2008年のこのサイトを振り返って

2008年12月31日

いよいよ2008年も終わりにさしかかろうとしている。この一年に書いたエントリーの数はこれを含めて129になる。この数が平均的なブロガーと比べて多いのか少ないのかはよくわからないが、ともかくも楽しく続けることができたのは間違いない。音楽サイトのつもりで始めたはずなのに音楽以外の話題の方が多かったような気がするがまあ仕方がない。

実は今年で生誕百年を迎えた指揮者のカレル・アンチェルについて書いてみたいという計画があったのだけど、ずるずるとひきのばしているちに年内に間に合わなくなってしまった。ヘルベルト・フォン・カラヤン朝比奈隆についてはかなりいろんな方が書いていたけど、この非運の名指揮者について語った文章はあまり見かけなかったので判官びいきの私としては拙いなりに何か一言を、と思っていたのだが。どうもやはり私にとってはクラシック音楽について正面切って語るというのは荷が重いことのようだ。もしかしたら時機を逸したことを厭わずに来年あたりに何か書いてみるかも知れない。


そんなこんなでいろいろと中途半端ではあったけど、ともかくもこの一年を無事に過ごせたことを喜びたい。

この一年おつきあい下さいました皆様、どうもありがとうございました。どうぞよい年をお迎え下さい。

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全日本選手権2008 女子シングル フリー

2008年12月28日

浅田舞さん

トリプル・ジャンプがサルコウまでという構成はフリーではやはり物足りなく感じてしまう。舞さんが滑っているのを見ながら中野さんや安藤さんの姿が思い浮かんでしまう選曲もちょっと損している気がする。以前もっと高いレベルで他の強豪選手たちと競り合っていた姿を知っているだけに少し寂しい。ただ妹の真央ちゃんがあれだけの活躍をしていてモティヴェーションを保つのは 容易ではないと推測される中で、今も競技に前向きに取り組んでいる姿勢は立派だと思う。とういう舞さんの努力がいい形で報われて欲しいものだが。


鈴木真梨さん

SPに引き続きとても丁寧に滑っている印象。白い衣装がリンクに映えて見えた。ルッツはややエッジがあやしいかな、と思って見ていたらやはりロング・エッジと判定されていた。それでもこの歳でルッツとフリップをプログラムに入れられているというのは将来有望な証拠だと思う。


村上佳菜子さん

演技前と終了後の笑顔がとにかくかわいらしい。滑るのが大好きという様子が伝わってくる。フリップを二度跳んでいるのだけどその二つで入り方を変えているあたりは非凡なところだと思う。ストレートラインステップでの踊りのセンスは今までの日本の選手にはなかなか見られなかったものだ。サルコウの失敗はちょっともったいなかった。それはともかく素晴らしい素材の選手なのでこれから大きく育っていって欲しいと強く思う。


村元小月さん

最初にフリップを転倒してどうなることかと思ったがその後はそれを引きずらずに最後までしっかりと滑り切って見事だった。欲を言えばステップでもう少し歯切れのいい滑りを見せてくれれば、と思うのだけど、全体にとても丁寧なスケーティングは見ていて気持ちがいい。濱田美栄コーチの選手の送り出し方は相変わらず個性的で素敵だな、と思う。


鈴木明子さん

SPではやや硬さが見られたがフリーでは本来の生き生きとした演技が戻ってきた。この日のフリー演技の中で私が最も感動したのは彼女だった。ダブル・アクセルの後のトリプル・トウループがダウングレードされてしまったがほかはノーミスでフリーだけなら3位だった。演技前は観客席を見渡してこの人たちに演技を見せるということを意識して臨んだそうで、やはり人に何かを伝えようという意識を強く持っているところがこの人の演技の魅力だと思う。四大陸選手権への派遣も決まったので、ぜひまた世界にその魅力をアピールして欲しい。


村主章枝さん

大舞台になると底力を発揮する村主さんのど根性を久しぶりに見た気がする。ルッツで二つとも‘!’マークをもらってしまったけどほかはノーミスでフリーでは1位の会心の演技だった。特に最初のフリップが高さのあるいいジャンプだったと思う。苦手なサルコウへの挑戦をやめ、代わりにダブル・アクセルを二つ続けるジャンプ・シークエンスを採り入れた戦術もうまく作用した。3年振りの世界選手権でもぜひその底力を発揮して欲しい。


中野友加里さん

SPは生涯最高だったのではないかと思うほどの出来だったがフリーでは打って変わって勢いのない演技になってしまった。トリプル・アクセルは回避してダブルに。最初のフリップとルッツは明らかな回転不足で前向きに降りてしまった。うまくいったように見えた二度目のフリップの方もダウングレードとあっては得点が伸びないのも仕方ない。彼女の姿を世界選手権で見られないのは残念。


武田奈也さん

右足首の怪我もあって練習が十分できなかったようで、課題としていたジャンプの種類を増やす目標は延期、今できる最善のことをするという姿勢で臨んだこの大会だったようだ。トリプル・ジャンプはループまでながら加点をたくさんもらって上位に食い込んだ。こんどは体調を万全にして、また昨シーズンのNHK杯のような活躍を見せて欲しいと思う。


安藤美姫さん

6分間練習中に村主さんと衝突するアクシデント。この時に右足を痛めてしまったようで、演技にも影響が出てしまった。本当にこの人はいつもはらはらさせてくれる。4回転のサルコウは回避。トリプル–トリプルのコンビネーション・ジャンプもなかったが本来はどこに入れる予定なのだろう? それでも世界選手権に出たいという強い気持ちで諦めずに演技したのが3位という結果を呼び込んだ。念願の世界選手権の場で昨シーズンの悔しさを晴らして欲しい。


浅田真央ちゃん

一見したところサルコウがシングルとなったほかは会心の演技だったように見えるが、トリプル・アクセルは二つともダウングレード、フリップの後のループもダウングレードだった。今日のジャッジは回転不足に特別厳しかったらしい。それでも今シーズン初めてフリーでトリプル–トリプルのコンビネーション・ジャンプを降りられたというのは今後に向けて好材料だと思う。世界選手権では全部認定されるといいのだけど。

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全日本選手権2008 男子シングル フリー

2008年12月27日

中庭健介選手

必ず跳ぶと宣言していた4回転のトウループはトリプルに。自分の意志で回避したようにも見えるジャンプだったけどどうなんだろう。4回転へのこだわりの強い彼のことだからチャレンジした結果抜けてしまったのだと思うけど…。どうも腰に痛みがあるのをだましながら練習している状態のようで、おそらくそうした影響もあってほかのジャンプでも着氷に乱れがあるものが多かった。もう後それほど長くはない現役生活だと思うので一つ一つの試合を悔いなく戦えているといいのだが。


織田信成選手

4回転のトウループは回転不足で転倒。しかしその後はノーミスで滑り切り見事初優勝を成し遂げた。本人はやはり4回転が成功しなかったのが悔しかったらしく演技後は不満そうな表情を浮かべていたが、結果が決まってインタビューを受けるとやはり感極まって泣き出していた。昨シーズンのこの大会を棄権をという選択をして今シーズンに復活を賭けていただけに感慨はひとしおだろう。今回の結果は彼が一年間のブランクにも関わらず今もなお世界のトップクラスに位置していることを証明するものでもあったと思う。世界選手権でもこの調子で活躍して、三枠確保の大任を果たして欲しい。


南里康晴選手

最初のトリプル・アクセルの着氷で大きく乱れたほかルッツがシングルになったりフリップがダブルになったりと全体にやや精彩を欠いた演技になってしまった。無良選手にはフリーの点で上回りながらトータルで及ばず昨シーズンに続いての世界選手権出場はならなかった。ただこのところ進境著しい表現力には見るべきものがあったように思う。


村上大介選手

今年の夏に初めて成功したという4回転のトウループに果敢に挑んだがあえなく転倒。元々シニアのフリーはジュニアより時間が長い上にこの挑戦が響いたか後半はかなり足にきたようで、ストレートライン・ステップの中ほどでのものを含めて計4回も転倒してしまった(4回転の後の転倒は二つ分のディダクションをとられたらしい)。それでもこの大会はいい経験になっただろうから、これを糧に大きく飛躍して欲しいと思う。


無良崇人選手

最初のトリプル・アクセルは思いがけない転倒。二つ目もシングルになってしまったがNHK杯の時と同じくその後のルッツをトリプル・アクセルに変更して成功させた。ほかにもいろいろとミスはあったがSPの貯金が生きて表彰台に乗り、この意地の挑戦が報われた形になった。世界選手権への出場もまだジュニアにも出場できるにも関わらず敢えて今シーズンからシニアに転向した意欲的な挑戦へのご褒美といえるだろう。初の大舞台でも気後れすることなく若武者らしい溌溂とした演技を見せて欲しい。


小塚崇彦選手

4回転のトウループはあえなく転倒。織田選手も含めて結局この大会では誰も4回転ジャンプを成功させなかったのはちょっと寂しいところで、あらためて高橋大輔選手不在の寂しさを感じてしまう。SPでの点差が大きかったので元々逆転は難しかったのだが、二つ目のトリプルを失敗も加わってトータルでは大きな点差がついてしまった。演技前にコンピュータのトラブルがあったのはちょっと不運だった。しかしオリンピックの三枠確保に向けて頼もしい存在であることには変わりないので、ぜひ織田選手ともどもいい結果を残して欲しい。

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全日本選手権2008 女子シングル SP

2008年12月26日

村主章枝さん

グランプリ・シリーズがなかなかの好調で復活を感じさせる今シーズンだったが、今日はフリップが明らかな回転不足で転倒。もう一つのディダクションはおそらく時間超過だと思う。全体にちょっと動きが重たくて切れがなかった印象を受けた。


浅田舞さん

今シーズンはグランプリ・シリーズへの派遣がなくてひさびさに見た。ジャンプの立て直しをするべく本田武史コーチに師事したとのことだが、トウループはきれいに決まったもののサルコウが両足着氷。その後のダブル・トウループもおそらくプリローテーションとしてダウングレードされたのではないかと思う。でもやっぱりこの人の演技にはえもいわれぬ気品があって見惚れてしまう。


村元小月さん

本格的にシニアに参戦してかなり大人っぽくなってきた印象で、妖艶さも滲ませたタンゴの演技だった。曲は「タンゴ・アモーレ」と紹介されていたけど、中森明菜さんのヒット曲「ミ・アモーレ」をタンゴ風にアレンジしたような曲調でちょっとおもしろかった。


鈴木真梨さん

ジュニアの全日本で2位に入ってシニアの全日本に招待された選手。身のこなしが優雅で丁寧に滑っている印象を受けた。


浅見一葉さん

初めて見る選手。演技開始前の気合いの入れ方が何となく微笑ましかった。ショパンの英雄ポロネーズをオーケストラ・アレンジしたちょっと変わった感じの曲に乗せての演技はミスが目立つ結果になったが、精一杯滑っているのが伝わってきた。


澤田亜紀さん

こちらもジャンプをてこ入れするために本田武史コーチに師事して臨んだシーズン。一頃の最悪の状態は脱しているようだがかつてのいい時からくらべるとまだ物足りない感じがする。ただちょっと大人っぽい感じは出てきた気はする。どうでもいいことだけど本田さんは“デコピン”はやらないのかな。


武田奈也さん

右足首を怪我したとのことで心配されたが、今持っている力は出し切れたようだった。ループの着氷がやや乱れた印象があるが、大きなミスなく演技をまとめることができていたように思う。欲を言えば彼女ほどの実績の持ち主ならトウループの入り方はもう少し工夫があってもいいような気がする。


今井遥さん

ジュニアの全日本での優勝が決まった時の喜び方がとてもかわいかった今井さん。ご褒美で出場したシニアの全日本ではルッツ、フリップともに乱れてやや不本意な出来になった。それでも曲の表現の仕方などはなかなか目を瞠るものがあり、今後も着実に伸びてきて欲しい選手である。


安藤美姫さん

今シーズンはジャンプが安定しない印象があったが今日はかなりいい出来だったと思う。解説の八木沼純子さんはループの回転不足の可能性を指摘されていたが、まずまず高い点数をもらっているのでダウングレードされたかはよくわからない。フリーは世界選手権の出場権を手にするためには大崩れできない状況で4回転サルコウに挑んでくるかが注目される。


浅田真央ちゃん

最初のフリップで跳んだ後に軸が後ろに傾いてしまい着氷でオーバーターン。何とかダブル・ループをつけたけどこれもおそらくダウングレードではないかと思う。相変わらずSPのコンビネーション・ジャンプは鬼門になっている感じ。それでも点数が安藤さんを超えたのはグランプリ・ファイナルと立場は逆だが似たような展開になった。この後滑った中野さんに超されてしまったがフリーは爆発的な力があるので三連覇が有力であるのは間違いないと思う。


中野友加里さん

今シーズン最高の演技。これまでは調子が今一つという感じで波に乗れずにいた中野さんだけど今日は動きに切れがありジャンプも安定していた。国内大会で全体に採点が甘めということもあるがトリプル–トリプルのコンビネーション・ジャンプなしでもこれだけの点数が出るというのは驚きでもあった。この調子ならトリプル・アクセルもうまくいきそうな気がするのでフリーも楽しみだ。


鈴木明子さん

ルッツは着氷に流れがなかったが何とかコンビネーションに。フリップはオーバーターンしてしまった。本人は全日本に対してあまりいいイメージがないようでその分硬くなってしまったようだった。NHK杯の時にも書いたけど、武田さんがトウループとループという構成でいい点数をもらっていることを考えるとやはりSPはどちらかのジャンプをループにした方がよかった気がする。それでもステップはさすがの迫力で魅せてくれた。フリーでは持てる力を出し尽くして欲しい。

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全日本選手権2008 男子シングル SP

2008年12月26日

小塚崇彦選手

冒頭のルッツの着氷が乱れコンビネーションにできず。トリプル・アクセルを成功させた後フリップをコンビネーションに変更したがトリプル・トウループは両足着氷。グランプリ・シリーズでの好調からするとやや物足りない演技になってしまった。


無良崇人選手

得意のトリプル・アクセルは実に見事で、しっかり回り切ってから降りているのが素晴らしいと思う。NHK杯でロング・エッジをとられていたフリップはやはりアウトエッジで踏み切っていたように見えた。今はまだ仕方ないけど、今後世界の舞台で戦っていくには対応していく必要がありそうだ。


村上大介選手

ジュニアの全日本と合わせて初めて見たのだけど、高橋大輔二世の呼び声通り独特の雰囲気のある選手で将来が楽しみ。フリーで完璧な演技ができれば表彰台争いの思わぬ伏兵になるかも知れない(といったら言い過ぎかな)。


中庭健介選手

昨シーズンのこの大会での悔し涙を見ているだけについ応援に力が入ってしまう。しかしコンビネーション・ジャンプの二つ目がダブルになってしまった。解説の本田武史さんはフリップのエッジがアウトだったとも指摘していた。それにしても点数が低かったのでほかにも何か減点される要素があったのかも知れない。


織田信成選手

昨シーズンのこの大会を自分の意志で欠場しているだけに今シーズンは彼の真価を問われる大会となっている。おそらく相当なプレッシャーを感じていたと思うが、それを感じさせない完璧な演技で断トツの首位に立った。念願の初優勝は堅そうだが(そういえば過去には幻の優勝なんてこともあったっけ)、結果は気にせずに滑れなかった昨シーズンの悔しさを全てぶつけるような力一杯の演技を見せて欲しい。


南里康晴選手

せっかくいい演技だったのにルッツがシングルになってしまったのだけがもったいなかった。無良選手が好調なので表彰台に向けては厳しい戦いを強いられそうだ。

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プッチーニからのクリスマス・プレゼント

2008年12月25日

いつもこの季節はクリスマスで騒いでいる世間を横目に「クリスチャンでもないのに何を馬鹿騒ぎしているんだ?」と醒めて過ごすのが通例なのだけど、今年はジャコモ・プッチーニからのクリスマス・プレゼントに酔い痴れてしまった。というのはもちろん、NHKのBS-hiで23日に放送された「まるごとプッチーニ」のことである。長い番組でほぼ一日中やっていたのたが、私は主に『蝶々夫人』と『ラ・ボエーム』を中心に見た。この二作品を続けざまに見るというのは普通はあまりないことだと思うが、何というか、プッチーニの魔力に圧倒されっぱなしだった。結末はわかっているのにそれでも見る度に泣かされてしまうというのはやはり本当に優れた作品だからなのだろう。

二期会の公演による『蝶々夫人』は衣装や舞台装置、小道具、出演歌手たちの所作まで日本らしさを追求した、日本人が見て違和感を覚えずに済む正統的な演出で楽しめた。一方の『ラ・ボエーム』は音楽と映像を別々に収録した映画形式という斬新な試み。今後こうした形式はオペラの制作手法、楽しみ方の一つとして定着していくのだろうか。


スタジオでのトークではプッチーニ作品は現在のミュージカルのはしりだというような話も出ていたが、この二作品は実際に『ミス・サイゴン』や『RENT』といった名作ミュージカルのモデルとなった(私は『RENT』の方は内容をよく知らないのだが)。このことはプッチーニ作品の普遍的な魅力を証明する事実でもあるだろう。実は私はこれらのほかに、『ラ・ボエーム』はアメリカの劇作家、テネシー・ウィリアムズの出世作、『ガラスの動物園』に大きな影響を与えたのではないかという仮説を抱いている。この両作品には単なる偶然とは思えないほど共通点があるのだ。これはいつかこのサイトで語ってみたいと思いつつ未だ果たせずにいることの一つである。

なおスタジオにはソプラノ歌手の幸田浩子さんも招かれていた。実はオペラそのもの以上にこちらの方を楽しみにしていたのだったりもする。幸田さんはこれまでインタビューなどではお気に入りの作曲家としてモーツァルトの名を挙げることが多く、経歴を調べてもプッチーニ作品との関わりは希薄なようなのでこの稀代のオペラ作曲家にはそれほど共感を抱いていないのかと思っていた。しかしこの番組でのトークを聴いているとそれはとんでもない誤解で、この作曲家の作品を熱愛しておられることがよくわかった。大学生の時に『蝶々夫人』にコーラスの一員として出演したのが彼女のオペラ初体験だったそうで、歌手生活の最後には『ラ・ボエーム』のミミを歌って引退すると決めているとのことだった。オペラ歌手としての経歴の最初と最後をプッチーニ作品にするつもりでいるということはよほどの思い入れなのだと思う。ぜひ早いうちに彼女にプッチーニ作品の大きな役が回ってくることを祈りたい。


私はあまりオペラには詳しくなくて、正直に言うと余計な物語抜きで音楽を楽しみたいと思うことの方が多いのだけど、なぜかプッチーニ作品にだけは特別な親しみを感じてしまう。それは一つには前述の『ガラスの動物園』との類似(もしくは偶然の一致)ということがある。そしてそれと重なることなのだが、彼の作品の登場人物にはとても魅力的な女性が多いというのも大きな理由である。あのあまりにも健気で可憐な蝶々さんやミミを見ていると、彼自身とても女性を愛した人だったのだろうな、ということがよくわかる。私としても彼のように熱く女性を愛する人でありたいものだが、幸田さんみたいな人が灯りを求めに訪ねてこないかな…。

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幸田浩子さん TV出演情報

2008年12月14日

ソプラノ歌手の幸田浩子さんが15日(月)午後10時からNHK総合で放送の「ハプスブルク帝国 三つの愛の物語」に出演するらしい。歌を歌ってくれるのかは不明だが関心のある方にはご覧になることをお薦めしたい。

追記:20日午後10時26分

幸田浩子さんのさらなるTV出演情報があるのでお知らせしておきたい。

  • 「まるごとプッチーニ 〜 生誕150年記念・その人と音楽大全集 〜」(23日午前9:00〜11:50、午後1:00〜6:00、午後8:00〜11:50、NHK BS-hi)
  • 「輝きの法則」 (24日午後11:18〜11:24、テレビ東京系列)

プッチーニの特集は長いのでとても全部は見られそうにないがとても楽しみ。幸田さんのこれまでの経歴にはあまりプッチーニ作品との関わりが見られないようだが、この作曲家についてどんな風に考えておられるのか、興味が尽きない。番組の中で歌を歌ってくれるのかどうかはちょっとよくわからない。


また幸田さんのセカンド・アルバム発売の情報も入ってきた。タイトルは「カリヨン/幸田浩子・愛と祈りを歌う」で、アヴェ・マリアヴォカリーズオンブラ・マイ・フアメイジング・グレイスなどが収録されるようだ。タイトルからすると当然ベッペ・ドンギアさんに献呈された「新しい色の祝祭にて カリヨン」も収録されるのだろう。何だかまるでこのブログを参考にして選曲したかのようだ。ほとんど私のために曲を選んでくれたかのような構成に胸がわくわくしてしまう。デビュー・アルバム「モーツァルト・アリア集」については以前中古で買おうか、なんてけちなことを書いたのだけど、結局新品を入手してしまった。レビューをしそびれているのだがこれが素晴らしい出来映えなので、今度のアルバムもきっと素晴らしいものになるだろう。今からとても楽しみである。

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グランプリファイナル2008 女子シングル フリー

2008年12月14日

番組冒頭に“筋書きのないドラマ”という思わせぶりな言葉が出たのに思わず苦笑。6分間練習をライヴで流すなら競技も生放送にすればいいのに。


ジョアニー・ロシェットさん

最初のルッツは着氷が乱れてコンビネーションにできず。しかし後半のジャンプ・シークエンスは二つともきれいに決めてみせた。このところこだわって取り組んでいるこのジャンプ構成だが両方とも成功したのは初めてではないだろうか。SPは冴えなかったが今日は存在感をアピールできていたように思う。


安藤美姫さん

曲目を急遽変更して作ったという新しいプログラム。これが初のお披露目ということになったが最初のジャンプがコンビネーションではなくサルコウの軌道に入っていったのでびっくり。テレビ朝日にも情報が入っていなかったらしく、いつもならくどいほど煽るくせに今日は何の前振りもなかった。伊藤みどりさんがすぐさま“トリプルサルコウ”と言ってしまったのは大きな失態ではなかったか。私も「あれ?」と思いつつ頭の中で打ち消してしまった。しかしこれが安藤さんの久しぶりの4回転サルコウの挑戦だった。惜しくもダウングレードされてしまったが、演技終了後のあの喜びようを見るとやはり毎回挑戦させて上げたい気がする。結果は最下位だったけど彼女にとって価値ある挑戦だったと思う。今回はルッツも満足に跳べていない状態での強行だったので、次はもっと状態のいい時に挑戦して欲しい。


カロリーナ・コストナーさん

最初のフリップからのコンビネーションはトウループがダブルに。その後中盤から後半にかけてループとサルコウを相継いで失敗。この大会は今一つ彼女のよさが出なかったような気がする。


中野友加里さん

最初の助走の段階で緊張感のある滑りを見てトリプルアクセルを跳ぶんだな、と確信。はらはらして見つめたが結果は明らかな回転不足。怪我も抱えている中での挑戦はやや無理があったようで、それがたたったのかフリップでも回転不足をとられ、ステップでは中盤でつまづいてしまった。それでもこの後失敗の許されない全日本が待っていることもあり、失うもののないこの大会で挑戦できたのは価値あることだったのではないかと思う。


浅田真央ちゃん

今日は最初のトリプルアクセルをコンビネーションにし、二つ目を単独ジャンプに。二つ目の方はやや回転が微妙な気がして、みどりさんは完璧と太鼓判を押してくれたけど今日のみどりさんはちょっと信用がおけないので結果が出るまでどきどき。しかし両方とも無事認定されて女子としては国際試合初の快挙となった。フリップで転倒してコンビネーションが一つ足りなくなったので点数は記録的なものにはならなかったが、トリプルアクセルは二つとも加点をもらえているので今後に向けての大きな収穫になったと思う。3年振りの優勝はおそらく恐いもの知らずで臨んだ前回とは違ったうれしさがあるはず。泣き出しそうになるのをこらえるかのようにインタビューに答える姿が印象に残った。心から「おめでとう」と言って上げたい。


キム・ヨナさん

真央ちゃんが史上初の快挙を達成したものの点数はそれほど記録的なものではなかったのでヨナさんのでき次第でどちらに転ぶかわからないどきどきの展開に。苦手意識のあるループを回避して堅実に点数を重ねたが二つ目のルッツがまたもシングルに。続いてサルコウでも転倒してしまった。ただ真央ちゃんもコンビネーション・ジャンプが一つ足りないのでかなり際どい勝負になると予想した。結果は真央ちゃんにわずかに届かず2位。今シーズンからトリプルアクセルの基礎点が高くなったことが表れた結果とも言えそうだ。これがなければちょっとした誤差で入れ替わっていたかも知れないと思ったりする。


SPの結果がちょっと物議を醸し出しそうなものだったので、誰もがすんなりと納得のいく結果になればいいが、と案じていたが、本当の意味での好勝負になってとにかくほっとした。これからもこの二人が競い合って成長していく上でとても有意義な結果だったと思う。ヨナさんを応援していた地元韓国のファンにとってはがっかりだったかも知れないけど、この結果はヨナさんの選手としての評価に傷をつけるものでは全くないので、これからも変わらずに応援していって上げて欲しい。


男子シングル フリー

小塚崇彦選手

SPを首位で終えて臨んだフリー演技、4回転ジャンプを回避するという選択も現実的なものとしてあったはずだが敢えて挑戦。何とか転倒は免れたもののダウングレード。この挑戦が後半の疲労を招いたのかループと二つ目のトリプルアクセルで転倒してしまい、高橋大輔選手や織田信成選手に先んじての日本の男子選手として初の快挙はならなかった。4回転ジャンプを回避していればまた違った結果もあったかも知れないが、しかしこの大舞台で守りに入らず果敢に挑戦したことを称えたい。2位でも十分立派な結果であり、あらためて彼の実力が証明された大会だったと思う。

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グランプリファイナル2008 女子シングル SP

2008年12月13日

安藤美姫さん

事前に状態があまりよくないと聞いていたので心配したが、やはり最初のルッツで転倒。それでも本人は自分の演技をそれなりに楽しめたようなのでよかった。フリーは曲を替えるそうで、急な変更にどれだけ対応できているのかが気にかかる。4回転の挑戦はインタビューでは可能性を否定していなかったけど、無理はして欲しくない。


中野友加里さん

NHK杯の時は怪我をしているという情報があって、ファイナル進出が決定したことがかえって悪影響を及ぼさなければいいが、と危惧されたが、事前のインタビューによるとまだ完治はしていないが大きな問題はないらしい。調子はそう悪くはなさそうでノーミスの演技だった。ルッツの回転がちょっと微妙な気がしたが、点数からみるとダウングレードはなかったのではないかと思う。フリーではもし調子がよければ今シーズン封印してきたトリプルアクセルに挑戦して欲しい。


カロリーナ・コストナーさん

最初のフリップで転倒。無事着氷したように見えたがエッジが流れてしまった感じ。今シーズンはジャンプが安定していないがそれがそのまま表れた結果になった。ジャンプ以外も全体に今ひとつかな、という気がした。


浅田真央ちゃん

見た目にはノーミスの演技だが真央ちゃんにしては点数がやや控えめかな、と思ったらやはりコンビネーション・ジャンプのループがダウングレードされたらしい。今シーズンはセカンドのループには厳しいということなのか。ヨナさんに僅差の2位という結果だが、解説の荒川静香さんはフリーの滑走順がヨナさんの後になったのはよかったと冷静に指摘されていたらしい。差はほとんどないのでフリーで力を出し切れば十分逆転できるだろう(と思いたい)。


ジョアニー・ロシェットさん

ルッツとフリップが両方抜けるという彼女らしくない演技。今シーズンはとても戦い方がうまいな、という印象があったのだが、今日はうまくいかなかった。


キム・ヨナさん

コンビネーション・ジャンプはトウループの着氷にやや流れがなかったかな、という感じ。その後のルッツはまさかのシングルに。この内容で1位という結果に世間は騒然となっているらしい。私もこの点数はちょっと高過ぎないかと思ったが、素人なので余計なことは言わないでおく。


男子シングル SP

小塚崇彦選手

ノーミスの会心の演技。これだけのメンバーが揃った中で1位というのは素晴らしい結果。特にトリプルアクセルがシャープで力強かったように感じた。

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「ジュピター」

2008年12月 6日

作詞:岩谷時子 作曲:グスターヴ・ホルスト 編曲:井上鑑
アルバム「AVE MARIA」COCQ-83633(2003.05.21)所収。シングル「新世界」COCA-15673(2004.05.19)には新たに録音し直した音源が収録された。この新録音はベスト・アルバム「クラシカル・ベスト〜天に響く歌〜」COZQ-255,6(2007.04.20)にも収録されている。

本田美奈子さんが歌ったクラシックの楽曲の中でとりわけ人気が高く、「アメイジング・グレイス」などと並んで代表曲の一つのように扱われているのが「ジュピター」である。原曲はイギリスの作曲家、グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」の第4曲「木星、快楽をもたらす者」のアンダンテ・マエストーソの主題である。

この主題はホルスト作品の中で、というよりもクラシック音楽の旋律の中でも特に人気の高い旋律で、イギリス人にとってはエルガーの「威風堂々」第1番の中間部の旋律と第二の国歌の座を争うような存在でもあるようだ。この旋律は1921年に「I vow to thee, my country」のタイトルによる歌曲編曲版が発表されて以来、これまでに様々な形で歌曲として歌われてきた。私が最初にこの旋律に親しんだのも1991年にイングランドを中心とした地域で開催された第2回ラグビー・ワールドカップで「World in Union」のタイトルで大会の公式テーマ曲に採用された際のことだった。


日本ではこれまでに遊佐未森さんや平原綾香さんもこの旋律を元にした作品を発表している。美奈子さんが歌っているのは岩谷時子さんの歌詞によるヴァージョンである(時系列的には美奈子さんの「ジュピター」は遊佐さんの後、平原さんの前に位置する)。いい機会なのでこれらの聴き比べをしてみたいところではあるが、あいにく音源の持ち合わせがないので代わりに、と言っては何だがシャルロット・チャーチさんのものと比較するところから話を始めてみる。

シャルロット・チャーチさんは12歳の時に発表したデビュー・アルバム「Voice of an Angel」で上記の「I vow to thee, my country」を歌っている。歌詞のことは別にして、美奈子さんの「ジュピター」と最も大きく異なっているのはシャルロットさんのものは原曲と同じ三拍子なのに対し、美奈子さんの方は四拍子に編曲されていることである。このことで思い出すのはJ. S. バッハの作と伝えられてきた「メヌエット ト長調」(現在はクリスティアン・ペツォルトの作というのが定説になっているらしい)を原曲とする「ラヴァーズ・コンチェルト」が四拍子で歌われたことである。最近知った例でいうと、「ロンドンデリーの歌」も元々は三拍子の器楽曲だったのだそうだ。

拍節というのは本来楽曲を構成する重要な要素で、特にメヌエットのような舞曲にとって三拍子のリズムは本質的である。従って原曲と違う編成に編曲される場合でも普通は拍子が変更されるということはあまりないはずだが、歌への編曲の場合にはこのように拍子の変更が行われ、しかもそれが違和感なく受け容れられているということは、同じ旋律でも器楽曲として演奏するのと歌として歌うのでは自然な拍節感に違いがあるということなのだろうか。最近ちょっとした偶然で久しぶりに「World in Union」を聴く機会があったのだが、これもやはり四拍子の編曲だった。私が美奈子さんのヴァージョンに違和感を感じないのは、原曲より先に「World in Union」の方を聴いてなじんでいたせいかも知れない。

シャルロットさんによる「I vow to thee, my country」は、当時の彼女の力量のせいもあるかと思うが、原曲通りのリズムは歌うにはやや窮屈そうで、ややのびやかさに欠ける嫌いがある。やはりこのメロディーは歌う際には四拍子で歌った方が自然に聴こえるのかも知れない。そのほか彼女の歌唱はメロディーの力強さに見合うだけの迫力がなく、情感のこめ方も物足りない気がする。このあたりはやはり美奈子さんとは比べものにならない。それでもこれが録音当時わずか12歳の少女によるものであることを考えれば奇跡的なレベルと言うべきだろう。現在は歌手としてのキャリアは頓挫した形になってしまっているようだが、せっかくの素晴らしい才能なのでまたいい歌を聴かせて欲しいところだ。このアルバムに収録されているアンドリュー・ロイド・ウェバーさんの「Pie Jesu」などはとても素晴らしいだけになおさらそう思う。


話を美奈子さんに戻すと、美奈子さんはこの歌をクラシック・アルバムとしてのデビュー作「AVE MARIA」に収録した後、シングル「新世界」のカップリングとして収録するために新たに録音し直している。この歌は美奈子さん自身にとっても特別な思い入れのある作品なのだろう。プロデューサーの岡野博行さんによるとラフマニノフの「ヴォカリーズ」では「テイクによって驚くほど様々な表情が生まれた」とのことだが、この「ジュピター」に関しては確固とした自身の解釈を築き上げていたようで、両者を比較しても特筆すべきほどの解釈やニュアンスの違いは聴き取ることができない。ただ先入観のせいもあるだろうが、ステージで歌う経験も積んだ分だけ後から録音したもののほうがより確信を以て歌っているようにも感じられる。

この「惑星」の第4曲の原題は「Jupiter, the Bringer of Jollity」で、“jollity”は辞書を引くと「陽気さ」といったような意味が出てくる。これを“快楽”と訳すのが妥当なことなのかよくわからないが、いずれにしてもこの曲が生の喜びを主題としているのは間違いのないところであり、岩谷さんの歌詞もそうした線に沿って作られている。「みんな 手をつないで生きて行こう」というのがおそらく岩谷さんの伝えようとした究極のメッセージで、美奈子さんの歌唱もそれに応える力強いものである。ただそのような歌が「あたしに 涙ふかせて/泣きたい時には 泣きましょう」というやさしい言葉で始まるのが味わい深いところで、こうしたバランス感覚はさすがに超一流の作詞家だとうならされる。喜びを主題にした歌なのに「かなしみ知らない人は いない」という認識がその底流にあるところがこの歌をより訴求力の強いものにしているのだろう。入院中に寄せたメッセージの中で「泣きたい時には 泣きましょう」というフレーズに言及しているように、美奈子さん自身もこの詞から大きな励ましを受け取ってきたのだと思われる。


何といっても美奈子さんに「あたしに 涙ふかせて」と語りかけられるのを聴くのはファンとして大きな喜びであり慰めである。入院直前の「Act Against AIDS」での鬼気迫る熱唱や、入院中にこの詞を思い浮かべながら泣いていたというエピソードを思い起こしつつ聴いていきたい作品である。

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幸田浩子さん ソプラノ・リサイタル 再放送の情報

2008年12月 2日

お知らせするのが直前になってしまったけど、ソプラノ歌手の幸田浩子さんの紀尾井ホールでのリサイタルの模様が明日12月3日の午前10時55分からNHKのBS2で再放送されるらしい。以前の放送を見逃してしまった方はぜひご覧になるといいと思う。

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NHK杯2008 男子シングル フリー

2008年12月 1日

南里康晴選手

ストレートラインステップの後半くらいから目に見えて足が止まってしまっていた。一週間前に急遽決まったという今回の大会参加が全日本に向けての調整への支障とならなければいいのだが…。こういう時の代替出場選手の人選については、出場することが本人の経験として貴重な財産になることが確実な選手を優先的に選んで欲しいと思うのだが、今回はその点でちょっと疑問が残る結果になってしまった。


ケヴィン・レイノルズ選手

二種類の4回転ジャンプを軽々と成功させる様子はちょっとティモシー・ゲーブルさんを彷彿とさせる。欲を言えばやはりもう少し演技に深みがあるといいのだけど。しかし末恐ろしい若手選手ではある。


無良崇人選手

SPに引き続きシニアのグランプリシリーズ初参戦とは思えない堂々たる演技。二つ目のトリプルアクセルが抜けてしまうと予定を変更し、次のルッツをトリプルアクセルに替え、その後のダブルアクセルからのコンビネーションをルッツに替えるという機転は見事だし、トリプルアクセルへの強いこだわりが窺えて頼もしい。ルッツとアクセルでは助走のとり方がかなり違うので大変なはずなのだが、以前にもこうしたことを経験していたそうで、それが生きた形になった。惜しむらくはそのルッツがダウングレードされてしまったことで、フリップがロングエッジと判定されたことと合わせてレイノルズ選手にかわされる要因となった。それでも5位という結果は立派だと思う。


ヤニック・ポンセロ選手

同じ4回転ジャンパーでもレイノルズ選手とは跳び方の印象が全く違うのがおもしろい。レイノルズ選手がタイミングの回転のスピードで跳んでいるのに対し、ポンセロ選手は力強い踏み切りで高く跳ぶことで4回転する時間を稼ぎ出しているように見える。エキシビションもユニークだったので日本のファンも増えたのではないかと思う。


ジョニー・ウィアー選手

予定していた4回転ジャンプは回避。風邪で体調を崩していたとのことなのでこの選択は賢明だったと思う。後半にルッツとフリップを相継いでミスしたことで織田選手に及ばなかった。それでもファイナルの出場権は手にしたので、今度は万全の状態で臨んで欲しい。


織田信成選手

最大の課題としていた4回転のトウループはステップアウト。本人はかなり不満そうだったが、それでも回転数は認定されていたので今後の試合でプログラムに採り入れていけるという見通しは立ったのではないか。引きずられるようにトリプルアクセルの着氷も乱れてしまったが、全体にはスピン、ステップなどで高い評価を得て国際大会の復帰戦を見事に優勝で飾った。これで一年のブランクにも関わらず実力は世界のトップクラスにあるということが確認できたはず。高橋大輔選手不在の今シーズンにあって、日本の男子フィギュアスケート界に頼もしい存在が戻ってきた。

演技の内容はというと、先入観のせいかも知れないがワルシャワ協奏曲のはずが私には『セヴィリアの理髪師』のように見えてしまう。このプログラムがしっくりくるには見る側の慣れも必要かと思った。

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