「日米対抗フィギュア2007」エキシビション

2007年10月 7日

昨日に引き続きエキシビションの感想を簡単に。


ライアン・ブラッドリー選手は高さのあるバレエ・ジャンプ、テコンドーのような廻し蹴りに片足着氷のバック・フリップと多芸なところを見せてくれた。人を楽しませるのが根っから好きな選手という印象を受けた。


浅田真央ちゃんの「So deep is the night」は書きそびれていたのだけど前に名古屋で披露した時の動画を見て「今シーズンの真央ちゃんは違う」と目を瞠ったプログラム。「青い衣装を見て一瞬荒川静香さんかと思った」というような感想を述べている方が多くいて、「そんなまさか」と思いつつ見てみたら実際そんな感じだった。

手足の動きに表情があって、何気なくとったポーズがとても美しかったりする。明らかに表現への気配りがこれまでとは格段に違っていることを窺わせた。これはタラソワさんの指導の賜とみて間違いないだろう。タラソワさんは真央ちゃんに内面を表現するよう指導していたようだけど、早くもその成果が表れてきているようだ。最初にタラソワさんに師事すると聞いた時には相性がどうだろうかと気になったが、これだけ見違えるほど演技が違ってきているのは真央ちゃんならではの柔軟な吸収力のなせるわざだろう。

今回の演技も素晴らしかったが、ライティングが衣装の色とほとんど一緒だったのはよくない演出だったと思う。同系統の色でも濃淡を少し変えればもっと真央ちゃんの演技が映えていたはず。誰に責任があるのかわからないけど、今後はもっと工夫して上手に見せて欲しい。

なお使用していた曲はショパンの「エチュード ホ長調 Op.10-3」、通称「別れの曲」として知られる曲に詞をつけて歌にしたもの。歌っているのはレスリー・ギャレットさんというイギリスのソプラノ歌手らしい。日本ではあまり紹介されておらず、国内盤のCDも出ていないが、地元ではとても人気のある歌手らしく、クロスオーヴァー路線も積極的にこなしているようだ。こうした選曲も外国人コーチに師事している成果といえそうだ。


高橋大輔選手は今シーズンのSP、「白鳥の湖」のヒップホップ調アレンジを披露してくれたのだが、事前に青嶋ひろのさんが興奮気味に紹介して下さったように実に斬新なプログラムだった。こうしたプログラムは普通「おもしろい」とは思ってもなかなか深い感銘を受けるような演技にはならないものだ。しかしさすがに高橋選手だけあっていささか奇を衒ったような選曲でも存分に持ち味の表現力を発揮していた。特に彼のアグレッシヴな面が強調された、興味深いプログラムだと思う。今シーズンを通してこれからどんな風に仕上っていくのかとても楽しみだ。


最後にTBSの放送について一言。

昨日は全ての選手の演技を放送してくれてよかったのだけど今日はまた3人の演技がダイジェストになってしまったのは残念。それから真央ちゃんの「So deep is the night」や高橋選手の「バチェラレット」を“今シーズンのフリー”というなど、実況の戸崎アナウンサーが選手のプログラムをよく把握していないことが露呈してしまっていた。

キャロライン・ジャンちゃんのスピンを“パール・スピン”と呼ぶのは知らなかったけど、多分レイバックのポジションからキャッチ・フットしてフリー・レッグと両腕で円を描いた状態のことを指すのだと思う。解説の八木沼純子さんはちょうどそのタイミングで指摘していたのに、戸崎アナウンサーは普通のビールマン・スピンのポジションになったところで「これですね」と言っていた。おそらくアメリカの一部のファンの間で広まりつつある愛称を拾ってきて彼女のキャッチコピーにしたのだろうけど、それならそれで番組スタッフの間に共通理解が徹底していて然るべきではないだろうか。

村主章枝さんの紹介VTRのBGMに「トゥーランドット」を使用していたのもいかがなものかと思う。選手のプライドへの配慮が足らないのではなかろうか。今後の反省材料として改善に取り組んで欲しい。

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コメント

見ていたのですが、体調不だったため、あまりきちんと見れてません(滝汗)大ちゃんの今季のショートは、アルバンがそういうプログラムっぽいことがありますが、エキシビっぽいプログラムでしたね。まだちょっと見慣れない感じですが、滑り込んでいくと、かなり面白いのではと思いました。
ちなみに、私も「バチェラレット」をフリーと言ったのには瞬時につっこみをいれましたよ。今季のエキシビとして、すでに何回も滑っていますので、間違えないで欲しかったです(怒)

-> モモさん

ヒップホップ調「白鳥の湖」は確かにエキシビション風のプログラムでしたね。これを競技の場で見られるというのは楽しみですね。とても印象的なプログラムだと思います。

今シーズンのフリーは前日の競技で見せた「ロミオとジュリエット」だとわかっているはずなんですけどね。しかも「バチェラレット」はヴォーカル入りなのであり得ないのですが。今回の放送は全体としてはまずまずいい内容だったと思うのですが、細かい部分でツッコミどころが満載でした。

季節の変わり目ですので体調には十分気をつけて下さいね。

真央ちゃんの演技の強弱にはTVを見ながら拍手を送りました。
中継を見ていて、選手への配慮の無さを感じました。
伝える側のスタンスを考えてほしいと思いました。

-> moonさん

真央ちゃんは本当に成長の跡が著しいですね。大人のスケーターへと様変わりしつつあるのを感じます。

放送に関してはもっと酷いものを何度も見てきたので、今回は比較的落ち着いて見られるいい内容だったと思います。ただ細かい部分で「あれ?」というところがいくつか見られましたね。

こんにちは!お久しぶりです。
今季の新シーズン始まりましたね!
GPSまでまだ期間がありますが、始まったら毎週忙しくなりそうですね。
日米、真央ちゃんのSPに驚かされました。動きもダイナミックになって各要素の技もこれ以上上げようのないくらいにすごくなっていて。雰囲気も大人っぽくなりましたね。
TBSの実況、EXの曲なのにフリーと言っていたのはよくなかったです。フィギュアスケートにあまり理解がないような気がしました。

-> mizukaさん

お久しぶりです! シーズン始まってまた落ち着かない日々が続きそうですね。

真央ちゃんこれまでと全く雰囲気が違っていましたね。女子では初めてステップでレベル4をもらったそうで、本当に能力の高さに驚かされます。

戸崎アナウンサーはフィギュアスケートの実況の経験も豊富なはずなんですけどね。些細な間違いとはいえちょっと興醒めしてしまいましたね。

この番組、2日ともゴールデンで、なおかつ美姫ちゃんも真央ちゃんも出ているのに、視聴率は良くなかったようで、ちょっとビックリしています。去年はもっと良かったようなのですが、、、。個人的には、食事の時間帯であり、アニメやバラエティーとかぶる7時からより9時からの方が良かったのかなとも思ったりするのですが、、、。もうすぐグランプリシリーズですが、今年は去年のファンの声を考慮していないのか、さらに女子集中型の放送で、大輔君が出るアメリカ大会のショートの地上波放送はないようです(号泣)アメリカ大会は小塚君も出る予定なので、放送があってもいいと思うのですが。テレ朝のホームページには大輔君をトップページに持ってきているのに、、、。さらにペア競技はどうやらCSに放送が振り分けられてBSではやらないようなので、ペア競技が好きな身としては、期間限定でCS加入をしようかと思っています。

ええっと、何か愚痴っぽくなってしまいましたが、お知らせがあってまいりました。ご存知かもしれませんが、日本女子スケーターの公式ブックが発売になりましたが、まだほとんど読めてませんがなかなか良い内容のものだと思います。太田さんのロングインタビューも載っていますし、ご覧になってはいかがでしょうか?綺麗な写真も多いですし、オススメだと思います。ちなみに、去年まで唯一の国内外の男子スケーターの本を取り扱っていた出版社が最近倒産してしまったようで、ショックを受けています、、、。

-> モモさん

視聴率あまりよくなかったのですね…。シーズン前の調整段階の試合としては各選手ともまずまずの出来だったのですが、そういう意味では男女とも日本が敗れたのはまずかったかも知れませんね。

GPSの扱いも去年より小さくなっているのは残念です。深夜でもいいから放送してくれるといいのですが…。


「公認ブック」のお知らせありがとうございます。あちこちで情報は目にしているのですがまだノーチェックでした。かなり充実した内容のようなので今度チェックしておこうと思います。

倒産したというのはあおば出版のことでしょうか。スポーツアイなどもそうですが、こういうのは残念なことですね。でもDAI-X出版のように新たに生まれる出版社もあることですし、フィギュアスケートへの情熱が世の中に充満している限りはそれを扱うジャーナリズムも途絶えることはないのではないでしょうか。

そうです、あおば出版です。この出版社は漫画など他のものでも好きな分野のものがありましたので、倒産したと知り、かなりショックを受けました。全般的に質的にはなかなか良い物を出していたように思うのですが、小さな出版社だったようなので、厳しかったのかもしれません。

-> モモさん

あおば出版って私はあまりよく知らなかったのですが、小さくても質のいい本を出している出版社がなくなってしまうのは残念ですね。インターネットの普及もこうした小さな出版社にとっては逆風になったのかも知れませんね。

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