スケートアメリカ2006 エキシビション

2006年10月31日

BS朝日にて鑑賞。編集についてはいろいろといいたいことがあるけどそれは後回し。


浅田真央ちゃん:カルメン〜ハバネラ

フィリッパ・ジョルダーノさんによる癖のある歌唱によるハバネラに乗っての演技。アイスショーなどで何度も見たプログラムだけど、これまでで一番よく踊れていたように思った。またステップからのトリプルアクセルに挑戦したがこれは失敗。エキシビションでもこれをやるというのはよほど強いこだわりを持っているのだろう。試合で成功する時がくるのだろうか。


キミー・マイスナーさん

フリーに引き続き生き生きとした演技。リラックスして心から楽しみながら滑っていることが伝わってくる。踊れない選手というイメージは捨てなければいけないと思った。


エミリー・ヒューズさん

黒のパンツルックでの溌剌とした演技。やはりこういう色合いの方がこの人には似合うと確信。キミーもそうだけど、アメリカのポップスに乗せての演技は実に生き生きとしている。素のままの自分で踊ることができるからだろうか。十代の女の子の素顔が垣間見られたような気がする。


エヴァン・ライザチェク選手

この人の演技を形容する時はどうしても枕詞のように"長い手足"という言葉を使ってしまうけど、やはり長い手足を自在に使いこなす力量は一級品だと感心させられる。恵まれた体型とはいえそれをいかすにはそれなりの技術が必要だが、彼にはそれが備わっている。このエキシビションでは特にステップにこれまであまり見られなかったような洗練された味わいが出ていたように思う。


デンコワ&スタヴィスキー組

歌詞がわからないので細かい状況はわからないけどドラマ性のある演技を見せてくれた。喧嘩を繰り返しつつも離れることができない男女の腐れ縁とでもいうような、ノエル・カワードあたりが描きそうな筋書きをイメージさせた。椅子を小道具に使ってストーリーを巧みに描いてみせる芸達者ぶりを発揮してくれた。


アルバン・プレオベール選手

フリーではややコミカルなテイストで会場を盛り上げていたが、エキシビションでは帽子を巧みに使って映画の一場面のような雰囲気を演じてみせた。やはりなかなかの芸達者だと思った。若手ながら表現にヴァリエーションがあるのは素晴らしいと思う。


グレゴリー&ペチュホフ組

聴いたことのある歌だけどタイトルがわからない。ムードある演技で思わず見惚れてしまった。とてもよかったと思う。


井上&ボールドウィン組

昨シーズンとは異なりしっとりとした曲に乗せての優雅な演技。怜奈さんのかわいさが引き立つプログラムだと思った。


織田信成選手:Fly me to the moon

SPの曲のヴォーカル入りヴァージョンでの演技。大胆で奔放な振付けで、SPよりもさらに弾けた感じが出ていた。いい意味でのショーマンシップに溢れた選手だということをあらためて認識させられる。少し前まではこんなに優れたエンタテイナーが日本選手から出てくるとは考えられなかったことを思うと感慨深い。


安藤美姫さん:I believe

滑る喜びが体中から溢れ出ているのが感じられる素晴らしい演技。以前ショーで見た時よりさらに数段よくなっていた。もはやジャンプが取り柄の選手ではなく、自分の思いをスケートで表現し、観客から共感を引き出すことのできる選手へと成長しつつあることを感じさせてくれた。ステップはとてもエキシビション用のプログラムとは思えないほどの激しい動きで、ステップが安藤さんの新たな見せ場であることを印象づけるものだった。いつか安藤さんがステップでレベル4を取る日がくるかも知れない、そんなことを考えてしまった。


1時間半あればもっと多くの演技を見せることが可能なはずだけどゆるい編集のために放送されない選手がいたのは残念。真央ちゃんのSPと安藤さんのフリーを放送したのはいいとしても、この大会の放送のために慌ててフィギュアスケートについて勉強した様子がありありとわかるアナウンサー二人のスタジオトークは全く必要なかったはず。半日以上前に行われたショーなのに「準備ができたようです」とか「まもなく始まります」という前振りは白々しいのでやめて欲しい。選手が館内の放送で紹介されるのを待っている様子を長々と映し出す意味は理解できない。

多くの演技が見られて楽しい一時を過ごさせてもらえたのはありがたかった。今後の放送ではシンプルに選手の演技を楽しませるよう、さらに改善されることを望みたい。

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スケートアメリカ2006 アイスダンスFD ペアフリー

2006年10月30日

ペアとアイスダンスについても少し。


アイスダンスFD

渡辺心&木戸章之組

途中から見たのでTVをつけたらちょうどこの二人が演技を終えた後だった。というわけで演技の内容は見ていないのだけど、衣装のセンスが非常によかったのに驚いた。ODの時もそうだったのでデザイナーを変えたか、本人達の趣味が変わったかのどちらかだろう。最後のシーズン、品のいいコスチュームで悔いのないフィナーレを迎えて欲しい。


デンコワ&スタヴィスキー組

モーツァルトの「レクイエム」を基調にモダンなアレンジも加えた音楽による、白い衣装での天上的な雰囲気のプログラム。実に優雅で気品のあるダンスで世界チャンピオンの貫禄を示した。あまりに優雅で、これが果たして「レクイエム」の表現なのか、と思ってしまうようなところもないわけではないがやはりさすがの表現力だった。


ペアフリー

井上怜奈&ジョン・ボールドウィン組

ボールドウィンは相変わらずソロジャンプで失敗。スロートリプルアクセルは転倒。ミスもあったけど地力を発揮しSPの貯金もあり優勝。曲はプッチーニ・メドレーで中盤には「私のお父さん」が表れる。怜奈さんにとっては特別な思いがあるだろう。まだシーズン序盤ということもあり曲調に演技を合わせることが十分にはできていないようだったがこれからもっとよくなっていくだろう。


シュデク&シュデク組

音楽はショパン・メドレー。前奏曲イ長調 Op.28-7〜練習曲ハ短調 "革命" Op.10-12〜ノクターン第2番変ホ長調 Op.9-2と続いたが最後の曲がわからなかった。多分バラード第4番ヘ短調 Op.52のコーダではないかと思うが自信がない。

彼らも最後のシーズンだそうなので、母国の作曲家の名曲に乗せていい演技をしてフィナーレを飾って欲しい。ジャンプにミスがあったもののリフトなどに高い技術を発揮してフリー1位、総合では2位に輝いた。

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スケートアメリカ2006 女子シングル フリー

2006年10月29日

地上波放送にて観戦。真央ちゃんのまさかのミスの連発は残念だったけど、今回に関しては安藤さんの優勝はうれしかった。真央ちゃんやマイスナーさんも出ているこの大会でパーソナルベストを更新しての優勝は自信になると思う。


キーラ・コルピさん:オペラ座の怪人

ジャンプでミスが出たほか全体に少し体が重そうで動きに切れがなかった。SPではミスがありながらもなかなか印象的な演技を見せてくれたことを思うと残念な出来だった。でも少しずつ自分の表現のスタイルを築きつつあることは感じさせた。


ミラ・リョンさん:テラコッタ・ウォリアーズ

カナダのマナカナちゃんことミラ・リョンさんのプログラムはオリンピックでも滑ったもの。映画音楽からといいながら中盤に「私のお父さん」が出てくる理由は不明。元気が持ち味のミラさんだけどちょっと動きが重たかった感じ。得意の片手ビールマンスピンは健在だった。


ミシェル・カントゥさん:マイ・フェア・レディー

多分初めて見る選手。メキシコの選手自体見るのが初めてだと思う。プログラムにルッツがなく、フリップではダブルで転倒、とジャンプの技術にほかの選手と格段の差があるのは明らか。しかし演技の質としてはなかなかで、私の好みのタイプかも知れないと思った。特にステップなどはしっかりと曲に合わせて踊れていて好感が持てた。


ヴァレンティーナ・マルケイさん:アディオス・ノニーノ

こちらも初めて見る選手。やはりジャンプに見劣りがするがそれなりに雰囲気のある演技だったと思う。


浅田真央ちゃん:チャルダーシュ

冒頭のステップからのトリプルアクセルがシングルになったほかジャンプでミスを連発。スピンなどでもキャンベルカップの時の雑な感じが戻ってしまいまさかのロースコア。やはりあのアクセルの前のステップは無謀だし必要なかったように思う。昨日の荒川さんのコメントを聞いた時点でこういうことも起こり得るリスクのある選択だと感じたがその通りの展開になってしまった。

真央ちゃんの今シーズンの最大の目標が来年3月の世界選手権での優勝だとするなら、今は着実に実績を積み重ねてジャッジの心証をよくし、PCSやGOEでの加点が得やすい状況を作ることが大事なはず。しかし真央ちゃんは常に新しい挑戦をしていかないと気が済まない性質なのだろう。これまで圧倒的な天才ぶりを発揮してきた真央ちゃんだが、昨シーズンのジュニアの世界選手権がまさにそうだったように、守りの立場に立った時に適切なモティヴェーションをつかみ損なうと自滅してしまうという弱点が明らかになってきたと思う。

そうはいっても誰しも弱点はあるし、挫折も経験するもの。今回の結果をあまり過度に心配することもないだろう。


エミリー・ヒューズさん:シルヴィア

SPとは対照的にピンクと紫の中間のような色の衣装で登場。こういう華やかな色合いはこの選手の場合少し品がなく見えてしまうのでもう少し地味目の衣装の方がいいと思う。演技の中身はというとルッツとフリップでことごとくトウを突き損ねて空回りしてしまっていたので、靴に何かトラブルでもあったか、足の状態に問題でもあったのではないかと思う。いつもの元気のよさがややかげってしまったようだった。


キミー・マイスナーさん:ガリシア・フラメンコ

キャンベルカップで挑戦して失敗したトリプルアクセルを封印し、冒頭にトリプルルッツ–トリプルトウループのコンビネーションジャンプを成功させるなどほぼノーミスの演技で真央ちゃんを抜き2位に。昨シーズンの世界選手権の演技があまりにもジャンプだけ、という内容だったので何となく踊れない選手というイメージを持ってしまっていたが、今日の演技はなかなかよかったと思う。特に両腕や肩の動きなどに思いがけず色気を感じてしまうようなところもあり、決して表現力に欠けているわけではないことを見せてくれた。


安藤美姫さん:メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調

安藤さんのフリープログラムについては以前からメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲という情報を得ていたのだけど少し前にチャイコフスキーという情報が流れて一体どっちなんだと思っていた。やはり最初に聞いた通りメンデルスゾーンだった。

冒頭のトリプルルッツ–トリプルループのコンビネーションジャンプをクリーンに決めたほか、安藤さんらしく次々に華麗なジャンプを成功させて圧倒的な点数で優勝。スケートにかける意気込みを感じさせる素晴らしい演技だった。ステップで少しバランスを崩したのが唯一のミスといえるだろうか。しかし決して手拍子をもらいやすいような曲調でもなかったにもかかわらず後半になると客席から自然に拍手が湧き起こっていた。SPでもそうだったがそれだけ見る人に伝わってくる演技だからこそだろう。このモロゾフ振付けのステップは新生安藤美姫の象徴ともいえるかも知れない。

昨日のインタビューでフリーの方はまだ十分に滑り込めていないと語っていたように、曲調と演技を調和させる点などはまだこれからといったところだろう。しかしともかく競技を続けたいという強い気持ちをもって臨んだシーズン最初の試合で優勝という成果を得たことは素晴らしいと思う。キス&クライでカメラに映ったと気づいた時に浮かべた自然な笑顔がとても輝いていた。

気になるのは二つ目のジャンプにサルコウを配置していること。今シーズンは4回転は封印、と語っているけど、この位置にサルコウがあるということはことと次第によっては入れてくることも可能になっている。今は新生安藤美姫のスタイルを確立することが第一で、4回転に無理して挑戦する必要は全くないが、本人はやはりどこかに未練を感じているはず。このあたりは門奈コーチやモロゾフともよく話し合って、しっかりと意志統一して競技に臨んで欲しい。


浅田舞さん:白鳥の湖

新調した衣装が間に合ったようで白い衣装での白鳥の演技。フリップとトウループで転倒するなどジャンプにミスが出て会心の演技とはいかなかった。持ち味の美しさは出せていたと思う。もう少し実績を積めば点数も出やすくなると思う。


地上波でスケートアメリカを見る人の多くはコアなファンではなく、昨日のSPを見ていなかった人も多かったことだろうから、安藤さんと真央ちゃんのSPの演技を放送したのは悪くないと思う。ただ、演技を放送する人の選択には少し疑問を感じる。サラ・マイヤーさんはオリンピックで入賞し、この大会でも4位の好成績だった。特に私はこの人の演技を楽しみにしていたのでカットされてしまったのは残念だった。


それはともかく今大会は男女シングルで日本選手が優勝し、大いに盛り上がった。特に安藤さんは昨シーズンの苦しくつらい経験をずっと見てきたので素晴らしい再スタートを切ることができたのは自分のことのようにうれしい。心からおめでとうといって上げたい。

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スケートアメリカ2006 ペアSP アイスダンスOD

2006年10月29日

ペアとアイスダンスについても少しだけ。


ペア

井上怜奈&ジョン・ボールドウィン組

サイドバイサイドのソロジャンプでは珍しく怜奈さんの方が失敗。スロートリプルアクセルは手をつきながらも一応成功。今大会参加ペアの中では群を抜く実力を発揮して堂々の1位スタート。


ナオミ・ナリ・ナム&テミストクレス・レフテリス組(読み方あってる?)

生き生きとしたいい演技。スロージャンプはリフトなどには安定感がある。ペアを組んで間もないそうだけどこれからが期待できそう。


ティファニー・ヴァイス&デレク・トレント組

サイドバイサイドのソロジャンプで何でこんなに入り方がバラバラなんだろう、と思っていたら二人の回転が逆の珍しいペア。ソロスピンでの同調は見ていて合っているのかいないのかがわかりにくい。ペアスピンでは女性にとって不得意な向きの回転になるのでその点でも難しさがあると思う。こういうのは初めて見た気がする。


アイスダンス

シャンタル・ルフェブヴル&アルセニ・マルコフ組(読み方これでいいの?)

初めて見るカップルだけど男性のマルコフの雰囲気が少しロバチェワ&アベルブフのアベルブフに似ていると思った。独特のムードがあって印象に残った。


アルベナ・デンコワ&マクシム・スタヴィスキー組

さすがに世界チャンピオンの貫禄。特にリフトの難易度はほかのカップルとは格段の差があることが素人目にも明らか。雰囲気も余裕があって優雅さが際立っていた。


渡辺心&木戸章之組

この二人にしては珍しく(?)シックな衣装での演技。普段からこうならいいのに、と思ってしまう。衣装のせいもあってかいつもより優雅な演技だったように思った。

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スケートアメリカ2006 女子シングル SP

2006年10月29日

たっぷりと時間をとって8人の演技を見せてくれたのは女子のファンとしてはうれしい。ただ男子フリーがわずか3人だったことを考えると少しバランスを欠いているような気もする。


サラ・マイヤーさん:アランフェス協奏曲

アランフェスといいながら有名な第2楽章ではなかったのが意外で印象的。細身の美人で私好みの選手なので放送してくれたのはうれしかった。しなやかな身のこなしで情感ある演技を見せてくれた。ダブルアクセルなどは少し危ない感じもしたけど大きなミスはなく、本人も満足そうだった。


浅田舞さん:Oblivion〜Libertango

舞さんらしい優雅な演技。特にスパイラルの美しさは世界でもトップクラスに近づきつつあるのではないか、という気がした。ジャンプにミスが出たのは残念。でも観衆を魅了して舞さんの名前を覚えてもらうことには成功したと思う。もう少し実績を積めば点数も上がってくるはず。


キミー・マイスナーさん:スノーストーム

キャンベルカップに引き続きジャンプでミス。シーズン序盤で調子をつかむのに苦労している感じ。でも白い衣装でさわやかな印象を残してくれた。この選手もジャンプだけではないところを見せていくことが今後課題になるのだろう。


エミリー・ヒューズさん:カルメン

キミーとは対照的に黒い衣装でのカルメン。シックな印象を与えてこの選手には少し欠けている気品を演出するのに効果のある衣装だと思った。やはりジャンプにミスが出たのは残念。最後のシットスピンではキャンベルカップで見せたフリープログラムと同じく上体をひねった変わった姿勢を見せてくれた。


キーラ・コルピさん:Legend of Mexico

前の二人と異なり派手な赤い衣装。でもあまりどぎつい感じはしなくていい色だと思った。昨シーズン見た時よりも魅せ方がうまくなっているという印象を受けた。北欧の美人選手としてすでに高い知名度を誇っているが、独特のムードが出せるようになってきており、これからさらに人気が出そうな気がする。ジャンプにミスはあったけどなかなかいい演技だったと思う。


安藤美姫さん:シェエラザード

キャンベルカップでは封印したトリプルルッツ–トリプルループのコンビネーションジャンプを見事に成功させる。ステップはキャンベルカップの時にくらべると少し切れが甘いような気がしたけど、観衆からは大きな拍手をもらっていた。スケートにかける気持ちが見ていて伝わってくる演技だったからこそだと思う。インタビューではフリーはまだよく滑り込めていないとも語っていたけどこの調子でフリーでもいい演技を見せて欲しい。


ケイティ・テイラーさん:Shall we dance?

いかにもアメリカの女の子らしい元気のいい演技。フィギュアスケートというよりチアリーディングを見ているような気にさせられた。ケヴィンや南里選手の演技を削ってまでこの人を見せる必要があったかは少し疑問ではあるけれど、見ていて楽しい気分にさせてくれる演技だったと思う。


浅田真央ちゃん:ショパン ノクターン

注目された真央ちゃんのノクターン。本人は大人の演技を目指しているようだけど、私には昨シーズンの「くるみ割り人形」と同じ趣向のプログラムに見えた。まだまだかわいらしさの方が目立っている気がする。キャンベルカップでは全体にやや雑なところも目立ったけど、さすがに真剣勝負となるとそれなりの出来に仕上げてくるところはさすが。難しいことをいとも簡単そうにやってみせる真央ちゃんらしさがよく出ていた。ルッツの入り方などは相当難しいはずなのだけど苦もなく決めてみせた。スタジオの荒川さんがフリーでは難しい入り方のトリプルアクセルが見所、と解説していたけど、キャンベルカップで失敗したあの跳び方に真剣勝負の場でも挑戦するつもりなのだろうか。本当に計り知れない挑戦意欲の持ち主だと感嘆してしまう。

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スケートアメリカ2006 男子シングル フリー

2006年10月28日

地上波放送にて観戦。織田選手優勝の情報はすでに得ていたので見ていて緊張感はなかったけどどんな演技だったのか、キス&クライではまたご乱心遊ばされていたのかが楽しみだった。


織田信成選手:チャイコフスキー 交響曲第4番

演技開始前には自然な笑顔が見られて適度な緊張感のあるいい心理状態で臨めていることが感じられた。冒頭のトリプルアクセルからのコンビネーションジャンプは完璧だった。二度目のトリプルアクセルで着氷に失敗したのとステップで少しバランスを崩しそうになったほかはミスのない高度な内容の演技だった。これまで彼が演じてきたプログラムとはかなり違った曲を選んできたが特に苦にすることもなく曲調に合わせた表現ができているように思った。

キス&クライではまだ後に演技する選手が残っているせいか落ち着いた様子。順位が確定した後でもあまり取り乱した様子は見られなかった。このあたりはやはり彼も大人になったということだろうか。


アルバン・プレオベール選手:映画「マスク」その他

観客を演技に引き込むのがうまい、いかにもフランス選手らしいエンタテイナーという印象。振付けも非常にユニークで少しあのキャンデローロを彷彿とさせる。トリプルアクセルの安定感もなかなかで、むしろ上位二人より優れているのではないか。とてもいい演技だった中でサルコウでの転倒はもったいなかった。際立った個性のある選手なのでこれからが要注目だ。


エヴァン・ライザチェク選手:カルメン

相変わらずフリーには強い。二度のトリプルアクセルを含めてほぼノーミスの演技でフリーでは1位だった。このカルメンは実にいいプログラムでそれも助けになっているのだろう。ただオリンピックの翌シーズンであることを考えれば何か新しい挑戦をして欲しいところだ。


しかし放送されたのが上位3人のみとは少し寂しい。もう一人の日本選手、南里康晴選手まで省略されてしまった。女子SPの一部はダイジェストでよかったのでは、という気もする。

それはともかく織田選手の安定感は素晴らしかった。これからのさらなる活躍が期待できそうだ。日本の男子のレベルも確実に上昇しつつあることを感じさせられる。

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スケートアメリカ2006 男子シングルSP

2006年10月28日

BS朝日で放送されたものを見た。おそらく地上波のものを編集し直すことなくそのまま流したのではないかと思う。


ケヴィン・ファン・デル・ペレン選手:アルビノーニのアダージョ

最後のスピンで少しバランスを崩したほかは目立ったミスのないいい演技だった。特にサーキュラーステップなどは丁寧かつ滑らかでよかったと思う。


南里康晴選手:二つのギター

ジャンプでミスが相次ぎ点数は伸びず。でも全体的には生き生きした感じも出せていたと思う。


エヴァン・ライザチェク選手:パッション〜最後の誘惑

演技を始める前から少し表情が冴えなかったような気がした。ジャンプでミスが出てSP3位のスタートに。前半に3つのジャンプを集めるプログラム構成には少し疑問。ストレートラインステップの直後にサーキュラーステップがくるというのはやはりバランスがよくないと思う。


織田信成選手:Fly me to the moon

本人はインタビューですごく緊張した、と語っていたけどうまく曲に乗って彼らしい持ち味を出せていたと思う。トリプルアクセルは空中で少し軸がゆがんだように見えたけど高さがあり余裕をもって降りていた。全体に動きの切れがよく、シーズンに合わせてうまく調整ができていることを感じさせる内容だった。点数は何と男子シングルSPの歴代2位の高得点。


クリストファー・メイビー選手:BLUES DE LUX

大きなミスもなく全体にさわやかな印象の演技でなかなかよかったと思う。曲はインストナンバーにアレンジされていたが原曲はおそらくジェフ・ベック・グループのアルバム「truth」収録のものではないかと思う。


1時間で終わってしまったので残りの時間はどうするのかと思ったらコンパルソリーダンスが放送された。グランプリシリーズのコンパルソリーダンスがBSとはいえTVで放送されるとは時代が変わったものだと驚いてしまう。ただやはり男子SPを全員ノーカットにして、こちらはダイジェストでもよかったのではないだろうか。

長年フィギュアスケートを見てきても未だにアイスダンスの見方はよくわからないのだけど、やはり1位になったデンコワ&スタヴィスキーは群を抜いて素晴らしかったと思う。ステップの細やかさ、体の密着のさせ方などに世界チャンピオンの貫禄を見た気がする。

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手紙を書いたら…

2006年10月27日

一周忌に合わせて美奈子さんに手紙を書きたいと思って下書きをしていた。苦心したけどどうにかほぼ完成して後は便箋に書いて投函するだけ、というところまでこぎつけることができた。来月6日のイベントには行かない、というより行けないことになってしまったのでこの手紙を以て私の追悼の意志表示ということにさせていただこうと思う。


それはいいのだけど何だか気分的に激しく落ち込んでしまった。シニアのグランプリシリーズが始まるまでにはジャンプの見分け方の記事を完成させたかったし、織田選手のフリープログラムの使用曲についての解説も書きたいと思っていたのだけど後回しになってしまった。よそ様のサイトにも訪問してコメントしたいと思っていることが何件かあるのだけどそれももう少し先のことになってしまいそう。ここはフィギュアスケートブログというわけではなくてそもそもは本田美奈子ブログなのでどうかご容赦を。

グランプリシリーズを見ての感想はなるべくタイムリーにアップさせたい。

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岩崎宏美さん カヴァーアルバム第3弾「Dear Friends III」

2006年10月21日

岩崎宏美さんによるカヴァーアルバムの第3弾「Dear Friends III」を聴いた。宏美さんといえば日本を代表する実力派歌手でありよく知っているつもりでいたのだけど、あらためて考えてみると宏美さんの歌をじっくりと聴いたという経験は今まであまりなかったことに気づかされた。私が物心ついた頃にはすでにアイドルという存在ではなく、あまりに大人びた女性という印象を受けてしまっていたために強い思い入れを持って聴く対象としては認知できなかったのかも知れない。

最近になって急速に宏美さんを身近な存在のように意識し始めたのは亡くなった本田美奈子さんが姉のように慕っていた人だということを知ったからだった。私はミュージカルというものに関心がなくて、不明にもこの二人が公私ともに親しく互いに認め合い尊敬する仲だということを逝去後の報道を見るまで知らなかったのだ。


宏美さんについては漠然と常に日本の音楽界の最前線に立っていたように思ってしまっていたのだけど、実際には多くの波風にもまれてもきたようだ。プライヴェートでは結婚・出産・離婚を経験し、それに伴い仕事上でも改名・休業・元の名前での復帰と数度に亙る転機を迎えたほか、喉を傷めて歌えなくなった時期もあったという。そうした浮き沈みの中でも歌への情熱は変わることがなかったのだろう。先月放送された『あなたが主役 音楽のある街で』に出演した際には「いろいろな経験をした今になって歌に情感を込めて歌えるようになってきた」という趣旨のことを語っていた。


「Dear Friends III」 収録曲一覧

  1. 「Sincerely/Teach Me Tonight」 with バリー・マニロウ (The McGuire Sisters 1955年)
  2. 「今年の冬」 (槇原敬之 1994年)
  3. 「どうぞこのまま」 (丸山圭子 1977年)
  4. 「元気を出して」 (薬師丸ひろ子 1984年/竹内まりや 1987年)
  5. 「言葉にできない」 (オフコース 1982年)
  6. 「愛の賛歌」 with 大江千里(ピアノ) (越路吹雪 1949年)
  7. 「砂に消えた涙」 (弘田三枝子 1965年)
  8. 「卒業写真」 with 岩崎良美 (荒井由実 1975年)
  9. 「青春の影」 (チューリップ 1974年)
  10. 「In My Life」 with スターダスト・レビュー (THE BEATLES 1965年)
  11. 「雪の華」 (中島美嘉 2003年)
  12. 「つばさ」 (本田美奈子. 1994年)

この「Dear Friends III」では時期もジャンルも大きく異なる12曲をカヴァーしている。オリジナルの創唱者の顔ぶれも多彩なら、妹の良美さんをはじめとする共演者も実に豪華である。ライナーノートには宏美さん自身による各曲へのコメントが記載されていて興味深い。私が今の宏美さんの歌への取り組み方をよく表していると思ったのは「どうぞこのまま」に記された「今になっても、いえむしろ今こそ力まないで歌う事は、大切な私の課題です」という言葉だった。全曲を通じて感じるのはまさにこの言葉通り余計な力の抜けた自然な歌唱が聴く者の耳に優しく飛び込んでくるということである。歌い回しの中に"語り"の要素が垣間見られるのも特徴的で、こうした点はおそらくかつての宏美さんの歌にはなかったものなのではないだろうか。

以前からのファンの中には全盛期に比べると声が出ていなくなっていることを惜しむ見方もあるようだ。キーの設定がかなり低めにされているのも美しい高音がかつての伸びやかさを失っていることの表れなのだろう。しかし聴いていて感じるのはこうした表現はいろいろなことを経験した今の宏美さんだからこそ出せる味わいではないか、ということだ。私も宏美さんというと美しく伸びやかな高音の印象が強かったため、低めのキー設定ゆえに随所で思いがけず豊かで厚みのある低音を聴くことができるのは意外な発見だった。やや低めの音域で語りかけるように歌う宏美さんの歌からは豊かな人生経験から生み出された優しさ、温かさを感じることができるように思う。


岩崎宏美さんの「つばさ」:アルバムヴァージョン

このアルバムのフィナーレを飾るのは美奈子さんの代表曲「つばさ」である。公式サイトにはこの曲がファン・リクエストの圧倒的1位となったと記載されている。美奈子さんのファンサイトには宏美さんに「つばさ」を歌い継いで欲しい、という声が数多く寄せられていたので、このファン・リクエストには宏美さんのファンのみならず美奈子さんのファンからの票も多かったに違いない。

アルバムの発売前に先月放送の『あなたが主役 音楽のある街で』に出演してオーケストラ(指揮はあの炎のコバケンさん!)の伴奏で歌ったヴァージョンを聴く機会があった。その際には全体にしっとりとした歌い回しでやさしく語りかけるような歌を披露してくれていた。オーケストラのアレンジもコバケンさんの指揮もあまり宏美さんを煽り立てるようなところがなく、静かに美奈子さんを偲ぶ宏美さんにやさしく寄り添うような伴奏だった。それに比べるとアルバムヴァージョンはアレンジも宏美さんの歌唱もややオリジナルに近いダイナミックなものになっている。それでも「力まないで歌うこと」はここでも貫かれている。

美奈子さんの「つばさ」は若い頃の録音であることもあり力強さを感じさせる熱唱で、自由へのあこがれや歌う喜びを高らかに歌い上げている。しかしここに聴く宏美さんの歌唱は少しの悲しみをたたえながら静かな足取りで歩いて行くような趣きで聴かせるものとなっている。歌い出しはやはり語りかけるような調子で、声の表情が多彩なことも印象的。サビの部分も力まかせにならず、力強く前向きな歌詞とメロディーであるにもかかわらず少し愁いを帯びた調子も聴きとることができる。そう思って聴くせいかも知れないけど、ダイナミックなアレンジになっているはずの伴奏でも端々に悲しみを帯びた調子が聴こえてきてはっとさせられる。特に和久井仁さんのオーボエの音色と歌い回しに強くそれを感じる。


オリジナルの美奈子さんの歌唱では後半最後の大サビに入る前のロングトーンが大きな特徴となっている。宏美さんがこの歌をカヴァーすると発表された時からこの部分をどうするのかが注目されていた。

少し口はばったい言い方になってしまうけど、もし私が宏美さんにアドバイスできる立場にいたとしたら、ここは二小節程度伸ばすだけで切り上げてしまい、ロングトーンの不在を感じなくてすむようなアレンジにするように進言していたと思う。オリジナルに近い形で歌えばどこまで伸ばせるかに注目が集まってしまうのは必至だからだ。宏美さんほどのキャリアの持ち主ならわざわざ相手の土俵で勝負を挑む必要はなく、オリジナルとは違ったアレンジで独自の味わいを聴かせる歌にしてしまっても許されたはずだ。どちらが長いかストップウォッチで計りながら聴くのはあまりにも悲しいし、そうした受容のされ方を避けるためにはその方がいいと思ったのだ。

最も声の出ていた全盛期なら本気で勝負を挑んでいたかも知れない、という見方もあったようだけど、宏美さんが選んだのは美奈子さんには敵わないことを承知の上でできるところまで近づけよう、というものだった。NHKのラジオ『昼の散歩道』に出演した際には「途中十小節以上伸ばすところがあるんですが、さすがに私にはできないので、歌えるところまで歌わせてもらってます。きっと美奈子も許してくれると思う」といった趣旨のことを語っていたという。実力派歌手としてのプライドにはこだわらず"及ばずながらもせめて近づきたい"という謙虚な姿勢で取り組んだのは美奈子さんへの心からの敬意の表れなのだろう。あらためて二人の強い絆を感じさせられる。


ほかの曲についても一つ一つコメントしておきたいところなのだけどアップできるまでにさらに時間がかかり、きりがなく長くなりそうなのでとりあえずここで締めておくことにしたい。

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川嶋勝重が引退を撤回

2006年10月20日

9月18日のクリスチャン・ミハレスとの暫定王座決定戦で敗れ引退を表明していた川嶋勝重引退を撤回し、ミハレスとの再戦を目指すことになった。

王座決定戦では判定で敗れたもののどうにも埋めることのできないような差ではなかったので、戦う意欲を失っていないのならぜひ挑戦するべきだ。気持ちだけのボクシングでは限界が見えているのであのパンチ力をいかすだけの技術を身につけて再度世界を目指して欲しい。

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御礼 1万アクセス達成!!

2006年10月17日

本日当ブログは1万アクセスを達成致しました。これも皆様の日頃のご愛顧のお蔭と深く感謝しております。本当にありがとうございます。

実は9999番目が自分自身で、危うく自分でキリ番を踏んでしまうところでした。キリ番踏まれた方、おめでとうございます。特にプレゼントなどは用意していませんが、私の心からの愛を贈ります(笑)。


どうぞこれからもよろしくお願いします。

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キャンベルカップ 地上波放送を見て

2006年10月17日

キャンベルカップの地上波放送、男女シングルについては全選手を放送してくれてまずは一安心。荒川さんの成功物語にいらいらさせられるようなこともなく、懸念材料が全て杞憂に終わったのはありがたいことだった。

シーズンはじめのこの時期の開催ということで各選手の今シーズンのプログラムのお披露目ということでも注目されるこの大会。すでに完成度の高い演技を見せてくれた選手もいれば昨シーズンのプログラムで臨んだ選手もいて様々だった。


ジョニー・ウィアー選手:チェスの王様

ほぼノーミスの内容でそつなくまとめてきたという感じ。高い点は出ていたものの彼本来の魅力の感じられない、私としては少し不満の残るプログラムだった。トリプルアクセルは高さも幅もあり見事。ステップも滑らかに足を運べていてなかなかよかったと思う。


中庭健介選手:アランフェス協奏曲

この曲は日本男子では本田さんが素晴らしい演技を見せてくれたもので、見る人にはその印象が強く残っているのでこれを滑るのは少し損な気がする。ジャンプの調子が悪くて見せ場を作れていなかった。スピンでバランスを崩してしまったのも残念。ただ四回転に挑戦する選手が少なくなってしまっている中で強いこだわりを持って取り組んでいるのは頼もしいところ。


高橋大輔選手:オペラ座の怪人

彼に合ったいい音楽だと思うのだけど、曲の編集の仕方が悪く全体にやや単調で冗長な感じがしてしまうように思った。もう少し緩急のメリハリをつけたドラマティックな構成にした方が彼のよさが生きるのではないかと思う。靴を新調した影響か、先週のアイスショー出演の疲れもあるのかジャンプでミスを連発。ただ全体の動きはそれほど悪くはなかったと思う。ステップはやはり華麗で見映えがする。


スコット・スミス選手:ロミオとジュリエット

多分初めて見た選手だと思う。典型的なアメリカの好青年といった印象を受ける。演技はやや情感に欠ける感じがするが、ジャンプの技術には手堅いものがあるように思った。四回転サルコウはすっぽ抜けてしまったがほかに目立ったミスはなく、さわやかな印象の演技。


織田信成選手:チャイコフスキー 交響曲第4番

最初に織田選手がこの曲を滑ると聴いた時は今までの彼のイメージと懸け離れているように感じ、少し難し過ぎるテーマを選んでしまったのではないか、と思ったのだけど実際見てみるとそれほど違和感はなかった。寧ろこの時期にしては非常に高い完成度で、男子の中では最もいい演技だったと思う。好きな音楽なので気分よく見ていられたというせいもあるとは思うけれど。もう少しこれまでの彼のコミカルな雰囲気をそのまま活かせるようなプログラムでもよかった気がするのだけど、本人はもっと大人の雰囲気の表現を身につけていきたいという意志が強いのかも知れない。


エヴァン・ライザチェク選手:カルメン

昨シーズンのプログラムをもう一度見せてくれた。滑り慣れているだけあってよくこなれた演技。あらためてこのプログラムは曲のつなぎ方がうまくできていると思う。高橋選手もこうしたプログラムならいいのに、と思ってしまう。長身をいかしたダイナミックな演技だけど、今の時期に古いプログラムを滑っているというのは今シーズンの準備はどうなっているのかと少し心配にもなる。


浅田舞さん:白鳥の湖

黒いコスチュームなので黒鳥オディールを演じているのだと思う。黒鳥といえば今シーズンの太田由希奈さんのショートプログラムと重複してしまっている。曲がかぶった場合というのはどうしても力の劣った選手に不利に働いてしまうのではないかと思うが、現状では由希奈さんの方がそのことを心配しなければならない立場にあるのだろうか。由希奈さんのファンとしては少し気がかり。(追記参照)

これまでより氷に立った姿が大きく見えるように感じるのは実力のついてきた証拠だと思う。すらりとした長い手足をいかした優美な演技は真央ちゃんとは違った魅力。芸能活動は引退してスケートに専念するとのことで、今シーズンの飛躍が期待される。


エミリー・ヒューズさん:シルヴィア

元気で力強い演技が印象的。ジャンプの軸が空中で崩れてしまっても力で踏みとどまってしまうのはこの選手の個性の一つといえるだろうか。昨シーズンに比べるとしなやかさも増してきているように思った。体をひねった少し変わった姿勢でのシットスピンも印象に残った。実況のアナウンサーは姉とよく似ていると強調していたけど私はサラさんとは少し持ち味が違うように思う。


安藤美姫さん:シェエラザード

昨シーズンの苦しそうな姿を見てきただけに彼女が楽しそうに滑っているのを見るとうれしくなってしまう。よく滑り込めているようで完成度の高い演技だったと思う。女子では一番よかったのではないか。ステップの部分はテンポが速く激しい曲調の音楽だが音に負けずによく動いて踊れていたと思う。


サーシャ・コーエンさん:黒い瞳

こちらはすでに見慣れた「黒い瞳」。相変わらずの柔軟性をいかした優美な演技で魅せてくれた。ただフリップがパンクしてしまったほかスピンもいつもよりスピードがなかった気がする。グランプリシリーズ欠場がすでに決まっているが、今シーズンの試合出場がどうなるのか気になるところ。新しいプログラムは準備しているのだろうか。


浅田真央ちゃん:チャルダーシュ

曲はロマ(いわゆるジプシー)の伝統音楽に根ざしたモンティの作品。意図して選んだのかはわからないが、昨シーズンの「カルメン」でロマの女性を演じた経験をいかせるプログラムだと思う。子供から大人へと成長しつつある難しい年頃にある今の真央ちゃんには助けになっているのではないだろうか。表現のスタイルとしてはまだあどけない少女が大人の女性の妖艶さを演じようと努力している姿がいじらしくかわいらしい、といったところで、今の真央ちゃんにはベストな選択ではないかと思う。サーキュラーステップは曲が加速していく部分で、こうしたところをもっと曲に合わせられるようになればさらにいいプログラムになっていくと思う。

冒頭のトリプルアクセルの失敗は右足でステップを踏んでから踏み切る難しい入り方に挑戦したため。彼女はモティヴェーションを保つためには常に新たな挑戦を必要とするタイプなのだろう。真剣勝負に臨む前にこうした大会で新しい技を試すのはいいことだと思う。


キミー・マイスナー選手:ガリシア・フラメンコ

彼女もトリプルアクセルに挑んできた。練習では成功していたらしいが本番ではあえなく失敗。つられるようにジャンプでミスが続出。ただ全体としてはそれほど悪い動きではなく、優勝した昨シーズンの世界選手権の時よりもむしろよく踊れていたのではないかと思う。


スタジオではゲストとして荒川静香さんが出演。落ち着いたそつのない受け答えはゲストコメンテイターというよりももう一人のキャスター、といった感じ。堂々とした態度はさすがに金メダリスト、と思わせるのだけど完璧過ぎる荒川さんには少し寂しさも感じてしまう。もう少し初々しい感じがあった方が素敵でかわいらしい気がするのだけど。

音楽情報:浅田真央ちゃん使用曲「チャルダーシュ」について

追記:10月18日

浅田姉妹の公式サイトによると舞さんのフリープログラムは「白鳥の湖」に変更された。(もっささんに教えていただいた。)

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ジャンプの見分け方 フリップ

2006年10月15日

ジャンプの見分け方、今回はフリップを取り上げることにする。いつもの通り反時計回りの回転をする選手の場合について説明する。時計回りの回転をする選手の場合は全て右と左が逆になることを念頭に置いて読んでいただきたい。


フリップは左足のインサイドで後ろ向きに滑りながら右足のトウを突いて踏み切るジャンプである。前回説明したルッツとは左足のエッジがインかアウトかの違いしかない。ルッツは助走の描く曲線がジャンプの回転とは逆のカーブになるために難しいとされているのだが、フリップは左足のエッジがインであるため助走のカーブはジャンプの回転と同じ向きになり、ルッツより易しいとされている。ただ両足の前後の関係はルッツと同じであるため、ルッツに次いで難度の高いジャンプである。

ルッツと最も大きく異なるのは助走にターンを組み込むことができる点である。ルッツの場合は後ろ向きのままでの長い助走を必要とするが、フリップは直前にジャンプの回転と同じ向きのターンをするとちょうど左足のインサイドのエッジに乗ることができるので、多くの場合ターンをしながらその回転の慣性を利用してジャンプに移るのが普通である。したがってルッツとは異なり、前後の振り付けの動きを途切れさせることなくプログラムに組み込むことができるのがこのジャンプの特徴である。


6種類のジャンプの中で最も見た目に美しいのは何か、というのは主観的要素に依存するので一概に規定することはできないが、私の好みとしてはこのフリップが最も見映えのするジャンプではないかと思っている。両足の前後の関係からトウループやサルコウよりも実質的な回転数が多くダイナミックな印象を受けること、ルッツと異なりジャンプ以外の踊りの部分と自然につなぐことができる点などがその理由である。

時々エキシビションでルッツに挑戦して失敗する選手を見かけるのだけど、個人的にはそんな訳でルッツよりもフリップを跳んで欲しいと思っている。真っ直ぐな助走でルッツを跳ぶよりも、ステップやターンを織り交ぜながらフリップを跳んだ方が見た目にはずっと美しく見えるからだ。もちろん、こうしたことは全くの好みの問題ではあるけれど。


見分ける際のポイントはまずは右足でトウを突いて踏み切ること。そしてもう一つは同じく右足のトウを突くルッツとは助走路の描く曲線の向きが逆になることである。ルッツは後ろ向きの長い助走を必要とし、ステップを踏むことはあってもターンが入ることはないのに対し、フリップの場合はほとんど必ずジャンプの回転と同じ向きのターンをしながら踏み切るのでそこで区別ができる。

踏み切りの際トウを突くことと振り付けの流れの中でそのままジャンプに移行する点が共通することからトウループとの区別が難しいと感じる人も多いようだ。しかしフリップはトウループとは逆の足のトウを突くので注意して見ていれば区別は可能である。またトウループよりも実質的な回転数がやや多いのでよりダイナミックに見えるのも特徴である。

まとめ:フリップの見分け方

  1. 左足のインサイドで後ろ向きに滑りながら右足のトウを突いて踏み切る。
  2. ルッツ、トウループとともに3種類のトウジャンプの一種。
  3. ルッツとは異なり直前にほとんど必ずターンが入る。
  4. トウループとはトウを突く足が逆になる。
Figure skating_Jumps_Demonstration by Yukina Ota - YouTube
太田由希奈さんによる模範演技

目次

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片岡篤史 涙の引退試合

2006年10月13日

秋風の吹き始めるこの季節になると優勝争いの華やかさとは対照的な寂しいニュースも伝わってくるようになる。12日阪神タイガースの片岡篤史現役最後の試合に臨んだ


今からもう19年も前のこと、PL学園は87年の甲子園で春夏連覇を成し遂げた。その時のチームには後にプロ野球でも活躍する橋本(ジャイアンツなど)、野村(ホエールズ(現ベイスターズ))、立浪(ドラゴンズ)など才能溢れる選手を多数擁していた。とりわけ目を引いたのは3番・ショートの立浪で、打撃・守備ともに抜群のセンスで高校野球ファンをうならせていた。

そしてこのチームで4番を打っていたのが片岡だった。実をいうと私はこのチームに関しては立浪の印象が強過ぎて、彼のことはあまりよく覚えていなかった。ただあの立浪を差し置いて4番を打っているのだからよほど力のあるバッターなのだろうとは思っていた。

同志社大に進学し他のチームメイトからは4年遅れてプロ入りした時には「あの時の4番、やはりプロにやってきたか」と思ったものだった。その後のファイターズでの活躍は今さら説明するまでもないだろう。やはりあのチームで4番を任されていた実力は伊達ではなかった。


その彼が大きな転機を迎えたのはFAの権利を取得した時だった。彼は長年世話になったファイターズへの愛着と、生まれ育った大阪のチームからのラヴコールとの間で悩み抜いた末、タイガースへの移籍を決断したのだった。

FA制度が確立して以来、選手の多くはより良い待遇を求めてドライにチームを渡り歩くようになっていった中、結論を下すまでに極めてウェットな過程を経過した彼の移籍は異色のものだった。このような移籍は後にも先にも片岡しかいないと思う。「名は体を表す」の言葉通り、人情に篤い性格の持ち主であることを窺わせるエピソードである。


惜しまれるのはタイガースに移籍してからは思うような活躍ができなかったことである。上に引用した記事によると泣きながら球場を後にしたこともあるという。移籍による環境の変化が原因なのか、技術・体力の衰えがたまたま移籍の時期と重なったのかはわからないが、移籍というものの難しさを感じさせられる。

しかし成績が期待された程ふるわなくても同僚からもファンからも慕われたのはやはり人情に篤い人柄ゆえだろう。私は昨日はニュースを見ていなくて映像を見損なってしまったのだけど、試合後の胴上げには相手ドラゴンズからPL学園の同級生立浪や後輩の福留も加わったそうだ。引退試合の対戦相手が立浪の所属するドラゴンズとなったのは偶然の産物だろうが、長年努力を重ねた彼への天からの贈り物だと思いたい。


甲子園の試合で彼が打席に立つ時に流れるテーマ曲はサザンオールスターズの「Bye Bye My Love」だった。この歌が流行ったのは確か85年、本田美奈子さんがデビューした年だった。これを聴く度に彼も私と同世代なんだな、という感慨を抱かされていた。高校時代の活躍の姿を知っている選手の引退というのは時の流れを感じさせられる出来事である。

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オシムJAPAN インドに3ー0で勝利

2006年10月11日

アジアカップ予選、インドでのアウェイの試合は3ー0の勝利。パ・リーグのプレーオフを見ていたので途中からの観戦になった。という訳で播戸がどうして包帯を巻いているのかわからない。停電などのトラブルがなければいいが、と見守っていたら予想通り(?)前半の終了間際停電で照明灯が一部落ちて試合が中断。しかし4分弱の中断で済んだのは幸いというべきか。後半にも照明が落ちたほか犬がピッチ内に乱入するハプニングも。それもこれも「ノー・プロブレム」で済ませてしまうのがインド的知性のあり方なのだろうか。


播戸は代表2試合目にして初先発、初ゴールに続き2点目を叩き出す大活躍。彼がこれまで代表に招集すらされていなかったというのは意外だが、Jリーグで努力を続けてきた甲斐があったというもの。ひたむきにゴールに迫るプレーは見ていて気持ちがよかった。

中村憲豪は味方や観衆をも欺くようなトリッキーなプレーは見られないシンプルなスタイルだが、要所で的確に相手ディフェンスの少ない場所にパスを供給していて好感が持てる。後半の目の覚めるようなロングシュートは実に見事だった。


前半終了直前に負傷した水本に代わって後半開始から長谷部が投入されたのでてっきり4バックにするのかと思っていたら鈴木をディフェンダーの位置に下げたのには驚かされた。阿部今野、鈴木と本来はボランチの選手を3人最終ラインで起用するというのは思ってもみなかった布陣だった。このあたりはオシムの好みなのだろうか。ただやはり今野か鈴木のどちらかはボランチの位置で起用して欲しかった。中盤での守備が薄くなって相手にペースを握られる場面が多くなったように思う。

3点を取って勝ったとはいえ、欲をいえばもう少し日本のゴールラッシュが見たかった。特に後半はペースがつかめずに間延びした試合展開になってしまった。その中でも播戸、中村とフレッシュな顔ぶれに代表初ゴールが生まれたのは収穫といえるだろう。このチームの今後の更なる成長に期待したい。

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スコットランド民謡と日本人の音楽的感性

2006年10月11日

先日の台風が過ぎ去ってから関東地方では抜けるような晴天が続いている。こんな秋の空を眺めていて思い浮かぶ歌というとやはり「故郷の空」だろう。

…という書き出しではじめるつもりでこの記事を準備していたら今日は一日中曇り空だった。まあ何事によらず人生とはこういうものだろう。思わず「冬のリヴィエラ」の2番の歌詞を思い浮かべてしまったが、気を取り直して続けることにしよう。

故郷の空

夕空晴れて秋風吹き
月影落ちて鈴虫鳴く
思えば遠し故郷の空
ああわが父母いかにおわす

大和田建樹による日本語詞が郷愁を誘い、しみじみとした感慨にとらわれてしまう。もうはるか昔のことになってしまったがNHKの朝ドラ『はね駒』で斉藤由貴さん演じるヒロインのおりんがこの歌をテーマソングのように何かにつけて歌っていたのを懐かしく思い出す。多分年末に放送された総集編を見ていたのだと思うが、少年だった私の心に強く印象づけられた歌だった。


明治以来日本人にすっかりなじみ深い歌となった「故郷の空」だが、原曲はよく知られているようにスコットランド民謡の「Comin' thro' the rye」である。

Comin' thro' the rye

Gin a body meet a body comin' thro' the rye;
Gin a body kiss a bidy, need a body cry?
Ilka lassie has her laddie, nane, they say ha'e I;
Yet a' the lads, they smile at me when comin' thro' the rye.

Gin a body meet a body comin' frae the town;
Gin a body greet a body, need a body frown?
Ilka lassie has her laddie, nane, they say ha'e I;
Yet a' the lads, they love me weel, an' what the waur am I?
註:gin=if. ilka=every. a'=all. nane=none. ha'e=have. frae=from, weel=well, waur=worse, lassie=若い娘, laddie, lad=若者

見慣れない単語が多いのはスコットランド方言が混ざっているため。元々はもう少しきわどい歌詞だったのをスコットランドの国民詩人ロバート・バーンズ(1759-96)が上品な表現に改めたものらしい。ライ麦は日本ではあまりなじみのない作物だが、各種の麦の中で特に丈が高いのが特徴で、ライ麦畑は男女が人目を忍んで隠れて会うのに好適な場所として認知されていたようだ。ロシア民謡の「行商人」にも「二人がどう話をつけたかはライ麦だけが知っている」といった内容の詞が登場する。


日本では「故郷の空」はレガートにしんみりと歌われることが多いが、原曲はスコッチ・スナップと呼ばれる独特の逆符点リズムを交えてはずむように歌われるようだ。このあたりは日本とスコットランドのリズムについての感覚の違いがよく表れているように思う。

明治期には数多くのスコットランド民謡が紹介され、日本語の詞をつけて歌われてきたが、そのことは現在の日本人の音楽的感性に大きな影響を与えている。しばしば日本の伝統的な音階といわれることのあるいわゆる「ヨナ抜き長音階」は実は本来の日本の伝統ではなく(日本の伝統音楽にもこの音階があるという説もあるらしい。みゅりえさんが寄せて下さったコメント参照)、この時期に輸入されて広く知られることになったスコットランド民謡の多くがこの音階によって作られていることによるのだという。この「Comin' thro' the rye」では一ヶ所だけ"ファ"の音が表れるが、「蛍の光」の原曲である「Auld lang syne」には"ファ"と"シ"が表れないということは容易に確認できると思う。


ケルト民族というのは音楽的感性が豊かな人たちのようで、スコットランドやアイルランドの音楽は広く世界の人々に愛されている。この「Comin' thro' the rye」はその中でもとりわけ美しく愛らしい歌の一つといっていいだろう。

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「Temptation(誘惑)」

2006年10月 6日

作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:大谷和夫
シングル「Temptation(誘惑)」(1985.09.28)、アルバム「M' シンドローム」(1985.11.21)所収。現行のCDでは「CD&DVD THE BEST」TOCT-25857(2005.12.07)等に収録されている。

1986年のマリリン」がきっかけで本田美奈子さんから離れてしまった私にとって、最も懐かしい美奈子さんのアイドル時代の歌というとやはり「Temptation」になる。イントロの数小節が聴こえてきただけでもあの頃の甘酸っぱい思い出が甦ってくる。


美奈子さんが歌手デビューをした80年代の半ば頃はまさにアイドル全盛の時代だった。80年にデビューしてまたたく間に国民的スターへと駆け上がった松田聖子さんの圧倒的な人気が一段落したころに登場したのが美奈子さんの世代のアイドル達といっていいだろう。実に夥しい程の数の女の子たちがTV・雑誌を賑わせ、少年達の夢をかき立てたものだった。あの頃には三代にわたる『スケバン刑事』や“おニャン子ブーム”、岡田有希子さんの悲劇的な最期など、アイドルを巡る話題には事欠かなかった。現在とは隔世の感がある。

そうしたアイドル全盛の時代にあって、私が自分にとってのアイドルとして目した人こそ本田美奈子さんだった。それぞれに魅力ある多くの女の子たちの中で特に美奈子さんを選んで好きになったということについてはあの頃の自分を誉めてやりたい思いだ。当時は音楽のことなど全くわかっていなかったし、美奈子さんに歌手としてどれだけの素質があるのかなど見通せるはずもなかったのだが、それにもかかわらずこの人に惚れ込んでしまった自分は我ながら大したものだと思う。今にして思えばあのあまりにも愛くるしい笑顔に夢中になってしまったのは勿論だが、その澄んだ眼差しの奧に純粋でひたむきな人柄を直感的に見て取ったのだろう。

当時の音楽シーンを賑わせたアイドルたちの中で、その後も歌一筋に歩み続けてきたのは美奈子さんのほかに長山洋子さん、城之内早苗さんの名を挙げることができるくらいだろうか。もちろん斉藤由貴さんや南野陽子さんのように主に女優として活躍している方もいるし、スポットライトのあたる芸能界からは離れてもそれぞれの人生で輝いている人もいることだろう。それでもやはり脇目も振らず愚直に歌を続けて来た美奈子さんのひたむきな人生は一際美しく輝いているように思う。


美奈子さんは当時を代表するトップアイドルの一人ではあったが、かわいらしい外見に似合わず鼻っ柱の強い発言も多く、アイドルファンからはキワモノ的な扱いを受けていたようなところもあった。当時私の周りにはどういうわけかアンチ美奈子の友人が多く、美奈子さんへの思いを語り合う仲間を見つけることができずに孤独をかこっていたものだった。どうしてこんな素敵な人に恋してしまわない人がいるのか私には不思議でならなかったのだけど。

私は何といってもこの「Temptation」の頃の飾らない笑顔の美奈子さんがかわいくて大好きだった。それだけに次作の「1986年のマリリン」には幻滅してしまったのだ。当時の私には美奈子さんの溢れんばかりの才能と情熱が間違った方向に噴出してしまっているようにしか感じられなかった。さらにその次の「Sosotte」がまた「…マリリン」のヒットに気をよくして二匹目のどじょうを狙っただけの駄作に思えてついていく気力を失ってしまったのだった(今聴くともう少しまともな詞がついていればなかなかの名曲だったのでは、とも思えるのだけど)。

「…マリリン」は美奈子さんを音楽シーンの最前線に押し上げたが、私の周りのアンチ美奈子の友人達には格好の揶揄の対象でしかなかった。「…マリリン」から「Sosotte」にかけての頃は随分と友人達から“ゲテモノ好き“などとからかわれたものだった。美奈子さんを思う気持ちに変わりがなければ人から何をいわれようと構わないのだけど、私自身がこの二作には幻滅してしまっていて気持ちがぐらぐらと揺れ動いている状態だったのでこのようにいわれるのは実につらいことだった。私にとって“マリリン体験”はちょっとしたトラウマなのだ。


美奈子さんは同期のアイドルたちの中でも歌へのこだわりは群を抜いていて各種の賞レースでは常に先頭を走っていた。しかし最も大きな賞であるレコード大賞の最優秀新人賞は有力視されていたにもかかわらず逃してしまった。私は賞レースの行方には興味がなかったのでそのことはほとんど覚えてなくて、今その話題が出ても「そういえばそうだったか」という程度の感慨しかない。美奈子さんがその後歩んだ道のりを見ればそんな賞を逃したことが歌手としての経歴に傷をつけるものではないのは明らかだろう。

しかし美奈子さんが「…マリリン」のような極端な表現に走ったのはこの時の悔しさが原因だった、という見方もあるようだ。もしそうだとすれば賞を逃したことは美奈子さんの歌手人生に大きな影響を及ぼしたともいえそうだ。「…マリリン」は確かに爆発的にヒットして本田美奈子の名を広く知らしめることになったが、結果的には人々に一発屋的なイメージを与えることになってしまったように思う。そのことは今日に至るまで変わっていない。

もし「Temptation」がレコード大賞最優秀新人賞をもたらしていれば、この王道アイドルポップス路線がもう少し長く続いた可能性もあったのだろうか。歴史に“もし”はないのだろうが、もしそうなっていれば美奈子さんの歩んだ道のりも違ったものになり、私もあの悲しい別離も経験しなくて済んだのかも知れない。それを思うと当時ほとんど気にも留めていなかったあの出来事が痛恨の一大事であったようにも思えてくる。


振り返ってみると、美奈子さんを好きになったことで人生は私にとってよりつらいものになってしまったように思える。あの日の可憐な少女に恋をしていなければ「…マリリン」のヒットに傷つくこともなかったし、訃報に接してもこれほど悲しい思いをしなくて済んだだろう。ロシア民謡の「黒い瞳」風にいえば、「きっと私は不幸にも彼女に出会ってしまったのだ」ということになるだろうか。

それでもやはり、昔流行った歌のタイトルのように「好きになって、よかった」と心から思う。なぜならあの人がこの世界を深く愛していたことを思い起こすだけで世界はより美しく輝いて見え、あの人を心から愛しているということを認識することで自己の存在を少し誇らしく思うことができるからだ。もし叶うことなら、今はこの世の人ではなくなってしまったあの人に、万感の思いを込めて「あなたを好きになってよかった」と伝えたい。

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荒川静香さん サッカークラブワールドカップの抽選役に

2006年10月 6日

サッカー関連のちょっとしたニュースを二つ。


荒川静香さんがクラブワールドカップの組み合わせ抽選役を務めることが決定した。さすがは人気者の荒川さん、あちこちから引っ張りだこで忙しそう。


もうひとつは例の「頭突き事件」の続報。マテラッツィが国連から親善大使に任命された。どうやらジダンの方も任命されているらしい。マテラッツィは「再会にはいい機会」とコメントしているそうだ。国連が和解のお膳立てをしたということなのだろうか。ともかくこれですっきり解決することを願いたい。

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オシムJAPAN 0ー1でガーナに敗れる

2006年10月 4日

オシムが監督に就任して初の格上の相手との対戦となったガーナ戦は0ー1の黒星となった

闘莉王坪井を怪我で欠いたため北京オリンピックを目指す世代から水本を抜擢し、阿部今野を最終ラインで起用する布陣を敷いた。鈴木と今野は似たタイプの選手なのでこの二人が同時にピッチに立つことはないだろうと思っていたのだけど、こんな形で実現するとは意外だった。

前半は移動によるコンディションの悪さのせいか監督交替による戦術の不徹底のせいかガーナの攻撃に迫力がなく、日本のペース。巻が決定的なチャンスを度々逃したのが惜しまれる。せめて枠に飛ばして欲しかった。

後半になるとガーナのペースが上がってきて押され気味の展開に。特にFWピンポンが入ってからディフェンスを突破される場面が目立つようになり、ついに28分、ドラマニに先制ゴールを許してしまう。このゴールは右サイドを突破したピンポンからのシュートのような速いクロスをピンポイントで合わされたもので、防ぐのは難しかったと思う。さすがに世界トップクラスの実力というべきか。

オシムは6人の交替枠全てを使い切る選手起用をしたが、結局試合はそのまま0ー1で終了した。


敗れはしたものの内容的にはオシムの目指すサッカーの姿を垣間見られたいい試合だったと思う。豊富な運動量が持ち味の鈴木と今野を併用し、少ないボールタッチでパスをつなぐ"人もボールもよく動く"サッカーの片鱗を見た思いがする。足元でボールをこねくり回すような姿が見られなくなったのはジーコ時代とは好対照だ。数多くの初代表を選出し、交替枠を使い切って実際にその選手達をピッチに立たせたのもジーコやトルシエの頃には見られなかったいい傾向だと思う。

今日は相手が相手なので勝ち負けを気にするよりも負けた経験を今後にいかすことを考えるのが大事になるだろう。

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亀田興毅 怪我のため初防衛戦を延期

2006年10月 3日

WBA世界ライトフライ級王者・亀田興毅が、左まぶたの裂傷のため10月18日に予定されていたフアン・ランダエタとの初防衛戦を延期することが発表された

ここしばらく閲覧をサボっていたので気がつかなかったのだけど以前にも紹介したブログ「拳論★取材戦記」で片岡'幻'亮氏が事前にこの情報をキャッチしたことを報告していたらしい。ヘッドギアを着けてのスパーリングでまぶたを切るなどということがあり得るのか、といった点を含めて今回もまた様々な憶測が飛び交っているようだ。片岡氏が9月28日付のエントリー興毅-ランダエタの試合はトラブルなく無事に終わってくれるだけで成功なんじゃないかと述べているが、私としても12月中旬開催を予定しているというこの試合がまともな試合になることを願うばかりである。


片岡氏の10月1日付のエントリーに因んで私もちょっとした感慨を述べておきたい。

私はいわゆる"総合格闘技"の類には興味がなくてほとんど見ないのだが、数年前TVのチャンネルをいじっていたらたまたま大相撲元横綱のがK–1の試合に出ていたので少し興味を抱いて見ていたことがあった(相手は私でも名前を知っている有名選手だったのだけど誰だか忘れてしまった)。その試合で曙がダウンした相手選手に攻撃を加えてしまい、その選手の意識が朦朧となってしまったのだった。試合は一時中断し、医師の判断を仰いだ結果「試合続行は不可能」となった。

ところが驚いたことに主催者側はその後も協議を続けた挙げ句、角田信明氏が「医師は試合続行は不可能といっているが選手本人は大丈夫、やれると言っており、私は彼の言葉を信じて試合を続行することにする」という趣旨の説明をしてそのまま試合を続けてしまったのだった。私は見ていて医師の判断を別の人物が覆すことができるということにすっかり呆れ返ってしまった。格闘技は一歩間違えれば死亡事故も起こり得る危険な競技である。それにもかかわらず怪我やアクシデントの際の厳格なルールが定められていないということには恐怖を覚えずにはいられない。こんないい加減な競技に多くの人が夢中になっているのか、と愕然としてしまったのである。

ボクシングというのはプロレスや総合格闘技のようなショー的演出(片岡氏の用語では"エンタメ格闘技")が受け容れられない硬派の格闘技ファンにとって聖域のような存在なのだ。亀田一家が巻き起こす騒動がどれほど滑稽なものであったとしても、ボクシングそのものの権威が損なわれるようなことがあってはならないと強く思う。


元々亀田一家に大して興味はなかったし、ましてこのブログで取り上げるつもりもなかったのだけど成り行きで亀田ウォッチャーの真似事をする羽目になってしまった。音楽の話題を目当てにここを訪問して下さる方の中には血みどろの格闘技の話題を好まない方もおられると思うけどどうぞご容赦を。

追記:10月4日

上述の片岡氏が亀田陣営の事情について夕刊フジ紙上で推論されている。

追記:10月6日

亀田興毅の延期された初防衛戦の日程は12月20日に決まった

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