ジャパンオープン2007

2007年4月29日

去年に引き続き開催されたフィギュアスケート地域別対抗戦「JAPAN OPEN 2007」は日本の2連覇となった。参加選手の構成が日本のみアマチュアのトップ選手だったので順当な結果だった。全体にミスの多い演技が目立ったのは残念だった。この時期にシーズン中と同じ構成のプログラムをミスなくこなすのを要求するのはそもそも無理なことなのだけど、やはり少し物足りない感じがしてしまった。試合形式とはいえシーズンオフのお遊び大会なのだから、選手のみなさんには少しプログラムの難度を下げてでも見た目にクリーンな演技ができるよう心がけてもらった方がファンサービスのイベントとしては盛り上がったという気がする。まだ2回目ということもあり大会の方式などは試行錯誤という面もあるのだと思う。この時期にエルドリッジさんのような往年の名選手から現役のトップ選手まで一堂に会して競い合うというのはとても貴重な機会なので、今後もシーズンオフの目玉企画として定着していって欲しい。


一番充実した演技を見せてくれたのはやはり安藤美姫さんだったと思う。フリップでの転倒があったとはいえ密度の濃いプログラムをこなし女王の風格を感じさせた。ビールマンスピンができるまで肩の状態が改善していることには安心した。思えば昨年のこの大会でいい演技ができたことがその後の復活への足掛かりにもなった。また来シーズンに向けていいスタートが切れるのではないだろうか。


浅田真央ちゃんはいきなりトリプルアクセルを成功、と思ったらスロー再生で見ると回転不足のようだった。後半にはルッツとフリップで転倒するなどらしくない演技だった。インタビューを聞くとどうもスタミナが切れてしまっていたようだった。まあこの時期なのであまり気にすることはないのだけど、負けず嫌いの真央ちゃんのことだからやはり内心悔しいのかな? でも2連覇を達成できたことだし胸を張って欲しい。フリップが"リップ"気味に見えたのが少し気になった。


男子ではジェフリー・バトル選手の演技が最も印象に残った。今シーズンは怪我のために後半だけの参戦になり物足りなさが残ったが、このところ持ち前のさわやかさに深みが加わってきているように思う。音楽表現には定評のある選手なだけにこれからの更なる活躍が期待される。


本当は一人一人について感想を記したいのだけど、このところ気分が落ち込んでいるので(事情はお察し下され)このくらいにしておく。ヨナさんのガラへの出場が取り止めになったことについても毒づいておきたいところではあるのだけど…。

追記:30日23時50分

またしても「キム・ヨナ」の検索で訪問される方が増えているようなので…。

ヨナさんがガラへの出場ができなくなった事情についてはまりりんさんが解説されているので一読をお薦めしたい。

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「クラシカル・ベスト〜天に響く歌〜」

2007年4月26日

本田美奈子さんのデビュー22周年に当たる今月20日、コロムビアから美奈子さんのソプラノ・ヴォイスによる作品を集めたベスト盤「クラシカル・ベスト〜天に響く歌〜」が発売された。副題の「天に響く歌」とは美奈子さんが2005年の年賀状に書き添えていた“天響歌”という言葉から採られている。この言葉は事務所のBOSSさんによる発案だったと聞いている。

カヴァー写真は正式なコンサートとしては最後の出演になった新宿文化センターでのコンサートの時のもので、撮影は最晩年の美奈子さんを担当していた原田京子さんである。ACのポスターにも使用されているのでご覧になった方も多いと思う。ただポスターの写真と比べるとなぜか角度が微妙に前のめりになっている。理由はよくわからないのだけど、あるいはタイトル文字のレイアウトの都合によるのだろうか。

CDにはコロムビアに在籍した3年間に残した音源から14曲が収録されている。このうち美奈子さん自作の詞による「ゴッドファーザー愛のテーマ」は未発表の音源である。これはアルバム「」の録音の際にはこの日本語詞に許諾が下りず、やむなくヴォカリーズで収録した後記念にこの詞で録音していたものである。今回のベスト盤の発売に際し許諾が得られ、収録の運びとなった。

未発表の音源はこれ一曲なのですでにソプラノアルバムを揃えている人にはあまり新鮮味のないCDだが、注目されるのは付属のDVDである。これにはカッチーニの「AVE MARIA」のプロモーション・ビデオ、N響と共演した「新世界」、阿蘇ファームランドでの野外コンサートで歌った「つばさ」の3編の映像が収録されている。


「新世界」は2004年8月29日に行われた『N響ほっとコンサート』に出演した時のもので、BS2及び教育TVの『N響アワー』で放送された。私は当時この『N響アワー』で放送されたものを見ていた。何も知らずに見ていたその前の週の放送の最後に池辺晋一郎さんが「来週は歌手の本田美奈子さんが…」と話し始めたのでびっくりしたのをよく覚えている。

楽しみに見た翌週の放送、美奈子さんが歌っている姿を映像で見るのはそれこそ十数年ぶりだったけど、以前と変わらず、というより以前よりもさらに美しくなっている美奈子さんにすっかり見惚れてしまった。フル・オーケストラに交じって少しも違和感のない、つややかで伸びやかな歌声を聴きながら、「美奈子さん歌一筋に生きてきて、ついにこんなところにまでたどり着いたんだな」という感慨に浸っていた。

このコンサートは美奈子さんにとって一つの勲章だったといっていいと思う。国内最高のオーケストラの一つであるNHK交響楽団との共演は素晴らしい栄誉である。そして“へそ出しルック”の過激さゆえに『紅白歌合戦』への出場を逃したともいわれる美奈子さんが『N響アワー』というお堅い番組に出演したというのも驚嘆すべきことだった。紅白への出場もオリコンチャート1位の獲得も叶わなかった美奈子さんだけど、ポップス出身の歌手で『N響アワー』への出演を果たしたというのはおそらく前人未到の快挙だろう。

この時はこれはまだ美奈子さんにとって単なる通過点であって、これからさらなる高みへと翔け上がっていくのだろうと思っていた。まさか一年ほど後に天まで翔け上がっていくことになるとは夢にも思っていなかった。そのキャリアの最初と最後に少しだけキセル乗車のような不実なファンをやっていた私にとって、数少ないリアルタイムでの美奈子さんの思い出である。


「つばさ」は服部克久氏主催のジョイントコンサートに出演した際のもので、これまで朝霞や渋谷などで開催されたフィルムコンサートではクライマックスに用いられていた。これを見るにあたっては渋谷でのフィルムコンサートを見た時の感想で間違ったことを書いてしまっていなかったか、ということが気になっていた。でもあらためて見てほぼあの時書いた通りだったのでほっとした。やはり美しいファルセットを交えた自在な歌い回しは絶品の一言。スタジオ録音のものよりもやや遅めのテンポをとっているのだけど、あの時の感想にそれについての言及がないのは夢中になっていて気がつかなかったのか気づいていながら書きもらしたのかわからない。

唯一記憶と違っていたのは天気のこと。フィルムコンサートで見た時は雲一つない青空だったような気がしたのだけど、あらためて見てみると意外に雲が多かったのに驚いた。薄暗い会場の中で野外の映像が映し出されると眩しくて果てしなく青空が広がっているように見えたのかも知れない。いずれにしても風を感じながら歌う美奈子さんはとても気持ちよさそうだ。なお収録は1996年とのこと。


こうして美奈子さんの音源や映像がリリースされるのは実にありがたいことだ。ただ正直にいうと未発表の音源・映像が小出しにされるのはファンとしてはなかなかつらいところでもある。特にN響と共演した際にもう一曲歌った「シシリエンヌ」は間違いなくここに収録することが可能だったはずだ。いずれこれが同工異曲の“ベストアルバム”と抱き合わせで入手させられることになるのは目に見えている。

ただ美奈子さんがこんな風に突然いなくなってしまったという事態はファンのみならずレコード会社にとってもつらいことなのだろう。今はとにかく美奈子さんの遺産を最大限に活用しようという姿勢でいてくれることを歓迎するよりほかはないのかも知れない。

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JOC スケート連盟への強化費を減額

2007年4月21日

日本オリンピック委員会(JOC)は、日本スケート連盟に対し国庫補助金による07年度の強化費を約2割減額する方針を固めた。一連の不祥事がこうした結果を生んでしまった。人気、実力ともにピークにある日本のフィギュアスケート界の今後に悪い影響を及ぼさなければいいけれど…。

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『おじゃる丸』放送開始十年

2007年4月21日

NHKの人気アニメ『おじゃる丸』が放送開始から十年の節目を迎え、会見が行われた。この場に犬丸りんさんの姿がないのは残念だが、番組のテーマである「まったり」はこれからも受け継がれていくのだろう。サブちゃんの新曲も注目される。

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ヒッキー新曲のタイトルは…

2007年4月20日

ヒッキーこと宇多田ヒカルさんの新曲が日清カップヌードルのTVCMに起用されることが発表されたのだけど、そのタイトルが何と「Kiss & Cry」。こんなところにまでフィギュアスケートブームの効果が表れていておもしろい。前作「Flavor Of Life」の総販売数が記録を作ったそうでかつての勢いを取り戻しつつあるヒッキーだけど、フィギュアスケート人気にあやかってさらに飛躍することができるだろうか。

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週刊『女性自身』 恩田美栄さんインタビュー

2007年4月19日

17日発売の週刊『女性自身』(ヨン様が表紙)に恩田美栄さんのインタビュー記事が掲載されている。取り立てて興味深い内容はないのだけど、引退を決めてサバサバとしている様子が伝わって来て何だか安心した。2005年の全日本選手権でノーミスの演技ができたことですぐに引退しようという考えもあったけど、引退を視野に入れながらもう1シーズン悔いのない過ごし方をするという課題に取り組もうと考えて今シーズンに臨んだと語っている。今シーズンを戦い抜いて彼女自身納得のいく決断ができたようだ。


大抵のフィギュアスケートファンには目の届きにくい媒体だと思うのでここで紹介してみた。この号のもう一つの注目記事については…、今はちょっと書く気になれない。

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第1回河島英五音楽賞

2007年4月19日

2001年に亡くなった河島英五さんの七回忌に当たる16日、河島さんを記念して制定された河島英五音楽賞第1回受賞作品が発表された。最優秀作品には藤本記子さんの「太陽(ひかり)」が選ばれた。入選作品は5月6日に大阪城野外音楽堂(大阪市中央区)で開かれる河島英五記念ライブ「元気だしてゆこう」で披露される。「元気だしてゆこう」とはNHKの時代劇の主題歌に採用された河島さんの自作曲のタイトルで、この歌はサッカー日本代表のサポーターが応援歌として用いていたこともある。

また併せて命日を「桜風忌」と名付けることも発表された。


後進の発掘のためにこうした賞を制定するのは故人の志を引き継ぐためにも、また故人の栄誉を永く記念する上でもとてもいいことだと思う。この賞は河島さんが生前住んでいた四条畷市の提唱で制定されたという。朝霞市もこうしたことを検討してはどうだろうか…。

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キム・ヨナさん 日本でも人気上昇中

2007年4月13日

このところこのサイトの検索ワードの圧倒的一位が「キム・ヨナ」である。ヨナさんがヘルニアのために国内選手権を棄権することを伝えたエントリーがYahoo!で1ページ目に表示されているのが原因のようだ。それに続く二位が「キム ヨナ」という状態なので、このサイトは訪問者のみなさんには“キムヨナブログ”という位置付けになっているかも知れない。こんなことからも世界選手権での活躍以来日本でもヨナさんの人気がうなぎのぼりになっていることが窺われる。

このエントリーの内容自体はもう古いニュースなのでせっかく来ていただいても読む価値はあまりないけれど、今回の世界選手権の演技がきっかけでファンになった方にはヨナさんが幾多の曲折を経て大会出場にこぎつけたという事情を理解していただければ、と思う。一時期はおのっちさんのファンサイトより上位に表示されていたのだけど、幸いなことにここからリンクが張ってあったのでみなさん迷わずにファンサイトまでたどり着けたはず。


私がヨナさんに関心を持つようになったのはほとんどのフィギュアスケートファンの方と同じく昨年のジュニアの世界選手権以降のことなので、残念ながらこれといって詳しい情報などの持ち合わせはない。でもせっかく「キム・ヨナ」で検索してここを訪ねて下さった方のために、一つヨナさん関連の記事を紹介しておきたい。

Sports@niftyのフィギュアスケート特集に2006/07シーズンのグランプリシリーズのフランス大会を終えて安藤美姫さんとヨナさんがファイナル進出を決定したことを伝える記事がある。残念ながらGoogleでもYahoo!でも「キム・ヨナ」の検索で100位以内には表示されないようなので見つけるのが難しいかも知れないけど、Niki Yamamotoさんという方がヨナさんの素晴らしさについて簡潔ながら要を得た解説をされている。今回の世界選手権をきっかけにヨナさんのファンになった方にはぜひ一読をお薦めしたい。


この記事にあるようにヨナさんの長所の一つはジャンプが美しく正確で、ジャッジから加点をもらいやすいということである。特にルッツとフリップのエッジの使い分けについては浅田真央ちゃんや安藤さんよりも評価が高いようだ。実は「キム・ヨナ 点 出すぎ」というような検索でここに来て下さった方もいて、世界選手権のSPでの点は高すぎるのでは、と感じた方も多いようだ。調べてみるとネットで質問をしている方もいた。しかし上記の点からみて、これは決して不可解な採点ではない。いっちゃんさんが詳しく分析されているので、併せて読まれると納得がいくことと思う。(なお、安藤さんがジャンプの基礎点でヨナさんを上回りながら合計でヨナさんに及ばなかったもうひとつの要因は、肩の故障の影響でビールマンポジションをとることができず、レイバックスピンのレベルを下げざるを得なかったことにある。)


Niki Yamamotoさんによる記事はさらにもう一つ、ヨナさんの表現技術にも言及している。その美しさの秘訣は、肩や背中の表現力にあるとの指摘は、まさに私がこの人の演技に惹きつけられるポイントを的確に言い当ててくれていて、読んでなるほどとうならされた。素顔のヨナさんはどこにでもいる普通の女の子といった感じで、決して際立った美人とは思わないのだけど、氷の上に立つとぞくぞくとするような美しさを感じてしまう。その秘密は背中から肩、そして腕に繋がる部分を意識して踊るということにあるのだろう。ヨナさんは本格的にバレエを習ったことはないそうで、だとするとこうした表現力は天性の素質によるものと思われる。


素晴らしい才能で前途洋々のヨナさんだけど、今シーズンは結局フリーをクリーンに滑り切ったことがなかったので、今後はその点が課題になってくるのではないだろうか。スタミナの問題もあるのだろうけど、どうも腰ばかりでなく膝も痛めていたようなので、そうした体調の影響もあったのかも知れない。来シーズンは体をしっかりケアして、万全の状態で試合に臨んで欲しい。真央ちゃんや安藤さんとの高いレベルでの競り合いが今から楽しみになる。

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絢香さんに思わぬ災難

2007年4月 9日

これもすでに古いニュースだけど(ただし自分は最近知った)、3月26日の午後12時頃、歌手の絢香さんのオフィシャルサイトの掲示板が絢香さんへの非難の書き込みが集中したために閉鎖された。きっかけは前日行われたフィギュアスケート世界選手権のエキシビションで、女子シングルで優勝した安藤美姫さんと生歌で共演したことだった。


引用した記事には一部その内容が紹介されているが、絢香さんが安藤さんを差し置いて主役の座を奪ってしまったということが非難の対象になったらしい。私はこのエキシビションをTVの放送で見ていたが安藤さんを応援していた立場として特に違和感のない演出だったので、これは解せないことである。

確かに安藤さんが演技している最中に画面が歌っている絢香さんの映像を映し出している場面もあって、それは少し不快に感じたのは事実である。しかし今シーズンのグランプリシリーズのフランス大会で地元のジュベール選手が歌手の生歌に合わせて演技した際はもっと頻繁に歌手の映像が映し出されていて、それに比べれば時間にしてはるかに少ない量だったので大して気にならなかった。それにそもそもカメラワークの問題はTV局の責任であって、絢香さん本人には関わりのないことだ。

トリノオリンピックのエキシビションでは男子シングルで優勝したプルシェンコ選手がヴァイオリニストの生演奏と共演した。この時はヴァイオリニストは氷の上に立って演奏していたために否が応にも観客の目に入ってしまい、どちらが主役だかわからなくなってしまうような演出は考えものだと思った。しかし今回絢香さんはずっとキス&クライで歌っていたのでカメラワークの問題を除けば安藤さんの演技を集中して見るのに特に支障はなかったはずである。


ラフな服装のことも問題にされたようだが、エキシビションでは選手たちは奇抜な衣装で観客の度肝を抜くような演出をすることも少なくない。往年の名選手、キャンデローロさんはすぐに上半身裸になったものだし、プルシェンコ選手の「SEX BOMB」の着ぐるみも上品なものではなかった。はたしてあの絢香さんの服装に違和感を持ったフィギュアスケートファンがいただろうか。


絢香さんを非難する書き込みをしたのがどういう人たちなのかはよくわからないが、おそらく普段あまりフィギュアスケートを見ない人たちなのだろうと思われる。少なくともトリノオリンピックや今シーズンのグランプリシリーズフランス大会のエキシビションを見ていないのは確実である。熱心なフィギュアスケートファンの方があの演出に不満を述べているのは私は見たことがない。

安藤さんは人気者であるが故の苦しみをいやというほど味わってきた選手だが、親友の絢香さんも同じ目に遭ってしまったということなのだろう。二人の麗しい友情が結実したコラボレーションがこんな災難に見舞われてしまったのは残念だが、おそらくこれも一過性のことに過ぎないだろう。絢香さんにはこれを気にすることなく、これからも安藤さんをはじめとする多くのファンに勇気を与える歌を歌っていって欲しいと思う。

参考までにフランス大会とトリノオリンピックのエキシビションについての私の感想を記したページを紹介しておく。

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Il primo sole è mio!

2007年4月 8日

本田美奈子さんに歌ってもらいたかった曲は何か、ということがファンの間で時々話題になる。幅広いジャンルに挑戦し多彩な表現を自らのものとしていった美奈子さんだけに、もし歌ってくれていたら素晴らしい名演になったに違いない、という曲は多岐にわたる。私もクラシックはもとより世界各地の民謡、演歌、童謡、子守唄など、お気に入りの名曲は一通り歌って欲しかったと思う。そんな数多くある曲の中でも特に聴いてみたかったと思うのがプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」のミミのアリアである。この話は今まで何度かふれたことがあるのだけど、ここで少しまとめて書いておきたい。


美奈子さんはプッチーニのアリアを2曲録音している。「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」(アルバム「AVE MARIA」所収)と「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」(アルバム「」所収)がそれである。ミュージカル「ミス・サイゴン」の下敷きになったともいわれる「蝶々夫人」の「ある晴れた日に」は日豪親善コンサートをはじめコンサートの場では歌っていたそうだ。おそらくはもっと歌い込んで満を持してから録音するつもりでいたのではないかと思われる。

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「ラ・ボエーム」と「ガラスの動物園」

2007年4月 7日

私はクラシックは好きなのだけど、オペラについてはあまり詳しくない。文学に幻滅して音楽への関心を深めるようになったという面もある私にとって、音楽に付随した物語の設定などは少々煩わしくもあるのだ。

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恩田美栄さん引退

2007年4月 6日

もうすでに古いニュースだけど恩田美栄さんが今シーズン限りでの引退を表明した。恩田さんは日本のフィギュアスケート界が誇る世界のトップ選手の一人だけど、安藤美姫さんくらいからこの競技を見始めた方には彼女がフィギュアスケートファンにとってどういう存在なのかが少しわかりにくいのではないかと思う。


彼女が世界の一線で活躍するようになったのは、日本では今ほどこの競技が注目を浴びていなかった頃のことだった。次代のエースと目されていた荒川静香さんの思いがけない低迷もあって日本のフィギュアスケート界にとって苦しい日々が続いた時期を、村主章枝さんや男子の本田武史さんと共に支えたのが恩田さんだった。高さのあるジャンプと溌剌とした演技を持ち味とし、まだ旧採点方式だったこともあって成功するかどうかわからないトリプルアクセルに試合で果敢に挑戦した。ファンはそれを手に汗を握りながら見守ったものである。

決してどんな課題でもすぐにこなせてしまうような器用なタイプではなかったが、目の前の目標に体ごとぶつかっていくような元気のいい演技は見る者に勇気を与えてくれた。最後の試合になることを覚悟して臨んだ今シーズンの四大陸選手権のフリーではジャンプを成功させることだけの意識を集中した、と語っていた。ジャンプへの集中と表現面での配慮とを試合の中で両立させることは最後までできなかったようで、よくも悪くも恩田さんらしい最後の演技だった。


ルールの変更や相次ぐ天才少女の出現でここ数年は彼女にとって苦しい時期が続いたのではないかと思う。体力的にはまだまだ続けることも可能だが、これ以上彼女の憔悴した姿を見たくないというご家族の意向を受けての決断と推察する。

真央ちゃんや安藤さんの人気で爆発的に沸き立っている現在だが、彼女の存在なしには今の日本のフィギュアスケート界の隆盛はあり得なかった。長い間ありがとう、お疲れ様、と心から伝えたい。

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TVCMの名曲に困惑

2007年4月 6日

このところTVを見ていて喜納昌吉さんの「」を耳にする機会が多い。統一地方選に合わせた政党のCMでBGMとして使用されているためだ。私は喜納さんを音楽家として尊敬しているのだけど、国会議員になったことについては首肯しかねていた。政治的なイシューに強い関心を抱いているのはわかるが、音楽家にはもっと音楽家に相応しい活動の仕方があるはずだと思うからだ。

彼が議員になってしまったことの帰結として生み出されたのがこのCMである。あの記念碑的な名曲が政党のCMのBGMとして流れるというのはいかにも場違いで、もったいないことのように思われる。ただそうはいってもやはり聴いていると誰によるカヴァーか知らないがうっとりと聴き惚れてしまう。そしてその感動が最高潮に達した頃になってあの人の顔が画面に登場するのである。


このCM、見る度にどう受け止めていいのかわからなくて困惑してしまう。

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「晴れた空お天気」

2007年4月 6日

作詞:うえのけいこ/作曲:佐橋俊彦/編曲:佐橋俊彦
シングル「風のうた」(1999.11.21)所収。現行のCDではアルバム「I LOVE YOU」MJCD-20054(2006.03.29)に収録されている。

昨年本田美奈子さんの逝去から半年を経た頃に、月命日毎に一曲ずつ感想を捧げることをふと思い立ち続けてきた。やはり悲しみが深かっただけにこれまで語ってきたのはどちらかというと美奈子さんの歌心が目一杯込められた重量級の作品が多かったように思う。今回は少し春らしくもっと気楽に楽しんで聴ける曲を取り上げてみたい。


美奈子さんはミュージカル女優として成功して以降、レコーディングの分野ではアニメソングを積極的に手がけている。そこにはおそらくミュージカルでは高い評価を得たものの、この頃から用いられるようになった“J-POP”という用語で括られる音楽ジャンルの中に自らの立ち位置を見出すことが困難だったという事情もあったものと推察される。

美奈子さんがこれらの楽曲にどのような心情で立ち向かったのかは推測するほかはない。ただ子供好きだったという美奈子さんのことなので、アニメーションを見るであろう子供達のことを意識して歌い方を工夫したのではないかと思われる。美奈子さんのアニメソングには『ミス・サイゴン』に聴かれるような切迫した悲壮感はなく、晴れやかな調子でやさしくのびやかに歌い上げているのが特徴的である。


それが最も顕著に表れた曲がこの「晴れた空お天気」だと思う。この歌はTVアニメ『HUNTER×HUNTER』の挿入歌として使用されたもの。タイトルから受ける印象そのままに、幸せな子供時代の記憶を甦らせるような明るく希望に満ちた歌である。

最初に聴いた時は8分の6拍子が印象的で、どことなくイングランド民謡のような趣きを感じる歌だと思った。ナースリー・ライムに「Jack and Jill」という私のとても好きな歌があるのだが、それにリズムと曲調が少し似ているのだ。「Jack and Jill」とは幼い兄妹が丘の上に水を汲みに行くという、『はじめてのおつかい』を思わせるような情景を歌った実に愛らしい曲である(なお水を汲むのに丘の上に行くというのは不自然なことなので、北欧神話に起源を求めるなどさまざまな解釈があるらしい)。

ただよく聴いてみると8分の6と4分の3が交錯するようなかなり複雑な拍子をとっているのに気づかされる。冒頭の一行を例にとってみると、楽譜などを持っていないので正確なことはわからないが、耳で聴いて判断する限りでは「うまれたての|くもに|おしえた|い」という区切りで6/8→3/4→6/8→3/4と推移しているようだ。

「勇気ひとつあれば」の部分には半音階的な動きも見られ、子供向けと思わせておいて実はなかなかの難曲であることがわかる。プロの歌手としてはこれくらいは当り前なのだろうけど、少なくとも私にはこんな歌を正確に歌いこなすことはできない。聴きながらうかつに体でリズムをとろうとすれば椅子から転げ落ちてしまいそうだ。


こうした歌を聴きながら思うのは、もしできることなら童謡や子守唄を集めたアルバムを作って欲しかったな、ということ。きっと美奈子さんのやさしい歌声が心を癒す素敵な曲集になったことと思う。そこではアニメソングを歌った経験も生かされたはずである。

ら・ら・ば・い〜優しく抱かせて」というやはりアニメで用いられた歌があるが、これはタイトルとは裏腹にあまり子守唄風の曲調ではない。残された音源の中から子守唄と見做し得るものを探すとすれば、これもアニメソングだが「étoile -星-」と、ミュージカル『十二夜』の中の「ララバイ」ということになるだろうか。いずれも寝る前に聴けば素晴らしい夢見を約束してくれるような、やさしさに溢れた素敵な曲である。

これらの楽曲からは、自身子供を持つことはなかったものの子供が好きだった美奈子さんの母性のような愛情が感じられる。聴いていると美奈子さんのやさしさに甘えてみたくなるような、そんな気持ちにさせられる。

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大相撲春場所を振り返って

2007年4月 3日

だいぶ日が経ってしまったけど大相撲春場所を回顧しておきたい。後半はフィギュアスケートの世界選手権と重なってしまってあまりちゃんとチェックできていなかったけど。


新関脇の琴奨菊は腰の状態が悪かったようで九日目に早くも負け越しが決まってしまった。しかしそこから立て直して6連勝し、7勝8敗で終えたのは見事だった。新三役の場所というのはどの力士も大抵苦労するもので、大きく負け越す力士も少なくない。序盤に苦労しながらも7勝まで星を伸ばしたのは本当に力をつけてきた証拠といえるだろう。来場所は平幕に陥落するかも知れないが(小結に留まる可能性もある)、今後に一層期待を抱かせる結果となった。


琴光喜は例によって序盤好調で優勝争いに期待を持たせながら終盤に負けが込む尻すぼみの展開に。それでもこれまでと違い星を二桁に乗せて意地を見せた。ぜひとも大関取りの足掛かりにして欲しい。


白鵬は優勝はしたものの本来の取り口はほとんど見せられなかったという印象がある。ばたばたとした落ち着きのない相撲が目立った。歩く時の所作を見ていると左足の運びが少し不自然で、やはりまだ怪我の影響が大きいように感じられる。優勝決定戦での立ち合いの変化は言語道断で、朝青龍の本割の一番ともどもルール上問題がなくてもファンを楽しませることによって成立しているプロスポーツの原則を逸脱した行為だった。

来場所は綱取の場所になるが、こうしたこともあってやや高いハードルが課せられることになるだろう。星勘定の問題よりも、立ち合いの厳しい踏み込みからすぐに左前まわしをとる本来の取り口を早く取り戻すことが先決だと思う。人生の伴侶を得て父親にもなるそうなので、さらに奮起して大横綱への道を歩んで欲しい。


とても心配なのは栃東のこと。進退を懸けて臨んだこの場所だったが、序盤から故障明けとは思えないほど好調な相撲で白星を重ね、あっさりとカド番を脱し安心したのも束の間だった。思いもかけなかった体調不良による休場に驚かされた。深刻な病気の可能性もあるようで一気に引退の危機に立たされてしまった。事情が事情なので軽々しく続けて欲しい、とも言うことができない。栃東といえば現役最高の技能派力士であり、もしいなくなってしまえば実に寂しくなる。しかしともかく健康のことを最優先にして進退を決断して欲しい。今後も注意深く成り行きを見守りたい。

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桑田真澄 執念のキャッチボール

2007年4月 1日

今日はセルゲイ・ラフマニノフ八木沼純子さんなど私にとって親しみ深い人の誕生日だが、その中でも今最も気になるのは39歳を迎えたピッツバーグ・パイレーツの桑田真澄投手。

オープン戦での思いがけないアクシデントからその手に届きかけていた開幕メジャーの座を逃すことになったが、報道によると早くもキャッチボールを始めているという。彼は私の知る限りでは最も精神力の強いアスリートなので、挫けることなくまた自分の道を歩み始めるだろう。審判3人の体制で試合を強行したメジャーリーグの運営や巨漢球審のどんくささに腹が立ったりもするが、気落ちせずまた応援していきたい。

追記:6日0時20分

5日になって足首の怪我は靭帯が切れていたことを共同通信が伝えている。当初の診断で判明していたことで、球団広報が明らかにしたのが今のタイミングになったということらしい。

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