袋寅泰さんのことを扱ったところでもあり、この機会にBOØWYについて書いてみようかと思う。


BOØWY(“ボウイ”と読む)は80年代に活躍し、当時最も人気のあるロックバンドの一つだった。実を言うと私が生まれて初めて買ったCDは解散後に発売されたBOØWYのシングル集「“SINGLES”」だった。その頃はそれほど音楽に関心がなかった私でも彼らの音楽には惹かれるものを感じていた。当時は尾崎豊よりもむしろ上の記事にも挙げられている「Marionette」などに共感して聴いていたものだった。

尾崎が心の奧からの叫びをそのまま聴衆に投げつけるようにむき出しの情感を歌ったのに対し、BOØWYは同じく社会に対して反抗的ではあってももっと耳になじみやすい洗練された感覚を持っていた。それが幅広い聴衆に支持されていた理由だと思う。もちろん尾崎の歌にはBOØWYにはない深みがあるが、ロックバンドとしてのカッコよさではBOØWYは他の追随を許さない存在だった。あれから20年を経た今も彼らを超えるバンドは現れていないように思う。


ここでは彼らにしてはめずらしいバラードの名曲「わがままジュリエット」を取り上げてみたい。ギターによる短い序奏によりけだるく物憂い調子のこの曲は幕を開ける。歌詞は断片的な印象を綴り合わせたような感じで具象的な情景や物語を描いたものではないが、独特の言葉遣いの向こうに繊細で傷つきやすい可憐な女性の姿が思い浮かんでくる。

氷室京介さんのヴォーカルはこの女性に心惹かれながらも愛し方がわからずに戸惑うかのような男の悲しみをあますところなく描き出している。彼の甘い歌声はこうしたバラードにも、というよりむしろこうした曲にこそよく似合うと思う。「邪魔になれば」の‘ば’や「から回りで」の‘で’の箇所では普通日本語では用いることのない怪しげな母音で歌ってみせて聴き手の耳を驚かせる。彼の歌い回しにはいつもこうしたいたずら心が顔を覗かせるのが特徴である。「何一つ残ってないけど」の箇所でのファルセットもその表れだが、この部分には思わずゾクッとするような色気や哀愁が感じられる。80年代の男性ロック・ヴォーカリストによる印象的なファルセットとして、尾崎豊の「I LOVE YOU」における「悲しい歌に」の箇所と並ぶ双璧と言っていいだろう。

そしてこの曲のけだるく甘美な感傷は間奏のギター・ソロにおいて最高潮に達する。私はこの部分こそがこの曲の最大の聴き所だと思っている。布袋寅泰さんのギターはこの曲に横溢するメランコリックな情感を咽び泣くような調子で訴えかける。この印象的な美しいメロディーを聴くといつも胸が締めつけられるような思いがする。ロックにはあまり詳しくない私にとって、最も思い入れのあるロック・ギターのソロ・パッセージである。


BOØWYは上記の「Marionette」を含む「PSYCHOPATH」を最後のアルバムとして1987年12月に解散した。布袋寅泰さんはソロでアルバム「GUITARHYTHM」を発表しエディ・コクランの「C'mon everybody」をカヴァーするなど新境地を切り開いた。ただ私はその後の「POISON」などのヒット曲や今井美樹さんのプロデュースにどうも納得がいかなかった。私は今井美樹さんに関しては「瞳がほほえむから」や「PEICE OF MY WISH」など上田知華さんとコラボレートした曲がとても好きなのだけど、彼がプロデュースを手がけるようになってから音楽性が陳腐な方向に傾いてしまったような気がしてならない。

BOØWYの楽曲をあらためて聴くと、「つまらないことで騒動ばかり起こしてないで、またこの頃の志を思い出して欲しい」という思いを禁じ得ない。それともあのBOØWY時代の栄光は、布袋と氷室という二人の才能が出会った幸福な瞬間にだけ生じ得た、再現不可能なきらめきだったのだろうか。


なおAmazonのレヴューを見る限り冒頭で言及した2タイトルはファンの間で非常に評判が悪いらしい。何か一枚聴いてみたいという方は以下に紹介するベスト盤の方がいいかも知れない。

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日本代表 フィジーに惜敗

2007年9月13日

フランスなどで開催されているラグビーワールドカップの第2戦、日本はフィジーに31-35で敗れた。結果的にはやはり吉田に代わって入ったSH矢富が怪我で交代を余儀なくされたのが痛かった。「これで終わりか」とも思われる場面だったが、選手達はその後も気持ちを途切れさせることなく集中して試合に取り組んでいた。本職のSHがいない状態でノーサイドの瞬間まで勝敗がわからない展開に持ち込んだのは大したものだと思う。

個々の局面では互格以上にわたり合えていたので、勝てる試合だったかな、とも思う。これも結果論になってしまうが前半に敵陣に攻め込んだマイボールスクラムで、押されているわけでもないのに球出しで箕内が簡単にボールを失って独走トライを許したのはキャプテンにあるまじきミスだった。点差だけ見るとあれさえなければ、とも思うが、こうした競り合いのゲームで勝ちを拾うにはまだ何かが足りないということなのだろう。


試合の内容に目を向けると、攻撃の局面でキックを多用していたのが気になった。事前に組み立てたゲームプランに則ってのことだったようだが、もっとプレーの継続への意志をメンバーが共有しないと日本のよさは出ないと思う。地上波解説の清宮克幸さんの仰る通りゲームの中でもっと積極的なアタックに切り換えてもよかったのではないか。


しかしともかく現状フィジーくらいの相手となら互格に戦えるということがわかったのは収穫といえそうだ。次のウェールズ戦は例によって捨て試合にする模様なので最後のカナダ戦に勝敗を懸けて臨むことになる。最近のカナダのチーム状況についてはよく知らないが、おそらくフィジーのようにフォワード戦で優位に立てるということはないと思う。バックスの走力にものを言わせる展開にしないと勝利は見えてこないだろう。日本らしい多彩な攻撃の展開ラグビーを披露して欲しいものだ。

追記:19日18時40分

日本代表は20日に行われるウェールズ戦にベストメンバーで臨むことになった

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日本代表 オーストラリアに惨敗

2007年9月 9日

フランスなどで開かれているラグビーワールドカップの初戦、日本はオーストラリアに3-91で敗れた。実力差が大きい上に次の試合を見越してサブのメンバーで戦っているので勝敗はもとより関心のほかだった。ただ格上の相手に対しても少しは気骨のあるところを見せて欲しいと思っていたが、結果はいいところのない惨敗だった。若き司令塔、SOの小野選手が周囲との意志の疎通を欠いたキックを何度か蹴っていたのが気にかかる。日本語がまだあまり得意ではないそうで、あるいはほかの選手達とのコミュニケーションがうまくいっていないのだろうか。

次のフィジー戦は先発メンバーを総入れ換えするのでこれほど不様な内容にはならないはず。それでも 決して楽観はできない。ともかく選手達の奮起に期待したい。


実を言うと私はフィギュアスケートのような審美性を競う競技を別にすれば、最もおもしろいスポーツの種目はラグビーだと思っている。ただこれまで一度も記事を書いてこなかったのは、日本のラグビー界の現状に寄せる思いが複雑過ぎて簡単には書くことができないからだった。

しかし何と言っても四年に一度の大きな大会であり、今はとにかく精一杯応援することにしたい。

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「SHANGRI-LA」

2007年9月 6日

作詞:許瑛子/作曲:中崎英也/編曲:小林信吾
シングル「SHANGRI-LA」(1990.07.04)所収。現行のCDでは「ANGEL VOICE」TOCT-26255,56に収録されている。

以前美奈子さんの“幻のアルバム”について中途半端にふれたままそれっきりになっていたので、このアルバムについて少しまとめて書いておきたい。今年の4月18日に発売された本田美奈子さんの東芝EMI時代の“メモリアル・ベスト”「ANGEL VOICE」には、DISC2として1990年頃にリリースする予定で制作されながらそのままお蔵入りになってしまっていた未発表アルバムが収められている。

この“幻のアルバム”を聴いてまず感じたのは、先にも述べた通りあまりにも詞がつまらないということだった。ほとんどの曲はスリリングな恋の駆け引きを主題にしているのだろうということはわかるが、どれを聴いても情景や歌のヒロインの心情が生き生きと思い浮かぶようなことがなく、適当に場当たり的に言葉を当てはめただけとしか感じられない。こうしたいい加減な作りは聴いていて胸が痛む思いがする。美奈子さんは多くの優れた歌詞を残しているが、ここに収録された「GAMBLE」では周囲と歩調を合わせるかのように味気ない詞を手がけている。

曲調は全体に歌謡曲風のテイストのものが多く、長山洋子さんの歌を聴いているかのような錯覚に陥る瞬間が随所にある。この頃に演歌歌手への転向が真剣に模索されていたというのもうなずける気がする。その意味ではむしろ今聴いた方が新鮮に感じられるアルバムと言えるかも知れない。ただ逆に言うと当時もしこれがリリースされたとしても単に“陳腐”と見做されてあまり注目されることもなかったと考えられる。長期低落傾向にあった人気を回復する起爆剤にはなり得なかっただろう。美奈子さんは後に“WILD CATS”を解散してソロに復帰したこの頃が最も辛い時期だったと回顧している。「歩いてきた道が突然、ガケっぷちになって行き止まりになっていたんです」という言葉が伝えられている(「天に響く歌 - 歌姫・本田美奈子.の人生」)。このアルバムを聴くと“ガケっぷち”とはこういうことだったか、と得心がいく思いがする。アイドルポップスの延長線上で仕事をしている限り美奈子さんにはどんな未来も開けてはこなかったのだろう。

その一方で美奈子さんの歌唱自体は素直な発声でのびのびと歌っているのでとても心地よく聴けるというのもまた事実である。これよりも少し前の時期の録音では、例えば「孤独なハリケーン」では力強さを出そうとするあまり不自然な発声になっていたり、ソロ復帰第一弾シングルの「7th Bird“愛に恋”」ではブレスに入る直前でしゃくり上げるようなおかしな歌い回しが癖のようになってしまっていたりする。しかしこのアルバム収録の楽曲ではそうした不自然な力みや癖は全くなくなっており、自然な息使いで本来の歌唱力が遺憾なく発揮されている。その意味ではファンにとって十分に楽しんで聴けるアルバムになっていると思う。『ミス・サイゴン』での成功の下地はすでにこの頃に作られていたということがよくわかる。


この“幻のアルバム”に収録されている10曲のうち、「SHANGRI-LA」と「I〜私のままで」の2曲は先行シングルとして1990年7月4日にリリースされていた。さすがにシングルカットされただけのことはあって、「SHANGRI-LA」はアルバム収録曲中随一の存在感を誇る楽曲だと思う。

淡々とした歌い出しからサビの部分の盛り上がりへと至る楽曲構成の自然な流れが耳に心地いい。歌詞も身もふたもないと言ってしまえばそれまでだがほかの曲に比べると情景が容易に思い浮かぶ。美奈子さん自身「私っていやらしい曲が好きなんです」と語っていた(『ミュージックマガジン』1987年5月号)だけあって生き生きと歌っているのが感じられる。歌い出しでのやや蠱惑的な調子は長山洋子さんを彷彿とさせる一方、サビの部分でのドラマティックな高揚感は美奈子さんならではのものだと思う。

実を言うと最初にこの曲を聴いた時「ホテルから脱衣」とは変わった言い回しだな、ということが気にかかった。ブックレットで歌詞を確認すると正しくは「ほてるからだ 熱い」だとわかって思わず苦笑してしまった。あるいはこのことがアルバム全体の歌詞のクォリティに不満を覚える一つのきっかけになってしまったのかも知れない。

歌詞についてもう少し指摘すると、曲の最後で決め台詞のように使われている“Affection”という単語を辞書で調べると「“love”よりも温和で永続的な愛情を意味するのが通例」と説明されている(『グローバル英和辞典』)。形容詞形の“affectionate”にすると「(母、姉などが)優しい」という意味になる(同上)。この歌の世界にはあまりにもそぐわない言葉である。しかもこの部分、字足らずなので‘c’の後に母音を補って歌っている。アルファベット表記にしておきながら片仮名英語風に“アフェクション”と歌うのはいかにも格好悪い。まあ字足らずに関してはタイトルとなった“Shangri-la”の部分自体がそうなので言うのも虚しいことではあるけれど…。神経質なようだけどこうしたいい加減さはどうしても気になってしまう。

しかしそうした細かい言いがかりはともかくとして、この曲を含めてアルバム全体の美奈子さんの歌唱自体はとても充実しているので、ファンとしてはそれを楽しみながら聴くべきだろう。『ミス・サイゴン』前夜の美奈子さんの姿を記録した、貴重な音源である。

謝辞

この記事を書くにあたっては以下のページを参考にさせていただきました。ここに記してお礼申し上げます。ありがとうございました。

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「現代カード・スーパーマッチ2007」事前情報

2007年9月 5日

朝鮮日報が今月14日から16日にかけて行われるアイスショー「現代カード・スーパーマッチ」について事前の情報を伝えているのだが、ブライアン・オーサーさんやデンコワ&スタヴィスキー組が出演すると書いてある。一体どこまで信じていいのやら…。

追記:7日22時20分

マクシム・スタヴィスキー選手は飲酒運転による死亡事故で刑事告訴された。外国でのアイスショーに出演することはまずあり得ないだろう。古い情報をよく確かめずに記事にしてしまったものと思われる。当事者に取材をするまでもなくウェブ上の情報を拾うだけで明らかにおかしいとわかる内容をそのまま記述してしまうことには疑問を感じる。

一方中央日報はキム・ヨナさんが新たなエキシビションプログラムを披露することを伝えている。

追記:14日23時30分

「現代カードスーパーマッチ」は14日午前に起きた会場のアイスリンクの火事のため3日間の公演全てが中止になった。スタヴィスキー選手はこれがなければ実際にショーに出演することになっていた模様。

追記:18日22時50分

キム・ヨナさんは16日午後ロッテワールドの室内アイスリンクで新しいエキシビションナンバー「Once upon a dream」を披露した。朝鮮日報のサイトで動画を見ることができる

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桑田真澄 現役続行に意欲

2007年9月 4日

落ち着いて成り行きを見守りたいと思いつつこういうニュースを聞くと色めき立ってしまう…。

追記:4日19時40分

桑田投手自身オフィシャルブログで「希望の光」という言葉を用いている。

追記:9日23時00分

桑田投手は現役続行へ向けて右足首を手術することが明らかになった

追記:19日18時50分

桑田投手の右足首の手術は日本時間の19日早朝に行われ、無事成功した

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小山実稚恵さん 所沢市の小中学校で演奏

2007年9月 3日

先ほどNHKのローカルニュースを何気なく見ていたら「プロのピアニストが所沢市の小中学校を訪れて生徒達に演奏を聴かせた」と伝えていた。誰のことかと思って注目していると何やら見覚えのあるお姿と聴き覚えのある演奏が…。何と“プロのピアニスト”とは小山実稚恵さんのことだった。子供達に囲まれながらリストの「ラ・カンパネッラ」や「愛の夢」を披露していたが、いつもながら明確な打鍵で凛とした風格の演奏を聴かせていた。これを至近距離で聴くことができた生徒達が羨ましい。小山さんは明日も所沢市の小中学校で演奏を披露するとのことだった。

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前田智徳選手 2000本安打達成

2007年9月 2日

広島カープの前田智徳選手が1日のドラゴンズ戦で史上36人目の2000本安打を達成した。あれほど怪我に苦しめられた彼がこのような偉業を達成したことは実に感慨深い。

彼は天才的な打撃センスに恵まれた稀有な野球選手である。足でヒットを稼げるタイプのバッターでないのでヒットの数ではイチローには及ばないが、バットコントロールの技術そのものではむしろイチローを上回ると言っていいのではないかと思う。それほどの才能に恵まれた前田だが、これまでの選手生活は怪我に苦しめられる日々の連続だった。一頃は「前田智徳はもう終わった」などと自嘲気味に話していたことさえあった。その彼がこうした栄誉に輝く日が来るとは想像できなかった。これも彼自身の努力と、彼を信じ続けたファンの声援の賜だろう。素晴らしい栄誉を心から祝福したい。

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