ショパン・コンクール2010 開催中

2010年10月 8日

5年に一度開かれるクラシック音楽のビッグ・イベント、ショパン・コンクールがワルシャワで開催されている。コンクールの模様はインターネットを通じて世界に配信されていて、私も連日若手ピアニストたちの競演を楽しませてもらっているところである。回線の速度の都合からか途中で何度も映像が途切れてしまっていらつかされたりもするのだが、こうして日本にいながらにして世界最高峰のピアノ・コンクールの模様を楽しむことができるとは、すごい時代になったものである。Twitterを通じてリアルタイムで人といろんな意見を交わすことができるのもうれしい。

現在はちょうど一次予選が終わったところで、日本時間の今朝、二次予選への進出者が発表された。演奏を聴いて気に入ったピアニストが何人か落ちてしまっていて残念に思う一方、この後が楽しみな名前も残っている。


私は一部のピアニストの演奏しか聴いていないし、接続の状態によって満足に聴くことのできなかった人もいるのだが、取り敢えず私の聴いた範囲で気になったピアニストの名前を何人か挙げてみる。まず筆頭に挙げたいのはロシアのニコライ・ホジャイノフさんである。まだ18歳の少年であどけなさが残る容貌なのだが、とにかく才気煥発といった感じの鮮烈な演奏を聴かせてくれた。何というか、場内を圧倒するようなオーラの持ち主で、今大会の注目株といっていい存在だと思う。最初にノクターンを聴いた時は右手の動きがやや重たく感じられるところがあるのが気になったのだが、その後のエチュードは壮快に弾き切っていたから、技術的に何か問題があったわけではなくそれが彼なりの表現だったのだろう。

彼が演奏した5日の午後(日本時間だと6日午前0時過ぎ)はレベルの高い時間帯で、この前に弾いたイタリアのイレーネ・ヴェネツィアーノさんも華やかな演奏が印象に残った。彼女はファツィオリのピアノを弾いたのだが、このピアノの独特の音色もうまく生かした演奏だったように思う。

さらにその前に弾いた Louis Schwizgebel-Wang さん(読み方がわからない)はおそらくアジア系と見られるスイスのピアニストで、やや渋めの音色でショパンが曲にこめた感情の陰影を繊細に描き出していて好感を抱いた。私が聴いた中ではいい意味で最も個性的な演奏だと思ったのだが、残念ながら二次予選進出は逃してしまった。

この大会には日本から国別では最大となる16人のピアニストが参加していて、印象的な演奏を聴かせてくれた人も多かった。その中で私が特に気に入ったのは岩崎洵奈さんである。演奏前はひどく緊張している様子が伝わってきて、舞台に上がる階段のところで長いドレスのスカートの裾を踏んづけてよろけていたりして、大丈夫かなと心配になったのだが、いざ始まると集中して曲の世界に没入した演奏を聴かせてくれた。軽快なタッチで愉悦感に溢れたエチュードと深い内省に沈潜したノクターンとの対照が印象的で、曲の性格を的確に描き分けた演奏に、聴いていて惹きこまれた。演奏を終えて緊張から解き放たれた後の笑顔がまた素敵で、ちょっとファンになってしまった。


コンクールはいよいよこれからがたけなわで、ホジャイノフさんはコンクールが終わった頃には“神童”の名をほしいままにしているんじゃないか、とか、私のお気に入りの岩崎さんはどこまで行けるだろうか、とかいろいろと予想しながら胸がわくわくする。もちろん一次予選の演奏を聴き逃したピアニストを聴くのも楽しみだ。1985年の大会で4位に入賞した小山実稚恵さんが今回は審査員席にいつもの穏やかな笑みを浮かべて鎮座されているのを拝見できるのもうれしい。5年に一度のこのイベント、心ゆくまで楽しみたいと思う。

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