高橋大輔選手 銀メダルおめでとう!!

2007年3月22日

はらはらしながらも期待をかけて応援していた高橋選手が素晴らしい内容で銀メダルを獲得した。いい結果を残しても今までどうも半信半疑だったけど、本当に頼もしく成長してくれたと思う。この競技のファンをやってきてよかったと思える一日だった。


織田信成選手:Mission impossible

最初のトリプルアクセルからの3連続のコンビネーションは成功。三つ目のアクセルはおそらくトリプルの予定をダブルにしたものと思われる。全体にジャンプの構成が物足りなくなってしまった。またしてもザヤック・ルールに引っかかってしまったらしいが詳細は私にはわからなかった。ダブルアクセルを三度も跳ぶなどバランスも悪かったと思う。

直前にプログラムを変更したことで振り付けの通りに滑ることに専念している感じでやや薄味の演技という印象を受けた。チャイコフスキーの交響曲は彼にはなかなか難しいプログラムだったとは思うが、個人的にはやると決めたからには最後まで通して欲しかった。それでもフリー6位、総合7位の成績は地力のあるところを見せつけた結果ともいえる。今シーズンは全体にやや低調で、進むべき方向性に迷いも感じられたが、この経験を今後にいかせばさらに飛躍することができるはず。


アルバン・プレオベール選手

いつも通りの楽しいプログラム。これだけの大舞台で普段と変わらない演技が見せられるのは大した度胸だと思う。きれいに決まらなかったが彼にも4回転ジャンプがあるとは初めて知った。


トマーシュ・ヴェルネル選手

4回転トウループを2回決めるなどSPとはうってかわって会心の演技。ストレートラインステップでバランスを崩し最後のフリップで転倒するなどもったいないミスもあったが、世界のトップも狙えるなかなかの逸材だということを思い知らされた。


エヴァン・ライザチェク選手:カルメン

6分間練習で4回転–3回転のコンビネーションをクリーンに決める場面をカメラがとらえていたが、いざ本番では4回転の後オーヴァーターンしてしまう。トリプルアクセルからのコンビネーションもきれいに決まらず細かい点の取りこぼしが目につく演技だった。フリーの得意な彼にしては不本意な結果になってしまった。


ジョニー・ウィアー選手:ナザレの子

彼も細かいミスの目につく演技。荒川さんも仰っていた通りシーズン前半には明らかにスタミナ不足を露呈してしまったような演技が続いていたことを思えばよくできた方だと思う。彼も織田選手と同じく少し壁にぶち当たってしまっている印象がある。


ステファン・ランビエール選手

SPが覇気のない感じの演技だったので調子が悪いのかと思ったが、冒頭から苦手のトリプルアクセルを成功させるなど充実した演技を見せてくれた。二度目の4回転が決まらないなど彼らしくないところもあったが、今シーズンを通して弱気な発言を繰り返してきたことを思えばよくぞこれだけの状態に整えてきたと思う。プログラムの完成度としては満足のいくものではないが、実力のあるところを見せつけるフリーの演技だった。


ブライアン・ジュベール選手

冒頭の4回転トウループは彼にしては不安定な感じのジャンプだった。二つ目の4回転を回避したのはランビエール選手が一つしかクリーンに決められなかったのを受けてのことなのだろうか。彼にしては消極的な選択だった。全体にシーズン前半に比べて動きが重たく感じられた。それでもやはり今現在の第一人者としての実力を見せつける演技だった。


高橋大輔選手:オペラ座の怪人

冒頭の4回転トウループは手をついてしまう。しかしその後はほとんどミスのない充実した演技を見せてくれた。特に後半に集められたジャンプは苦しいはずだが見事に決めていた。ルッツやフリップの質はとてもよかったと思う。ステップは一番いい時に比べると少し切れが甘かったように見えたが、ともかくこのハードなプログラムを最後まで疲れを見せずに滑り切ったということが素晴らしい。

演技後は涙を見せていたが、今まで何度も経験してきた悔しい思いをこの演技に全てぶつけることができたのだろう。ジュベール選手が決して会心の出来ではなかったこともあり、金メダルを取らせて上げたかったがSPのわずかなミスが響いて惜しくも届かなかった。しかし日本男子初の銀メダルは素晴らしい快挙。ファンの一人としてこの結果を誇りに思うし、感動を与えてくれたことにありがとうといいたい。日本のフィギュアスケートファンにとって記念すべき日になった。


ジェフリー・バトル選手

彼の今の状況からすれば無理に4回転に挑む必要はなかったのではないかという気がする。SPは怪我の影響を感じさせない充実した演技だったが、フリーではミスを連発してしまった。それでもやはり彼らしいきれいなスケーティングは見事だった。


終わってみれば結局最終グループの6人全てが4回転に挑戦し、前のグループでもヴェルネル選手が2回成功させるなど、男子は再び4回転の時代が戻ってきたことを印象づける大会となった。その中で日本の高橋選手が世界のトップを争っているというのはファンにとって実に頼もしいこと。終了後のインタビューで高橋選手本人もコーチの本田さんもさらに上を目指す意欲を明言しており、今後がますます楽しみになる。

追記:23日18時50分

織田選手はコンビネーションジャンプを4回跳んでしまったために最後のコンビネーションに点がつかなかった。プログラム変更についてはSports@nifty青嶋ひろのさんのご意見に賛成。

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コメント

高橋選手本当に良かったですね!
嬉しいの一言に尽きます。
終わってすぐに次の目標を口にしたところに
彼の成長を感じました。
本当に良かった!大ちゃんおめでとう!

-> sashaさん

これまで何度も期待を裏切られてきたことを思うと信じられないですね。本当に頼もしく成長してくれました。いつか本当に世界のトップに立つ日も来るかも知れませんね。興奮して今夜は寝つけそうにありません。^ ^

高橋さん、見事でしたね。
滑り終わった時に泣き出してしまった場面を見て
物凄いプレッシャーだったんだ・・・と私も思い切り
胸が熱くなりました。
明日は女子ですね。楽しみに応援したいと思います。

-> ももこさん

織田選手の泣き顔は見慣れていますが、高橋選手が涙を見せたのには驚きましたね。自国開催でエースとして臨む責任感は大変なものだったのでしょう。彼はこれまで何度も悔しい思いをしてきたので、あるいはそんなことも思い出していたかも知れません。

いよいよ女子が始まりますね。もう今からどきどきします。^ ^

高橋選手、本当に良かったですね。

昨日のすぽるとでも、荒川さんがおっしゃっていましたね。
「全日本の時に最高潮に達していたので、今回の世界選手権までに立て直すのに、大変な努力が言ったのではないかと思います。」と。
華やかな競技ですが、日頃の地道な努力が欠かせないのだと改めて、録画しておいた高橋選手、織田選手の練習風景を特集した番組を観てそう思いました。
才能ある人の大変な努力、またモロゾフコーチの付ききりの指導と、本当にそれらすべてのものが実を結んだ今回の結果だったと思います。

女子は、モロゾフコーチの指導する美姫ちゃんに密かに期待を寄せています。
公式練習中に音楽に乗っての、4回転ジャンプ成功の姿をテレビで観ました。
久々に美姫ちゃんのきれいな4回転ジャンプが観れて、
もしかしたらやってくれるんじゃないかって思います。

高橋選手も「安藤選手の4回転ジャンプは観たいです。」って言っていましたね。

今晩はいよいよ女子ですね。
美姫ちゃん、真央ちゃん、友加里ちゃん、
頑張って欲しいですね!

-> tattiさん

ジャンプの安定感、ハードなプログラムを最後まで滑り切るスタミナ、いずれも日頃の厳しいトレーニングの成果なのでしょう。荒川さんの仰る通り全日本で完璧な演技をした後にもう一度調整し直すというのも大変な努力が必要だったでしょうね。

キス&クライでの長光、モロゾフの喜びようからもチームとして一丸となって努力してきた様子が窺えましたね。映像は映りませんでしたが、解説席の本田コーチの誇らしげな顔も目に浮かぶようでした。


今日はもう一人のモロゾフ門下生の安藤さんの出番ですね。練習で4回転に成功したという心強いニュースも伝わってきましたね。肩の調子はまだ完全ではないようですが、本番へ向けていい調整ができているようです。SPはまず全ての要素をミスなくこなすこと、肩に不安がある中でもあの激しいステップをどれだけ魅せられるかがポイントになると思います。

真央ちゃん、中野さんを含めてみんないい演技になるといいですね!

この瞬間を生で見ることが出来、また応援していた2人が良い結果を出せたのでとても嬉しかったです(ちなみに、ジュベールは、いろんな意味でとても面白いと言うか、可愛らしい所のある選手で、そうゆう姿を生で見れたのがまた楽しかったりしました)ランビ君のフリーも、完璧ではないけれど、久々に彼らしさの出た良い演技でしたし。今、まだちょっと疲れていますが、もう少ししましたら観戦記など書く予定ですので、また見に来て下さいね。

-> モモさん

ごひいきの二人がワンツー・フィニッシュで、モモさんにとっては最高の結果になりましたね。ジュベール選手は最後安全策をとりましたが、それだけ初のタイトルへのこだわりが強かったのでしょう。観戦記楽しみにしております。

まだ疲れが取れていませんが、少しずつ記事を書いていっています。
そこでも書いたのですが、ジュベールは本当にすごく緊張していたのが伝わってきました。で、何だか「今回、優勝出来なかったら自殺しかねないのでは?」と思ってしまうくらいナーバスになっているのが見てとれ、そういった意味でもハラハラドキドキしながら見ていました。現時点では、大ちゃんと彼の差はそんなにないと思うので、是非今後も切磋琢磨してレベルの高い争いをやっていって欲しいです。

-> モモさん

ジュベール選手は心の内が表情に出やすいタイプなんですね。そんなところも彼の魅力なのでしょうか。高橋選手も今大会で世界のトップとほとんど肩を並べる位置にいるということが証明されたと思います。彼らが高いレベルで競い合う男子シングルもますます目が離せなくなりますね。

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