荒川静香さん凱旋公演 TV放送を見て

2006年9月29日

仙台で行われたCOIのTV放送を録画しておいたのを見た。1時間の枠なのでどれだけの選手の演技を見せてくれるか不安なところもあったけど、余計な煽りも少なく、時間内で可能な限りの演技は見せてもらえたのでまずまず満足のいく放送だった。夜中なので2時間確保してくれていれば、という思いはあるけれど。(小学五年生の荒川さんのかわいかったこと!)


本田武史さん:「アランフェス協奏曲」

本田さんは懐かしの「アランフェス」をヴォーカル版で演じてくれた。本田さんというと日本人選手で初めて4回転ジャンプを跳んだということでジャンプの得意な選手というイメージも強いけど、ソルトレークシティーオリンピックのシーズンの頃には寧ろ表現力を高く評価されていた。この「アランフェス」は実に情感のこもった演技でファンを魅了してくれたものだった。

この日の演技もあの頃を彷彿とさせる素晴らしい演技だった。この曲は特に彼に合っているのかも知れない。後半のアウトからインに乗り換える長いイーグルなどは大人の男の哀歓を感じさせるような魅力ある滑りだったと思う。プログラム冒頭では見事なトリプルアクセルを披露してジャンプの技術の高さもアピールして見せた。欲をいえばあのステップをもう一度見てみたかった気がする。


中野友加里さん:「SAYURI」

中野さんのこのプログラムはすでに何度か見ているけど、見る度に表現が板に付くようになってきているように思う。本格的なシーズンを前に調整が順調に進んでいることを感じさせる。番傘を使った表現も堂に入ったもの。かなり小柄な人のようだけど氷の上では大きく見えるのは実力がついてきた証拠だろう。キャッチフットの姿勢でのスパイラルで手を放す時に少しバランスを崩したが何事もなかったように演技を続けるところはすでに世界のトップスケーターの仲間入りを果たしたという自信のなせる業か。ステップもなかなか凝ったものを見せてくれた。

ショートプログラムのエキシビション用アレンジということなので、競技会ではどんな風に仕上げて見せてくれるのかとても楽しみ。最後の得意のドーナッツスピンのところでカメラ二つを組み合わせたような凝った映像になっていて却って見にくくなっていたのは残念だった。


ステファン・ランビエール選手:「Fix You」

昨シーズンまではランビエールの演技を見ていいと思ったことがあまりなかったのだけど、この「Fix You」は彼に合った実にいいプログラムだと思う。貴公子然とした彼の雰囲気に実に映える衣装・音楽・振付けになっている。彼がリンクの端に近付く度に黄色い歓声が上がるのがTVを通してもよくわかる。あの長時間連続スピンは彼にしかできない技だろう。最後に置いておいた仮面を取りにいく直前に両手を頭上で振る仕草が少し阿波踊りを思わせて笑ってしまった。何か意味のある振付けだったのだろうか。


エレーナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリーゼ組:「チャップリン・メドレー」

このペアを見るのは久しぶりだった。エレーナは以前は清楚でかわいい感じの女性だったように思うのだけど、久しぶりに見ると少し雰囲気が変わって大人の色気を漂わせていた。プロになって魅せ方を変えてきているのだろうか。

プログラムはソルトレークシティーの時のエキシビションをアレンジしたもののようだ。「街の灯」から「キッド」、「モダンタイムズ」と3通りのチャップリン映画を堪能させてくれた。「街の灯」の花売娘から「キッド」の少年への衣装の早変りも見事ならエレーナの演じ分けも立派なものだった。「モダンタイムズ」ではブレイクダンス風の踊りを見せるなど、プロならではの魅せ方を追求しているのだと思わせてくれた。


イリーナ・スルツカヤさん:「You Promised Me」

公演を生で鑑賞された方の感想では「やや太り気味で動きに精彩がない」といった評価が多かったのでどんな演技だったのか心配しながら見ていたが、私にはそれほど悪くない出来だったように見えた。ものすごいハードスケジュールだったそうなのだけど、その割には元気よく踊れていたと思う。トウループが二度ともダブルになっていたけど、今シーズンの試合出場の予定も決まっていない状況では仕方のないことだと思う。

それよりも私が気になったのはコスチュームの露出度の方だった。事前に写真を見た時からシースルーの衣装に驚かされてしまっていたのだった。イリーナのこうした魅せ方は今まであまりなかったものではないだろうか。いつもの溌剌とした元気のよさだけではないイリーナの別の面を見せられた思いがした。


サーシャ・コーエンさん:「黒い瞳」

昨シーズンのショートプログラムのエキシビション用アレンジ。冒頭のフリップを跳ぶような体勢からのバレエジャンプは高さ、開脚とも抜群だった。これはサーシャにしかできない技だろう。オリンピックではショートプログラム終了時点で一位となったプログラムだけにジャンプの回数などは減らしてきているものの完成度の高い演技だったと思う。

今シーズンの試合出場は未定のようだが世界選手権の際にはぜひとも来日して欲しいものだ。


荒川静香さん:「アヴェ・マリア」、「You Raise Me Up」〜アンコール「トゥーランドット」

荒川さんにとって地元仙台での演技は大学1年の時に試合で滑って以来6年ぶりだそうだ。オリンピック金メダルの実績をぶら下げてCOIの一員として自分の育った街で演技を披露することには格別の感慨があったことだろう。フィギュアスケートの楽しさを知って欲しいという思いを込めての演技だったようだ。

アヴェ・マリア」では最初のスパイラル姿勢に入るところなどで少し動きがぎこちない感じがしたが、その後はいつもの荒川さんの演技だった。以前披露したゴールドの衣装ではなく白いコスチュームに身を包んでの演技は清楚な美しさに満ちたものだった。袖口のひらひらしたデザインが優美さを一層引き立たせている。イーグルからのダブルアクセルを跳んでみせるなど、ジャンプの質もアマチュア時代から保っていることを印象づけた。

You Raise Me Up」はもうすっかり体にしみついてしまっているような自然で滑らかな動き。プロとしてツアーを経験したことで演技が変わったところを見て欲しい、といったことを語っているようだけど、私にはいつもの荒川さんの演技、という印象の方が強い。ここ数年悩みながら競技を続けてきてついに昨シーズン何かをつかんだ、ということを感じさせるのがこのプログラムだと思う。

そしてこの後はアンコールに応えての「トゥーランドット」。静岡公演ではなかったことなので、やはり故郷だからこそ見せてくれたファンサービスなのだろう。「You Raise Me Up」の衣装のまま、イナバウアーから後の部分を披露。三連続ジャンプも軽々と成功させ、トリノの興奮を思い出させて。くれた。

何より感慨深かったのはあのステップをまた見せてくれたことだった。トリノの時は解説の佐藤有香さんが絶賛したものだ。私もリアルタイムで見ていた時に、「これはすごいものを見てしまったぞ」という気にさせられたのがこのステップだった。それまでは予定していた3回転-3回転のコンビネーションジャンプが入らなかったこともあり点数がどうなるか気になってしまって優美な演技に魅せられつつも酔いしれるだけの心の余裕がなかったのが、これを見てすっかり驚嘆してしまったのだ。

今の「アヴェ・マリア」も「You Raise Me Up」もレガートな曲調に乗せてイーグルやスパイラル、イナバウアーなどを主体にした振付けになっているが、今後はあの時のような細かいステップも織り交ぜたメリハリのあるプログラムも見せて欲しいと思う。あれだけの技術をしまったままにしておくのはあまりにももったいない。自分の引出しの中にはまだ魅力ある素材がつまっていることをもう一度思い出して欲しい。

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ジャンプの見分け方 ルッツ

2006年9月26日

今回はアクセルに次いで難しいとされるルッツについて解説しようと思う。いつものように反時計回りの回転をする選手の場合について述べるので、時計回りの選手の場合は右と左が全て逆になることを念頭に置いて読んでいただきたい。


ルッツは左足のアウトサイドで後ろ向きに滑りながら後ろで右足のトウを突いて跳ぶジャンプである。難度はアクセルに次いで高いとされ、正味の回転数が同じアクセル以外のジャンプの中では最も難しいジャンプである。難しさの理由は助走路が描く曲線にある。左足のアウトサイドということは体の左側に中心を持つ円弧を描くことになる。このカーブの向きが踏み切り後の回転(ここでは反時計回り)とは逆になっていることを確認していただきたい。つまり踏み切った後でそれまで描いていたカーブとは逆の方向に回転しなければならないのだ。こうした助走路をとるジャンプはルッツだけである。

またトウループが右足が前で左足を後ろにして踏み切るがゆえに易しいとされるのとは逆に、ルッツでは左足が前で右足が後ろになることもルッツが難しい理由の一つである。この足の位置だと実質的に半回転ほど多く回転しなければならなくなることは理解していただけると思う。


トリプルアクセルを跳べる選手が限られている女子ではトリプルルッツが事実上最も難度の高い(プログラムに組み込むことが可能な)ジャンプということになる。普通プログラムの中で最も難度の高いジャンプはスタミナを消費する前に跳んでおく必要があることから、女子選手の多くはプログラムの最初にトリプルルッツからのコンビネーションジャンプを跳ぶ(ただし真央ちゃんのようにトリプルアクセルのような大技をもっている選手はこの限りではない)。これが成功するかどうかが女子のプログラムを鑑賞する際の最大のハイライトになる。このジャンプを安定して成功させられるようになることが世界のトップ選手となるための第一関門といっていいだろう。


見分ける際のポイントはまず、このジャンプはほかの種類よりも後ろ向きのままでの長い助走を必要とするということである。ほかの種類の場合は跳ぶ前にジャンプの回転と同じ方向のターンが入ることが多い。しかしルッツの場合は助走路のカーブがジャンプの回転と逆なので、もしターンを入れるとすればジャンプの回転とは逆方向にしなければならないが、これは負担が大きいのでそうした跳び方をすることはあまりない。男子選手や女子でもジャンプを得意とする選手の場合は跳ぶ直前にステップを入れることがあるが、体の向きを変えるようなターンを入れることは普通はないので、必然的に後ろ向きでの長い助走をとることになる。またその助走路の曲線も大きなカーブを描くことはジャンプの回転への負担を大きくするので、ほぼ直線に近い軌道をとることが多い。

このジャンプについて覚える際には特に女子の試合に注目するといいと思う。男子選手の場合は跳ぶ前にステップを入れるなど難しい跳び方をする選手も多いのに対し、女子選手の多くは左足のアウトサイドに乗ったままほぼまっすぐに後ろ向きに滑るシンプルな助走をとる場合が多いからである。また上にも述べたように女子選手はプログラムの最初にルッツからのコンビネーションを跳ぶことが多いのもわかりやすい理由の一つである。音楽が鳴り始めてすぐに緊張感をはらんだまま後ろ向きのまっすぐな長い助走からジャンプを跳ぼうとしていたら、それはルッツだと見て間違いない。

まとめ:ルッツの見分け方

  1. 左足のアウトサイドで後ろ向きに滑りながら後ろで右足のトウを突いて踏み切る。
  2. 助走路の描くカーブとジャンプの回転の向きが逆になるのはこのジャンプだけ。
  3. 後ろ向きのままで長い助走をとる。直前にステップが入ることはあるが、体の向きを変えるようなターンを入れることはあまりない。
  4. 女子選手は多くの場合プログラムの最初にルッツからのコンビネーションを跳ぶ。
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ショパン「ノクターン」についてのエトセトラ

2006年9月24日

浅田真央ちゃんの今シーズンのプログラムが発表された。ショートプログラムの曲目はショパン作曲の「ノクターン第2番 Op.9-2 変ホ長調」だそうだ。そこでこれに因んでショパンの「ノクターン」について思うところをつらつらと述べてみようと思う。


ロマン的性格のピアノ小品に「ノクターン」というタイトルを用いたのはアイルランド出身の作曲家・ピアニスト、ジョン・フィールド(1782-1837)が最初である。ショパンは独自の情趣を盛り込んだこのジャンルの作品を21曲残している。作曲年代は初期から晩年にわたり、彼がこのジャンルに生涯を通じて強い関心を持ち続けていたことが窺われる。

曲の内容については通常いわれる「サロン風の甘美さに満ちたロマンティックな小曲」という評価がよく本質を表している。いかにも貴族のサロンで演奏されるに相応しい、耳に心地よい極上の音楽である。クラシックの数ある名曲の中で初心者にもためらいなく薦めることのできる作品は何だろうか、というのは興味深い問題だが、「ノクターン」はその最右翼に属する作品の一つといっていいだろう。クラシックには関心のない方にもぜひとも聴いてみていただきたい名曲が揃っている。というより、この美しさを知らずに過ごすのは人生の損失だと私は思う。


これらの曲について少し気になるのは、ショパンの繊細優美な音楽性が最上の形で表現された名曲が揃っている中で、どういうわけか第2番変ホ長調だけが突出して有名であるといことだ。第2番が優れた作品であることに異論はないが、この曲とその他の作品の出来映えに際立った差があるわけではないのでこの扱いには少し不満を感じる。ショパンの「ノクターン」といえば第2番のことだと思っている方にはぜひほかの作品も聴いていただきたい。ショパンにはまだまだ多くの素晴らしい作品があるということに瞠目されることと思う。

ただ全般に後期の作品にはおそらく彼の健康状態の影響もあって内省的で沈鬱な表情が垣間見られることもあり、初期の作品に見られる夢見るような美しさにやや欠けるところがあるとはいえるかも知れない。因みに私のお気に入りの作品をあえていくつかに絞るとすれば、第1番、第8番、そして遺作の第20番嬰ハ短調あたりだろうか。


第20番嬰ハ短調はショパンの死後に出版されたが作曲されたのは1830年ウィーンに着いて間もなくの頃で、作品9の3曲とほぼ同じかあるいは寧ろやや早い時期の作品である。主部/再現部は深い憂愁を帯びたロマンティックな旋律が聴く者の心を打つ。中間部にはピアノ協奏曲第2番の終楽章の第1主題と第1楽章の第2主題の素材が組み合わされて現れる。

ショパンの2曲の協奏曲は彼がひそかに思いを寄せていたワルシャワ音楽院の同窓のソプラノ歌手コンスタンティア・グワドコフスカとの関りが深いことが知られている(ショパンの生涯についてはけいさんのブログ「初心者のクラシック」に詳しい)。特に第2番(実際には第1番よりも先に作曲された)の第2楽章はコンスタンティアへの思いを表現したものであることを友人ティトゥス・ヴォイチェホフスキに告白している。

結局その思いを告げることのないまま故国を離れたショパンだが、ウィーンに着いて間もなく作曲されたこの曲にはコンスタンティアへの追憶が込められているのかも知れない。生前出版されることがなかったのもこの曲にはあまりにも生々しい彼の個人的な感情が盛り込まれていたためとも考えられる。

なおこの曲ははじめに1875年に出版された際には「アダージョ」と指定されていたが、後にブラームスによって「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」と改められた。いささか牽強付会の説ではあるが、あるいはクララへのひそかな思慕とともに生きたブラームスにとってこの曲は特に共感しやすい作品であったのかも知れない。


この曲はナチスの収容所から奇跡の生還を遂げたことで知られるピアニスト・作曲家のヴワディスワフ・シュピルマンの愛奏曲だったようで、映画「戦場のピアニスト(原題 "The Pianist")」でも効果的に用いられていた(私はこの映画を見ていないので伝聞情報による)。また少し前にTV受像機のTVCM(ややこしい言い方!)でも用いられており、この曲の認知度も高まってきていることを思わせた。

そんなこともあって真央ちゃんが今シーズンのショートプログラムに「ノクターン」を選んだと最初に聞いた時、この曲だったりしたらおもしろいのになと思っていた。ただ真央ちゃんに似合うかとなると微妙なところなのでやはりよく知られた第2番で正解だったかも知れない。

村主さんや由希奈さん、高橋選手あたりならよく似合うと思う。外国選手ならやはりジョニー・ウィアーだろうか。ショパンの繊細な音楽性を表現できる自信のある選手にはぜひ挑戦してみて欲しいと思う。


なお小塚崇彦選手が今シーズンのフリーでショパンのピアノ協奏曲第2番を滑ることになっている。「好きな人がいるけど、告白できない」というストーリーだというから、きっとコンスタンティアとのエピソードを踏まえたテーマ設定なのだろう。昨シーズンジュニア世界一となった彼がショパンの秘められた思いをどんな風に表現してくれるのかとても楽しみだ。

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岩崎宏美さんの「つばさ」 TV初披露

2006年9月23日

今日NHKBS2で放送の「あなたが主役 音楽のある街で」にゲスト出演した岩崎宏美さんが「つばさ」を披露した。「つばさ」は宏美さんが生前親しくしていた故本田美奈子さんの代表曲で、ファンからの要望もあり追悼の思いを込めてカヴァーすることを決定したもの。


収録は8月29日山口県周南市文化会館で、伴奏は小林研一郎さん指揮による広島交響楽団。代表曲「聖母たちのララバイ」を歌った後簡単なインタビューに答え、いろいろな経験をした40代の今になって歌に情感を込めて歌えるようになってきた、と今の心境を説明した。そして自分と同じく歌いたくて仕方のなかった本田美奈子さんの遺志を受け継いで歌っていきたい、とも話してくれた。

静かに語りかけるような歌い出しから素晴らしい表現力で聴衆をやさしい雰囲気に包みこんだ。サビの部分はオリジナルよりもやや遅めのテンポでじっくりと聴かせてくれた。力任せにならない丁寧な情感のこもった歌い回しは、本人も語った通り年輪を重ねいろいろな経験をしてきた今の宏美さんだからこその味わいだと思った。


互いに尊敬し認め合った宏美さんが自身の代表曲を心を込めて歌ってくれたことを美奈子さんもきっと喜んでいるに違いない。今後この歌が歌われる度に聴く人の心には美奈子さんの姿が思い浮かぶことになるだろう。美奈子ファンとしてこの歌を歌い継ぐ決断をしてくれた宏美さんに心から感謝したい。

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美しい日本の秋

2006年9月21日

うちの近所では昨日から金木犀が匂い始めている。昨日香りに気がついた時はまだ早いし気のせいかなとも思ったのだけど、今日ははっきりと紛れもなく匂っていた。今年も本格的に秋になろうとしつつあるようだ。

「年々歳々花相似たり/歳々年々人同じからず」という詩の一節を思い浮かべてしまう。この命題は花の個体識別を無視することによって成り立つのであって、実際には花だって年々移り変わっているのだけど。去年の今頃は美奈子さんは無菌室の中で、金木犀の匂いはおろか風に当ることさえできずにいただろう。あるいはお母様やBOSSさんから「金木犀が匂っている」と報告を受けて、来年(つまり今年)こそは花の香りに包まれる幸せを満喫したいと夢見ていただろうか。


まもなく「美しい国」をスローガンとする政権が誕生する。この美しい日本の四季がいつまでも続くよう、真摯に取り組むことを望みたい。

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ジャンプの見分け方 トウループ

2006年9月21日

ジャンプの見分け方、最も難度の高いアクセルの次は最も易しいとされるトウループを取り上げることにしたい。いつもの通り反時計回りの回転をする選手の場合について説明する。時計回りの場合は全て右と左が逆になることを念頭に読んでいただきたい。

フィギュアスケートの技術にはコンビネーションジャンプという要素がある。これは最初のジャンプを跳んだ後ステップやターン等を挟まずにそのままの体勢で次のジャンプを跳ばなければならない。場合によっては三つめのジャンプが加わることもある。最初に説明したようにジャンプの着氷の仕方は全て同じなので、二つ目以降のジャンプの種類には必然的に制約が生じることを理解していただけると思う。

ジャンプを着氷した直後は右足のアウトサイドで後ろ向きに滑っている状態になる。このまま左足を用いずに跳ぶジャンプをループといい、後ろに伸ばした左足のトウ(爪先、というかエッジの先端の部分)を氷に突いて跳ぶジャンプをトウループという。ループについては後ほどということにして、今回はトウループについて解説する。


右足のアウトサイドで後ろ向きに滑りながら後ろに伸ばした左足のトウを突いて踏み切るジャンプをトウループという。これは単独であるかコンビネーションであるかは問わない。トウループとはトウを突くループを意味する。ジャンプには大きく分けて踏み切りの際にトウを突くトウジャンプと、エッジに乗った状態のまま踏み切るエッジジャンプの2種類に大別される。トウループはもちろんトウジャンプの一種である。

最も易しいとされているのは右足で滑りながら左足を後ろに伸ばしてトウを突くので、足の位置が跳ぶ前から回転方向に開いた状態になっているためである。つまり、反時計方向に回転するためには右足が前で左足が後ろになった状態から跳べば実質的に半回転ほど少ない回転で済むことがおわかりいただけると思う。(ただし跳ぶ際に回転を始めて前向きに踏み切ってしまうとトウアクセルといってダウングレードの対象になる。)男子では4回転ジャンプを跳ぶ選手がいるが、大抵はこのトウループを跳ぶ。

このジャンプは見分けるのも比較的易しいといえる。というのもトウジャンプには3種類あるが左足でトウを突くのはトウループだけだからだ。見分け方はまずとにかく左足のトウを突くというのが一番のポイントになる。そしてコンビネーションの二つ目以降はトウループであることが多いということもこのジャンプの特徴である。。上にも述べた通りトウを突かないループであることもあるのだけど頻度としてはトウループの方が多いので、コンビネーションジャンプに注意しながら見ればトウループの跳び方を覚えられるようになると思う。

まとめ:トウループの見分け方

  1. 右足のアウトサイドで後ろ向きに滑りながら後ろに伸ばした左足のトウを氷に突いて踏み切る。
  2. 左足のトウを突く唯一のジャンプ
  3. コンビネーションジャンプの二つ目以降はトウループであることが多い。
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歌への感受性を欠いたauのTVCM

2006年9月20日

ここ数日来auの顧客満足度というテーマをアピールするTVCMが盛んに放映されているのだが、最初にこれを見た時は思わず耳を疑ってしまった。BGMに何と「Satisfaction」が用いられているのだ。

演奏は BENNIE K によるカヴァーだが、原曲はいわずと知れた Rolling Stones のロック史に残る名曲。歴史の浅いロックの世界では"古典"といっても差し支えないだろう。普通短く「Satisfaction」と呼ばれるこの曲だが正式なタイトルは「(I Can't Get No) Satisfaction」であり、このフレーズは歌詞の中でも何度となく繰り返される。二重否定が用いられているが、要は「満足できない」と歌っているのだ。CMでもこの言葉ははっきりと聞き取ることができる。

「市場で金を出せば手に入るお仕着せの商品では自分は決して充足を得ることはない」とシニカルに歌うこの曲を顧客満足度というテーマを訴えるCMに起用するとは理解し難い神経だ。おそらく"customer satisfaction"という英語から短絡的にこの曲を連想してしまったのだろうが、歌に込められた思いへの感受性の欠如を露呈した、恥ずべきCMだと思う。

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川嶋勝重 ミハレスに判定で敗れる

2006年9月19日

昨日行われたWBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦は川嶋勝重クリスチャン・ミハレス判定で敗れ、王座奪回はならなかった。


川嶋は一発狙いの手数の少ない単調なボクシングで、破壊力はないものの小さなパンチを確実にヒットさせるミハレスにペースを握られてしまった。2Rのダウンを奪ったパンチは見事だったが、ペースをつかむには至らなかった。あれだけのパンチ力を持ちながらそれを活かせずに終わったのはいかにも惜しい気がする。本人も認めるように気持ちだけで技術が伴わないボクシングの限界というところだろうか。

ミハレスは相手にダメージは与えなくとも細かいパンチを当ててペースをつかみながらポイントを稼ぐというアマチュア的な発想のボクシングスタイル。見ていて壮快さはないものの技術には確かなものがあった。今後徳山との対戦が実現するかどうかも注目される。


この試合のもう一つの注目点は解説のガッツ石松氏がラウンドごとの独自採点を公表するということだった。以前はボクシング中継というと解説者の独自の採点を紹介するのが普通だったのだけど、試合を盛り上げるために色がつけられることが多く、あれをまともに信じてはいけないというのが見る側の鉄則だった。紛らわしさをなくすために最近では解説者による採点は行わないようになっていたようだ。

先月の亀田戦が判定を巡って紛糾したのをきっかけに、今回はその時亀田勝利とした判定を批判したガッツ氏が厳正な採点を公表するということが事前に発表されていた。これは評価できる試みだと思う。

私も見ながら独自に採点をしてみたのだけど、ほぼガッツ氏と同じだった。唯一違ったのが5R、長谷川穂積と見解が別れたラウンドだった。私も長谷川と同じくここはミハレスにつけた。よって私の採点では3ポイント差でミハレス勝利だった。

川嶋の方が一つ一つのパンチが重く、その点を重視すれば川嶋勝利という採点でもおかしくなかったし、実際一人のジャッジはそうしていたが、2ー1のスプリットディシジョンでのミハレス勝利という結果は妥当な採点だったといっていいだろう。試合内容もよかったし、結果も納得のいくものだったので気持ちよく観戦することができた。


最後の二つのラウンドのインターバルが短すぎないかと思っていたらやはり録画だったようだ。本当は見終ってすぐ更新しようと思っていたのだけど、この点の確認がとれなかったので今日になってしまった。ボクシングのタイトルマッチが録画放送というのはあまり例がなかったように思う。いい内容の放送だったのにそこだけは残念だった。

ここ数年はボクシングからは気持ちが離れてしまっていたのだけど、例の亀田戦以来またボクシングへの関心が復活してきてしまった。ほかにも私のような人が少なくないだろうことを考えると、亀田一家の存在自体はボクシング界にとって悪いことではないと思う。

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ジャンプの見分け方 アクセル

2006年9月17日

ジャンプの見分け方についての解説、第1回目はまずアクセルから始めようと思う。ジャンプは全部で6種類あるが、そのうち最も難易度の高いのがこのアクセル、しかし跳ぶ側には最も難しくても、見る側には最も見分けるのがやさしいのがこのジャンプである。というのもほかのジャンプが全て後ろ向きに踏み切るのに対し、アクセルは唯一前向きに跳ぶからである。以下、反時計回りの回転をする選手を基準に説明する。時計回りの場合は全て右と左が逆になることを念頭に置いて読んでいただきたい。

アクセルは左足のアウトサイドで前向きに滑りながら右足を前に振り上げるようにして跳ぶジャンプである。助走の描く曲線と跳んでからの回転が同じ向きになっていることを確認していただけると思う。最も難しいとされているのは前向きに跳んで後ろ向きに降りるためほかのジャンプよりも半回転多く回転しなければならないことによる。ダブルアクセルなら二回転半、トリプルアクセルなら三回転半ということになる。


女子選手はほとんどの場合ダブルアクセルを跳ぶ。女子でトリプルアクセルを跳べるのはかつての伊藤みどりさん、浅田真央ちゃんなどほんの一握りの選手しかいない。みどりさんは女子選手のトリプルアクセルについてはパイオニア的存在で、世界選手権やオリンピックでこのジャンプを成功させた最初の選手である。みどりさんの登場によって初めて女子でもトリプルアクセルが跳べるのだということが証明されたのだった。浅田真央ちゃんはこの難しいジャンプをみどりさんをも凌ぐ程の確率で成功させており、実に驚異的な選手である。

一方、男子の場合はトップクラスの選手なら必ずトリプルアクセルをプログラムに取り入れている。しかしいつも成功するかというとそんなことはなく、男子にとっても難しいジャンプであることには変わりがない。現在男子は4回転ジャンプを跳ぶ選手も多いが、4回転を高い確率で成功させる力を持った選手でもトリプルアクセルが簡単に跳べるというわけではなく、このジャンプの可否が試合での順位を決定する重要な要素になっている。


見分ける際のポイントは何といっても前向きに踏み切る唯一のジャンプということに尽きる。このジャンプは初心者にも比較的容易に見分けることができると思う。アクセルはショートプログラムでもフリーでも跳ぶことを義務づけられているので競技会用プログラムでは必ず一度は見かけることになる。ショートプログラムの場合はジャンプを跳ぶ機会は三度しかなく、そのうち一つはコンビネーションなので単独でのジャンプは二つしかない。この二つの単独ジャンプのうち一つはアクセルなので、ショートプログラムの中継を見る時には少し意識して見ていれば判断がつくようになると思う。

ジャンプに入る時の動作としては、最もオーソドックスな入り方の場合はまず右足のアウトサイドで後ろ向きに滑りながら左に体を開いて前向きになり、左足のアウトサイドに乗り換え右足を前に振り上げるようにして跳ぶという手順になる。慣れてくると体を半回転させながら右足から左足に乗り換える動作を見ただけで選手がアクセルを跳ぼうとしているということがわかるようになる。採点での加点を意識してイーグルやイナバウアーの体勢からそのままアクセルを踏み切るような難しい跳び方をする場合もあるが、基本はこの入り方なので覚えておいていただきたい。

また前述の通りトリプルアクセルは現在注目の浅田真央ちゃんの得意技なので、真央ちゃんがトリプルアクセルを成功させた時にはスポーツニュース等で繰り返し映像が流れるはず。そういった際に注意して見てみるのも一つの方法だと思う。今これを書いている時点で真央ちゃんが出演した伊藤ハムのCMが伊藤ハムのサイトで見られるが、この中で真央ちゃんが跳んでいる(着氷はちゃんと映っていないが)のがアクセルなので当面はこれを見て覚えるのが一番いいかも知れない。

まとめ:アクセルの見分け方

  1. 前向きに踏み切る唯一のジャンプ。
  2. 左足のアウトサイドで前向きに滑りながら右足を振り上げるようにして踏み切る。
  3. 右足で後ろ向きに滑りながら左に体を開いて左足に乗り換える動作はアクセルの予兆。
  4. ショートプログラムの二つの単独ジャンプのうち一つはアクセル。
  5. トリプルアクセルは浅田真央ちゃんの得意技。
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本田美奈子さん追悼曲「wish」 初のOA

2006年9月17日

16日午後11:30からのニッポン放送『魂のラジオ』で本田美奈子さんの追悼曲「wish」がシングル発売に先駆けて初めてオンエアされた。

本田美奈子さんへの追悼の思いを込めて多くのミュージシャンが参集しこのような楽曲が制作されたというのはとてもうれしいこと。でもとりわけ素晴らしかったのは美奈子さんが病床で書き残した言葉を元に一倉宏氏が補作した歌詞だった。

前にTVで収録の様子が紹介された時に流れた一部の詞だけでもそのクォリティーの高さは十分に窺い知ることができたので、その全貌が明らかになるのを楽しみにしていた。一部聞き取れなかった部分もあったのだけど、期待に違わぬ、いやそれ以上の素晴らしい詞だった。詞のクォリティーだけで人の心をとらえることのできる歌を久しぶりに聴いたという思いがする。本当に美奈子さんは本人が志した通り本物の芸術家になったのだな、と思うと感慨無量だった。

かけがえのない今を生きること、今そこにある幸せを抱きしめること、それができれば時がきっと愛おしくなる…。晩年の美奈子さんが私達に伝えようとしていた思いが全てそこに込められている、聴いていてそんな気がした。美奈子さんの遺志を継いだ活動の名前にも反映されている「生きるために生きる」という言葉も用いられていた。「生きる」ことを無条件に肯定する、美奈子さんが晩年にたどり着いた思想を高らかに歌い上げた、素晴らしい歌に仕上ったと思う。

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白鵬三敗目を喫し綱取は絶望的に

2006年9月16日

大相撲秋場所7日目、大関白鵬は関脇琴光喜に送り出しで敗れ三敗となり、場所後の綱取は絶望的になった。立ち合いすぐに右四つに組み合うと琴光喜が左からの上手出し投げで白鵬に後ろを向かせ、土俵の外に運び出した。

白鵬は今場所は得意の左上手の取り方が非常に悪く、左に変わりながら相手の肩越しの深い位置にまわしを取りにいくような取り口が目立っていた。おそらくその反省を踏まえて今日の取り組みでは立ち合いから前三つを狙いうまく手がかかったのだが、琴光喜の右を深く差す動きで切られてしまうと半身の体勢で凌ぐような形になり、琴光喜に絶好の左上手を許してしまった。

何が大関の相撲をここまで狂わせたのかわからないが、早く自分の相撲を取り戻して今場所を納得のいく内容で締めくくって欲しい。まだ若いし、綱取のチャンスはこれから何度でもあるだろう。

私は琴光喜のファンなのだけど、白鵬も取り口が好きで、本田美奈子さんの歌を愛聴していると知ってからは急速に親近感が湧いて綱取を応援していたのでこの一番はかなり複雑な心境で見つめていた。ただこのところ白鵬に5連敗していた琴光喜が久しぶりに高い技能を見せつけて大関を破ったことは素直にうれしかった。今場所はここまで好調が続いているが、取り組み後のインタビューでは「優勝争いに絡みたい」と語るなど気持ちも前向きのようだ。すでに4人の大関を破っており、今後の活躍が楽しみだ。

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本田美奈子さんの遺族が児童養護施設に寝具を寄贈

2006年9月16日

本田美奈子さんのお母様工藤美枝子さんが寝具計100組を埼玉県の児童養護施設20カ所に寄贈した。費用には美奈子さんの愛車の売却代金があてられたという。埼玉県からは感謝状が贈呈された

赤のBMWがヤフーのオークションに出品されたことを巡っては一部のファンの間では動揺も見られたが、それがこんな形に結実したことで誰もが喜ぶ結果になったと思う。自身は子供を持つことはなかったものの無類の子供好きだったという美奈子さん。多くの子供達が美奈子さんの愛に包まれて暖かく眠れることだろう。

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栃木県宇都宮市で「本田美奈子.追悼音楽祭」を開催

2006年9月15日

10月7日(土)栃木県宇都宮市で本田美奈子.追悼音楽祭が開催されることが決定した。これまで朝霞や渋谷で開催された時と同じく写真や衣装の展示とフィルムコンサートが行われるほか、"Brown Blessed Voice"によるゴスペル演奏もあるようだ。ぜひ多くの方に参加していただきたいと思う。詳細は以下の通り。

開催日10月7日(土)
会場栃木県総合文化センター
入場料2,000円(税込、売上げの一部はLIVE FOR LIFEへ寄付されます)
主催ティークリエイト
企画協力LIVE FOR LIFE事務局、株式会社BMI、コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社
後援栃木県、宇都宮市、下野新聞社、財団法人骨髄移植推進財団、とちぎ骨髄バンクを広める会

チケットのお申し込みは、栃木県総合文化センタープレイガイド(028-643-1013 営業時間10:00〜19:00)まで。

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本田美奈子さん追悼シングル「wish」 11月1日発売決定

2006年9月14日

昨年11月6日に亡くなった本田美奈子さんの追悼シングル「wish」が一周忌を前にした11月1日に発売されることが決定したユニバーサルの公式サイトminako-channelの情報を総合するとカップリングには同じ曲のインストヴァージョンが「requiem 〜wish〜」というタイトルで収められることになるようだ。ユニバーサルのページに記載された参加ミュージシャンの顔ぶれには、高尾直樹さんのブログに掲載されたヴォーカルヴァージョンのレコーディングセッションの記念写真に写っていない高嶋ちさ子さん、古川展生さん、藤原道山さん、古川昌義さんの名前も見えるので、インストヴァージョンはこの人達をフィーチャーしたものになるのかも知れない。

いずれにしても聴くのが楽しみだ。美奈子さんの残した言葉を一倉宏氏が補作したという歌詞の全貌が明らかになるのも待ち遠しい。

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マテラッツィ ジダンと和解へ

2006年9月12日

ワールドカップドイツ大会決勝でジダンからの頭突きを受けたマテラッツィジダンを自宅に招待して和解することを検討しているらしい。これとは別にFIFAも両者の和解のお膳立てを準備しているようだ。

世界中が注視する中で起きた前代未聞の事件。これでわだかまりなく落着するなら実に喜ばしいことだ。早く世界のスポーツファンがあの事件を忘れることができるよう、両者の努力に期待したい。

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『おじゃる丸』原案者に訪れた悲劇

2006年9月12日

私はあまりニュースをこまめにチェックするようなことをしないので大きなニュースでも知らずに過ごして後からショックを受けるということが多い。ブログを通じて意見や情報を交換するようになったことのメリットは自分が見逃していたニュースをほかの方が話題にして教えてくれるというケースが多くなったことだ。

モモさんのブログでこんなとんでもないニュースを知らされてしまった。私はあまりアニメには興味がないのだけど、もう何年も前に偶々夕方の時間TVのチャンネルを合わせて見入ってしまったアニメがあった。それが『おじゃる丸』だった。怠惰でわがままながらどこか憎めない主人公おじゃる丸のキャラクター設定やゆったりと時間が流れる物語の進行は、斬新でありながらも懐かしさを感じさせるもので、私はすっかりこのアニメが気に入ってしまったのだった。

この愛らしいアニメの原案者がどうしてこのような末路をたどらなければならなかったのか、私には全くわからない。しかしどんなにつらい出来事に見舞われようともサブちゃんの歌う主題歌を口ずさむ心のゆとりがあればこんな悲劇は避けることができたのではないだろうか。

犬丸りんさんのご冥福を心からお祈りしたい。

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ジャンプの見分け方 予備知識篇

2006年9月12日

トリノオリンピックでの荒川静香さんの活躍によりフィギュアスケートが俄然注目を集めるようになったが、新たにこの競技のファンになった方にとって最初に障壁となるのがジャンプの種類の区別ではないかと思う。フィギュアスケートは技術の正確さだけでなく審美性を競う競技なので技術については細かいことはわからなくても十分に楽しめるし、選手達が表現しようとしている思いを感じとることもできる。私自身も技術や採点法の細かいところまではわかっていないけど競技を鑑賞する上ではそれで十分だと思っている。

しかしジャンプの種類だけでもわかっていると見る楽しさが広がってくるのもまた事実である。そこで今後数回にわたって初心者ファンのみなさん向けにジャンプの見分け方を解説してみたい。


今回はそのために必要な予備知識から話を進めることにする。

まず知っておく必要があるのはエッジの使い分けについて。フィギュアスケート用の靴のブレードはスピードスケートなどと違って丸みを帯びている。そのために普通に滑っていても進路が自然に円弧を描くようになっている。そのカーブの方向はブレードのどちら側のエッジに体重をかけるかによって決まってくる。左足のアウトサイド(外側)、及び右足のインサイド(内側)に体重を乗せると体の左側に中心を持つ円弧を描き、右足のアウトサイド、及び左足のインサイドだと体の右側に中心を持つ円弧となる。


次にジャンプやスピンの回転の向きだが、ルール上はどちらの回転をしても構わない。選手個々がやりやすい方向に回転すればいいことになっているが、どちらがやりやすいかは利き手と関係があるらしい。多くの選手は上から見て反時計回りに回転している。そこで以後の説明では反時計回りの回転であることを前提に話をしていくことにする。逆の時計回りの回転をする選手の場合は全て右と左を逆にして読んでいただきたい。時計回りの現役選手には女子ではカロリーナ・コストナーさん、アリッサ・シズニーさんなど、男子ではジョニー・ウィアー選手、エマニュエル・サンデュ選手などがいる。引退してしまったけどソルトレークシティーオリンピックの女子の金メダリスト、サラ・ヒューズさんも時計回りだった。


最後にもう一点、着氷について。ジャンプは降りる時は必ず後向きに着氷する。前向きではバランスがとりにくいようだ。ジャンプは跳んでから降りてくるまでの短い時間に3回転若しくは場合によってはそれ以上という速いスピードで回転している。慣性の法則によってこの回転は降りた後でも急に止めることはできない。したがって着氷の際のエッジの使い方には自ずと制限が生じてくる。反時計回りの場合、後向きに着氷するということは体の右側に中心を持つ円弧を描かないとスムーズに降りられないということがおわかりいただけると思う。体の右側に中心を持つ円弧となると右足のアウトサイドか左足のインサイドでなければならないが、普通は必ず右足のアウトサイドで着氷する。実は左足インサイドでの着氷もルール上は可能で、コンビネーションのセカンドジャンプにサルコウを跳ぶことも論理的にはあり得るそうなのだけど、こんな技を競技会で見ることはまずあり得ないので、ジャンプは必ず右足のアウトサイドで着氷する、と覚えておいていただきたい。左足は氷に着かずに後に真っ直ぐに伸ばしていなければならない。回転が不足していたりすると両足で着氷してしまうことがあるが、これは減点対象となる。


着氷の仕方がみな同じだとするとどこで見分けるのかというと、助走のとり方と踏み切り方で区別することになる。それについては次回以降ということにしたい。

目次

イラストについて

本当はイラスト入りの方がわかりやすくていいのだけど、私は絵を描くのが非常に苦手なのでやめておく。Dotaさんのブログにイラスト入りの解説記事があるので参考にしていただきたい。

追記(2012年2月16日)

YouTubeに太田由希奈さんによる模範演技の動画が公開されているので各ページに埋め込んでおいた。これと見比べながら読んでいただくことでよりわかりやすくなると思う。

競技経験者の方にお願い:

この解説記事は素人ファンであるsergeiが最近フィギュアスケートに興味を持つようになった初心者ファンのために、わかりやすさに重点を置いて記しているものです。玄人の目から見るといろいろと突っ込みどころ満載かと思いますが細かい点は大目に見ていただければ幸いです。もし看過し難い重大な誤りがありましたらご指摘下さい。

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平山相太 FC東京と契約

2006年9月11日

ヘラクレスを退団し帰国していた平山相太JリーグFC東京と契約した。一時はどうなるかと成り行きをはらはらしながら見守っていたが落ち着き先が決まって一安心。また心機一転サッカーにうちこんで欲しい。

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N響アワー シューマン夫妻の音楽

2006年9月10日

今日のN響アワーはロベルト・シューマン没後150年を記念してシューマン夫妻の特集。ロベルト・シューマンはドイツロマン派を代表する作曲家だが、妻のクララも当時を代表する名ピアニストであり、作曲家として作品も残している。クララは今でこそ「ロベルト・シューマンの妻」になってしまったが当時は夫以上に盛名を馳せており、彼女の演奏旅行に夫が同行した際には鞄持ちと間違えられたこともあったらしい。

二人の名声が逆転してしまったのは、一つにはクララが女性であることも原因だろうが、作曲家には後世にスコアを残すことが可能だが当時の演奏家には演奏を残すことができなかったということも大きな理由だろう。生前は評価の定まっていなかったロベルトがほかならぬクララの尽力によって大作曲家として認知されるようになったのに対し、今日クララの演奏がどのようなものであったのかは誰も知ることができないのだ。

しかし残された作品は彼女の芸風を窺知する上で重要な資料となり得るだろう。私はピアノ独奏曲を集めたCDを持っているのだが、いかにも音楽と夫への愛に生きたクララらしい、清楚なロマンティシズムを感じさせる佳品がそろっている。作曲家としてはロベルトほどの独創性には欠けるようにも思われるが、この類稀な芸術家の真の姿がよく理解されるようになるためにもこうした作品により光が当てられるようになるといいと思う。

今日はそのクララのピアノ協奏曲が聴けるというので楽しみにしていたのだけど第3楽章だけのダイジェストで少し肩透かしを食ったような気分になった。ロベルトの交響曲第1番は全曲が放送されたので、やはりこの二人の認知度には差があるのだなと感じてしまう。

演奏は現在ロベルトの全曲録音に取り組んでいることで知られる伊藤恵さん。22年前のインタビューではクララのような女性になりたいと語っており、この作品には打ってつけの人選だろう。テクニックの切れの甘さを感じさせるところもあったが、この夫妻への共感の込められた丁寧な演奏だったと思う。

第3楽章だけなので曲の全貌はわからないが、やはりクララの内面の美しさ、やさしさを感じさせるような佳曲だと思った。これからは演奏の機会も増えていくのではないだろうか。

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六手のピアノのための「ロマンス」

2006年9月 9日

ラフマニノフは1891年、六手のピアノのために「ロマンス」という作品を作曲している。コンサートピースというより家庭で楽しむための作品であり、若い時の習作の域を出ないものであるため今日あまり顧みられることのない曲である。しかしこの曲はラフマニノフの音楽を理解する上で極めて重要な作品なのである。ここではあまり知られていないこの愛らしいピアノ曲について解説してみたいと思う。


ラフマニノフ家は元々は大地主貴族であったが、作曲家セルゲイ・ヴァシーリエヴィチが生まれた頃にはかなり没落しており、彼の幼少時にはついに破産して両親が別居するという事態に見舞われた。そんな時に困窮する彼を親身になって助けたのが父方の伯母の嫁ぎ先であるサーチン家の人々であった。後に交響曲第1番初演の失敗により彼が作曲の意欲を失ってしまった時、ダーリ博士の診療を受けることをすすめたのもサーチン家と懇意の医師である。

1890年17才の夏に彼は初めてサーチン家の人々と共にこの家の所領イワノフカを訪れ、楽しい一時を過ごした。以来毎年の夏をここで過ごすのは彼の習慣となった。この時一夏を一緒に過ごしたのがサーチン家の親類にあたるスカローン家の人々だった。彼はこの家の三姉妹と親しくなり、長姉ナターリヤの作曲したワルツの主題を元にした「ワルツ」、翌年には「ロマンス」という六手のピアノのための小品を作曲している。三姉妹のためなので、六手ピアノという特殊な編成になっている。特に末妹のヴェーラとの間には淡い恋愛感情が芽生えたといわれている。(時々CDのライナーなどで三姉妹の長姉ナターリヤ・スカローンと、後に彼の妻となるサーチン家の長女ナターリヤ・サーチナを混同した記述を見かけるが惑わされないように。スカローン次姉はリュドミーラという。)


「ロマンス」はアルペジオ(分散和音)による序奏にはじまり、主部では若き作曲家の令嬢達への優しい眼差しが感じられるロマンティックな主題がソプラノで歌われ、最後もやはり名残りを惜しむようにノスタルジックな感傷に満ちたコーダで締めくくられる。若き日の小品とはいえラフマニノフならではのロマンティシズムに満ちた逸品である。

この小品が彼の音楽を理解する上で重要な理由は一聴すればおわかりいただけると思う。この冒頭のアルペジオは後に彼の最高傑作であるピアノ協奏曲第2番の第2楽章で用いられているのだ。


よく知られているように、ラフマニノフは野心作である1897年に行われた交響曲第1番の初演が失敗に終わったことにより神経衰弱に陥り、創作意欲を失ってしまっていた。そしてこの時期には初恋の人であるヴェーラ・スカローンが別の男性に嫁いでいくという出来事にも見舞われていた。失意の作曲家を支えたのは催眠療法を採り入れていた精神科医ニコライ・ダーリであった。ダーリはアマチュアの音楽家でもあり、音楽への造詣も深いことから博士の診療は大いに作曲家を勇気づけることとなり、創作意欲を回復した彼は新しいピアノ協奏曲の創作に取り組み始めたのである。

このピアノ協奏曲第2番は第1楽章が最後に作曲されたことが知られている。はじめに第2楽章と第3楽章が作曲され、全曲の完成前に二つの楽章が1900年12月2日モスクワ交響楽の夕べで演奏されている。

第2楽章はオーケストラによるやや神秘的な導入部を経て調性をハ短調からホ長調へと移した後、ピアノがアルペジオを奏してはじめられるのだが、このアルペジオは六手のピアノのための「ロマンス」の冒頭から採られているのだ。したがって一見したところ初期の習作にしか見えない「ロマンス」ではあるが、この記念碑的な協奏曲を構想する上での最初の着想を与えたのがこの作品であったとも考えられるのである。

「ロマンス」ではアルペジオは単なる序奏で主部は序奏とはかかわりなく進められていくのだが、この楽章ではアルペジオがそのまま続きそれに乗せてフルートとクラリネットが主題を歌い継いでいく。この主題はラフマニノフが残した数多くの美しい旋律の中でも最も優れたものの一つだが、こうした経緯を考えると旋律にアルペジオがつけられたのではなく、アルペジオに合わせて旋律がつくられたのではないかと考えられる。このあたりの事情はグノーの「アヴェ・マリア」と少し似ているような気がする。


ダーリ博士の助力を得ながら協奏曲の構想を練っている時、ラフマニノフの胸のうちにあったのはおそらくスカローン三姉妹と過ごしたイワノフカの夏の思い出だったのだろう。そしてこの曲が私達を甘い感傷に誘うのは彼の初恋への追憶が込められているからではないかと思われる。『逢びき(原題“Brief Encounter”)』をはじめとする恋愛映画に頻繁に用いられてきたのもこうした理由によるのだろう。

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オシムJAPAN 1ー0でイエメンを下す

2006年9月 6日

イエメンの首都サヌアで行われたアジアカップ予選で、サッカー日本代表はイエメンに1ー0で勝利した

地元TV局制作の映像主体の放送だったが、カメラワークが非常に悪く見ていて乗物酔いのような状態になりそうだった。試合内容も例によって決定力を欠き、いらいらとさせられた。それでもロスタイムに我那覇のゴールで勝利を手中にし、溜飲を下げることができた。

今回は阿部を最終ラインに配し、サントス加地を高い位置に置いてサイドからの攻撃を活性化させようという狙いだったようだけど、あまり効果的な攻撃はできていなかった。後半になるとおそらく酸素不足のせいもあって動きが落ち、迫力を欠いた試合運びになってしまった。決定的なチャンスもあったがシュートに精度がなかった。特に前半の巻のヘディングシュートと後半の遠藤がフリーで放ったシュートは決めなければいけない場面だったと思う。

もう少し早い時間帯で長谷部を投入して中央からのドリブル突破をはかるような采配を期待したのだけど、オシムが採ったのは我那覇を投入して3トップにし、闘莉王を前線に上げるパワープレーだった。結果的にはこれが功を奏して巻がヘディングで落としたボールを我那覇がゴールに流し込んで勝点3をものにした。

今回も右足でのフリーキックは全て遠藤が蹴っていた。阿部の方が多彩なキックを持っていると思うのだけど、あるいはオシムは阿部のヘディング能力の方を高く買っているのだろうか。

サウジアラビアに敗れた試合では「子供病」という言葉がメディアを賑わせたが、オシムの発言をよく見ると選手をかばったような内容も目についた。この試合後のインタビューでもピッチコンディションの悪さを頻りに口にしていた。選手に対して厳しい要求を課すオシムだが、一方で選手がメディアからの過剰なプレッシャーにさらされないような配慮をするのも彼の流儀なのだろうか。

まだチーム作りのはじめの段階であり、今回の遠征は事前の合宿をする余裕がなかったことを考えれば仕方のないことかも知れないが、もう少し中盤の組み立てに創造性が感じられるような試合をして欲しいと思った。

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秋篠宮妃紀子様 男児を無事ご出産

2006年9月 6日

今日午前、秋篠宮妃紀子様が無事男の赤ちゃんをご出産された。新しい生命のご誕生を心からお慶び申し上げたい。


紀子様はご出産の前には臍帯血の提供を申し出ておられたという。中林正雄愛育病院長は「ご意思に沿うように登録したい」と語っている。(にゃんこままさんのブログで教えていただきました。)

全くの想像に過ぎないけど、もし紀子様のお心の中に本田美奈子さんのことが思い浮かんでいたのだとするととてもうれしい。

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「この歌をfor you」再び

2006年9月 6日

作詞:本田美奈子 作曲:MIO 編曲:富田素弘
シングル「ら・ら・ば・い〜優しく抱かせて」(1995.5.10)、アルバム「晴れ ときどき くもり」(1995.6.25)所収。現行のCDでは「LIFE〜本田美奈子.プレミアムベスト〜」UMCK-9115(2005.5.21)に収録されている。

この歌をfor you」についてはすでに取り上げたのだけど、その後のファンサイトでの議論や新情報を踏まえてもう一度語っておきたい。

この歌の特徴の一つは過剰なまでのファルセットの使用にある。冒頭から高音域での美しいファルセットで魅了してくれる。アルバム「晴れ ときどき くもり」にはこのほかにも 「June」などファルセット主体の楽曲が収められているから、このアルバムのコンセプトの一つだったのではないかと思わせられる。

ミス・サイゴン』でキム役を本田美奈子さんとダブルキャストで演じた入絵加奈子さんの証言によると、美奈子さんは以前は裏声があまり得意じゃないと語っていたそうだ。これがいつのことか正確にはわからないが、入絵さんが言うのだからおそらく『ミス・サイゴン』の上演当時、若しくはその準備のためのスクールに通っていた頃のことだろう。

その裏声が得意じゃなかった美奈子さんがこうした楽曲を歌ったということは、丁度このアルバム「晴れ ときどき くもり」の頃にファルセットを自身の表現のスタイルに積極的に活用する手応えをつかんだのではないだろうか。そしてそれが後年のソプラノ唱法の習得へとつながっていったものと思われる。その意味ではこの歌は美奈子さんの歌手としてのキャリアにとって一つの転機になったともいえそうだ。私達は後年のクラシカル・クロスオーヴァーでの活躍を知っているのでかつて裏声が得意じゃなかったということには意外な感があるが、美奈子さんの歌唱技術が並々ならぬ努力によって培われてきたことの証明だろう。


この歌はファルセットをたっぷりと聴かせてくれた後、最後の1コーラスは転調して音域を下げ、地声で音量を上げて歌われる。そして音楽の盛り上がりが最高潮に達したところで美奈子さんが少し迷ったようにしてファルセットに移行する箇所がある。ここは地声で出せるはずの高さなので、おそらく元々は地声で通す予定でいたのだと思われる。

見方によっては“傷”ともとれる箇所だが、「ここをなぜNGにしなかったのか」というファンの問いかけに、「晴れ ときどき くもり」のプロデューサー牧田和男氏は簡潔に「NGにしたら、最初から全部録り直しですからね」と答えたという。そして「晴れ ときどき くもり」は切り貼りなしの録音だったそうだ。

美奈子さんはスタジオ録音といえどもテイクのカット&ペーストを潔しとしないタイプの音楽家だったようだ。この一つ前のアルバム「Junction」に収録された「つばさ」もオーケストラとの一発録りだったといわれている。一部の隙もない完璧な録音を仕上げることよりも、音楽の生きた流れを大切にしていたのだろう。

そして「全部録り直しですからね」というのはおそらくやり直しの手間を惜しんだ言葉ではなく、美奈子さんも牧田氏もこのテイクに十分得心していたということを表しているのだと思われる。実際のところこの部分は美奈子さんの感情が激しく高まっている箇所で、聴いていると地声とファルセットの境界をフォルティッシモで押し通す美奈子さんの素晴らしい迫力に深い感動を誘われてしまうのである。

美奈子さんは全ての感情を込めて歌い切り、満足して収録を終えたのだろう。やはりここは“傷”ではなく“美奈子さんの感情の高ぶりの痕跡”と受け止めておきたい。

以前にも述べた通り「この歌をfor you」はやや地味な楽曲ではあるが、美奈子さんのキャリアの中で重要な位置を占める作品と見てよさそうだ。聴いていると美奈子さんがそばに寄り添ってくれているような安らぎを感じさせてくれる。これからも大切に聴いていきたい珠玉の名曲である。

謝辞

この稿を書くにあたっては充実野菜さんによる牧田和男氏へのインタビューや、ファンサイトにおけるたぼさんはじめみなさんによる議論を参考にさせていただきました。ここに記してお礼申し上げます。ありがとうございました。

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荒川静香さん ベストジーニストに

2006年9月 5日

荒川静香さんが第23回のベストジーニスト賞に輝いた。上背があり手足の長い恵まれた体型をした荒川さん。何を着ても似合うから当然の結果というべきか。この賞、第4回・1987年には本田美奈子さんも受賞している

おととしの受賞者は今度はベスト囚人服賞でも受賞することになるのだろうか…。

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オシムJAPAN サウジアラビアに敗れる

2006年9月 5日

サッカー日本代表はサウジアラビアに1ー0で敗れた。見ていなかった(というかすっかり忘れていた)ので内容はわからない。ニュースで映像を見ると失点はかなり不運なものだったようだ。しかし決定力不足は相変わらず。先発はイエメン戦と同じだったようだが、やはり遠藤の2列目での起用は疑問に思う。多彩なパスワークで攻撃を組み立てるような選手ではないので、彼を攻撃的な位置で起用するとリズムが重たくなってしまうと思うのだが。

グループで2位までに入ればいいわけだし、ホームでの試合も残しているので何も慌てることはないが、やはり敵地とはいえ内容のある日本代表らしいサッカーをして欲しい。

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荒川静香さん 『jnude』インタビュー

2006年9月 3日

9月1日発行のフリーペーパー『jnude』に荒川静香さんのインタビュー記事が掲載された。入手できなかった方のために内容を紹介しておこうと思う。ただ明記されてはいないものの、ここでの"フリー"とは"無料"の意味で、無断転載を許容するものではないと思うので、簡単に要約を記すだけにとどめておきたい。


ゆっくりうなずきたっぷりほほ笑む

結婚観については「相手の幸せな姿に自分の幸せを感じるので、"この人を幸せにしたい"と思った時に結婚することになるのでしょう」。

「朝ごはんは食べません、必要な時に食べればいいので。睡眠を多くとりたいので食事は移動中に済ませることが多いですね」。体力的なことだけでなく、「お肌のためにも最低7時間は眠りたいです」。

「プロになっても特に変わったとは思いません。もともと他人と競争するのは苦手だった。優勝しても負けた人のことを思うと感情は表に出せない。一人で挑戦するのはのびのびできるから好き。もともとの性格が今生きているのかな」。

水着姿を披露したCMについては「『わたしじゃないみたい』と思いました。かっこよかったです」。

夢を見失ったり、前向きになれない女性へのアドバイスは「自分で立ち上がるしかないと思います。誰かにどうにかしてほしいって思うかも知れないけど、最後に信じられるのは自分しかない。何かを見つける努力をすべきだと思います。ときには気分転換をして」。荒川さん自身去年どうしても気分が乗らないことがあり、スケート靴を持たない旅に出た。「たった4泊だったけどスケートを忘れられるくらい楽しかった。そのあと、いい結果を出すことができました(sergei註:どの大会のことかは不明)。気持ちが晴れないまま進んでいたら違う結果になっていたかも」。

これからどんな女性になりたいかについては「何事にも余裕を持てる人、いつでも相手を思いやれる人になりたい。自分に余裕がないと他人のことまで考えられないから」。理想の女性像は「かっこいい女性」。ではかっこいいとは「言動やしぐさとか、空気を読めること、機転が利くかどうか。想定外の状況でも、冷静な判断と対応ができるか。やはり余裕を持つということかな」。どうやって余裕を持とうとしているのかは「朝の支度に5分しか時間がないとしても『5分しかない』とあわてると何かを忘れてしまったりする。『5分もある』と思えたら、できることが違ってくると思うんです」。今まであせったことなさそうですね、とたずねると「今朝も遅刻しそうになりました(sergei註:このインタビューは横浜でのアイスショー(おそらくDOI)の後行われた)。電車に乗り損なうところでした。無理だと思ったけどなんとか間に合いました。あせったけどすぐに気持ちを切り替えないとその気分に支配されてしまう。気持ちを切り替えて余裕を持って次のことを迎えないと」。


インタビューの概要は上記の通り。かなり大きめのサイズの紙面(雑誌というより小さめの新聞という感じ)の見開き2面を使っての特集記事。4通りの荒川さんの笑顔の写真が掲載されている。黒い(濃いめの茶色?)服を着て、耳には花の形が3つ縦に連なったイヤリング、首にはネックレスを下げているが先端のデザインは写っていないのでわからない。ファッションモデルに挑戦した時の写真も添えられている。

メディアの性格上あまりスケートについての踏み込んだ話はないものの、随所に荒川さんならではのトークが散りばめられていて、人柄や考え方を窺い知ることのできる、ファンにとっては有り難い特集だと思う。

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「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」

2006年9月 3日

昨日NHKBSで寅さん映画を見た。「寅次郎あじさいの恋」は寅さんシリーズの中でも異彩を放つ作品で、私は特に気に入っている。普通寅さんの失恋はマドンナに好きな男性が現れて、彼女の幸せを願ってお人好しにも二人の橋渡しを買って出るという形で進行するのだが、この作品では寅さんの失恋の要因は恋敵の存在ではなく、自分の気持ちに正直になれない寅さん自身の心の弱さにある。

「あじさいの恋」ではいつもとは違い、いしだあゆみさん演じるマドンナのかがりも寅さんを好きになる。しかし寅さんは彼女から誘われたデートに気恥ずかしさから満男を連れていってしまう。かがりは自分のしたことが寅さんには迷惑だったのだろうと考えて悲しみにくれ、寅さんはかがりの気持ちがわかっていながらそれに応えることのできない自らの不甲斐なさに涙する。お互いに相手を思っているのに一歩踏み出して幸せをつかむ勇気のない二人の悲しみが胸に迫る物語である。

博が「初めての展開だな」という台詞があるのでこうした筋立てはおそらくシリーズ唯一のものだろう。かがりは鎌倉のあじさい寺で待ち合わせをして寅さんを見つけた時には輝くような笑顔を見せたのが、満男の存在に気づくと憂いを帯びた表情へと変わっていく。この部分の表情の変化はいしだあゆみさんの素晴らしい演技だと思う。

ほかの作品では失恋の痛手は寅さん一人が背負い、マドンナはささやかな幸せを手にして終幕を迎えるのが普通だが、ここではかがりの方も深く傷ついて故郷へ帰っていく。それがこの作品ならではの切々たる情感を作り出しているのだろう。最後に寅さんへの暑中見舞を読み上げる声とともに流れる、心に傷を負いながらも丹後の海辺でつつましく暮らすかがりの姿が美しく、胸に痛い。

寅さん自身の内面の弱さに起因する悲恋はシリーズの中でもとりわけ切なく悲しい物語で、見る度に心に涙を浮かべてしまう。十三代目片岡仁左衛門の得も言われぬ気品と、若き柄本明さんの滑稽な演技も素晴らしい。

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夏川りみさん アンドレア・ボチェッリとデュエット

2006年9月 3日

夏川りみさんが世界的テノール歌手アンドレア・ボチェッリさんと「ソモス・ノビオス〜愛の夢」をデュエットした。ボチェッリの10月18日発売の新アルバム『貴方に贈る愛の歌』に収録される。

のびやかで透き通るような美しい歌声で愛される夏川さん。いよいよ世界での活躍に足を踏み出した。ぜひあの素晴らしい歌で世界の聴衆を魅了して欲しい。

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荒川静香さん ミニ情報

2006年9月 1日

荒川静香さんについてちょっとした情報があるのでその紹介。


9月1日発行の『jnude』という朝日新聞社発行のフリーペーパーに荒川さんへのインタビュー記事が掲載されている。私も未入手なので詳細はわからないのだけど、今日の朝日新聞夕刊に広告が出ていて一部が紹介されていた。「ゆっくりうなずき、たっぷりほほ笑む」というタイトルで、荒川さんが「余裕」という言葉を繰り返し使っているのが印象的だった。忙しい中でも肌を美しく保つために少しでも多く睡眠をとりたい、と女性らしい気配りも語っていた。

入手先が紹介されているのだけど、これを見るとどうも残念ながら東京近郊でないと手に入らないようだ。


今日TBS系列で放送の皇室特集番組を少し見ていたら荒川さんが登場した。皇居でのお茶会に招かれた際に、佳子様の影響でフィギュアスケートを始められた愛子様のために「好きという気持ちを大切に、『がんばる』というよりも『楽しむ』という心構えで」と(おそらく愛子様に直接ではなくご両親の皇太子ご夫妻にだと思う)アドバイスした、と語っていた。

いずれは皇族からオリンピック選手が生まれるということにでもなるのだろうか?!

追記:

『jnude』無事に入手できたので別のエントリーで要点を紹介します。

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報道ステーション 荒川さん特集

2006年9月 1日

高校野球決勝戦再試合の影響で今日に順延されていた報道ステーションの荒川静香さんの特集を見た。内容はプロとしてアメリカのアイスショーに参加する荒川さんの意気込みに焦点を当てたもので、以前日本TV系列で放映された番組と似たような作りだった。報道番組の中でのこうした特集としてはめずらしくショーの演技内容をノーカットで放送してくれたのは有り難かった。カメラワークに乱れがあり、途中無意味に進行役を務める松岡修造氏の客席での様子が挿入されたのは残念だけど、今の荒川さんの滑りを確認することができた。

やはり荒川さんはプロになっても荒川さんだったというのが私の正直な感想だった。ご本人の解説で演出家から受けたアドバイスも紹介されていたけど、私にはあまり本質的なことではないように感じられた。「どんな時にも笑顔で」と言われているらしいけど、荒川さんの表情は作った笑顔ではなく、念願の晴れ舞台で滑ることの喜びが自然に溢れ出ているように見える。

イナバウアーに入るタイミングは以前と少し変わったかな、と思った。あるいは映像と音声のシンクロに問題があるのかも知れないが。


以前の日本TV系列の番組もそうだったけど、どうもメディアは荒川さんがモチベーションを保つために自分に言い聞かせるように話していることを真に受けてしまっているようだ。荒川さんは競技会特有の緊張感から解放されたことで演技の質が落ちてしまうのを避けるためにあえて「まずは名前を覚えてもらうことから始めないと」と語っているのではないかと思う。難しく考えなくても今の荒川さんなら普通に滑っていれば(少なくともスケートの見方を知っている人なら)観客に不満を感じさせてしまうことなどあり得ないはずなのだ。自分に厳しい荒川さんの言葉は彼女の高い志の表れなのだと思う。メディアはそれに影響され過ぎて、視点がやや一面的になってしまっているように思う。

それにしてもあのような芯の強い人柄なら、アメリカでもスターになる日はそう遠くないことだろう。

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