2013年6月

BiS「DiE」

2013年6月30日


新メンバー3人を加えた新体制BiSのニューシングル「DiE」(ディー・アイ・イー)が26日にリリースされた。タイトル曲はおなじみ松隈ケンタさん作曲のロックナンバーで、前作「Hide out cut」に続きピアノを前面にフィーチャーしているのはご本人のツイートによれば“マイブーム”だという。

BiS名義となっている歌詞は旧メンバー3人の合作だそうで、主にミチバヤシリオさんの書いたものが採用されているようだ。ワキサカユリカさんに続きテラシマユフさんまで抜けてしまって瀕死状態となった現在のBiSの姿をテーマとしているのだろう。ヒラノノゾミさんのインタビューによるとみっちぇるは初め自殺の詞を書こうとしていたそうで、かなり深刻で暗い雰囲気のものになっている。それでものぞしゃんとプー・ルイさんの詞も加えられたことで絶望的なトーンは幾分弱められてはいるようだ。

サビの部分の歌詞からは、私はどうしても布袋寅泰さんの「命は燃やしつくすためのもの」(PV)を思い出してしまう。この曲のタイトルとここまで類似したフレーズを耳にすれば、日本を代表するロックスターの往年のヒット曲へのやや挑戦的なアンサーソングのような意味合いもあるのではないかと勘繰りたくもなる。

実は新メンバーのテンテンコさんはオーディションの際に布袋さんが音楽を手がけた映画『キル・ビル』の場面の物まねを披露したそうで、ライヴでの自己紹介の前振りのフレーズもそこから採られている。だから現在のBiSと布袋さんを結ぶ線はあることはあるのだが、この「DiE」の作詞には新メンバーは参加していないそうなので、実際のところどうかはよくわからない。

PVは見ての通りまたしてもハ○撮りを模した問題作で、撮影はメンバーそれぞれの自宅で行われたそうだ。涙を流しながら歌を口ずさむ姿が今のBiSの切迫した状況を表しているかのようだ。



この曲が最初に公開の場で演奏されたのは新メンバーのお披露目となった5月26日のワンマンライヴ、BiS48のアンコールでのことで、上の動画はその時のライヴ映像である(振付けは新宿二丁目ご当地アイドルの二丁ハロによる)。私は推しメンのゆっふぃーが脱退してしまったことで、これまでと同じテンションでBiSを応援していけるか危惧しながらこのライヴをニコニコ生放送で見守っていた。しかしその時初披露されたこの「DiE」が一聴して好きになれたので、この日を境に生まれ変わったBiSをこれからも応援していこう、と気持ちを切り替えることができた。


新メンバーでまず目を引くのはウイぽんことファーストサマーウイカさんの歌唱力で、この人がいてくれる限り音楽的には問題なくやっていけそうだと思わせるものがある。これまでサビの部分はリーダーのプーちゃんが歌うことが多かったのだが、この「DiE」ではサビの後半を新加入のウイぽんが任されている。ここはやや広い音域にわたっているのだが、クラリネットのように音域によって声質が違って聴こえるのが興味深い。本人のインタビューによると「“七色の声”があるとか偉そうに言ってるんです」とのことで、今後曲によってはさらにいろんな表情を見せてくれることになりそうだ。

テンテンことテンテンコさんは童顔で小柄な体躯から一見して萌え担当というイメージで、幼い感じの声もその印象を一層強めている。ところがラジオ番組出演時のトークによると本人はそのような“ロリータ”的な見方をされることをあまり望んでいないのだという。ああ見えてBiSの中ではプーちゃんとウイぽんと並ぶ最年長組で、グループ一の巨乳との情報もあり、なかなかに複雑なキャラクターだ。歌はあまりうまいとは思わないのだが、やはりあのいたいけな声がいいアクセントになっている。ダンスは正直いってまだまだというところだけど、本人は嫌がるかどうか知らないがそこがまた却って萌えてしまう。

横顔が凛々しいサキ様ことカミヤサキさんは動きの激しいダンスでステージを盛り上げているのが目につく。元々桃色クローバーZの振りコピユニットをやっていたそうで、ダンスのスキルを買われて加入することになったようだ。歌は低く落ち着いた声が印象的で、他のメンバーとのコントラストがテンテンとは逆方向のアクセントとして効いている。これまでのぞしゃんが一人で担ってきたハモりパートをサキ様にも割り振ってみたらおもしろそうな気もするが、松隈さんが今後彼女の声をどんな風に生かしていくのかも楽しみになる。



カップリングの「MURA-MURA」はKEMURI津田紀昭さん作曲のスカコアチューンで、演奏は津田さんの別バンド、THE REDEMPTIONが担当している。私は最初にこの話を聞いた時には、スカ特有の底抜けに明るい雰囲気がBiSの音楽性と果たして合うのか少し危惧したのだが、実際に聴いてみるとテンテンコさんによる変態的な歌詞も相俟って、これはこれで十分にBiSらしい曲だという印象を受けた。

そのテンテンを中心に新メンバーの声を前面にフィーチャーした歌割りは、おそらく彼女たちにとって名刺代わりの一曲となることを意図しているのだと思う。サビの部分では男声(おそらく津田さん?)のコーラスが入っているが、これはBiSとしては初めてのことではないだろうか。暗い雰囲気の「DiE」とは著しい対照なす楽曲だが、これもまた現在のBiSの一面を象徴的に表しているといえそうだ。前シングルの「BiSimulation」収録の「Hide out cut」に引き続き、どちらがタイトル曲でもおかしくない充実した作品をカップリングに用意してくる志の高さに、あらためて惹きつけられる。

PVはメンバー全員がスキンヘッド姿という異色作で、公開時に同時に明らかにされた情報によるとストーカー的な歌詞の世界観を表現したストーリーなのだそうだ。このバカバカしさもBiSならではで実に楽しい。


わっきーとゆっふぃーが相次いで脱退したことで大きな曲がり角を迎えたBiSだが、このシングルを聴く限り、これからも少しもパワーダウンすることなく突き進んでいってくれそうだ。今回加入したメンバーはみな濃すぎるほどのキャラクターなので、5人体制の時とは音楽性もグループの個性も微妙に違っては見える。それでも、わっきーとゆっふぃーのいない寂しさをこらえながらも、この体制で築いていくBiSの新たな歴史に希望を託したくなる気持ちが強い。新体制BiSの旗揚げの狼煙としては、出来過ぎの一枚といっていいのではないだろうか。


追記(7月9日)

“コーラス”というよりは“シャウト”に近いが、「IDOL is DEAD」や「survival dAnce」(TRFのカヴァー)に男声の使用が見られる。丁寧に探せばほかにも見つかるかも知れない。

追記(8月3日)

BiSと非常階段の合同ユニット、BiS階段のインタビューでのJOJO広重さんの発言からすると、BiSの曲には目立たないところにも男性コーラスが使用されていることが多いようだ。

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